わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

すんのはじめ

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第14章

14-1

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 2学期が始まって学校に行くと、校門の横に「祝 ラグビー中学女子全国大会出場 大阪代表選抜に 三津浦桜子 篠崎美玖さん」の垂れ幕が・・・そして、掲示板にも「快挙 我が桜中ラグビー部主力の市内選抜チームが 見事 京都代表選抜チームに勝利」と号外版が張り出されていた。

「なんなん この 華々しいの」と、泉希と言っていた。

「そーねえー 校長先生も あの時 飛び上がって喜んでたからねー」

「先輩達も 英雄だね」

「そーだね みゅんも陰の立役者だよ 誘ったんは みゅんだからー」

「だけど あの時は ひとりでも欲しかったからー 必死だったんよ」

「でも みゅんだから ここまでになったんだよ 不思議ちゃんだからー 誘ったんが みゅんじゃぁなかったら 二人とも入って無かったと思うよ」

「あのなー 泉希 そーやって みゅうみゅんのこと 謎の生き物みたいにゆうのって やめてくれるー みゅうみゅんは普通に生きてるんやでー」

「その普通の基準が なぁー 他とちゃうんやー でも 試合の次の日 みゅんの顔 見られへんかったでぇ― ゾンビヤン」と、その後、いつものようにくしゃくしゃにもみ合っていたのだ。

 
 練習の時、久々に桜子先輩に会って

「ウチ等のチームでもなー みんなが桜中の話題で持ち切りで 単独で京都に勝つなんて どんなメンバーなんだって聞いて来るのよー」

「そんなん 当たり前ヤン 全国めざしてるんやでー」

「でもね みゅん 全国レベルはちがうんやでー 関東勢も強いしー 福岡なんかもねー 大阪でも太刀打ちできひんかも知れん」

「それでも ウチ等は 向かっていくんやー なぁ なぁ さっき ウチ等のチームって・・・ さくらも美玖も もう ウチ等のチームとちゃうんかぁー? そのー ウチ等と・・・」

「うっ うー そーやなー もう キャンキャンズとは・・・離れてしもーたなぁー」

「そう そーやなー それが旅立ちってことなんやろか」

「なんやー みゅん その大人びた言葉! それでも 心はいつもキャンキャンズやでー みゅんと栞奈がラグビー誘いにきてくれた時のことは 忘れてへんでー」

 そして、校長先生が寄って来て 「君達はとんでもないことをやってくれたなぁー 教育委員会からも称賛の連絡があったよ 応援を続けてくださいってな そんなことはわかっちょるわー でも 皆 かすり傷程度で良かった 怪我でもしたら 責められるからなー」

「あぁー 校長先生 ウチの鼻のてっぺんわぁー? 眼の周りも腫れあがってゾンビみたいやって言われたんよー 朝陽も唇の横 まだ、腫れとるでー」

「うん もう べっぴんさんにもどっちょるよー そんなのラグビーではかすり傷何だろう? 心配せんでも 詩織先生にも傷バンは絶やさないようになって言ってある でも 試合の時の皆んなの勇敢さには感動したよ 自分よりも大きな相手に怪我するのも恐れないで突進していくやものなー これがキャンキャンズなのかとな」

 
 その日の練習が終わった後、1年の輝姫きらりちゃんが私に

「あのね 先輩 この前の試合 感動しました 小さな身体で大きな相手にも向かって行って 前、さくら先輩が1年生を集めて 言ってくれたことがあるんです 今の2年生は みんな すご~い努力してきたんだよって 美鈴も鈴花もみんなより遅れてるからって頑張ったし 栞奈も走るのが遅いけど、他のことで頑張ってるし あの子のドロップキックも正確でしょ? スクラムも踏んばるように・・・ みゅんも朝陽も身体小さいでしょ? だけど、それをカバーするように走り方を考えてるしー もちろん、天性のものもあるわよー だけど、本人たちは それ以上に努力してきたのよって それと・・・璃々先輩と泉希先輩が 今 チームを引っ張っているみたいだけど それをコントロールしているのは みゅん先輩だって 小さい身体なんだけど 何にでも真正面から立ち向かっていくから みんなも自然と付いていくし みゅん先輩は今のキャンキャンズの礎なんだって キャンキャンズは一体なんだって だから、ウチもみゅん先輩のこと 見習って頑張ることにしました 一度、練習が辛くってついて行けなくて もう 辞めようと思ったんですけど でも、自分って甘いんだなー やっぱりもっと頑張ってみようって決めたんです」と、

 この子は1年生の中でも一番 身体も小さくって、私が見ていても辛いだろうなって思っていた子なんだ。でも、タックルにいくんでも誰よりも突進していって 思いっ切りが良いから・・・頑張って続けてよー って思ってた子なのだ。だから、そー言ってくれて 私は嬉しかったのだ。

 帰る時にも、泉希に 

「きらりちゃんがね 頑張って続けるって言ってくれたんだぁー 良かったよねー」

「そうね 璃々とか さくら先輩に美玖先輩がいろいろと言ってくれたみたいネ この前の試合の結果もよかったんじゃぁない」

「なんやー 泉希 なんとなく 冷たい言い方やなー」

「そんなことないよー うれしいよー ウチは まぁ いっつも こんなもんやー」

「うそっ! ヨッさんのことになると 崩れてくしゃくしゃになるくせにぃー」

「みゅん バスん中やから 戦わんけどなー ヨッさんのことは言わんとってー 自分でも 何でやろーって思うこともあるネン みゅんもたっ君のことになると そーやろー?」

「まぁ 恋する乙女やからなー」

「なぁ もう したん?」

「うっ うー なんてことを・・・ してへんわー そんなん バスの中で・・話すことちゃうヤン それに、してたら 泉希に報告するわー」

 と、言ったものの もし そーなったとしても 泉希にも きっと言わないと思う それだけは、たっ君との秘め事にしておきたいもの・・・。だから、この前のことも秘密なのだ。 
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