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第四部 第四部 古の古代帝国公爵家の野望
娘を思う公爵に土下座されて躊躇したすきに闇の一撃を食らいました
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嘘! クラリスが真っ黒な魔物に代わってしまった。
「ど、どうなっているのよ」
私は唖然とした。
「わっはっはっはっはっ」
私達の戸惑いの前に大声で笑いだす者がいた。
お情けで生き残っている公国の大公だ。だからご先祖様も下手な情けかけなければ良かったのに!
「大公閣下、どうされたのじゃ?」
陛下が聞いてくれた。
「ふんっ、これぞ、旧帝国の英知の集まった最終兵器魔人だ。我が帝国に逆らった共和国は一日にして魔人に灰燼と化せられたのだ。この王国も同じ運命じゃ」
大公がなんかほざいている。
私も思い出していた。旧帝国の作り出した魔物で、魔力の強いものを人外の魔物に変えて敵国に送り込んで殲滅させるという凄まじい兵器だ。何でも人と魔物を合体させたとかさせないとか言われていて、もう失われた技術だと思っていたけどまだ残っていたんだ。
帝国末期に帝国が作り出した悪魔の最終兵器だ。
禍々しい呪いを纏った、それは剣も魔術も弾き飛ばしたという。
「ガオーーーーー」
魔人が咆哮した。
辺りが震える。
「キャーーーー」
皆は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
それを見て魔人が攻撃しようとする。
「させるか!」
私は障壁を魔人の前に張った。
「ガオーーーー……」
咆哮が途中から超音波に代わってすさまじい破壊力になる。
「くそーーー」
私も障壁の強度を上げた。
しかし、魔人の力は強大だ。何とか防ぎ切った時には私はゼイゼイ言っていた。
「フラン、大丈夫か」
騒ぎで目を覚ましたのかアドが聞いてきた。
「まだまだ」
私は息を戻しつつ応える。
「わっはっはっはっは。無駄だ無駄だ。暴虐女の力がいくら強くとも我が帝国の最終兵器魔人にはかなわんわ」
大声を上げて大公が叫んでいる。
「アド、この化け物は私が何とかするから反逆者たちの捕縛を」
「判った。騎士団。直ちに対処しろ」
アドが指示を出す。騎士団の連中が公国と王弟の生き残りを捕縛しようとした。
「魔人、私を守るのだ」
大公が威張って魔人に銘じていた。
「ガオーーーー」
魔人は咆哮すると手から衝撃波を出した。
「ギャッ」
ドカーーーーン
あろうことか魔人の出した衝撃波は大公に命中したのだ。
大公が吹き飛んでいた。
「な、何故、貴様は私を攻撃するのだ」
茫然として大公が言った。
「ふんっ、魔物にそんなこと言っても無駄なんじゃない」
私が言うと
「そうだ。帝国末期には、いう事を聞かなくなった魔人に帝国の大都市が消滅させられたと聞くぞ。制御できないから帝国は魔人の使用をやめたと聞いているが、そんなことも知らないのか」
馬鹿にしたようにアドが言った。
「そ、そんな馬鹿な」
傷だらけな大公は呆けていた。
「あなた!」
「お父様!」
何故か大公の前にセシールと緑女が大公の前に立って魔人と対峙する。でも、あなた達ではどうにもならないわよ。
その大公目掛けて魔人が咆哮しようとした。
「仕方がないわね」
そのままやられれば良いのに、と思わないでもなかったが……
私に横顔を見せた魔人に爆裂魔術を叩きこんでいた。
それは頭を直撃して魔人は吹っ飛んでいた。
「アド、多少の被害は仕方がないわよね」
私は最大魔力で攻撃しようとした。これが王都で暴れまわったら甚大な被害が出るだろう。
私が最大魔力で攻撃すれば学園に巨大クレーターが出来るかもしれないが、消滅することは可能だろう。
「フランソワーズ様、何卒何卒、お願いです。娘の命をお助けください」
でも、その私の前にトルクレール公爵が土下座して頼んで来たのだ。
そんな、私にどうしろと言うの?
私は一瞬躊躇してしまったのだ。
そのすきを魔人は見逃してくれなかった。
魔人は大口を開けて咆哮したのだ。
そして口からは閃光が走って真っ黒な闇が私達に襲いかかって来たのだ。
*****************************************************************
ここまで読んで頂いて有難うございます。
魔人の攻撃を受けてどうなるフラン?
今夜更新予定です。
「ど、どうなっているのよ」
私は唖然とした。
「わっはっはっはっはっ」
私達の戸惑いの前に大声で笑いだす者がいた。
お情けで生き残っている公国の大公だ。だからご先祖様も下手な情けかけなければ良かったのに!
「大公閣下、どうされたのじゃ?」
陛下が聞いてくれた。
「ふんっ、これぞ、旧帝国の英知の集まった最終兵器魔人だ。我が帝国に逆らった共和国は一日にして魔人に灰燼と化せられたのだ。この王国も同じ運命じゃ」
大公がなんかほざいている。
私も思い出していた。旧帝国の作り出した魔物で、魔力の強いものを人外の魔物に変えて敵国に送り込んで殲滅させるという凄まじい兵器だ。何でも人と魔物を合体させたとかさせないとか言われていて、もう失われた技術だと思っていたけどまだ残っていたんだ。
帝国末期に帝国が作り出した悪魔の最終兵器だ。
禍々しい呪いを纏った、それは剣も魔術も弾き飛ばしたという。
「ガオーーーーー」
魔人が咆哮した。
辺りが震える。
「キャーーーー」
皆は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
それを見て魔人が攻撃しようとする。
「させるか!」
私は障壁を魔人の前に張った。
「ガオーーーー……」
咆哮が途中から超音波に代わってすさまじい破壊力になる。
「くそーーー」
私も障壁の強度を上げた。
しかし、魔人の力は強大だ。何とか防ぎ切った時には私はゼイゼイ言っていた。
「フラン、大丈夫か」
騒ぎで目を覚ましたのかアドが聞いてきた。
「まだまだ」
私は息を戻しつつ応える。
「わっはっはっはっは。無駄だ無駄だ。暴虐女の力がいくら強くとも我が帝国の最終兵器魔人にはかなわんわ」
大声を上げて大公が叫んでいる。
「アド、この化け物は私が何とかするから反逆者たちの捕縛を」
「判った。騎士団。直ちに対処しろ」
アドが指示を出す。騎士団の連中が公国と王弟の生き残りを捕縛しようとした。
「魔人、私を守るのだ」
大公が威張って魔人に銘じていた。
「ガオーーーー」
魔人は咆哮すると手から衝撃波を出した。
「ギャッ」
ドカーーーーン
あろうことか魔人の出した衝撃波は大公に命中したのだ。
大公が吹き飛んでいた。
「な、何故、貴様は私を攻撃するのだ」
茫然として大公が言った。
「ふんっ、魔物にそんなこと言っても無駄なんじゃない」
私が言うと
「そうだ。帝国末期には、いう事を聞かなくなった魔人に帝国の大都市が消滅させられたと聞くぞ。制御できないから帝国は魔人の使用をやめたと聞いているが、そんなことも知らないのか」
馬鹿にしたようにアドが言った。
「そ、そんな馬鹿な」
傷だらけな大公は呆けていた。
「あなた!」
「お父様!」
何故か大公の前にセシールと緑女が大公の前に立って魔人と対峙する。でも、あなた達ではどうにもならないわよ。
その大公目掛けて魔人が咆哮しようとした。
「仕方がないわね」
そのままやられれば良いのに、と思わないでもなかったが……
私に横顔を見せた魔人に爆裂魔術を叩きこんでいた。
それは頭を直撃して魔人は吹っ飛んでいた。
「アド、多少の被害は仕方がないわよね」
私は最大魔力で攻撃しようとした。これが王都で暴れまわったら甚大な被害が出るだろう。
私が最大魔力で攻撃すれば学園に巨大クレーターが出来るかもしれないが、消滅することは可能だろう。
「フランソワーズ様、何卒何卒、お願いです。娘の命をお助けください」
でも、その私の前にトルクレール公爵が土下座して頼んで来たのだ。
そんな、私にどうしろと言うの?
私は一瞬躊躇してしまったのだ。
そのすきを魔人は見逃してくれなかった。
魔人は大口を開けて咆哮したのだ。
そして口からは閃光が走って真っ黒な闇が私達に襲いかかって来たのだ。
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ここまで読んで頂いて有難うございます。
魔人の攻撃を受けてどうなるフラン?
今夜更新予定です。
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