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一章 歪な世界
1-1 ちょっと待ったあああ!!
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「……さん! お客さん!」
「!」
肩を揺らされ、飛び起きる。
目の前にいたのは、困った顔をした車掌だった。
「えっ、あれ」
「終点ですよ、お客さん。降りてもらわないと困りますよ、もう」
「あっ、す、すみません」
俺は慌てて立ち上がる。電車を飛び降りれば、すぐに閉まる扉。
(俺を待っていてくれたのか)
なんだか申し訳ないことをした。
俺は息を吐き、肩を落とす。
「それにしても暑いな」
まとわりついて来る、湿気た空気。
じりじりと地上を焼く太陽に、汗が滲み出る。
まだ六月だっていうのに、日差しも強いし、気温も高い。
風も吹いているが、涼しさを求めるには、ちょっと足りない。
「つーか、ここどこだ?」
汗を拭い、上を見る。
しかし、電子版はなく、ただ古い天井があるだけ。
端には大きな蜘蛛の巣が付いていた。
(にしても、ボロい駅だな)
見晴らしが良すぎるその駅は、まるで雑誌の田舎特集に出てきそうな風貌だった。
駅名の書いてある柱は無く、路線図もない。
あるのは草が絡まったフェンスのみ。
……これ、防犯の意味あるのか?
「……心配に なるな」
俺はそう呟きながら、歩いていく。
直ぐに見えた改札らしき場所に、足を止める。
「……タッチする場所がないんだが」
俺はICカードを手に、立ち往生してしまった。
(嘘だろ。さすがにこのまま出るってことはないよな?)
切符を入れるポストは見つけられたが、例の、あの機械が見当たらない。
このままじゃ無賃乗車になってしまう。
必死に機械のある場所を探す。
数分後、ようやく見つけた俺は、改札を出ることが出来た。
「よかった……」
あのまま一生出られないのかと思った。
俺はため息を吐いた。
なぜ駅から出るだけでこんなにも疲れなきゃならないのか。
ボロい待合室を通り抜け、出入り口の古いガラス戸を引く。
瞬間、外の風が吹き抜けた。
「!」
独特な香りに、俺は顔を上げる。
風に髪がさらわれた。俺は気にせず、もう一度息を吸い込むわ、
やっぱりそうだ。
間違いない。
「潮の香りだ」
もしかしたら近くに海があるのかもしれない。
それなら、ぜひ見てみたい。
浮つく中、俺は風上に向かって歩くことに決めた。
自動販売機で買った水を飲みながら、俺は足を進める。潮の香りが余計に強くなった気がした。
歩いて三十分とちょっと。
「おお……」
青い海に声が漏れる。
(海だ。本物だ)
でかくて、広い青い大海原。
青い空が眩しい。
海と空の境目がわからなくたくなりそうだ。
白い波は踊るように水面を漂っている。
「すごいな。磯臭い」
俺はつい本音がこぼれる。
ザザンと波の音が聞こえ、俺は目を閉じた。
――海なんて見るのは、一体何年ぶりだろうか。
「足くらい浸かりに行っても大丈夫かな」
ここは海の側面に位置する場所らしく、少し先には人が入れそうな砂浜があった。
近くまで行くと、看板が立っている。
『盗難注意』という表示に、俺は『こんなところで盗みを働く奴なんかいないだろ』と小さく笑う。
浜辺に荷物を置き、靴を脱ぐ。靴下は丸まったまま、雑に放った。
砂浜は思ったより熱くなかった。
「うおっ、つめてっ」
海に入れば、冷たさに心地よさを感じる。
足を蹴り上げれば、水飛沫が飛んだ。
海風が髪を攫う。非日常感に無意識に笑い声が漏れた。
(あー……懐かしいな)
海ってこんな感じだったな。
幼い頃に感じた高揚感を思い出して、俺は呟く。
――楽しい。
久しぶりに何の気兼ねもなく感じられるそれに、心が軽くなる。
いつも人の視線ばかりを気にしていたからか、こうして自由気ままな時間は貴重だった。
空を見上げ、太陽を見る。
いつの間にかてっぺんを過ぎた太陽は、少し傾いている。今は午後の二時ぐらいか。
バシャバシャと浜辺を歩いていく。
押し寄せる波も、回数を重ねれば慣れていく。
「綺麗だな……」
リゾート地とは違う。思ったよりも暗い海は少し恐怖を覚える。
しかし、着飾らない姿に好感を持てた。
(……俺たち人間とは大違いだな)
着飾って、見栄を張って。
それでも足らないと喚き散らす。
自分を偽るだけじゃ飽き足らず、子供や友人まで巻き込んで、思い通りにならなかったらポイだ。
『凛くんならわかってくれると思ったのに!』
『どうしてそんなこと言うの?』
『なんか、思ってたのと違ったかも』
「……馬鹿馬鹿しい」
頭の中でリフレインする声。
そのどれもが自分を否定するもので、全身が重くなっていくのを感じる。
「ッ、!」
頭痛が一気に存在感を増し、頭を締め付ける。
脳内で響く声に、歯噛みをした。
『さっすがアルファ様! 持つべきはやっぱアルファのダチだよなー』
『アルファって上から目線だよな。マージでムカつく』
『何でも出来るアルファとはちげーんだよ』
『いいよなぁ、アルファってだけで世の中に求められてさぁ』
「……アルファアルファ、うるせぇよ」
大きく舌を打つ。
頭痛がより大きくなる。頭が割れそうに痛いが、どうしようもない。
目を開けていられないほどの頭痛。
痛みに膝を付いた。海面が目の前に迫って来る。冷たい水が体温を攫って行く。
……いっそのこと、水の中に頭を突っ込めば、一気に冷えて痛みも思考もなくなるんじゃないか。
わかってる。どうせこれは治らない。
アルファとして生きている以上、この頭痛は一生をかけて背負って行かなければいけないのだ。
……わかっては、いる。けど。
(どうして、俺ばっかり)
そう思わないわけでは、なくて。
「ちょぉっと、待ったあああああッ!!!」
「!?」
叫び声に、思考が止まる。
考えていた内容が一気に吹き飛ばされ、俺はゆっくりと振り返り――目を見開いた。
(え)
沈む夕陽のど真ん中。
そこに映る人影は、俺に向かって飛び掛かっている。
「駄目だ!」
「えっ」
聞こえた声に、ドクンと心臓が大きく脈を打つ。
きらりと光る蜜色の瞳に、俺は目の前の人物から目を離せずにいた。
(月――?)
なんで、こんなところに月が――。
ドンっ!!
「う、わわっ、!?」
「ッ――!」
降って来た人影が衝突する。
ぐらりと揺れる視界。
(やばいッ)
倒れ、る――!
バシャン。
俺の尻は容赦なく海の中に叩きつけられた。
「っ……」
「ぷはっ、わ、悪い! まさか転ぶと思わなくて……!」
勢いよく上げられる顔。
合わせられた瞳に、俺は息を飲んだ。
「だ、大丈夫か……?」
伺うように覗き見て来る青年。
(満月……が)
俺は目を見開く。
合わさった視線に、全身が雷に打たれたような衝撃を受ける。
(な、なんだ、これ)
欲しい。触れたい。
欲しい。
目の前の青年が欲しい。
この小さな満月に、触れたい。
頬に触れて、その柔肌に噛みつきたい。
全身をくまなく触れて、暴いて、俺のものに――。
「……い……おいッ!」
「!」
パンッ。
頬に走る衝撃に、俺はハッとする。
右頬がじんと痛む。
どうやら青年の手が俺の頬を叩いたらしい。
(俺、今何を……)
「え、っと……」
「あ。悪い。なんかヤバそうな感じ? だったから、叩いたら目を覚ますかなと思って」
「あ、え……?」
「顔」
青年が自分の頬を指さす。
「あ」と声を上げ、自分の頬に触れる。
確かに、頬が熱い。じんじんと痛みが走った。
(そうか。叩かれたから痛いのか)
俺は遅れて状況を理解した。
「いや……こっちこそ、ご迷惑? かけました」
「なんで疑問形なのさ」
ふふ、と青年が吹き出す。
爽やかな顔に、目が釘付けになる。
(き、れいだ……)
濡れた髪が彼の頬に張り付いている。
焼けていない肌を水滴が伝い、俺はこくりと息を飲んだ。
「よいしょっと」
徐に青年が立ち上がる。
ざぱぁ、と水が勢いよく落ちた。
「立てる?」差し出された手に、俺は無意識に頷く。
触れた手は、温かい。
久しぶりに感じた人肌に、小さく緊張が走った。
けれど、それも一瞬のことで。
「!?」
ぐいっと強く引かれ、俺はたたらを踏む。
今度は前から転ぶんじゃないかと一瞬ヒヤリとした。「あ、ごめん」と青年は呟く。
「僕、ちょっと力強いみたいで」
「あ、いえ。大丈夫です」
「そう? じゃあこっち」
引き上げられた手をそのままに、彼は歩き出す。
俺は特に反抗することもなく、その背について行くことにした。
「!」
肩を揺らされ、飛び起きる。
目の前にいたのは、困った顔をした車掌だった。
「えっ、あれ」
「終点ですよ、お客さん。降りてもらわないと困りますよ、もう」
「あっ、す、すみません」
俺は慌てて立ち上がる。電車を飛び降りれば、すぐに閉まる扉。
(俺を待っていてくれたのか)
なんだか申し訳ないことをした。
俺は息を吐き、肩を落とす。
「それにしても暑いな」
まとわりついて来る、湿気た空気。
じりじりと地上を焼く太陽に、汗が滲み出る。
まだ六月だっていうのに、日差しも強いし、気温も高い。
風も吹いているが、涼しさを求めるには、ちょっと足りない。
「つーか、ここどこだ?」
汗を拭い、上を見る。
しかし、電子版はなく、ただ古い天井があるだけ。
端には大きな蜘蛛の巣が付いていた。
(にしても、ボロい駅だな)
見晴らしが良すぎるその駅は、まるで雑誌の田舎特集に出てきそうな風貌だった。
駅名の書いてある柱は無く、路線図もない。
あるのは草が絡まったフェンスのみ。
……これ、防犯の意味あるのか?
「……心配に なるな」
俺はそう呟きながら、歩いていく。
直ぐに見えた改札らしき場所に、足を止める。
「……タッチする場所がないんだが」
俺はICカードを手に、立ち往生してしまった。
(嘘だろ。さすがにこのまま出るってことはないよな?)
切符を入れるポストは見つけられたが、例の、あの機械が見当たらない。
このままじゃ無賃乗車になってしまう。
必死に機械のある場所を探す。
数分後、ようやく見つけた俺は、改札を出ることが出来た。
「よかった……」
あのまま一生出られないのかと思った。
俺はため息を吐いた。
なぜ駅から出るだけでこんなにも疲れなきゃならないのか。
ボロい待合室を通り抜け、出入り口の古いガラス戸を引く。
瞬間、外の風が吹き抜けた。
「!」
独特な香りに、俺は顔を上げる。
風に髪がさらわれた。俺は気にせず、もう一度息を吸い込むわ、
やっぱりそうだ。
間違いない。
「潮の香りだ」
もしかしたら近くに海があるのかもしれない。
それなら、ぜひ見てみたい。
浮つく中、俺は風上に向かって歩くことに決めた。
自動販売機で買った水を飲みながら、俺は足を進める。潮の香りが余計に強くなった気がした。
歩いて三十分とちょっと。
「おお……」
青い海に声が漏れる。
(海だ。本物だ)
でかくて、広い青い大海原。
青い空が眩しい。
海と空の境目がわからなくたくなりそうだ。
白い波は踊るように水面を漂っている。
「すごいな。磯臭い」
俺はつい本音がこぼれる。
ザザンと波の音が聞こえ、俺は目を閉じた。
――海なんて見るのは、一体何年ぶりだろうか。
「足くらい浸かりに行っても大丈夫かな」
ここは海の側面に位置する場所らしく、少し先には人が入れそうな砂浜があった。
近くまで行くと、看板が立っている。
『盗難注意』という表示に、俺は『こんなところで盗みを働く奴なんかいないだろ』と小さく笑う。
浜辺に荷物を置き、靴を脱ぐ。靴下は丸まったまま、雑に放った。
砂浜は思ったより熱くなかった。
「うおっ、つめてっ」
海に入れば、冷たさに心地よさを感じる。
足を蹴り上げれば、水飛沫が飛んだ。
海風が髪を攫う。非日常感に無意識に笑い声が漏れた。
(あー……懐かしいな)
海ってこんな感じだったな。
幼い頃に感じた高揚感を思い出して、俺は呟く。
――楽しい。
久しぶりに何の気兼ねもなく感じられるそれに、心が軽くなる。
いつも人の視線ばかりを気にしていたからか、こうして自由気ままな時間は貴重だった。
空を見上げ、太陽を見る。
いつの間にかてっぺんを過ぎた太陽は、少し傾いている。今は午後の二時ぐらいか。
バシャバシャと浜辺を歩いていく。
押し寄せる波も、回数を重ねれば慣れていく。
「綺麗だな……」
リゾート地とは違う。思ったよりも暗い海は少し恐怖を覚える。
しかし、着飾らない姿に好感を持てた。
(……俺たち人間とは大違いだな)
着飾って、見栄を張って。
それでも足らないと喚き散らす。
自分を偽るだけじゃ飽き足らず、子供や友人まで巻き込んで、思い通りにならなかったらポイだ。
『凛くんならわかってくれると思ったのに!』
『どうしてそんなこと言うの?』
『なんか、思ってたのと違ったかも』
「……馬鹿馬鹿しい」
頭の中でリフレインする声。
そのどれもが自分を否定するもので、全身が重くなっていくのを感じる。
「ッ、!」
頭痛が一気に存在感を増し、頭を締め付ける。
脳内で響く声に、歯噛みをした。
『さっすがアルファ様! 持つべきはやっぱアルファのダチだよなー』
『アルファって上から目線だよな。マージでムカつく』
『何でも出来るアルファとはちげーんだよ』
『いいよなぁ、アルファってだけで世の中に求められてさぁ』
「……アルファアルファ、うるせぇよ」
大きく舌を打つ。
頭痛がより大きくなる。頭が割れそうに痛いが、どうしようもない。
目を開けていられないほどの頭痛。
痛みに膝を付いた。海面が目の前に迫って来る。冷たい水が体温を攫って行く。
……いっそのこと、水の中に頭を突っ込めば、一気に冷えて痛みも思考もなくなるんじゃないか。
わかってる。どうせこれは治らない。
アルファとして生きている以上、この頭痛は一生をかけて背負って行かなければいけないのだ。
……わかっては、いる。けど。
(どうして、俺ばっかり)
そう思わないわけでは、なくて。
「ちょぉっと、待ったあああああッ!!!」
「!?」
叫び声に、思考が止まる。
考えていた内容が一気に吹き飛ばされ、俺はゆっくりと振り返り――目を見開いた。
(え)
沈む夕陽のど真ん中。
そこに映る人影は、俺に向かって飛び掛かっている。
「駄目だ!」
「えっ」
聞こえた声に、ドクンと心臓が大きく脈を打つ。
きらりと光る蜜色の瞳に、俺は目の前の人物から目を離せずにいた。
(月――?)
なんで、こんなところに月が――。
ドンっ!!
「う、わわっ、!?」
「ッ――!」
降って来た人影が衝突する。
ぐらりと揺れる視界。
(やばいッ)
倒れ、る――!
バシャン。
俺の尻は容赦なく海の中に叩きつけられた。
「っ……」
「ぷはっ、わ、悪い! まさか転ぶと思わなくて……!」
勢いよく上げられる顔。
合わせられた瞳に、俺は息を飲んだ。
「だ、大丈夫か……?」
伺うように覗き見て来る青年。
(満月……が)
俺は目を見開く。
合わさった視線に、全身が雷に打たれたような衝撃を受ける。
(な、なんだ、これ)
欲しい。触れたい。
欲しい。
目の前の青年が欲しい。
この小さな満月に、触れたい。
頬に触れて、その柔肌に噛みつきたい。
全身をくまなく触れて、暴いて、俺のものに――。
「……い……おいッ!」
「!」
パンッ。
頬に走る衝撃に、俺はハッとする。
右頬がじんと痛む。
どうやら青年の手が俺の頬を叩いたらしい。
(俺、今何を……)
「え、っと……」
「あ。悪い。なんかヤバそうな感じ? だったから、叩いたら目を覚ますかなと思って」
「あ、え……?」
「顔」
青年が自分の頬を指さす。
「あ」と声を上げ、自分の頬に触れる。
確かに、頬が熱い。じんじんと痛みが走った。
(そうか。叩かれたから痛いのか)
俺は遅れて状況を理解した。
「いや……こっちこそ、ご迷惑? かけました」
「なんで疑問形なのさ」
ふふ、と青年が吹き出す。
爽やかな顔に、目が釘付けになる。
(き、れいだ……)
濡れた髪が彼の頬に張り付いている。
焼けていない肌を水滴が伝い、俺はこくりと息を飲んだ。
「よいしょっと」
徐に青年が立ち上がる。
ざぱぁ、と水が勢いよく落ちた。
「立てる?」差し出された手に、俺は無意識に頷く。
触れた手は、温かい。
久しぶりに感じた人肌に、小さく緊張が走った。
けれど、それも一瞬のことで。
「!?」
ぐいっと強く引かれ、俺はたたらを踏む。
今度は前から転ぶんじゃないかと一瞬ヒヤリとした。「あ、ごめん」と青年は呟く。
「僕、ちょっと力強いみたいで」
「あ、いえ。大丈夫です」
「そう? じゃあこっち」
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