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リベンジ!!クリスマス☆②
しおりを挟む「響さんっ!」
俺の姿を見つけると美晴が満面の笑みを浮かべてタタタ…と駆けよってくる。愛おしくて思わずその場で抱きしめたくなる。
「よぉ、悪いな待たせて」
「ううん。もう終わったんですか?お仕事」
「あぁ、大丈夫だ。この後は朝までずっと空いてるぞ」
「そ、そうですか。よかった」
“朝まで”が引っかかったのか、美晴は少し頬を染めて俯いた。
「ありがとな、大輝」
「ああ」
美晴の前で妙なボロを出さないように互いに言葉少なに別れの挨拶をするが、ラインでいろいろとやり取りはしてある。…ちゃんと改めて礼はするからな。
「あ、大輝さん、今日はありがとうございました。…響さん、ドバイのお土産にチョコもらいましたよ、僕たちにって」
「げ。マジかよ。悪いな、大輝」
「はは!大したものじゃない。じゃあまたな二人とも!今度こそ三人で食事に行こうなー」
そう言うとヒラヒラと手を振りながら大輝は颯爽と去って行った。
礼なんか一切いらないと言われていたが、いろいろよくしてもらって本気で何もナシって訳にはいかない。次会った時は何かいいもの奢ってやろう。
……さて。ようやく二人きりだ。
「……会いたかったか?美晴」
俺は横に立つ美晴の頬を少し撫でる。
「はい、すごく」
素直にそう答えてそばに寄り添ってくる。今すぐマンションに連れて帰って二人きりになって朝までいちゃいちゃしたいけど、せっかく出てきたんだからイルミネーションを楽しんでから帰ろう。ディナーも予約してあるしな。
「うわぁ!すっごいツリーですね!可愛い」
「だな。どこもかしこも飾ってあるな」
デパートの1階にある巨大なツリーを見上げて美晴が目を輝かせる。
「いろんなツリーが見られて楽しいですよね!この銀色一色のオーナメントもすごいオシャレですね」
「ああ」
はしゃぐ美晴を連れてウインドーショッピングをする。何か欲しがらねぇかなー。何でも買ってやるのに。
「ふふ、見てください響さん。あの置物可愛い。クリスマスらしくて」
「お!欲しいか?」
「いえ、別に」
ちっ。
「何か欲しいものないのかよ。クリスマスプレゼントに」
「いえ、特にないです。こうして一緒にいられるだけで充分」
「……。」
「響さんと過ごせるクリスマスイブなんて、それだけでもうこれ以上ないくらい最高のプレゼントですよ。ふふ。……僕幸せです」
「……。ふ、そうかよ」
全世界に向かって叫びたい。
ぐあぁぁぁ!!可愛いぃぃぃ!!
見てくれ皆!この最高に可愛いことを言う可愛い子は俺の恋人だ!信じられねぇだろ?!この可愛さ!誰にもやらねぇぞ!!
デレデレニヤけるのが恥ずかしくてわざと「あっそ」みたいな態度でいたが、頭の中では美晴の可愛さに耐えきれず悶えまくっていた。
日が沈んできて、街中のイルミネーションが美しく灯りはじめた。大通りの街路樹からデパートの間の広場まで、あらゆるところに幻想的な光が輝き今日という特別な夜をロマンチックに彩っている。うっとりと周囲を見渡しながらフラフラ歩く美晴の手をとり、ディナーの予約をしたレストランまで連れて行く。
「す、すごいところですね……」
「たまにはいいだろ。それっぽくて」
「ふふ。クリスマスの恋人同士ってかんじですね。嬉しい」
こんなちゃんとした高級レストランに来たのはいつ以来だ…?普段の週末はごくごく普通のデートしかしてない。家でのんびり過ごしたり。あのクルージングディナーの時以来じゃないか?…あ、まぁでもタヒチには行ったか。
一品運ばれてくるたびに歓声をあげる可愛い美晴と共に食事を楽しみ、デザートが来ると、美晴はもそもそしながら自分のカバンを漁りはじめた。
「響さん、これ…。クリスマスプレゼントです」
「……。へっ?」
プレートの上の甘ったるい小さなケーキのようなものをつついていた俺は、全く予想していなくて変な声が出た。そ、そうか。俺がこれだけいろいろ計画立てるぐらいだから、当然美晴も何か考えてくれたりする可能性はあるわけで。……げー、めっちゃ嬉しい。
「…ありがとな、美晴。……何?これ」
美晴が頬を染めながら満面の笑みで差し出した薄い長方形の箱を受け取りながら尋ねる。
「ふふ。何でしょう。開けてみてください。……き、気に入ってもらえるかなぁ……、僕あまりセンスないから、あれなんですけど……」
急に緊張してもじもじし始める美晴。
「いやお前からのプレゼントなんて何貰っても嬉しいに決まってるだろ。食いかけのパンでも喜んで貰うわ」
「そ、そんなものあげるわけないじゃないですか…」
そんな会話をしながら手元の箱に目を落とした俺は、今度こそ本当に驚いた。ゴールドのリボンがかかったその黒い箱に、俺の好きなブランドのロゴがあったからだ。
「げっ!…お、お前……っ、こんなに金遣うなよ!」
「たまにはいいじゃないですか。いつものお礼ですよ。そんなこと言わずに素直に受け取ってください。僕普段何も遣うことないんだから、せめて特別な日には特別な贈り物がしたいんです」
「美晴……」
(なんて健気なんだこいつは……)
その優しさにジーンとしながらリボンを解いて箱を開けると、趣味の良いマフラーが入っていた。
「おぉ……!」
「本当はコートとか買いたかったけど、ちょっとお値段がすごすぎて怖くて…」
「バカ言うな破産する気か。これでも充分すぎるわ。……すげぇ嬉しいよ。ありがとな美晴」
「ふふ」
ニコニコ笑っている美晴が愛おしすぎて、今すぐ抱きしめてキスしたくなる。もう一生使うしかない、このマフラー。ボロボロになっても絶対に捨てねぇぞ。
「…俺からのプレゼントは、家に帰ってからな」
「えっ、プ、プレゼントまであるんですか?す、すみません……ありがとうございます」
ないわけねーだろ。こんな特別な日に。恥ずかしそうにする美晴が可愛くて、俺は言った。
「……早く帰ろう。さっさと食って」
「は、はい」
レストランを出ると空はもう真っ暗で、吐く息が白い。二人で並んで歩いていると、大きな広場でクリスマスマーケットがあっている。美晴がそわそわしだしたので立ち寄ってみることにした。
暖かい色のイルミネーションに彩られた三角屋根の店舗がたくさん並んでいる。スノードームやマトリョーシカ、スパイスやチーズ、ガラス細工など様々なものが売ってある店を美晴は興味津々の顔で眺めながら歩いている。
「……すごぉーい……、……わぁ、可愛い…」
目をキラキラさせている美晴から目が離せない。ずっと見ていたくなる。
美晴にホットチョコレート、自分にホットワインを買ってブラブラと歩きながら、俺は空いた片手でそっと美晴の手に指を絡める。
「っ?!……ひっ、響さん……」
「何だよ」
「な、何だよって……。こんなに人がいるのに……」
「別にいいだろ。誰も俺たちの手なんか見てねぇよ」
「……。」
美晴は恥ずかしそうに俯きながらも、自分の指にキュ、と少し力を込めて握ってくる。
「…………。」
たったそれだけのことで、なんだか無性に体が熱くなり、俺はその指を自分の指ですりすりと擦ってみる。美晴はピクッと肩を震わせると唇を結んで耳を赤くしながら困ったような顔をしている。
(……可愛い)
「……帰ろうぜ、美晴」
たまらず俺はそう声をかけた。もっと触れたくなったからだ。
美晴は黙って頷いた。
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