私が転生したのは腐女子に優しい世界でした

支倉りおと

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東城学園はイケメンの巣かなにかですか?

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 お受験をした時にも思ったけれど、さすが東城学園というか馬鹿でかい。

 今日から私達が通う事になる東城学園というのは東城財閥というこの世界での屈指のお金持ちが経営している学園で、学業もスポーツも群を抜いて優秀な生徒が集まる学園だ。
 佐々倉家はごく普通の家庭だけど、この学園に通う生徒のうち数パーセントは上流階級の子息や令嬢が居るから設備も充実している。
 寄付金なんかも集まる額が違う。寄付はお金持ちがしてくれるから、一般生徒には寄付金は求められない。そこはありがたい。東城財閥偉い。

 そしてどうして私がこの学園に通う事を決めたかと言うと、お兄ちゃんやなっちゃんが通っていたと言うのも理由の一つだけど、実はこの学園の男女比が9:1で圧倒的に男子が多いのだ。しかもイケメンが多いのだ。
 毎年出回る東城学園の男子人気ランキングを見る限りイケメンぞろいで、腐女子の私にはパラダイスがすぎる。
 
 これから毎日毎日イケメン見放題な上、BLが普通の世界だからそこらでイケメンのイチャイチャが見れると思うと色々な所が滾る。
 ぐふふふふ笑いが止まらないではないか。妄想力の発揮し所だと今からワクワクしている。
 あー楽しみだな。学園生活万歳じゃん。

 そうこうしているうちに入学式会場のある講堂へたどり着いた。

「陽菜大丈夫か?冬月が一緒だから大丈夫だとは思うけど、兄ちゃんもナツも生徒会のメンバーとして講堂には居るからなにかあったらすぐに来るんだぞ」

「もう、お兄ちゃん心配しすぎだよ。ふーちゃんもいるし大丈夫だよ」

 そう言うと私はふーちゃんと手を繋いだ。
 隣でコクコクと頷くふーちゃん。

「だって心配だよ~陽菜ぁやっぱり俺、陽菜の椅子になる陽菜、俺お膝に座って入学式出よ、そうしよ」

 なんてアホな事を言い出したなっちゃんを引きずるようにお兄ちゃんが連れて行った。
 なっちゃん……いつからお兄ちゃん以上に私の心配をするようになったんだろう?
 そんな疑問を思った事も数分と持たずに忘れ去ってしまった。

「ごめんな陽菜。馬鹿な兄貴で……。とりあえず行くか」

「うぅん。大丈夫だよ。気にしてないよそれより行こう」

 いつも冷静なふーちゃん。ふーちゃんはお兄ちゃん達の信頼も厚い。でも……。
 私に対する身体的接触の頻度は一番高いんだよね。
 
 ふーちゃんだからいっか。と思ってしまう私が悪いのだろうか?

 はっ、それよりもイケメンレーダーを起動させねば。

 今年の新入生の中で私のお眼鏡にかなう生贄……いやいや、BLカップルを探すという使命があるのだ
 それにしても無駄にイケメンが多いなこの学園。
 入学試験に男子は顔ってあるのかと思う程だ。

 ふと、隣に座って私の膝をナデナデしたり耳にちゅっとキスしてきたりしてるふーちゃんの顔が目に入り今日もイケメンだなと、ふーちゃんの顔をマジマジと見ていると、ふーちゃんに唇にちゅっとされた。

「ん、陽菜ぁ可愛いもう一回いい?」
 
 特に私の返事など待っていないふーちゃんはちゅっちゅとキスを繰り返す。舌を絡めだしたので苦しくなった私がふーちゃんを止めると、ちょっとご機嫌斜めになったふーちゃん。あ、拗ねた顔も可愛いな。

 なんて思った瞬間、何かが引っかかった。

 BL好きの腐女子の私は今まで特に変だと思う事はなかったのだけど、よくよく考えたら……。


 この世界8割、いや9割の男性はイケメンな気がする。

 まぁ、前世の記憶のある世界ではこんな事はあり得なかった。
 普通の男性が大半でイケメンは本当に少数。私のお眼鏡にかなうイケメンはなかなかいなかったはず。

 それなのに佐々倉陽菜として転生したこの世界は探さずともイケメンにぶつかる。
 隣に座るふーちゃんも、お兄ちゃんも、なっちゃんもイケメンだ、いやこの3人は極上のイケメンだ。
 私は生まれた時からこのイケメンに囲まれて育ったからあまり意識してなかったけれど、よく考えれば何かおかしいんだよね。

 そう思っていた私の疑問はこの学園の理事長である東城 至とうじょういたる氏の顔を見た瞬間思い出した。








 あ、嘘でしょ。








 あの人は……の……じゃない。



 私はショックでまたもや気を失ってしまった。

 
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