転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
3 / 62

入学式で本物の王子様に注意されたのに、居眠りしていたのでそれが判りませんでした……

しおりを挟む
「なんでこうなった?」
私は今、この国の最高峰の学園、王立学園の入学式に参加している。

元々私は平民なので、お貴族様の通う王立学園なんて関係ないと思って、送られてきた入学願書なんて、無視していたのだ。

そうしたら、翌日には、なんとこの地のご領主様であるサアリスケ男爵家の執事さんがやってきたのだ。

こんな田舎にご領主様の執事さんが来ることなんて、滅多に無かったので、大家さんから村長さんまで大慌てで飛んできたんだけど……

「私は王立学園に行くなんて畏れ多い事は出来ません」
私は珍しく、常識的な対応をしたのだ。

「左様でございます、マルコ様」
村長が大きく頷いてくれた。
「ニーナのわんぱくぶりはこの村一でして、到底お貴族様のご令嬢方の中で、ちゃんと出来るわけがありません」
「左様でございます。この前も盗賊に襲われたのですが、その者を返り討ちに燃やしてしまいまして、全治1ヶ月の重傷を負わしてしまったのです。もし、お貴族様に手傷を負わせてしまったら、この村、いえ、下手したらご領主様のお家もただでは済まないかと」
大家さんまで飛んでもないことを言ってくれるんだけど……

冒険者崩れの盗賊を燃やしたのは、襲われたから仕方がないじゃない!

ウィル様も燃やしたくんだりは呆れていたけれど、反撃したのは良くやったと言ってくださったのだ。

だって、あのままだったら本当に私の操がヤバかったんだもの。

でも、あのタイミングでウィル様が助けてくれるのならば、あと少しそのままにしていても良かったのかも……そうしたら私のお転婆もウィル様に判らなかったのだ……
わたしは、少し後悔した。

「しかし、今回の件は結構上の方からのお達しでな。我が家としては無下にも出来んのだ。この前のニーナのその活躍も含まれているみたいだ」
苦々しげにマルコさんが言うんだけど。

魔法を使ったのが過剰に報告されたんだろうか?
国境警備隊の騎士長か誰かの報告が学園関係者に目に付いたんだろうか?

ということでそれから半年間。私は執事さんがつけてくれた家庭教師の先生に王立学園に入るための勉強をみっちり仕込まれたのだった。

数学や理科は前世の知識があるので簡単だった。おそらくこのゲームの作者は理系科目は苦手だったのだ。この世界がゲームの世界だったらだけど……

でも、文学や歴史はけっこう大変だった。だって前世の知識が全く通用しないし、今世は平民で、学校なんて無かったし、家に高価な本なんてほとんど無かったのだ。

特に貴族に必要な礼儀作法は前世も含めて全く駄目で壊滅的だったが、まあ、少しは形になった。

私が一番心配したのは学費だったが、稼いでいない平民は基本的に無料だった。
その分、大貴族や金持ちの家は学費が高いそうで、理にかなっていると言えば適っていた。
小遣い等はサアリスケ男爵家から多少は出していただけるそうで、マルコさんには男爵家には感謝するようにと言われていたが、あまり人の世話になるのは嫌なので、丁重にお断りした。お小遣いは周りの農家とか、レストランをお手伝いした分とかで多少はあったのだ。


私は平民なので、ABCの3クラスのうちの当然一番下のCクラスだった。Cクラスの過半は平民だ。ただし大商人の子供や騎士の子供や王宮の文官の子供も多く、純粋な平民はほとんどいなかった。父親の代までが貴族でその子供が平民になったところの貴族崩れの子供などもいた。
残りは男爵家の子供達だった。

運の悪い私は馬車の車軸の故障で大幅に遅れて、昨日夕方には学園に着くはずが、寮に着いたのは夜中になってしまったのだ。

だから昨日はほとんど寝ていなかった。

そして、当然の帰結だが、学園長先生の眠たい祝辞の最中にいきなり舟を漕ぎ出したのだ。学園長の退屈な話は十分に子守唄になったのだ。


私は夢の中で憧れのウィル様と王都を散歩していた。
ウィル様は横から盗み見るととても動きが優雅だ。そして、椅子の前に立つとさっと椅子を引いてくれた。

「ニーナ嬢! ニーナ嬢!」
私はウィル様に揺り動かされたのだ。

「えっ?」
私ははっと目を覚ました。

「ニーナ嬢! やっと起きたか?」
壇上から私を呆れてみているイケメンがいたのだ。誰だろう? めちゃめちゃすごいオーラを周りに撒き散らしている。

「夜更かしも程々にするように」
「はい!」
私は大声で返事してしまったのだ。

皆、周りは爆笑していた。

「本当にお前、将来大物になるよ。生徒会長の前で盛大なイビキかいて寝ているんなんて」
後ろからゆすってくれた男の子が呆れて言った。後で聞いたら彼は騎士希望のヨーナスだった。
「でも、生徒会長はなんであなたの名前知っていたんだろう」
隣の女の子が呆れて言ってくれた。後で聞いたらライラと名乗ってくれた。
「さあ」
私は首を振った。
生徒会長は銀髪の美しい顔立ちだった。どこかで見たことがあるように思えたけれど、まあ勘違いだろう。私に貴族の知り合いがいる訳はないし。ウィル様は茶髪だったからぜんぜん違うし。

「まあ、新入生の諸君も、1日も早く、彼女のように私の前で居眠りできるくらい、この学園に溶け込んでくれたまえ」
生徒会長は私をちらりと見て嫌味で話を終えてくれた。

まあ、生徒会長は高位貴族なんだろうし、私が睨まれようが二度と会うことはないはずだと単純な私は安心しまったのだ。
まさか、生徒会長が第一王子殿下で、将来の国王におなりになる方だったなんて、寝ていた私は全く、知らなかったのだ。

*************************************************
ここまで読んで頂いて有難うございます。
このサイドストーリー
『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられ、氷の貴公子に執着されました』
この話のライラ視点です。ライラの性格がガラリと変わります。
是非ともお読みください。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302819342

下にリンクも張っています

しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

子供が可愛いすぎて伯爵様の溺愛に気づきません!

屋月 トム伽
恋愛
私と婚約をすれば、真実の愛に出会える。 そのせいで、私はラッキージンクスの令嬢だと呼ばれていた。そんな噂のせいで、何度も婚約破棄をされた。 そして、9回目の婚約中に、私は夜会で襲われてふしだらな令嬢という二つ名までついてしまった。 ふしだらな令嬢に、もう婚約の申し込みなど来ないだろうと思っていれば、お父様が氷の伯爵様と有名なリクハルド・マクシミリアン伯爵様に婚約を申し込み、邸を売って海外に行ってしまう。 突然の婚約の申し込みに断られるかと思えば、リクハルド様は婚約を受け入れてくれた。婚約初日から、マクシミリアン伯爵邸で住み始めることになるが、彼は未婚のままで子供がいた。 リクハルド様に似ても似つかない子供。 そうして、マクリミリアン伯爵家での生活が幕を開けた。

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました

八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます 修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。 その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。 彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。 ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。 一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。 必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。 なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ── そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。 これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。 ※小説家になろうが先行公開です

【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!

白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。 辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。 夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆  異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です) 《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆ 

「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」

透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。 そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。 最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。 仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕! ---

とんでもない侯爵に嫁がされた女流作家の伯爵令嬢

ヴァンドール
恋愛
面食いで愛人のいる侯爵に伯爵令嬢であり女流作家のアンリが身を守るため変装して嫁いだが、その後、王弟殿下と知り合って・・

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

【完結】殺されたくないので好みじゃないイケメン冷徹騎士と結婚します

大森 樹
恋愛
女子高生の大石杏奈は、上田健斗にストーカーのように付き纏われている。 「私あなたみたいな男性好みじゃないの」 「僕から逃げられると思っているの?」 そのまま階段から健斗に突き落とされて命を落としてしまう。 すると女神が現れて『このままでは何度人生をやり直しても、その世界のケントに殺される』と聞いた私は最強の騎士であり魔法使いでもある男に命を守ってもらうため異世界転生をした。 これで生き残れる…!なんて喜んでいたら最強の騎士は女嫌いの冷徹騎士ジルヴェスターだった!イケメンだが好みじゃないし、意地悪で口が悪い彼とは仲良くなれそうにない! 「アンナ、やはり君は私の妻に一番向いている女だ」 嫌いだと言っているのに、彼は『自分を好きにならない女』を妻にしたいと契約結婚を持ちかけて来た。 私は命を守るため。 彼は偽物の妻を得るため。 お互いの利益のための婚約生活。喧嘩ばかりしていた二人だが…少しずつ距離が近付いていく。そこに健斗ことケントが現れアンナに興味を持ってしまう。 「この命に代えても絶対にアンナを守ると誓おう」 アンナは無事生き残り、幸せになれるのか。 転生した恋を知らない女子高生×女嫌いのイケメン冷徹騎士のラブストーリー!? ハッピーエンド保証します。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

処理中です...