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閑話2 臨時アルバイト
01 三階ボス アキトシ・トージョー(最上級超能力者/23歳)
しおりを挟むエログロスは考えていた。
臨時でアルバイトを雇おう。
ちょっと強い、出来れば人型の。
「ユキちゃんにちょっと紹介してもらおうかな」
そう思い立ち、エログロスは電話をすることにした。
人員紹介業をしているユキとは古くからの友人であり、時々食事をする中でもある。最近では人間たちに混ざって人材紹介の仕事をしていると聞いている。
エログロスはユキに連絡を取り、さっそく臨時で働いてくれるアルバイトを紹介してもらうことになったのだった。
そして某日、エログロスは臨時アルバイトを迎え入れるため、ダンジョンの入口で待っていた。
すると一台のタクシーが止まり、中から人が出てくる。
どうやら人間のようだが、もしや彼が今日アルバイトに来た者だろうか、とエログロスは少し戸惑う。
エログロスとしては出来ることなら人間ではなく、魔族や悪魔的な方が嬉しかった。何せ三階辺りのボスの役目を頼むつもりだったのだ。
それにしてもユキは何故、ただの人間を寄越したのだろうか。
とりあえず挨拶をするエログロス。
「やあ、君が今日僕のダンジョンで働いてくれる、臨時アルバイトの…、アキトシ・トージョー君かな?年齢は23歳…若いねえ」
「どうも。僕のことはアキトシと呼んでください。今日はよろしくお願いします。…お名前を窺っても?」
「僕はエログロスと言う物。このダンジョンを管理人をしている。…ユキさんに仕事内容は聞いてる?」
エログロスは少し疑いの眼差しでアキトシという青年を見た。身長は高く、凛々しい顔立ちで、少し怪しげに笑う顔はエキゾチックな印象だ。
しかし、彼は人間。エログロスとしてはあまり嬉しくもない。
アキトシはニコリと人の好い笑顔で言う。
「ええ、聞いてます。好き放題してイイ、らしいです」
「……ん?」
「ですから、僕の好きにしてイイ、と聞きました」
「……んん?」
「ユキさんからはそれしか聞いてないですけど、具体的なことはエログロスさんが教えてくれると」
「……うん、えっと、そうだね。とりあえず、部屋に案内しようかな」
「はい」
そう言ったエログロスに、アキトシはクスリと笑って付いていく。
いつもの監視室にて。
エログロスはとりあえず面接をすることにした。アルバイトには面接がつきものだ。
「えっと、それではアキトシくん、志望動機を聞かせてくれるかな?僕のダンジョンで働こうと思ったのは何故かな?」
「志望動機ですか?特にないです。街を歩いてたらユキさんに声をかけられまして、アルバイトでもどうかと。その時は特にアルバイトをする気はなかったですけど、社会勉強の一環として一度くらいはアルバイトをしてみるのもいいかと思いまして。とりあえず人材紹介に登録してみました。そうしたら数日後にユキさんから連絡をいただきまして、今に至るということですよ」
「え…、へえ?ユキちゃんが自分から誘ったの?珍しい…」
そう言ってエログロスはアキトシをじっと見た。特に変わったこともない、ただの人間だった。しかしユキが態々声を掛けたということは、それなりの理由があるということだろう。
エログロスは話を続ける。
「それじゃあ、特技を教えて貰える?僕のダンジョンでは何か特技を使って戦うんだけど、あ、命は取らないって僕の主義があるから、それだけは安心してね」
「特技、ですか。…まあ特に隠す必要もなさそうなのでいいですが。戦い、ですか。うん、楽しそうですね。僕の特技は超能力です」
「超能力?」
あまり聞くことのない単語に、エログロスの興味が少し湧いた。そんあなエログロスにアキトシがクスッと笑って目を細める。
(…何か、オーラが変わった?それにこの怪しげな笑い方、あいつ思い出してちょっと苦手だな~)
エログロスは少し考え、アキトシに言う。
「超能力でどんなことをするのかな?例えば?」
「例えば。そうですね、こうして、目を見て、暗示をかけるんですよ…『さあ…、僕の目を見て』」
「…っ!!」
突然意識がフワッと曇り、エログロスはそれを遮断した。一瞬、アキトシの超能力による暗示に飲み込まれそうになったことに気付いたため、無事だった。
アキトシは少し驚いたように目を開き、クスリと笑った。何とも怪しげな笑みに、エログロスは少し警戒を強めた。
(人間、だよな。でも、ちょっと何か違う…。まあ、いっか。ユキちゃんの紹介だし、悪い子じゃないだろう。最近は人間にも色々いるって聞くし、見た目と年齢だけで偏見するのもよくない)
エログロスは一人で納得した様に頷いた。
「ん~、まあ、合格としよう。それじゃぁ詳しい説明をするね」
「はい」
そうしてエログロスはダンジョンの概要と、アキトシのアルバイト内容を説明する。
大体の説明を聞き、アキトシは興味深そうに笑っている。つまり、内容を理解した上で、驚くこともなく楽しんでいるということだろう。
「とりあえず君には三階のボスをやって貰おうと思ってるから、そのつもりで」
「わかりました。では僕は三階で待機していればいいですか?」
「そうだね。そこの外階段から行けばいいよ。今日は登録者が珍しく一人いるから、頑張ってね」
「はい。では行ってきます」
「よろしく~」
アキトシはクスリと笑い、静かに階段を上っていった。まるで何もかもを見通すようなあの瞳は、何となく知り合いに似ていて苦手だと思った。
エログロスは気を取り直して、そろそろやってくる挑戦者を監視カメラ越しに見る。
しばらくして、挑戦者が来た。
挑戦者の名前は勇者ルイス。
なんと、前回無様に一階で敗退したあのルイスだった。再挑戦しにきたらしい。
「ようやく三階まで来たぞ!前回はなす術もなく一階で敗退したが、今回は違う!俺は勇者!勇者ルイスだ!こんなダンジョンなど、クリアしてみせる!」
今までのトラップでは、なかなか挑戦者が二階まで辿り着けずに無様エロで負けてしまうので、エログロスはそのレベルを最低限まで落としているのだ。そのため三階までは簡単に突破できるようにしてある。
今回は特別に臨時アルバイトとして三階のボスを雇っているため、エログロスは二階のトラップもかなりレベルを低くしているのだ。
ちなみに、一階のは擽り責め、二階は媚薬霧の中でスパンキングだ。これでもかなり手を抜いてトラップを作ったらしい。これ以上はもうレベルの下げようがないとエログロスは嘆いている。
ルイスは三階の扉を開いた。
部屋の中央に立つ人物を見て、ルイスが叫ぶ。
「お前が三階のトラップか!」
「ふふふっ、そうですね。まあ中ボス的な感じです。どうぞよろしく」
そう言ってアキトシがニコリと笑った。やけに顔の良い中ボスに、ルイスが睨むように鋭い視線を向けた。
アキトシはそれに怯むことなく、笑ったままだ。
ルイスは剣を抜き、アキトシに向かって攻撃を仕掛ける。
「くらえ!俺の技を受けるがいい!」
「ふっ、活きがイイ。僕はそういうの、結構好きですよ」
そう言ってアキトシは逃げることなくジッと向かってくるルイスを眺めている。そして次の瞬間、それは起こった。
『さあ、君はもう、動けない』
アキトシが囁くように言い、ルイスの動きがピタリと止まった。
暗示によってルイスの行動が制御されたのだ。
ルイスの瞳から光が消え、体から力が抜け、手から剣が落ちる。
「うんうん、君は暗示が掛かりやすいみたいだね。それでは…、うん、どうしようかな。好きにしていいって言われてるし、楽しくいこう」
アキトシはとても楽しそうな表情でクスリと笑う。
少し考え、アキトシが口を開いた。
「それじゃぁとりあえず、服を脱ごう。ゆっくり、見せつけるように一枚ずつ、ね」
「……」
ルイスはアキトシの言葉に従い、服を脱いでゆく。立ったまま、ゆっくりとした動作で脱ぎ、全裸となる。
アキトシはそのまま重ねて暗示をかけてゆく。
『君は今から動けなくなる。直立したまま、真っ直ぐ前を見て、何があろうとも動けない。僕の言葉に体が反応するけど、君はそれでも動けない』
「……」
ビクッと一瞬体を震わせたルイスは、まっすぐ前を向いたままぼんやりとしている。虚ろな表情でアキトシの言葉を聞き、素直に従う。
「さて、ではでは。君の名前はルイスだったね。ルイス、君は今から乳首が勃起してくる。感度が高まってどんどん乳首が勃起するけど、どうすることもできない。どんどん気持ちよくなるんだ…」
「…っ、……んっ………」
アキトシの言葉通り、ルイスの乳首が少しずつ膨らみ、赤くなる。次第にルイスの頬が紅潮し、虚ろな目が潤み始める。口から小さく息を吐き出し、全身を震わせる。
しかし体は動かない。何があろうと動かないのだ。
ジンジンと乳首の感度が高まり、触れられないもどかしさに涙目になる。
「ほら、どんどん気持ちよくなってくるね。空気に晒されるだけでもう、きみは絶頂する。乳首でイクんだ。ペニスは全く勃起していないのに、君は絶頂してしまう。何度も何度も、アクメするんだ…それ!!」
すると、突然ルイスの表情が変わり、全身から汗が噴き出す。全身がビクンビクンと激しく痙攣し、飛び跳ねるように上半身が何度も仰け反る。
ビグッ、ビグッ、ビグッ、ビンッ、ビンッ、ビンッ
「おぐうっ!!んぐうっ!!おおんっ!!おおうっ!!ふおおおおおっ!!」
しかし、アキトシの暗示によってルイスは直立したまま体を動かすことができない。気を付けの姿勢で繰り返し襲い来る絶頂に耐え続けるしかできないのだ。
ルイスの瞳が絶頂するたびにギョロッと上がる。
アキトシは楽しそうにクスリと笑ってそれを見ているだけだ。
絶頂が、止まらない。
エログロスは監視カメラの映像を見ながら、コーヒーを啜っていた。
「…ひええ」
あまりにも壮絶な顔をするルイスに、そしてアキトシの超能力に、小さく悲鳴を漏らす。
若い人間の特技が超能力というものだから、何か子供だましのような遊びでもするのかと思っていたのだ。それがここまでのものとは思ってもみなかった。
まだアキトシの言う催眠は序の口だ。エログロスはじっと映像を見ながら思った。
何せ、映像の向こうのアキトシの目が、笑っていないから。
「え、人間ってこんな超能力持ってるの?聞いてない…」
いや、普通の人間は超能力など持っていない。アキトシが特殊なだけだ。エログロスはそれを知らないだけ。
アキトシの次の行動が気になり、エログロスは食い入るように映像を見つめていた。
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