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七 【★】
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怒濤の一日に疲れていたのか、横になって幾分も経たない内に眠気がやって来る。そんな由奈がうつらうつらし始めた頃だった。
「由奈……」
「んぅ……?」
名前を呼ばれて布団を剥がれる。一瞬寒気に身を震わせ、僅かに目を開けようとした由奈の視界に煌めくものが映り込んだ。綺麗な銀色の髪がさらりと音を立てて顔の側に落ちてくる。そして、唇を柔らかなものが優しく塞いだ。
そっと触れるだけの口付けには覚えがある。そう思いながら目を開くと、唇を離した暁の緋色の瞳と目が合った。
「ぁ……」
「我が怖いか?」
頬に手を添えられ、驚いた由奈の体が震える。それを見た暁は、由奈が恐れを抱いていると思ったようだ。だが、驚いただけで恐れは感じていない。由奈がそのことを示そうと首を横に振って見せると、暁は微笑んだ。
「案ずるな、痛みは与えぬ」
「ひぁっ……っ」
喉元を唇で優しく食まれる。仰向けになった由奈の上に覆い被さった暁は、片足を由奈の足の間に割り込ませながら、彼女の首筋に唇を這わせ始めた。
肌の上を滑る暁の唇が熱い。そして、時折吸い付かれ、軽く音を立てて唇が離れる度に、由奈の体温も上がっていくようだった。
「唇を噛むな」
「やっ……んぁ……ふっ」
肌を吸われる度に吐息と共に吐き出される自分の声が恥ずかしい。普段とは別人のような甘ったるい声が、自分の発するものだとはにわかには信じがたいくらいだ。だからできるだけ出さないようにと唇を噛んだのに、暁の唇が、舌がそれを許さなかった。
ぬるりとした舌が由奈の閉ざされた唇を押し開き、奥で縮まっていた彼女の舌を捕らえる。まるで食べられているようだ、と暁の舌の動きに翻弄されながら思っていると、いつの間にか露になっていた胸の頂を引っ掛かれた。
「あっ……やぁ……」
由奈が口付けに驚いているうちに、暁の手によって着物は剥ぎ取られてしまっている。そして、こぼれ落ちた乳房を暁の手がやわやわと揉み始めた。
他人にこうして乳房を揉まれるのは二回目だ。だが、何故だろう。襲ってきた男たちにされた時は痛みと気持ち悪さしか感じなかったのに、今はくすぐったさと感じたこともない感覚に落ち着かない気分だ。何より、甘い痺れに声が押さえられない。
「気持ちいいか」
「ひ、あ……ぁっ」
暁の声が耳元で鼓膜を震わせる。くちゅりと濡れた音が聞こえ、耳朶を這う舌の熱さに体が震えた。すると自然に浮いてしまっていた腰に、乳房を揉んでいた暁の手が降りてくる。
「ああ、こちらも蕩けている……」
「や……そんな、とこ……ぁ」
脇腹から太ももへと降り、折り返して太ももの内側を上ってきた指先が足の付け根に触れる。閉じられていた割れ目に暁の指先が触れると、由奈の体が跳ね、耳朶を舐められた時と同じくらいの音量で濡れた音が聞こえた気がした。
「ぅあ……っふ」
「上手だ、由奈。痛くはなかろう?」
ツプン、と音を立てて入ってきた暁の指に、由奈は顔を歪める。だが、彼の言う通り痛みは感じない。若干の異物感があるだけだ。だが、初めての感覚に由奈は戸惑う。揺れる由奈の瞳を覗き込んだ暁は、また唇を重ねてきた。そして舌を伝って来た彼の唾液を、由奈は喉を鳴らして飲む。
「天狐の体液は媚薬だ。人には快楽しか与えぬ」
「てん、こ? あっ」
「妖力を持つ狐だ。ほら、由奈のココは、我が指を全て飲み込んだぞ」
暁の声が嬉しそうに弾んで聞こえ、彼と目が合った瞬間、由奈の心臓が跳ねた。それは彼女の身体を震えさせ、ナカにある暁の指にも如実に伝わってしまう。
「まだ指だけだぞ? 食い千切らんばかりに締め付けて……狭いな、由奈のココは」
「ぁあっ……っん……やぁ……」
「いくら痛みを感じぬとはいえ、解さねばな?」
柔らかな由奈の乳房に舌を這わせながら、暁は指先で彼女のナカをかき混ぜ始める。耳を塞ぎたくなるような淫らな音が二ヶ所から聞こえ、由奈は恥ずかしくなるが、徐々に快感に飲まれて音が遠ざかっていくように感じた。そして、いつの間にか増やされていた暁の二本の指で、一点を集中的に刺激されると身体が弓なりになった。
「ここだな」
先程同様、暁の嬉しそうな声が遠くで聞こえるが、由奈はそれどころではない。未知の感覚から逃げようとした身体はガッチリと暁の腕で絡めとられ、彼の指先から逃げようと腰を揺らしても、暁の指がそこから離れることはなかった。
「由奈……イけ」
「っ……」
囁かれた暁の声が脳内に溶けていく。次いで唇を奪われた由奈は、彼の口内で喘声を上げながら果てた。そしてそのまま彼女の意識はふつりと途切れたのである。
「由奈……」
「んぅ……?」
名前を呼ばれて布団を剥がれる。一瞬寒気に身を震わせ、僅かに目を開けようとした由奈の視界に煌めくものが映り込んだ。綺麗な銀色の髪がさらりと音を立てて顔の側に落ちてくる。そして、唇を柔らかなものが優しく塞いだ。
そっと触れるだけの口付けには覚えがある。そう思いながら目を開くと、唇を離した暁の緋色の瞳と目が合った。
「ぁ……」
「我が怖いか?」
頬に手を添えられ、驚いた由奈の体が震える。それを見た暁は、由奈が恐れを抱いていると思ったようだ。だが、驚いただけで恐れは感じていない。由奈がそのことを示そうと首を横に振って見せると、暁は微笑んだ。
「案ずるな、痛みは与えぬ」
「ひぁっ……っ」
喉元を唇で優しく食まれる。仰向けになった由奈の上に覆い被さった暁は、片足を由奈の足の間に割り込ませながら、彼女の首筋に唇を這わせ始めた。
肌の上を滑る暁の唇が熱い。そして、時折吸い付かれ、軽く音を立てて唇が離れる度に、由奈の体温も上がっていくようだった。
「唇を噛むな」
「やっ……んぁ……ふっ」
肌を吸われる度に吐息と共に吐き出される自分の声が恥ずかしい。普段とは別人のような甘ったるい声が、自分の発するものだとはにわかには信じがたいくらいだ。だからできるだけ出さないようにと唇を噛んだのに、暁の唇が、舌がそれを許さなかった。
ぬるりとした舌が由奈の閉ざされた唇を押し開き、奥で縮まっていた彼女の舌を捕らえる。まるで食べられているようだ、と暁の舌の動きに翻弄されながら思っていると、いつの間にか露になっていた胸の頂を引っ掛かれた。
「あっ……やぁ……」
由奈が口付けに驚いているうちに、暁の手によって着物は剥ぎ取られてしまっている。そして、こぼれ落ちた乳房を暁の手がやわやわと揉み始めた。
他人にこうして乳房を揉まれるのは二回目だ。だが、何故だろう。襲ってきた男たちにされた時は痛みと気持ち悪さしか感じなかったのに、今はくすぐったさと感じたこともない感覚に落ち着かない気分だ。何より、甘い痺れに声が押さえられない。
「気持ちいいか」
「ひ、あ……ぁっ」
暁の声が耳元で鼓膜を震わせる。くちゅりと濡れた音が聞こえ、耳朶を這う舌の熱さに体が震えた。すると自然に浮いてしまっていた腰に、乳房を揉んでいた暁の手が降りてくる。
「ああ、こちらも蕩けている……」
「や……そんな、とこ……ぁ」
脇腹から太ももへと降り、折り返して太ももの内側を上ってきた指先が足の付け根に触れる。閉じられていた割れ目に暁の指先が触れると、由奈の体が跳ね、耳朶を舐められた時と同じくらいの音量で濡れた音が聞こえた気がした。
「ぅあ……っふ」
「上手だ、由奈。痛くはなかろう?」
ツプン、と音を立てて入ってきた暁の指に、由奈は顔を歪める。だが、彼の言う通り痛みは感じない。若干の異物感があるだけだ。だが、初めての感覚に由奈は戸惑う。揺れる由奈の瞳を覗き込んだ暁は、また唇を重ねてきた。そして舌を伝って来た彼の唾液を、由奈は喉を鳴らして飲む。
「天狐の体液は媚薬だ。人には快楽しか与えぬ」
「てん、こ? あっ」
「妖力を持つ狐だ。ほら、由奈のココは、我が指を全て飲み込んだぞ」
暁の声が嬉しそうに弾んで聞こえ、彼と目が合った瞬間、由奈の心臓が跳ねた。それは彼女の身体を震えさせ、ナカにある暁の指にも如実に伝わってしまう。
「まだ指だけだぞ? 食い千切らんばかりに締め付けて……狭いな、由奈のココは」
「ぁあっ……っん……やぁ……」
「いくら痛みを感じぬとはいえ、解さねばな?」
柔らかな由奈の乳房に舌を這わせながら、暁は指先で彼女のナカをかき混ぜ始める。耳を塞ぎたくなるような淫らな音が二ヶ所から聞こえ、由奈は恥ずかしくなるが、徐々に快感に飲まれて音が遠ざかっていくように感じた。そして、いつの間にか増やされていた暁の二本の指で、一点を集中的に刺激されると身体が弓なりになった。
「ここだな」
先程同様、暁の嬉しそうな声が遠くで聞こえるが、由奈はそれどころではない。未知の感覚から逃げようとした身体はガッチリと暁の腕で絡めとられ、彼の指先から逃げようと腰を揺らしても、暁の指がそこから離れることはなかった。
「由奈……イけ」
「っ……」
囁かれた暁の声が脳内に溶けていく。次いで唇を奪われた由奈は、彼の口内で喘声を上げながら果てた。そしてそのまま彼女の意識はふつりと途切れたのである。
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