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叶わぬ恋に祝福を
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「あの、お姉さま? どうなさったのですか?」
早朝、リリィベルはほぼ無理矢理デュクスに連れてこられ、城下街へと訪れていた。
胸元を隠すように新たにショールを肩から下げ、肌に残った濃密な夜の証を隠す彼女の頬は先ほどから真っ赤だ。
常にはなくデュクスの腕をギュッと腕に抱きしめ、ずっと俯いている。
その左手の薬指には、昨日まではなかった指輪が嵌まっていた。
「私と婚約したことが恥ずかしいらしい。ずっとこの調子だ」
リリィベルを腕にぶら下げたデュクスは、口調こそ呆れたものだがその表情は酷く嬉しそうである。
ここ半月で人間らしい感情を徐々に覚えつつあるリリィベルは、朝、朝陽の光りと気だるさで目が覚めたとき、デュクスから正式にプロポーズを受けた。
嬉しい、という感情の中、昨晩の激しい閨のときも「結婚しよう」と言われたことを思い出し、その記憶がどうしても交差してしまい嬉しさと恥ずかしさの合間で戦っているのである。
身体の奥にまだデュクスの身体の一部が埋もれているような感覚が残るのも、彼女がずっと顔を上げられない要因だった。
「そちらも、首尾よくいったようだな」
そんなリリィベルを置いてきぼりにして、デュクスはハレスの様子にニヤッと笑んだ。
メアリーとハレスは、一晩経って明らかに雰囲気が変わった。
その距離感も同様で、ハレスはずっとメアリーを気遣うように彼女の腰を抱いている。
一晩、愛し合ったであろうことは明らかだった。
だが当人のメアリーは一晩の幸せを胸に戦場に赴く兵士のごとく、その表情が浮かない。
「とても……良い思い出ができました」
今にも泣きそうなのに、彼女は無理矢理微笑んでいる。
その表情に、デュクスの眉間に皺が寄った。
「ハレス」
「皇帝陛下のご命令には逆らえません」
「…………」
短い彼等の会話を耳にしながらも、リリィベルはやはりクリストフェルが一枚噛んでいるのだ、と自分の予測が正しかったことを悟った。
メアリーは、セルジュの罪を償うために想ってもいない男と政略結婚させられる。
恐らくデュクスはそれならメアリーと交わり既成事実を作って結婚を迫るなりなんなり助言するも、堅物なハレスは皇帝であるクリストフェルの命令には逆らえないのだと、そう返したのではないだろうか。
「……祭りはこれからだ。お前も後悔したくないなら、さっさと言ってしまったらどうなんだ」
もう早朝だというのに、祭りはまだ続くのだろうか、とリリィベルはチラッとデュクスを見上げる。
「閉幕の挨拶を陛下がなさるんだ。城へ行こう」
「……?」
こんな朝っぱらから? と不思議に思っていたが、城下街にはちらほらと、まるで身分を隠すように野暮ったいローブを頭から被った男女が足早に城へと向かっている。
昨晩、運命的に想いを通じ合わせた男女なのだろうが、何故城へ? と疑問を胸に、リリィベルも先行く者たちの後を追うように、四人並んで城へと向かった。
「我が愛しき民たち。あなた方が身分を超え、愛を囁き合ったこと、リリィベル様の名の元、わたくしはこの胸に秘めましょう」
城の正面、広い庭園の中に集まった者たちの中、その最後尾につき、リリィベルは四人でこの国の『皇帝』の言葉を耳にしていた。
そこにいたのは、クリストフェルではない。
クリストフェルの代理として国民の前に立つという、この国の民なら誰でも知る皇帝の姿だった。
そしてその人は、女性だった。
「皇后陛下だ。『リリィベルの生誕祭』を仕切っている」
こそっとデュクスが耳打ちして教えてくれる。
やっと落ち着いてきたリリィベルは、城のバルコニーに立つ皇后だという女性をジッと見つめた。
「ここに集ったということは、真実の愛である証。叶わぬ恋だというのであれば、今ひと時、わたくしができることをしましょう」
言いながら、皇后の声と共に数名の侍女たちが何か大きな箱を持ってくる。
「いまここで、わたくしが見守ります。愛を誓い合いなさい」
侍女たちが箱を開けると、そこには簡易的なウエディングドレスとタキシードが入っていた。
「あなた方に、リリィベル様の奇跡が起こりますように」
数組の男女は、その箱の方へと歩み寄っていく。
だがメアリーとハレスの足はそこへは向かなかった。
メアリーの細い肩が小さく震えており、それをハレスが気遣わし気に背を撫でてあやしている。
もうすぐ政略結婚をさせられる身である彼女は、これ以上思い出がほしくないのだろう。
おそらくここに集った者たちは、この簡易的な結婚式を見届けられた後、この街を、国を、去るのだろう。
それを皇后が見守るということは、家族の――逃げ出した者の家からの追手の手から守ってくれるということだ。
叶わぬ恋であるというなら、叶う場所へ行けと。
そしてそれは、この日だけは特別に許されるのだと。
「…………」
リリィベルは、それが納得できなかった。
恐らくこれは、リリィベルの御伽噺を広めるため、この国から出て行った民たちが自分たちの馴れ初めを子に話し、子から孫へ、孫からひ孫へと物語が忘れ去られないよう、未来へつなぐために行っていることなのだろうが、もうリリィベルの御伽噺を広める必要はない。
もう闇の魔女は死んだのだ。
闇の魔女を殺すための言霊など、もう必要ない。
家族より、故郷より、愛する人を選んだ者たちがドレスやタキシードを手に取っていく。
それを見つめていたリリィベルは、そっと自分の胸に手を押し当てた。
(私には、もう誰かに祝福を贈ることはできないの……?)
闇の魔女だった頃のような、あんな死に際の祝福ではなく、未来ある者たちのために何かできないのか。
そのとき、ちらりと自分の左手の薬指に嵌まった指輪が目に入った。
デュクスに贈ってもらったものだ。
「…………」
スズランの花を模し、花の彫刻の中には色とりどりの宝石が埋め込まれている。
まるで、彼と初めて見た、スズランの花畑のような色とりどりの――。
――リンリン……
どこからともなく、鈴の音がする。
ふと顔を上げると、キラキラ光る何かが一粒、リリィベルの目の前に降ってくる。
『これはあなたの詩ですよ』
不思議な透明感のある吟遊詩人の声が、脳内に木霊する。
光るそれに手を差し伸べると、キラキラ光るそれはスッとリリィベルの中に溶けていった。
(あぁ……これが私の……)
すっ、とリリィベルは人々へと向かい、手を差し出す。
「リリィベル? どうした?」
不思議そうにするデュクスの腕をギュッと左腕で抱き込み、リリィベルは小さく微笑んだ。
「私からの祝福よ」
その言葉の後、ブワッと周囲に風が吹き抜け、周囲が真っ白に染まる。色とりどり様々な花々を咲かせていた庭園が、スズランの花畑へと変わっていく。
突然のことに驚く者たちは、再び驚いていた。
簡易的な婚礼衣装は手から消え、自分たちが身に纏うモノがスズランに祝福されているかのような美しい豪奢なそれに代わったからだ。
ハレスとメアリーの身に纏っていたものも、リリィベルの力で婚礼衣装に代わり、続けざまにスズランを鈴に模し、協会の鐘の音のように奏でた。
――リンリン、リンリン、リンリン。
そしてそれを、城だけではなく、城下街中へと木霊させていく。
街中が、何事だと騒ぎ出す。
見えないはずなのに、リリィベルにはそれが手に取るように分かった。
「私、もう悲しい恋は見たくないの」
言って、天高く放るようにして、白い魔力の玉を空へと投げ放つ。
それは城の屋根より高く飛ぶと、パンッと弾け、空から城下街中へキラキラと光るスズランの花が舞った。
茫然とそれを庭園の中で見つめていたのは、皇后も同じだった。
目を見開き、そして背後を振り返っている。
誰かがいる。
皇后の背後から、小さな影が現れた。
「姉様がお前たちに祝福を贈ってくださったようだね」
クリストフェルが皇后の隣に立つと、最高権力者である皇后がその場に膝を折る。
あれは誰だ、と皆が騒ぐ中、高位貴族がこの中に混じっていたのだろう、「真の皇帝陛下だ」と叫び、その場に膝を付く。
それを耳にし、どういうことだと困惑する者たちはしかし、クリストフェルの紫色の眼差しで見つめられ、その圧倒的な魔力量と高貴な身であることがすぐわかる威厳に平伏すように膝を折っていった。
「これは祝福だ。高い魔力を持つ者にしかない、この世の奇跡。この世の道しるべ。彼女はお前たちの恋がこの国で実ることを望んでいる」
ふわっ、とクリストフェルはバルコニーから浮かび上がり、階下へと降り立った。
「御伽噺と馬鹿にして信じない者たちの願いなど叶えるつもりはないが、ここに集ったお前たちは、御伽噺の物語に縋り、恋を成就させようとした。そして今年は彼女を示すスズランが降ってくるという奇跡が起きた。これを軽視することはない」
クリストフェルは地面に咲き誇るスズランの花を一輪手折る。
手折られたスズランの花は、リンリン、と鈴のように鳴った。
「小さなユリの・鐘の音。婚礼の手向けにぴったりだね」
ちらり、とクリストフェルの視線がリリィベルへと向けられる。
そして彼は、悪戯が成功した子供のようににっこりと微笑んだ。
「ここに集った者たちの婚礼を、この僕が認めよう。誰にも文句は言わせない。邪魔もさせない。エリヴァ皇国皇帝クリストフェル・エリヴァの名の元に、お前たちの婚姻の受理と、これからの未来に祝福を」
早朝、リリィベルはほぼ無理矢理デュクスに連れてこられ、城下街へと訪れていた。
胸元を隠すように新たにショールを肩から下げ、肌に残った濃密な夜の証を隠す彼女の頬は先ほどから真っ赤だ。
常にはなくデュクスの腕をギュッと腕に抱きしめ、ずっと俯いている。
その左手の薬指には、昨日まではなかった指輪が嵌まっていた。
「私と婚約したことが恥ずかしいらしい。ずっとこの調子だ」
リリィベルを腕にぶら下げたデュクスは、口調こそ呆れたものだがその表情は酷く嬉しそうである。
ここ半月で人間らしい感情を徐々に覚えつつあるリリィベルは、朝、朝陽の光りと気だるさで目が覚めたとき、デュクスから正式にプロポーズを受けた。
嬉しい、という感情の中、昨晩の激しい閨のときも「結婚しよう」と言われたことを思い出し、その記憶がどうしても交差してしまい嬉しさと恥ずかしさの合間で戦っているのである。
身体の奥にまだデュクスの身体の一部が埋もれているような感覚が残るのも、彼女がずっと顔を上げられない要因だった。
「そちらも、首尾よくいったようだな」
そんなリリィベルを置いてきぼりにして、デュクスはハレスの様子にニヤッと笑んだ。
メアリーとハレスは、一晩経って明らかに雰囲気が変わった。
その距離感も同様で、ハレスはずっとメアリーを気遣うように彼女の腰を抱いている。
一晩、愛し合ったであろうことは明らかだった。
だが当人のメアリーは一晩の幸せを胸に戦場に赴く兵士のごとく、その表情が浮かない。
「とても……良い思い出ができました」
今にも泣きそうなのに、彼女は無理矢理微笑んでいる。
その表情に、デュクスの眉間に皺が寄った。
「ハレス」
「皇帝陛下のご命令には逆らえません」
「…………」
短い彼等の会話を耳にしながらも、リリィベルはやはりクリストフェルが一枚噛んでいるのだ、と自分の予測が正しかったことを悟った。
メアリーは、セルジュの罪を償うために想ってもいない男と政略結婚させられる。
恐らくデュクスはそれならメアリーと交わり既成事実を作って結婚を迫るなりなんなり助言するも、堅物なハレスは皇帝であるクリストフェルの命令には逆らえないのだと、そう返したのではないだろうか。
「……祭りはこれからだ。お前も後悔したくないなら、さっさと言ってしまったらどうなんだ」
もう早朝だというのに、祭りはまだ続くのだろうか、とリリィベルはチラッとデュクスを見上げる。
「閉幕の挨拶を陛下がなさるんだ。城へ行こう」
「……?」
こんな朝っぱらから? と不思議に思っていたが、城下街にはちらほらと、まるで身分を隠すように野暮ったいローブを頭から被った男女が足早に城へと向かっている。
昨晩、運命的に想いを通じ合わせた男女なのだろうが、何故城へ? と疑問を胸に、リリィベルも先行く者たちの後を追うように、四人並んで城へと向かった。
「我が愛しき民たち。あなた方が身分を超え、愛を囁き合ったこと、リリィベル様の名の元、わたくしはこの胸に秘めましょう」
城の正面、広い庭園の中に集まった者たちの中、その最後尾につき、リリィベルは四人でこの国の『皇帝』の言葉を耳にしていた。
そこにいたのは、クリストフェルではない。
クリストフェルの代理として国民の前に立つという、この国の民なら誰でも知る皇帝の姿だった。
そしてその人は、女性だった。
「皇后陛下だ。『リリィベルの生誕祭』を仕切っている」
こそっとデュクスが耳打ちして教えてくれる。
やっと落ち着いてきたリリィベルは、城のバルコニーに立つ皇后だという女性をジッと見つめた。
「ここに集ったということは、真実の愛である証。叶わぬ恋だというのであれば、今ひと時、わたくしができることをしましょう」
言いながら、皇后の声と共に数名の侍女たちが何か大きな箱を持ってくる。
「いまここで、わたくしが見守ります。愛を誓い合いなさい」
侍女たちが箱を開けると、そこには簡易的なウエディングドレスとタキシードが入っていた。
「あなた方に、リリィベル様の奇跡が起こりますように」
数組の男女は、その箱の方へと歩み寄っていく。
だがメアリーとハレスの足はそこへは向かなかった。
メアリーの細い肩が小さく震えており、それをハレスが気遣わし気に背を撫でてあやしている。
もうすぐ政略結婚をさせられる身である彼女は、これ以上思い出がほしくないのだろう。
おそらくここに集った者たちは、この簡易的な結婚式を見届けられた後、この街を、国を、去るのだろう。
それを皇后が見守るということは、家族の――逃げ出した者の家からの追手の手から守ってくれるということだ。
叶わぬ恋であるというなら、叶う場所へ行けと。
そしてそれは、この日だけは特別に許されるのだと。
「…………」
リリィベルは、それが納得できなかった。
恐らくこれは、リリィベルの御伽噺を広めるため、この国から出て行った民たちが自分たちの馴れ初めを子に話し、子から孫へ、孫からひ孫へと物語が忘れ去られないよう、未来へつなぐために行っていることなのだろうが、もうリリィベルの御伽噺を広める必要はない。
もう闇の魔女は死んだのだ。
闇の魔女を殺すための言霊など、もう必要ない。
家族より、故郷より、愛する人を選んだ者たちがドレスやタキシードを手に取っていく。
それを見つめていたリリィベルは、そっと自分の胸に手を押し当てた。
(私には、もう誰かに祝福を贈ることはできないの……?)
闇の魔女だった頃のような、あんな死に際の祝福ではなく、未来ある者たちのために何かできないのか。
そのとき、ちらりと自分の左手の薬指に嵌まった指輪が目に入った。
デュクスに贈ってもらったものだ。
「…………」
スズランの花を模し、花の彫刻の中には色とりどりの宝石が埋め込まれている。
まるで、彼と初めて見た、スズランの花畑のような色とりどりの――。
――リンリン……
どこからともなく、鈴の音がする。
ふと顔を上げると、キラキラ光る何かが一粒、リリィベルの目の前に降ってくる。
『これはあなたの詩ですよ』
不思議な透明感のある吟遊詩人の声が、脳内に木霊する。
光るそれに手を差し伸べると、キラキラ光るそれはスッとリリィベルの中に溶けていった。
(あぁ……これが私の……)
すっ、とリリィベルは人々へと向かい、手を差し出す。
「リリィベル? どうした?」
不思議そうにするデュクスの腕をギュッと左腕で抱き込み、リリィベルは小さく微笑んだ。
「私からの祝福よ」
その言葉の後、ブワッと周囲に風が吹き抜け、周囲が真っ白に染まる。色とりどり様々な花々を咲かせていた庭園が、スズランの花畑へと変わっていく。
突然のことに驚く者たちは、再び驚いていた。
簡易的な婚礼衣装は手から消え、自分たちが身に纏うモノがスズランに祝福されているかのような美しい豪奢なそれに代わったからだ。
ハレスとメアリーの身に纏っていたものも、リリィベルの力で婚礼衣装に代わり、続けざまにスズランを鈴に模し、協会の鐘の音のように奏でた。
――リンリン、リンリン、リンリン。
そしてそれを、城だけではなく、城下街中へと木霊させていく。
街中が、何事だと騒ぎ出す。
見えないはずなのに、リリィベルにはそれが手に取るように分かった。
「私、もう悲しい恋は見たくないの」
言って、天高く放るようにして、白い魔力の玉を空へと投げ放つ。
それは城の屋根より高く飛ぶと、パンッと弾け、空から城下街中へキラキラと光るスズランの花が舞った。
茫然とそれを庭園の中で見つめていたのは、皇后も同じだった。
目を見開き、そして背後を振り返っている。
誰かがいる。
皇后の背後から、小さな影が現れた。
「姉様がお前たちに祝福を贈ってくださったようだね」
クリストフェルが皇后の隣に立つと、最高権力者である皇后がその場に膝を折る。
あれは誰だ、と皆が騒ぐ中、高位貴族がこの中に混じっていたのだろう、「真の皇帝陛下だ」と叫び、その場に膝を付く。
それを耳にし、どういうことだと困惑する者たちはしかし、クリストフェルの紫色の眼差しで見つめられ、その圧倒的な魔力量と高貴な身であることがすぐわかる威厳に平伏すように膝を折っていった。
「これは祝福だ。高い魔力を持つ者にしかない、この世の奇跡。この世の道しるべ。彼女はお前たちの恋がこの国で実ることを望んでいる」
ふわっ、とクリストフェルはバルコニーから浮かび上がり、階下へと降り立った。
「御伽噺と馬鹿にして信じない者たちの願いなど叶えるつもりはないが、ここに集ったお前たちは、御伽噺の物語に縋り、恋を成就させようとした。そして今年は彼女を示すスズランが降ってくるという奇跡が起きた。これを軽視することはない」
クリストフェルは地面に咲き誇るスズランの花を一輪手折る。
手折られたスズランの花は、リンリン、と鈴のように鳴った。
「小さなユリの・鐘の音。婚礼の手向けにぴったりだね」
ちらり、とクリストフェルの視線がリリィベルへと向けられる。
そして彼は、悪戯が成功した子供のようににっこりと微笑んだ。
「ここに集った者たちの婚礼を、この僕が認めよう。誰にも文句は言わせない。邪魔もさせない。エリヴァ皇国皇帝クリストフェル・エリヴァの名の元に、お前たちの婚姻の受理と、これからの未来に祝福を」
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