6 / 15
兄はヒロイン、妹はイベント泥棒でフラグクラッシャー?
しおりを挟む
脳内会議が終了したので私は重く閉じていた瞼を開く。
薄ぼんやりとした意識の覚醒と共に私の瞳に映ったのは自分の知る天井じゃなくて見た事のない天井と微かに香る消毒液の匂い。
私は、入学式の途中に倒れたはずだから病院?と言うよりは多分保健室だろう。
ゲームの世界にも保健室ってあるんだ。なんて思っていたらどこかで誰かが話す声が聞こえる。
カーテン越しに聞こえるのは何やら男性同士の会話?ボソボソ声でよく聞こえない。
お耳をダンボにして聞いていると。
「……かな?心配なんだよ」
「大丈夫……から俺の事信じろ」
何やら意味深な会話が聞こえる。
え??BLの波動を感じる!!何?もっと私に聞こえるように話して!!
興奮状態の私は勢い余って今まで居たベッドから転げ落ちてしまった。
ドッターンと激しい音を立てながら、頭から床に変な体勢で派手に転んだ私、立ち上がる間もなく引かれていたカーテンが勢いよく開いた。
「陽菜っ!!」
真っ先に飛び込んで来てくれたのは
「お兄ちゃん……」
変な体勢でいる私をすぐに抱き起こすと、そのままお姫様抱っこでベッドの上に優しく降ろしてくれた。
頭から突っ込んだ衝撃で、どうやらオデコを擦りむいていたらしい。一緒に居たなっちゃんがすぐに消毒の準備をしてくれて事なきを得た。
「もう、何やってるんだよ陽菜は。心配しただろう」
言葉とは裏腹に、私に向ける瞳は優しい。私のお兄ちゃん優しい。
「うう……ごめんなさい。ご心配おかけしました」
素直に謝ると、隣に座っていたなっちゃんに抱きしめられると頬にちゅっとキスしてきた。
「陽菜ぁ。俺も心配したよー!陽菜ってばいきなり倒れるんだもん、慌てちゃったよ俺」
話を聞く限り、私は入学式で理事長の挨拶の途中倒れてしまい騒然とする中舞台上にいた理事長が颯爽と降りてきて私をここまで運んでくれたらしい。
マ・ジ・デ・ス・カ
何故理事長自ら私を運ぶんだ?え?ちょっと待ってコレってイベントじゃないっけ?
確か、ゲーム二周目以降に出てくる隠しキャラの東城至。唯斗の中等部の入学式で同じように貧血を起こし倒れた唯斗を至が保健室まで運ぶと言うのが至と唯斗の出会いイベントだ!
なんで私がイベント起こしちゃってるのよ?私は唯斗の妹であってこのゲームのヒロインじゃないのよ?
これじゃ、お兄ちゃんと東城至のイベントが発生しないじゃない!
と、言う事は東城至ルート消滅なの?嘘でしょ。
至ルートは心の冷え切った至と交流する事で至の心の傷を癒し、至からの溺愛に溺愛を受けラブラブハッピーな恋人になれるのに何私がフラグ折ってるのよ。
馬鹿馬鹿私のバカっ!!
顔面蒼白になって固まる私に
「陽菜?陽菜?大丈夫か?どうせ今日はもう解散だからこのまま帰るか?帰るならナツん家の車出して貰えるからちょっと待ってろ。ナツ任せたぞ」
「あぁ、任せろ陽菜の事は俺が見てるから」
そう言うとお兄ちゃんはなっちゃん家に連絡してくるって保健室を出て行った。
自分の予想外の展開が起きていて私はショックで何も考えられなくなっていた。
少し前にこの世界はお兄ちゃんの為の世界だと理解したばかりなのにイベントを起こすはずなのはお兄ちゃんなのに、私がイベントを起こしてどうするのよ。
ゲームの展開をめちゃくちゃにしてしまったと思った私は、このBLゲームの思い出せるだけのストーリーやイベントを脳内からかき集めるのに必死で、隣に居たなっちゃんの言葉も行動も頭に入らず、なっちゃんの言うがままに流されて、裸に剥かれそうになった所を戻ってきたお兄ちゃんに現行犯で目撃された私たちは激怒された。
いつもならなっちゃんだけを怒るだけなのになぜか被害者である私までお兄ちゃんに説教された。
何故だ?解せない?そんな顔をしていたら
「陽菜……もっと自分を大事にしなさい。そんなんじゃ気が付いたらナツに妊娠させられるぞ」
「え?陽菜、俺の子供産んでくれるの?嬉しい!!じゃぁ今すぐ子作りしよー「だぁほ!!」
「ナツ、マジで勘弁してくれ俺、お前とまだ友達辞めたくないんだから」
ハァーと深いため息をつくお兄ちゃん。
「もー唯斗ってば、大丈夫だよちゃんと分かってるから。俺が就職して陽菜が大学卒業するまではちゃんと避妊するよ。あ、結婚しても2人きりの時間も欲しいから結婚して2年くらいは2人きりでいようかな。その後は陽菜が孕むまで俺頑張るからね義兄ちゃん」
にこやかに爆弾を投下するなっちゃんはド天然だ。
「違う、ナツそうじゃない。俺が言いたいのは、俺はお前の義兄じゃないし、大切な妹に手を出すな殺すぞって事だ」
本気の殺気を纏ったお兄ちゃんは死ぬほど怖い。
先ほどまで軽口を叩いていたなっちゃんですら固まる程だ。
さすがこの世界のヒロイン様最強すぎる。
「陽菜、帰るぞ。ナツ車かりるな」
そう言うとお兄ちゃんは私を連れて保健室を出た。
いまだに固まり続けるなっちゃんの方に振り返ると口パクだったけど
「ごめんねなっちゃん」
そう言うと私は家路を急いだ。
薄ぼんやりとした意識の覚醒と共に私の瞳に映ったのは自分の知る天井じゃなくて見た事のない天井と微かに香る消毒液の匂い。
私は、入学式の途中に倒れたはずだから病院?と言うよりは多分保健室だろう。
ゲームの世界にも保健室ってあるんだ。なんて思っていたらどこかで誰かが話す声が聞こえる。
カーテン越しに聞こえるのは何やら男性同士の会話?ボソボソ声でよく聞こえない。
お耳をダンボにして聞いていると。
「……かな?心配なんだよ」
「大丈夫……から俺の事信じろ」
何やら意味深な会話が聞こえる。
え??BLの波動を感じる!!何?もっと私に聞こえるように話して!!
興奮状態の私は勢い余って今まで居たベッドから転げ落ちてしまった。
ドッターンと激しい音を立てながら、頭から床に変な体勢で派手に転んだ私、立ち上がる間もなく引かれていたカーテンが勢いよく開いた。
「陽菜っ!!」
真っ先に飛び込んで来てくれたのは
「お兄ちゃん……」
変な体勢でいる私をすぐに抱き起こすと、そのままお姫様抱っこでベッドの上に優しく降ろしてくれた。
頭から突っ込んだ衝撃で、どうやらオデコを擦りむいていたらしい。一緒に居たなっちゃんがすぐに消毒の準備をしてくれて事なきを得た。
「もう、何やってるんだよ陽菜は。心配しただろう」
言葉とは裏腹に、私に向ける瞳は優しい。私のお兄ちゃん優しい。
「うう……ごめんなさい。ご心配おかけしました」
素直に謝ると、隣に座っていたなっちゃんに抱きしめられると頬にちゅっとキスしてきた。
「陽菜ぁ。俺も心配したよー!陽菜ってばいきなり倒れるんだもん、慌てちゃったよ俺」
話を聞く限り、私は入学式で理事長の挨拶の途中倒れてしまい騒然とする中舞台上にいた理事長が颯爽と降りてきて私をここまで運んでくれたらしい。
マ・ジ・デ・ス・カ
何故理事長自ら私を運ぶんだ?え?ちょっと待ってコレってイベントじゃないっけ?
確か、ゲーム二周目以降に出てくる隠しキャラの東城至。唯斗の中等部の入学式で同じように貧血を起こし倒れた唯斗を至が保健室まで運ぶと言うのが至と唯斗の出会いイベントだ!
なんで私がイベント起こしちゃってるのよ?私は唯斗の妹であってこのゲームのヒロインじゃないのよ?
これじゃ、お兄ちゃんと東城至のイベントが発生しないじゃない!
と、言う事は東城至ルート消滅なの?嘘でしょ。
至ルートは心の冷え切った至と交流する事で至の心の傷を癒し、至からの溺愛に溺愛を受けラブラブハッピーな恋人になれるのに何私がフラグ折ってるのよ。
馬鹿馬鹿私のバカっ!!
顔面蒼白になって固まる私に
「陽菜?陽菜?大丈夫か?どうせ今日はもう解散だからこのまま帰るか?帰るならナツん家の車出して貰えるからちょっと待ってろ。ナツ任せたぞ」
「あぁ、任せろ陽菜の事は俺が見てるから」
そう言うとお兄ちゃんはなっちゃん家に連絡してくるって保健室を出て行った。
自分の予想外の展開が起きていて私はショックで何も考えられなくなっていた。
少し前にこの世界はお兄ちゃんの為の世界だと理解したばかりなのにイベントを起こすはずなのはお兄ちゃんなのに、私がイベントを起こしてどうするのよ。
ゲームの展開をめちゃくちゃにしてしまったと思った私は、このBLゲームの思い出せるだけのストーリーやイベントを脳内からかき集めるのに必死で、隣に居たなっちゃんの言葉も行動も頭に入らず、なっちゃんの言うがままに流されて、裸に剥かれそうになった所を戻ってきたお兄ちゃんに現行犯で目撃された私たちは激怒された。
いつもならなっちゃんだけを怒るだけなのになぜか被害者である私までお兄ちゃんに説教された。
何故だ?解せない?そんな顔をしていたら
「陽菜……もっと自分を大事にしなさい。そんなんじゃ気が付いたらナツに妊娠させられるぞ」
「え?陽菜、俺の子供産んでくれるの?嬉しい!!じゃぁ今すぐ子作りしよー「だぁほ!!」
「ナツ、マジで勘弁してくれ俺、お前とまだ友達辞めたくないんだから」
ハァーと深いため息をつくお兄ちゃん。
「もー唯斗ってば、大丈夫だよちゃんと分かってるから。俺が就職して陽菜が大学卒業するまではちゃんと避妊するよ。あ、結婚しても2人きりの時間も欲しいから結婚して2年くらいは2人きりでいようかな。その後は陽菜が孕むまで俺頑張るからね義兄ちゃん」
にこやかに爆弾を投下するなっちゃんはド天然だ。
「違う、ナツそうじゃない。俺が言いたいのは、俺はお前の義兄じゃないし、大切な妹に手を出すな殺すぞって事だ」
本気の殺気を纏ったお兄ちゃんは死ぬほど怖い。
先ほどまで軽口を叩いていたなっちゃんですら固まる程だ。
さすがこの世界のヒロイン様最強すぎる。
「陽菜、帰るぞ。ナツ車かりるな」
そう言うとお兄ちゃんは私を連れて保健室を出た。
いまだに固まり続けるなっちゃんの方に振り返ると口パクだったけど
「ごめんねなっちゃん」
そう言うと私は家路を急いだ。
0
あなたにおすすめの小説
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
獣人の彼はつがいの彼女を逃がさない
たま
恋愛
気が付いたら異世界、深魔の森でした。
何にも思い出せないパニック中、恐ろしい生き物に襲われていた所を、年齢不詳な美人薬師の師匠に助けられた。そんな優しい師匠の側でのんびりこ生きて、いつか、い つ か、この世界を見て回れたらと思っていたのに。運命のつがいだと言う狼獣人に、強制的に広い世界に連れ出されちゃう話
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
最終回まで予約投稿済みです。
毎日8時・20時に更新予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる