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6:カタリナと保護者たち side男子生徒

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「わぁ……。綺麗な人たちですね」
「ん?あぁ、ブラッドリーと保護者たちか」


 学園内を案内してもらっている真新しい制服に身を包んだ男子生徒が、廊下の先に歩く人たちを見て目を輝かせる。
 
 隣を歩く上級生は男子生徒の視線を辿って、気だるげに言った。

 
「保護者?どういう意味ですか?」
「そのまんまの意味さ。真ん中にいるのが学園長の姪っ子であるカタリナ・ブラッドリー。右にいるのがいつも彼女の側にいるマクシミリアン・ユーベルヴェーク。左にいるのが見た目は学生と見間違えるほど若いが、この学園の先生であり年齢不詳のハーフエルフ」


 へぇ――。
 さすが、平民から貴族が集う学園。色んな人がいるんだな。学園長の姪っ子に公爵家の子息までいるなんて、いいタイミングで入学したかもしれない。
 ん?何かおかしいぞ?

 スラスラと出てくる言葉に感心していると、男子生徒はあることに気付く。
 

「ちょっと待ってください!ユーベルヴェーク!?公爵家の血縁者ですか!?王子様が保護者?」
「シッ!静かに。だから、保護者なんだ。公爵家の子息を従者なんて呼んでみろ。首がいくつあっても足らないぞ」
「なるほど……」
「あの二人の他にもブラッドリーの保護者はいるが……。まぁ、学園で生活してたら知っていくだろう。いいか。外部入学のお前のために教えてやる。この学園で生き残るために長いものには巻かれて、波風立てないで生活すること。苦労して入ったのに退学にはなりたくないだろ?」
「勿論です!」


 必死に勉強をしてやっと入れたんだ。退学なんてさせられたら、応援してくれている母さんになんて言えばいいのか。
 

 恐怖で震える新入生がコクコクと首がもげそうになるぐらい頷く。

 同じく平民の上級生は一年先輩だけあってか、すでに貫禄さえ感じる悟った顔にイタズラな笑顔を浮かべる。


「では、改めて。学園へようこそ。くれぐれも退学にはなるなよ」
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