年下クンと始める初恋

鈴屋埜猫

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 葉一と結婚することに決めた、と話すと母はもちろんのこと、冬馬もすごい喜びようだった。

「良かったわー、仲直りしてくれて」

 あの日から、茉歩は葉一の家から冬馬の店に通っている。冬馬は翌日の昼過ぎには茉歩の荷物を、自分の車で葉一の家まで送ってくれた。その時、葉一と話し合い、通勤という形をすることに決まったのだ。
 そんなに遠い距離ではないし、お店は夕方からなのでのんびり出ればいい。何より事務作業より接近の方が得意な茉歩には、ありがたい職場であった。

「でも、もう茉歩が来てくれなくなるって思うと寂しいわね」

 葉一との話し合いの中で、冬馬は早急に次を見つけることも約束していた。そしてその約束通り、先週には新しい従業員が決まり、今週から一人、男の子が入っている。
 茉歩はその彼が慣れるまでは、と切りよく月末まで働くことになっていた。

「あと二週間、お世話になります」
「たまには私とも遊んでよね? 旦那ばっかり構っちゃ嫌よ?」

 
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