どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース～霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章五節 天性の感と本能の赴くままに！と保護者到着！…-

自身の攻撃が弾かれるとは思っても居なかった様子で戸惑うパルシディアナ！…

しかし弾かれたからと言ってその攻撃の手を止める事は決してせず！…と言うのも

弾かれたにも関わらず驚異的なバランス感覚を披露！…体を捩る様にして反動を

受け止め！…逆にまだ自身の攻撃チャンスである様に動いて行くと、再度オリハに

追撃を！…だがオリハとてその攻撃に対してさも覚醒したよう！…その飛んで来る

攻撃に対してもう一度パリィを敢行すると、パルシディアナに抵抗する！…


「ッ！…ハアァァァァァ！！！」


「一回でも防げたら後はタイミング！！！…」


＿＿ガイィン！！…ガイィン！！…ガイィン！！…


「ッ！！…クッ！！！…息を吹き返したのか！？…」


この時オリハはその最初の一撃を皮切りにタイミングを掴んだ様子！…吠える

パルシディアナの攻撃をパリィすると、徐々に自信を持ち！…そして次々に

飛んで来る連続の攻撃も悉く連続でパリィ！…するとこれにはパルシディアナ

も驚いた様子！…突如動きが良くなった事で面倒臭くなった具合に言葉を零す

と、その一方でオリハも！…やはりその一撃一撃が重い事には変わらず！…

オリハも苦しむ表情を見せる！…


＿＿ガイィン！！…ガイィン！！…ガイィン！！…


「クッ！！…オオオォォォォォォ！！！…」


「ッ！！…私の攻撃を弾きながら態勢を立て直し始めた！？…馬鹿な！！…

確かに玉藻前は接近戦も出来るがそこまで接近戦が得意ではない筈！？…

魔術師寄りのお前が何故ここまで戦える！？…」


苦しい表情を見せるのだがそれでもオリハは必死にパルシディアナへ喰らい付く！…

その飛んで来る蹴り技を一つ一つパリィで往なし！…徐々に最初に弾かれたフラ付き

からグッと踏ん張る様にして復帰をし始めると、その様子にパルシディアナが驚きの

様子を露わに！…それこそ今までのフィロからではあり得ない！と言った言葉を口に

する！…しかしだからと言ってそれでもオリハへの攻撃の手を緩める事は決して

せず、猛攻を繰り出し続けるのだが！…それでも尚オリハは一切折れる気配を見せる

事無く！…何度も攻撃を弾きながら徐々に徐々にとそのパルシディアナの言葉に

対してある不満を持ち出すと、遂にはツッコミを口にする！…


「…ッ！！…さっきから私の事！…玉藻、玉藻って呼んでるけどさぁ～！！…」


＿＿ガイィン！…ガイィン！！…ガイィン！！…


「ッ！！…」


「私はフィロちゃんじゃなくて！！！…」


「ッ！？…氷脚連牙…！！」


それこそフィロと間違えられて居る事に対して文句を言おうとするのだが、徐に

オリハが口を開き出した事でパルシディアナは警戒！…その際回し蹴りの様な

大振りな物から膝を曲げての細かい蹴りにシフトし！…威力よりも手数！…もはや

少しの反撃を許さない！と言った具合にオリハを追い込もうとするのだが、尚も

オリハはパリィを！…更には態勢も整えて行く！…そして遂にはオリハが完全復帰

すると、その様子にパルシディアナも驚き！…と、ここでオリハは更に文句の言葉

を続けて行き！…パルシディアナもその様子に何か来ると感じたのか！…慌てて

仕留めに掛かるよう技を放とうとして見せると、次の瞬間！…


＿＿グオォ！！…ガッ！！…キイイイィィィィンンン！！！…


「ッ！？…なっ！？！？…」


余りにも蹴り技を披露し過ぎてしまったせいか！…オリハはもうタイミングを

掴んだ！とばかりに会心のパリィを！…それは先程までのモノとは違って大きく

体勢を崩すモノであって！…パルシディアナもこれは受け流し切れない様子で

大きくフラ付き！…そのまま少し後ろに下がる様なそんな体勢を見せて居ると、

次にはハッ！と…酷く動揺した表情を浮かべて見せる！…そしてその一方で

オリハも良いのが入った事を自覚すると、今までやられて居た事を怒る様に！…

それこそ先程から間違えられていた事も含めて！…感情を爆発させる様に吠えて

行くと、更に異変も起こして見せる！…


「私の名前は！！…オリハだあぁぁぁぁぁぁ！！！！」


＿＿バシュン！！…ゴオオォォォォ！！！…


「ッ！？…その気配は！！……それにオリハ…だと？…」


＿＿スッ…クルクルクルクル、クルリッシュタ！…


オリハが怒声を挙げて自身の名前を叫んで見せると、次には[狂獣人化ウェアバーサーカー]を発動！…

と、そんなオリハの気配が変わった事でパルシディアナも驚き戸惑い！…更には

名前に対しても聞き覚えが無い事を口にすると、フラ付きながらも受け身に！…

体を捻って側転をする！…そしてその様子の変わったオリハから距離を取る様に

して離れて見せると、同時によろけも最小限に抑え！…が、その一方でオリハは

フラストレーション溜まりまくり！…完全に頭に血が上り切っている状態で一気に

間合いを詰めに掛かると、パルシディアナへ襲い掛かる！…


「グウウゥゥアアアアァァァァ！！！」


＿＿ギュン！！…ガキィィン！！！…


「ッ～～～！！！…は、速い！！…先程とは比べ物にならない位に速い！！…

…それに一撃の重さも違う！！…まるで手負いの獣のよう！！！」


「ッ！！…逃ガスカァァァァァァ！！！」


オリハは吠えながらダッシュ斬りで受け身を取った直後のパルシディアナへ斬り

掛かるも、パルシディアナは咄嗟に反応すると腕をクロスさせてガードの体勢に！…

と、そこでオリハと正面衝突を起こしてしまい！…ここでも体重差が出て来るか…

オリハの一撃に対してパルシディアナが吹き飛ぶ様にして低空を舞うと、次には

地面を擦る様に！…その身を地面に叩き付ける！…その際若干なら氷が削れる様な

破片も辺りに軽く散ると、オリハのスピードが上がった事と攻撃力の上昇に驚きを

示し！…と、その一方でオリハは暴走状態！…もはや本能の赴くままに暴れ出すと、

更にパルシディアナへ追撃を仕掛ける！…


＿＿ダッ！！…ギュン！！…ッ！！…


「烈風刃！！！」


＿＿グオォ！！…ッ！！…グッ！！…ズガガガガガガ！！！


「ッ～～～！！！…クッ！！…アアアアァァァァ！！！…」


＿＿パキッ！！…パキパキッ！！！…


まるで獲物を追い駆ける狼の様に低姿勢で勢い良くパルシディアナへ走り出し！…

飛び掛ると武器を突き出す様にして自身の体を回転させ！…それはまるで人間

魚雷の様であり！…某・忍者漫画だと獣人体術奥義を彷彿とさせる様に飛んで行く

と、相手の状態など御構い無し！…確実に仕留めに掛かろうとして見せる！…

そして肝心のパルシディアナの状態はと言うと、また地面から起き上がっただけに

留まており！…が、飛んで来ているオリハの様子は見えており！…パルシディアナも

慌ててまた防御の体勢に入って行くと、オリハと衝突をしてしまう！…その際勢いが

凄まじいのかに腕の氷が削られる事態になって行くと、堪らずパルシディアナも

悲鳴を上げ！…しかしだからと言ってオリハは止まらず！…フィニッシュブローで

パルシディアナを吹き飛ばし！…続けて大きく地面を踏んで飛び上がって見せると、

今度は兜割りを敢行する！…


「フン！！…兜割リィィィィ！！！」


「ッ！？…クッ！！…」


もはや自身の体の反応速度限界に挑む様に技を繋げ！…その場で大きく跳び上がると

両刃剣を上段に！…そして落下して来る勢いそのままに！…何なら体を回転させて

威力を底上げ！…そして今だに身構えているパルシディアナへ向かって落下をして

行くと、そのまま思いっきり斬り掛かる！…勿論両手でしっかりと武器を握って

一気に振り下ろして行くのだが、パルシディアナは焦りながらもそれを受け止め！…


＿＿ガキイィィィィン！！！！…


「ッ！？…ッ～～～～！！！…」


「ゼエアアアアアアァァァァァァ！！！！」


＿＿パキッ！！…パキィィィィィンンン！！！……


「キャアアアァァァァァァ！！！！…」


激しい衝撃音が辺りに響き！…パルシディアナも何とかそのままの状態で耐えようと

するのだが！…さすがに酷使して来たせいか蓄積ダメージが！…それはあの烈風刃を

真面に受け止めたせいでヒビが入り、そんな状態下でオリハの全体重が乗った兜割り

を受けたモノだから！…結果としては両腕の氷が崩壊！…限界が来た様子で無残にも

飛び散る様にして砕け散り！…パルシディアナの細い腕が露になると、そのまま圧し

飛ばされる様にしてまた低空を舞い！…また地面を掠める様にして転がって行く！…


「クッ！！…ウアッ！！…」


＿＿スォ！！……ズシャ！！…ズシャアァ！…


「…クッ！……ウゥ！！…」


＿＿ッ！……ッ！！……ズシャァ…


オリハの攻撃で再び後方へと吹き飛ばされ！…地面をバウンドしながら転がって

行くと、パルシディアナの体は打ち身や擦り傷でボロボロに！…しかしそれでも

パルシディアナは戦おうと奮起！…体を起こし何とかオリハに対して構えようと

して見せるのだが、やはり今までのダメージが残っているのか…腕に力が入らず

立ち上がろうにも立ち上がれない！…そんな様子を露わに！…パルシディアナが

苦虫を噛む様なそんな表情を見せて居ると、オリハもゆっくりと動き出す！…


＿＿……コッ…コッ…コッ…コッ…チャキッ！…


「……グルルルルル！！…グルルルルル！！…」


「ッ！？…クッ！！…おのれぇ！！…

だがこちらとてそう易々とやられる気は無い！！…

確かにお前はあの性悪狐の玉藻とは違う様だが…

だからと言ってこのままお前にやられる訳には行かないのだ！！…

…後悔するなよ？……奥の手と言うのは！…

最後に使うから奥の手なのだ！！！…」


兜割りを放ち終えた状態からゆっくりと立ち、そして地面に横たわるパルシディアナ

へ向かい歩き出し！…この時もやはり暴走状態はまだ解けておらず！…まるで野生に

返った様子で息を漏らし！…獣の様な唸り声も口にすると、その手の武器をゆっくり

と握り直す！…そして今だ倒れるパルシディアナを睨みつけ！…パルシディアナも

近付いて来るオリハに警戒をすると、次には恨み言を！…倒れても尚抵抗する意思を

露わに！…これが最後！とばかりに言葉を続けて見せて行くと、遂には静かに詠唱を

する！…


「ッ～～～……」


＿＿パアァ！！…ヒュオォォォォォォ！！…パキッ！！…パキッ！！…


｛……クッ！！…よもやこれを使わされてしまうとは！！…

しかしこの魔法のおかげで少しは体力を回復出来ただろうか…

…それでもこの久々の強者を倒すにはまだまだ治癒が足りない！！…

…あの玉藻の前の忌々しい炎が無ければ！！！…ッ～～～！！！…

……だが、私のこの魔法は回復するための物に非ず！！…

…オリハと名乗る者！！…今に覚悟せよ！！…｝


倒れるパルシディアナを中心に青白い魔法陣が形成されると、辺りに冷たい冷気が

漂い！…それに合わせてパルシディアナも自身の特性を使ってか傷を癒し！…腕の

氷の回復までには至らないが…それでも何とか動かせる様になるまで持って行くと、

こんな事態になってしまった事に改めて驚く！…その際今になってフィロの奇策に

引っ掛かってしまった事に苛立ちを覚えると、歯を食い縛る様な表情を浮かべ！…

だがそれも今だけ！と…今唱えている魔法で全てを無かった事にするよう意気込んで

居ると、その一方では…


＿＿……うっ…うぅ～ん……パチッ！……ッ？…


「ん、んん～？…あれ？…わっちは何故ここに？…

確かパルシディアナの奴と一戦交えて居った筈なのじゃが？…

…ッ！？…オ、オリハァ～～！？…」


噴水の淵で横になるよう寝ていたフィロが今になって起床！…その際何やら眠い目を

擦って辺りを見回し…何なら記憶も朧気の様子でハッキリしておらず…最後に有った

事を思い出す様に言葉を口に！…そしてふとある光景を目にして途端にハッと目を

見開く様なそんな反応を露わにすると、慌ててオリハの名前を呼ぶ！…と言うのも

ヤバい雰囲気を放っているパルシディアナに対して向かって行く様子を見せて居て、

何なら[狂獣人化ウェアバーサーカー]も発動しており！…因みにこの時フィロに呼ばれた所でオリハは

ピクリとも反応せず！…


＿＿コッ…コッ…コッ…コッ…


｛な、何故あ奴がパルシディアナと！？…それよりこれは如何言う事じゃ！？…

確かにわっちがある程度先に奴の体力と気力を奪ったとは言え！！…

まさかあのパルシディアナを地べたに這わせたと言うのかや！？…

…よもやこれがマサツグの血筋！！…

いや、あのお義父様の血とでも言うのかや！？…｝


となるとまずはオリハの心配をする一方でこれは何！？と…何なら自分が気を

失っている間に勝っちゃう感じにフィロは困惑！…弱らせたとは言えオリハが

まさかここまでやったのか！？と疑問を持ち！…とにかく状況を飲み込めずに

ただただその後ろ姿を見詰めて居ると、次には両者決着を考え！…片を付けよう！

と睨み合う！…さて十分に近付いた所でオリハが武器を構えて見せると、

パルシディアナも言葉を零し！…


＿＿コッ…コッ…コッ…コッ……チャキッ！…ダンッ！！！…


「…ッ！！…これで最後だ！！…」


＿＿ズォ！！…ハアアアアアアアアアァァァァァァァァ！！！！…


倒れるパルシディアナに対して武器を掲げ！…その場で大きく踏み込み飛び出す

と、止めを刺そうとオリハは向かう！…しかしパルシディアナも目の前でオリハが

武器を構えた事で最後！と語り…まだ諦めた様子を見せない様子でオリハに向かい

スッと右手を伸ばして見せると、次にはその手の中に魔力を収縮！…何かトンデモ

ナイ物を撃ち出そうとして見せる！…それは本当にまだ諦めていない具合に逆転を

狙っている様であり、しかしところがギッチョン！オリハはそんな様子など御構い

無しに突貫して行き！…もはや考える事すら出来ない程に暴走状態に入っており！…

それを見てパルシディアナもイケる！と…勝機を見出せた具合に次には叫んで更に

力を溜めて見せると、オリハに向かって魔法をブッパ！…


｛…よし！！…この距離なら！！…｝


＿＿バッ！！


「…ッ～～～～！！…喰らうが良い！！…

我が最後の足掻きをその身に！！…記憶に刻むが良い！！！」


「ッ！？…」


勿論距離等も込々で計算をして間に合う！と確信を持って行くと、心の中で微かに

勝利を確信して見せ！…だがその予想を裏切る様にオリハも更に加速をして行き！…

一気に間合いを詰めてパルシディアナの右手に！…それこそ魔法を妨害する様に

武器を突き出し！…そんな様子にパルシディアナも驚いた様子でビクッとすると！…

次には止められない様子で発動！…魔法をオリハに向けて放って見せる！…


「アイスクライシス……ッ！！」


｛ッ！？…あれだけTPを消費したのにまだ魔法を唱えるだけの残量があるのか！？…

でもここで退こうが退こまいがこのままだとやられる！！…

…これは行くしかない！！｝


「オオオオオォォォォォォォォ！！！！」


パルシディアナが魔法を宣言！…この時一瞬だがオリハはスローモーションで

時が流れて居る様に体感して行き！…そして暴走状態に在っても思考はハッキリと

して居る様で！…何なら今までの氷の飛礫の乱射等！…何かまだ魔法を唱えられる

だけのTPが残っていた事に頭の中で驚いた反応を露わにして行くと、自分はもう

止まれない！と…いっそ開き直った様子でそのまま突貫！…一切の躊躇いを捨てた

様子で更に踏み出し！…その突き出した武器を構わずその魔力を収集させた塊に

向けて伸ばして行くと、玉砕覚悟の攻撃！…オリハの意地を見せて行く！…その際

目を見開き真っ直ぐにパルシディアナを睨んで行くと、その様子にパルシディアナ

も思わずビクッと反応して見せ！…


｛ッ！？…コイツ！私の魔法を恐れていないのか！？…

それともコイツには恐怖と言うものが無いのか！？…

今まで相手をして来た者は私がこの大陸で一番強いと分かると

早々に逃げたと言うのに！？……これではまるで…｝


この時パルシディアナも体感的に何かスローモーションの様に時を感じ！…自身の

魔法が解き放たれる事にも異様なまでの時間を感じ！…そんな中オリハが怯まず

突貫をして来た事にパルシディアナは勿論困惑！…これまたオリハと同じく頭の

中で戸惑いの言葉を漏らしており…まるで恐怖が何処かへ飛んで行った狂戦士の

様にオリハを感じてしまって居ると、突如ここで今までの事をふと思い出し始め！…

と言うのも今まで自身に挑戦して来た者達の事をふと思い！…オリハだけは違う！

と…何か認める様な、或いはある者と重ねる様なそんな事を考えていると、遂に

オリハが先に！…パルシディアナへ攻撃を届かせようとして見せる！…


「オオオオオォォォォォォォォォォォ！！！！」


「まるで…あの人の様ではないか！？…」


「…ッ！！…ッ～～～！！！…

これで止めだ！！…パルシディアナァァァァァ！！！」


＿＿グオオォォ！！！…スン！！…


オリハは吠えながらパルシディアナの右手に！…その魔力の塊に両刃剣の切っ先を

押し当て！…と、その一方でパルシディアナは今だに困惑！…仕舞にはやはりに

ある者と重なった様子で言葉を零し！…オリハの攻撃に対して反応が遅れたよう

何か躊躇う様なそんな素振りも見せて居ると、次には畏怖の念を抱いてしまう！…

そしてここでタイミング的にもオリハの[狂獣人化ウェアバーサーカー]が解除されると、ハッと我に

返った様子でオリハが！…しかしその手を止める事は決してせず！…そのまま

パルシディアナに引導を渡そうとして行くと、次にはまた奇妙な事が！…


「ッ！？…しま！！…」


＿＿……ガキイィィィンン！！！…


それこそ向かって来るオリハに対してパルシディアナがハッとした反応を見せると、

次には自身の右手が貫かれてしまいそうな光景を目に！…するとそんな状態に

パルシディアナもしまった！と…その言葉さえも間に合わない位にオリハが更に

迫って行く様子を露わにすると、パルシディアナもその攻撃に覚悟を決める！…

その際目を閉じて歯を食い縛り痛みに耐える様なそんな表情を見せて行くと、

この後の展開を如何動くか？で悩むのだが！…しかし次に聞こえて来たのは肉を貫く

音ではなく、何か金属同士が激しくぶつかる音であり！…それはパルシディアナの

目の前から大きく聞こえ！…同時に何やらギャラリー達がどよめく声も大きく

ハッキリと聞こえて来ると、パルシディアナは戸惑って見せる！…すると

そこには！…


「ッ～～～！！！……ッ？…ッ！！…」


＿＿グオン！！…フォン！！……チャキッ！！…


「ッ！？…な！？…」


「ッ！？…ッ～～～！！！…」


恐る恐るパルシディアナが目を開けるとそこには一人の男性冒険者が立って居て、

パルシディアナを庇う様にしてオリハの攻撃を阻んで居り！…それは受け止める

とかそんな中途半端なモノでは断じてなく！…見事にパリィを決めてはオリハ

自体を後退！…何なら怯ませる事にも成功して居り！…攻撃を弾かれた本人も

これには酷く動揺した様子で戸惑った表情を浮かべて居ると、その冒険者は大剣を

一振り！…さも軽い！とばかりに余裕を見せる！…となるとそんな突然の男性

冒険者の登場にパルシディアナも戸惑って見せると、思わず言葉を漏らしては

目をパチパチとさせ！…その一方でオリハもその男性冒険者の事を睨み！…これは

一体如何言う事か！？と…口以上にその視線で男性冒険者に文句を言うと、

フィロもその者に声を掛ける！…


「な、何を！…何をしておるのじゃ！？…」


「…それはコッチが聞きたいんだが？…フィ～ロォ～？…

何で勝手に飛び出して行った？…」


＿＿ダンッ！！……ムック……


「…それはコッチの台詞なんだけど？…何で邪魔をすんのさぁ？…

コッチはコッチで頭に来てるんだけど？…」


フィロは戸惑った具合にその者へ言葉を、何なら顔見知りの様子で戸惑い！…と、

その一方でその男性冒険者もフィロの言葉にピクッと反応！…その際文句が有る

様子で口を開き！…これは一体如何言う事なのか？と逆に説明を求めるよう続けて

行くと、オリハもその男性冒険者に対して文句を！…さも仕留め損ねた様子で

言葉を吐く！…その際怯みから復帰した様子で地団太を踏むと、そのオリハの

態度に対して男性冒険者は呆れ！…何なら頭を掻き毟るそんな反応を露わにして

行き！…更にオリハに対して言葉を続けて見せて行くと、次には説教をし始める！…


「…はあぁ～…この馬鹿チンがぁ！！…

そもそもこんな事態になったのは何でなんだ？って聞いてんだ！！…

勝手に飛び出して行って！！…大混乱を起こしやがって！！…

お前まで自我を失う様な事になって如何すんだ！！！…いい加減にしろ！！…」


「……オリハ叔母さん！！…反省してください！！」


「ッ！？…ッ…ッ～～～……」


逆ギレをするオリハに対して文句を口に！…と、同時にこの事態は何なのだ！？と…

何なら落ち着く様にも静止を呼び掛け！…するとその男性冒険者の頭…の…上？…

とにかく白い子供が真似をする様にそのオリハへ怒って見せると、オリハはピクッと

反応！…何やらバツが悪そうな表情をする！…それこそ先程までの殺気が消えると、

憑き物が消えた様に意気消沈！…余程白い子供に怒られた事がショックなのか…

その場で俯き何か拗ねる様なそんな反応を露わにすると…その一方ではフィロが…

その男性の事を名前で呼び出す！…


「ッ！？…し、しかしじゃなぁマサツグ！！…

これにはふかぁ～い訳が有るんじゃ！！…

それもこれからの旅路に関係のある！！…」


「…それも大体昔の因縁とかそんな類の物じゃないのか？…

…はあぁ～…身から出た錆に違いは無いが…

お前ももう少し落ち着きを見せろ！…

別に巻き込まれた所で平和的に解決をすればいいだけだろうが！！…」


「ウッ！！…ウ、ウグゥ！！……」


「ッ！？……あ、あのフィロネウスに説教！？…

…と言うか何だあの形は！？…あれがあのフィロネウスと言うのか！？…」


フィロが呼んだその男性冒険者の名前と言うのは…言わずもがなその正体は

マサツグであり！…何か慌てた様子でフィロが一生懸命に言い訳をするが、

マサツグはバッサリ！…何なら的確にこの騒動の原因を突いて見せる！…

その際そうなった場合についても自分も協力する事を口にすると、フィロを

逆に叱り！…するとフィロもそれを言われて黙ってしまい！…もはやその

様子は小さな子供！…ただ唸る様にして苦虫を噛み！…その様子を見て

パルシディアナも戸惑った反応を見せて居ると、マサツグはふと何かに気が

付いた様子で反応！…徐に背後を振り返る！…そして…


＿＿ッ！…クルゥリ？…ッ！！……


「…えぇ～っと、大丈夫？…

…すまねぇなぁ～ウチの馬鹿共が君に危害を加えた様で！…

とにかく間一髪の所で助けられたって所かな？…

悪いけどこの馬鹿共の事は勘弁してやってくれんかい？…

お嬢ちゃん？…」


「ッ！？…お、おじょ！！…ッ～～～！！！…

この無礼者！！…我は氷結の女帝！！…パルシディアナであるぞ！！

…連れの者を監督出来なかった罪！！…貴様の身を持って償えぇ！！！」


マサツグは背後に居るパルシディアナに視線を向けると、いつもの様に小さな

子供と接する感じで声を掛け…その際パルシディアナをお嬢ちゃん！と…強ち

今の状態だと間違ってはいない筈なのだが、それでも子供扱いされた事に

パルシディアナはムッ！と戸惑いながらも怒って見せると、次には先程の魔法！…

それをマサツグに向けて放とうとする！…その際右手をマサツグに向けて突き

出すと、最後の言葉を口にするのだが！…


「アイス！…クライシス！！…レクイエム！！！」


＿＿シュウウゥゥン！！…ゴオオオオオォォォォォ！！！…


「ッ！！…シロ！！…」


「ご主人様！！…」


ほぼゼロ距離と言っても良い位の近さで魔法をブッパ！…その際パルシディアナの

右手にある魔力の塊から黒い吹雪が放たれ！…と言うのもいまだにその魔力の塊が

残っていた事にも驚きなのだが！…それに対してマサツグが機敏に反応をして

見せるとシロを庇い！…シロもシロでマサツグを庇う様にしがみ付き！…互いに

互いの身を守る！…とにかくそんな身を寄せ合う様してその魔法から耐えて見せ

ようとして居ると、フィロもこれには不味い！と…何ならオリハに憑り付こうと

して見せる！…しかしまだ疲労が残っている様子で上手く動けず！…遂には噴水の

淵から滑り落ち！…


「ッ！？…イ、イカン！！…このままでは！！！…」


＿＿ズルッ！…ッ！！…ズシャアァ！！…


「アグッ！！…ッ～～～！！！…

こ、こんな所で倒れて居る訳には！！……ッ！？…」


滑り落ちるとそのままダイブ！…その際受け身も全く取れずに顔面を強打して

しまうと、次にはプルプルと震え！…そしてゆっくりと体を起こすと顔を手で

覆い！…しかし痛がりながらも急げ！と…自身に言い聞かせるよう何とか

オリハの元まで行こうと足掻いて見せるのだが、次の瞬間ある者が！…それは

突如現れると腰の剣を抜いて見せ！…勢いそのままにその黒い吹雪に向かって

剣を振り下ろすと、更に奇妙な光景を見せる！…


「させねぇっての！！…」


＿＿シュン、ズバアァァン！！！…シュウウゥゥゥゥゥンン！！！…


「ッ！？…なっ！？…そ、そんな！？…そんな馬鹿な！？…」


「ッ！？…おぉ～！…こうなるのか！……これは…面白いかも！…」


突如現れた者の正体はモツ！…モツは打ち直したエイブレントの剣を抜いて見せる

と、その魔力の塊を斬ってしまい！…すると不可思議な事にその魔力の塊はモツの

剣へと流れ出し！…さも纏わり付く様にしてそのままエンチャント！…モツの剣に

その黒い吹雪が逆巻く様にして吹き荒れると、その光景に一同は驚愕する！…

特にパルシディアナが慌てて見せる反応を露わにすると、やって見せた本人も若干

驚き！…さも実験をしたかの様に言葉を口に！…とにかくこれは便利！とばかりに

漏らして居ると、フィロは更に戸惑うのであった！…