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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章四節 騙しのテクと幼児体形とオリハの意地!…-

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突如妖しい笑みを浮かべ出したフィロにパルシディアナ困惑!…そして一体何が

起きるのか全く分からない様子で状況をそのままにして居ると、次に瞬間!…

フィロが息を吹き返した具合に押し返し始める!…それこそ最初のやり取りが

嘘の様に思える位に押し返し出すと、当然これにはパルシディアナも驚き戸惑い!…

と、同時にでは今までのあの様子は何だったのだ?と…とにかく今までのやり取りに

ついて色々と納得出来ないで居ると、次には更にフィロは奇策が炸裂する!…


__ドバババババババババ!!!…


「…ッ!?……わ、私の氷が!?…」


__……ボウッ!!…


「ッ!!…なっ!!…」


「……フゥ~…中々に辛い作業じゃったわ!……しかし!…

これで形勢逆転!…さぁ、存分に苦しむがいい!!」


パルシディアナがフィロの突然の様子の変わり様に戸惑って居ると、次にはその

驚いているパルシディアナの周りに小さな炎が!…となるとその突然の炎の出現に

パルシディアナも更に戸惑い!…思わず驚いた様子で声を上げると、次には

フィロも疲れた!と漏らし…策を講じて居た具合に言葉をポロッと!…そして

これで勝った!とばかりに言葉を続けて口にすると、次にはその炎に異変が!…


__パアアアァァ!…ゴオオオォォォ!!…


「ッ!?…な、何だこれは!?……ッ!?…わ、我の体から光が!?…

…ッ!!…も、もしや!?……クッ!!…」


__フォン!!…フォン!!……ゴオオオォォォ!!…


「ッ?!…き、消えない!?…」


と言うのもその炎は何か光を吸って居るかの様にパルシディアナの周りを浮遊して

おり、そしてその光は何やらパルシディアナの体から出ている様で!…それはさも

パルシディアナのTPを吸っているかのよう延々と出ており!…パルシディアナも

それに気が付いた様子で言葉を!…そして振り払おうとその手に持っている氷の

槍を振り回して見せるのだが、その炎は消える事無く!…ただただ光を吸い続けて

燃え盛りもする!…そして炎が消えない事に戸惑って居ると、更にフィロは挑発を

して見せ!…


「…わっちの特技は炎を操り、男達を魅了する事!!…

そしてその腕前は魔王と呼ばれる程の天下一の腕を誇る!!…

…お主の敗因は相手の力量を見誤った事!…

そして慢心をして居った事じゃ!!…

…これが!…今からお主が体験する敗北の理由じゃ!!…

良ぉく覚えておくが良い!!!……さて?…

フィナーレと行こうかや?…」


__パチンッ!!…ゴオオオォォォ!!!…


改めて自分の得意な事を口に!…そしてそれだけで上り詰めた様なそんな事を続けて

話すと、更にはパルシディアナの敗因も語る!…それこそ先程までの様子をそのまま

欠点であるよう話して行くと、不敵にクフフ♪と笑い!…何なら次には終わりに

する!と言葉を漏らし!…徐に指でパチン!と音を立てて弾いて見せると、それを

合図に炎の勢いは増し!…徐々に大きさも肥大化!…遂にはパルシディアナを飲み

込まん勢いに迫って行く!…するとその炎の熱にパルシディアナも苦悶の表情を

浮かべて見せると、歯を食い縛り耐える様子を見せ!…


「…ッ!?…ッ~~~!!!…」


「さぁ、これで…仕舞いじゃ!!」


この間勿論今だにオラオ○ラッシュは続いて居り!…状況も形勢逆転!…フィロの

奇策が輝いた様子で今度はパルシディアナが劣勢に立ち!…フィロもこれで本当に

終わりである事を口にすると、その苦しむパルシディアナの様子にニヤニヤ!…

さも勝った気なったのかドンと構える!…だが当然パルシディアナとしてもそのまま

負ける気などサラサラ無い訳で、何とか防御の魔法を唱えようとするのだが…


「《…氷結よ!!…我に集まりて壁を…》

…ッ~~~!!…クッ!!…確かにぬるいと感じてはいたが!!…

まさかこの様な手を仕組んでいたとは!!…

それを悟られぬよう苦悶の表情を見せ!!…

演技をしていただと!?…」


「わっちの誘惑と言うのは相手を騙す事も含んでおる…

これ位の演技など朝飯前じゃ!…」


やはりフィロが生成したその炎はTPを奪うのか!…パルシディアナの防御魔法を

良しとしない!…安定させない具合にTPを更に奪って行くと、これまた大きさも

肥大化する!…そしてそんな様子にパルシディアナもまさか!と言った具合に

言葉を零すと、自身が騙された事にショックを受け!…その一方でフィロは騙す

のは得意!とパルシディアナに語り!…これも一つの駆け引きである事を続けて

話すと、これ位訳ない!とニンマリ笑う!…さてそうしてフィロが笑って居る

一方で更に炎がパルシディアナを追い詰めに掛かると、それはもう逃げられない

程の炎の壁となって四方を取り囲み!…


__ゴオオオオオオオォォォォォォォ!!!…


「……クッ!!…熱い!!…力が!…抜ける!!…」


「……ッ!!…だはぁ!!…はぁ!!…はぁ!!…」


{…とは言えここまでやるのにさすがのわっちも妖力TPを使い過ぎた!…

…この炎は相手の妖力を奪い燃え続けるのだが…

わっち自身作り出すのに物凄く疲れる!…はぁ!…はぁ!…

…正直な所を言うとこれすらも突破されるともはやジリ貧!…

如何逃げ遂せるかを本気で考えねばなるまい!…}


パルシディアナからすれば蒸し焼き状態!…フィロが作った炎の檻の中に閉じ込め

られると、暑さとTP浪費とダメージのトリプルパンチで苦悶の表情を浮かべて見せ…

それでも必死にパルシディアナは抵抗!…そして如何この窮地を脱するか?を考え

出し!…徐々にそのオラオ○ラッシュにも陰りが見えて来始めると、遂には氷の

飛礫は沈黙!…その姿を炎の檻の中へと消して行く!…するとその様子にフィロも

フッと攻撃の手を止めると、次には激しい息切れを!…何なら噴水の淵に座り込む

程の疲労の具合を見せて行き!…ここまでの展開に疲れた!と…心の中で吐露して

もしもの事を考え出すと、とにかく呼吸を整えに掛かる!…さてこうして傍から

見ると決着が付いたかの様に感じるのだが、実はまだが終わったと言うだけに

留まってしまい!…


「ッ~~~!!!…オノレエェェ!!…フィロネウスウウウゥゥゥ!!…

ヌカッタ!…ヌカッタガマダ終ワランゾオオオォォォォォ!!!」


__ゴオオオオオオオォォォォォォォ!!!…


「ヌゥゥ!!!…ウワアァァァァァァァァァァ!!!!」


__バシュウウゥゥゥゥ!!!!…


炎の檻の中からはパルシディアナの恨み節が!…勿論フィロに向けて叫んでおり!…

何ならその声も何か地を這う様な!…怨嗟に塗れて響く様に辺り一帯に聞こえて

行き!…これまた辺り一帯に悍ましい恐怖も振り撒いて行くと、それこそあの綺麗な

お姉さんから発せられて居るモノとは到底思えない!…見て居た者達を恐怖に

落とす!…と、しかしその一方でそれを浄化する様に更に炎は強くなり!…遂には

完全に飲み込みパルシディアナの姿を隠し!…ただその炎の檻から聞こえて来るのは

パルシディアナの苦しむ声!…炎は一本の柱となり、辺り一帯にとてつもない熱量と

蒸気が立ち登る様子を見せて行くと、強烈な程に何かが溶ける様な!…そんな音も

立てて行く!…さてその一部始終を見てフィロも限界が来た様子で憑依が剥がれて

行くと、オリハの隣に崩れ落ち…


__…ひゅぅ……


「ッ!…おっと!!」


__ガシッ!!…


「ッ!?…フィ、フィロちゃん!?…

…よかった!…ただ気を失っただけみたい!…

…まぁあんな激しい殴り合いに近い戦闘をしてりゃそりゃ倒れるだろうけど…

そんな因縁を作るこの子って一体?…

…まぁとにかくこのまま寝かせておくとして!……これ、どうしよ?…

これって間違い無くトンデモナイ問題に発展する奴だよね?…

何ならさっきあんな事言ってたし…これでもし仕留め切れてなかったら…

勿論戦闘は続いて…相手もブチ切れまくってるよね?…

だとするとその尻拭いをするのは…俺?…」


まるで隣に倒れ込む様にしてフィロがオリハの体から離れて行くと、オリハも

自分の意志で動ける様になったのか機敏に反応!…その際倒れるフィロに

向かって手を伸ばし!…頭を打つギリギリの所で抱き止めて見せると、次には

フィロの安否の確認!…呼吸に右手首の脈拍を見て行く!…するとフィロは

ただ気絶をしただけの様子で寝息を立て、脈拍も一定のリズムで刻んでおり!…

と、フィロの安否を確認した所でオリハもホッ!と…そして目の前で燃え盛る

炎の柱に目を向け…改めてこの後の展開について色々と考え直す様子を見せて

居ると、今だ途切れない蒸気にオリハは驚く!…


__バシュウウゥゥゥゥ!!!!…


「…それにしてもえげつない勢いで蒸気が出ているなぁ…

この蒸気で広場の上にってのに…

まだ止まる気配を見せないし、炎も消える気配を見せない…

このままだと広場が火事に!…なったりはしない…かな?…」


__バシュウウゥゥゥゥ!!!!…


今だに止まる事を知らない蒸気は天を昇り!…そして空に巨大で分厚い雲を作ると、

今にも雨を降らしそうな様子を!…しかしだからと言って炎が消える事は決して

なく、更に蒸気は溢れ出す様に!…今だ炎の中から量産するよう音を立てながら

モクモクと!…天を覆い隠す様にひたすら昇って行く様子を露わにすると、オリハも

少し心配!…火事になるのでは?と考える!…そしていつまでも消える様子を

見せない炎に不安感を積もらせると、いっそ雨が降らないか?と口にするのだが…


「いっその事この蒸気で出来た雲が雨を降らしてくれれば良いけど…」


{……いや…その心配は要らない…}


「ッ!…え?…」


オリハが雲を見詰めながら一言呟くと、何処からともなく声が聞こえる!…それは

まるで幼い子供の様な高い声!…何ならオリハの言葉に対して心配はいらない!と…

突如返事をされた事でオリハも驚いた様子で反応をして見せ!…次には誰が返事を

したのか?と言った具合に辺りを見回して行くのだが、近くに誰もいない!…その

事に驚いた様子で返事をして行き…思わずその今だに燃え盛っている炎の柱の方に

視線を戻すと、次には信じられない光景を目にする!…


{ハアアアァァァァァァァァァァァ!!!!}


__ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!…


「なッ!!…」


まるで大技を放つ様な威勢の良い声が聞こえて来ると、パルシディアナの蒸気で

出来た雲はゆっくりと地上に向かい降りて来出し!…それはまるで地上に舞い

戻るよう螺旋を描き炎を包み!…傍から見て居た者達もこれには驚愕!…まるで

悪魔でも出て来そうな雰囲気にただただ絶句するよう目を真ん丸にして固まって

居ると、遂にはその場で竜巻が出来るよう!…雲が完全に炎の柱を隠してしまう!…


__ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!…


「フィ、フィロちゃんの炎を…飲み込んだ!?…」


{フフフフフフ!!…}


__ッ!……ッ!!…チャキッ!…スッ…


その際周りに被害を与える事無くゆっくりと雲は回り続けると、もやはその光景は

超常現象で!…と、そんな様子にオリハも戸惑い!…一体何が起きて居るのか!?

とばかりにその様子から目を離せないで固まって居ると、次には笑い声が!…

それはやはりその雲の中から聞こえて来る様子であり、更には威圧感も放ち出し!…

となると否応なしに警戒をしてしまう訳であり!…フィロを守る為!…オリハも

覚悟を決めた様子でその手に武器を握って行くと、一旦はフィロを噴水の淵に

寝かせ!…そして自身は徐に立ち上がる!…


「……こうなってしまった以上やるしかないってか!?…

…ったく!!…とんでもないのに巻き込まれた!!…」


{フフフフフフ!!…}


__ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!…パアアァァァァ!!!…


「ッ!……綺麗!……ッ!!…綺麗だけど今は集中!!…

フィロちゃんを守れるのは私だけ!!…」


オリハが文句を漏らしつつ警戒を強める中!…依然として雲の中から笑い声と共に、

稲光に似た青い光が溢れ始め!…その様子は神秘的で某・天空の城を思い出させる

様な!…その城を探す際の雲の中を連想させる光景に見え!…オリハも思わずその

光景にウットリをする様な感覚を覚えてしまうと、素直に綺麗!と言葉にする!…

しかし当然ながらそのままずっと固まって居る訳にも勿論行かず、自力でハッと

我に返ると頭を左右に振り!…そしてフィロが無防備である事を口にしつつ!…

意識を保ち何が出て来るのか!?とただひたすらに警戒を強めて構えて居ると、

遂にその雲の中の者が動きを見せる!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「ッ!!…来る!…」


「フフフフフフ!!!…」


__ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!…


それは雲の中からこちらに向かいゆっくりと歩いて来ている様であり!…雲が丁度

スクリーンの代わりになると、青い光を背にその人影が姿を現し!…その際何故か

妙に静かに笑って居り!…さもこれからが本番!とばかりに何やらプレッシャーを

放ち始めると、それに合わせてオリハもピクッと反応!…シルエットを見てオリハが

表情を強張らせて見せる!…さてそうして徐々に近づいて来るその影に対して警戒を

すると、この時オリハとしても何か心がワクワクしており!…と言うのもこれは

巻き込まれた戦闘である訳なのだが、先程のフィロの戦いに感化されてか興奮!…

さも某・戦闘民族宜しく早く戦いたいと言った気分になると、オリハは静かに武者

震いをする!…さてそうしてオリハが身構え今か今かと見詰めて居ると、遂にその

雲の中の人物も姿を現し!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…バシュウゥゥン!!!…


「ッ!!…ッ~~~!!!……ッ!……ッ?…」


「フフフフフ!!…さすがは玉藻前!!…

完全にさっきの策には油断していたわ!!…

…けど!…次はそうは行かない!!…」


__ちんまり…てこてこ!…てこてこ!……チラッ?…チラッ?…


意気揚々と出て来た人影は言うまでも無くパルシディアナ!…しかし出て来た

パルシディアナにオリハは当然違和感を覚え始め!…と言うのもそれこそ絶対

強者感を出しつつ雲を晴らしてド派手に登場をするのだが、実際に出て来たのは

シロやフィロと同じ位の幼女で!…何なら出て来るまでのその雲のシルエット

ではちゃんと成人の姿をして居たのだが、実際に出て来たのはコレと…勿論雲が

晴れる際オリハもその風圧に若干驚き!…腕でガードをした後勢い良く腕を

振り払い、出て来た者の姿を機敏に確認をして行くのだが!…やはり出て来た

のはチンマイ!…大事な事なので三回出て来た事を挿みつつ!…目の前に幼女が

立って居る事で更に驚きを露わに!…思わず辺りを見回し本物は?と言った

反応をオリハが見せると、パルシディアナもムッとする!…


「ッ!?…ッ~~~!!…

…先程の炎のダメージと鎮火させるのに体力を消耗したけど!…

まだ戦える!!!…」


「え?…えぇ?…」


「さぁ…第二ラウンドと行くわよ!!!…

玉藻前ぇぇぇぇぇぇ!!!!」


明らかに何か舐められて居ると感じたのか、奥歯をグッと噛む様な表情を見せると、

構わず言葉を続け!…何でもやはり先程の攻撃は効いて居た様子で話しをし!…

そのせいで身長が縮んだ様な事も口にすると、やはり戦意は消えて居ないのか?…

それはオリハであろうとも構えを取る!…それこそオリハとフィロを間違えている

具合にグッと拳を握って見せると、オリハもそんな様子に戸惑い!…何ならオリハ

からすればまるでシロと戦う様な?…そんな落差を覚えて本当にやるの?とばかりに

戸惑って居ると、次にはその戸惑いが仇に!…一瞬で緊張感を出されてしまう!…


「…フッ!!」


__バシュン!!…グオオォォ!!!…


「ッ!?…なっ!?……」


__ガイィィン!!!…


一応互いの攻撃間合いは若干離れて居たのだが!…小さくなったパルシディアナが

その場で踏み込むよう構えて見せると、次の瞬間オリハに向かい飛び出し!…

それはまるで瞬間移動をしたかの様に一瞬で詰め!…オリハもまるで突如目の前に

現れた様な!…そんな突然の出来事にただ吃驚した様に戸惑いの表情を見せて居る

と、パルシディアナは構わず攻撃!…オリハの横っ面へとハイキックを繰り出す!…

しかし勿論オリハとしてもその攻撃を喰らう訳には当然行かず!…咄嗟にガード!…

その際辺りに金属同士がぶつかる音が響き渡り!…オリハも蹴られながら何とか

意識を刈られる事無く立って見せると、そこで更にある物を目にする!…


「ッ~~~!!…クッ!!……ッ!?…な!!…」


「ッ!…チッ!!…ガードしたか!…

やはり反応は良いと見える!!…」


オリハが見たのはパルシディアナの小さな純白のレースショーツ!…ではなく!…

自身に向かい蹴りを繰り出して来た足に在り!…と言うのもそのパルシディアナの

足はいつの間にか氷を纏って武装しており!…もはや脛当て!…いや、フルプレート

グリーヴを履いて居る様な凶悪な物に変わっている事に気が付くと、オリハもその

本気具合に恐怖!…思わず青褪める反応を見せる!…しかしその一方でパルシディ

アナは自身のパンツ!…いや蹴りが防がれた事だけに注目をすると、その反応速度に

意識を!…やはりさっきの一撃で仕留める気でいたのか?…とにかく防がれた事に

対して苦虫を噛んだ様な表情を見せると、すかさずまたもや構え直す!…さて何とか

ガードする事に成功をした訳なのだが、それでもオリハは緊張感を!…


{幾らガードしたとは言えこの弾かれよう!?…

どの魔王もどんな姿になっても魔王は魔王って事か!?…}


見た目はフィロと変わらぬ幼女になったと言うのにその威力はアーマードボアの

突進をまともに受けたかの様な衝撃!…となるとこの体の何所にそれだけの力が

有る!?と言った具合に驚き続け!…そしてこれが本当の魔王クラスである事を

理解すると、静かに冷や汗を!…だがその一方でパルシディアナはもはや油断の

ゆの字も無い様な冷静さを見せており!…確実に仕留める!と言った鋭い目を

してオリハを見据えると、静かにオリハの出方を伺う!…


__……シュタッ!…ビッ!…


「ッ!!…ッ~~~……」


{…本当にあの容姿からどうやってあんな重い一撃が出せるってんだ!?…

それに心なしかスピードも上がっている様にも感じたし…

…このまま一人でこの子とやり合うのは正直キツイ!…いや無理だと思う!!…

ここは少しでも時間稼ぎをして兄さん達が救援に来てくれるのを待つか!…

フィロちゃんが目を覚ますのを待つか!…どちらかを待つしか方法は無いな!!…

…てか魔王って弱体化すると皆こんな風に幼児体形になるの?……}


この時さも某・昇○拳を放ちそうな様子で構えて見せると、迂闊に自分からは

動かず一つ一つの動きを観察する様な!…それは相手の動きを網羅する勢いで

睨んでおり!…オリハも仰け反りから復帰!…慌てて同じ様に武器を構え!…

真面にパルシディアナと戦えない事を自覚すると、何とか時間稼ぎをしよう!と…

外からの助けに希望を持つ!…と言うのも真面に打ち合って勝てるビジョンが

無い限りはオリハも動かず、耐え忍ぶ姿勢を露わに!…するとそんな様子に

パルシディアナもピクッと!…まるで相手の意図を読んだかのように突如として

機敏に動き出すと、オリハに再度攻撃をする!…


「…ハッ!!…」


__バシュン!!…ズダダダダダダ!!!…


「ッ!!…来る!!…

…でもこれならまだ追える!!…何ならワンチャン!!…」


__ギュンッ!!!…ッ!?…


パルシディアナが先に踏み出す様に動き出すと、それに合わせてオリハも警戒を

強めて守りを固める!…その際まだオリハの目から見ても目で捉える事が出来る

速度で、必死にその機敏な動きに目を追わせつつ!…もしかしたらカウンターを

狙えるのでは?と言った淡い希望を持って居ると、次の瞬間またもや瞬間移動!…

一気にオリハの前へと現れて見せる!…そしてグッと両手で拳を握って行くと、

物理的にオラオ○ラッシュを!…


「ハアアァァァァ!!!」


__ドガガガガガガガガ!!!…


「ッ!?…うわああぁぁぁぁぁ!!!…」


__ガガガガ!!…ブシュッ!…ブシュ!!…


パルシディアナはオリハを自分の間合いに入れると、両拳をまるでマシンガンの

様に連続で突き出し!…と、突然のパルシディアナの加速にオリハも反応が遅れた

様子で慌てて見せ!…だがそれでも何とかガードに入って行き!…そこから

パルシディアナの猛攻をガード!…し切れず徐々に被弾を許し若干怯む様なそんな

反応を見せて行くと、パルシディアナに圧されてしまう!…しかしだからと言って

ここで終わる訳には当然行かず!…隙を見つけると何クソ!とばかりに武器を

振るうのだが!…


__ガガガガ!!…ブシュッ!…ブシュ!!…


「…ッ!……ッ!!…この!!…」


__ッ!!…シュタン!!…ブォン!!……トトッ…スッ…スッ…スッ…スッ…


オリハが歯を食い縛りながら横一線に武器を振るうのだが、その反撃はいとも

簡単に躱され!…と言うのもパルシディアナもオリハの異変に気が付いた様子で

攻撃を中断!…そして飛んで来る攻撃に対してムーンサルトで回避をして見せ!…

華麗に宙を舞いながら着地もちゃんと決めて行くと、そこからバックステップで

すかさず距離を!…また振出しに戻ったようパルシディアナは昇○拳スタイルに

構えて見せる!…それこそもう大体の動きは見切った!とばかりにまた睨むと、

オリハもその様子に戸惑い!…


「ッ!?…バ、バックステップで回避される!!…

こっちの攻撃を見透かしている様な動き!!…

…やっぱ普通の方法では攻撃は当たらないか!!…

…とにかく速く対策を考えないと!!……」


__トン、トン、トン、トン……グッ!!…


「ハッ!!…」


__バシュン!!…コオオオォォォォォ!!!…


改めてパルシディアナの動きを口に!…そして何とか対策を!と必死に思考を

駆け巡らせようとするのだが…その考えが纏まるよりも先にパルシディアナが

先行!…まるでリズムを刻む様にステップを踏み!…そして地面に足が着いた

所でグッと思いっきり踏み込んで見せると、またオリハに接近戦を!…もう一度

ラッシュを掛けようとする!…その際もやはり目で追える速度で撹乱すると、

また一瞬で詰めようとするのだが!…オリハもそんな様子に勿論警戒!…何なら

このタイミングである事を思い付いた様にハッとすると、次にはマサツグ宜しく!…

一か八かの賭けに出る!…


「ッ!!…また!!…ッ~~~!!…

…ッ!……一か八か!!…スゥ…ハァ……ッ!!…」


__チャキッ!!…バッ!!…


「ッ!!…ッ~~~!!…」


向かって来るパルシディアナをジッと見据え…そして軽く深呼吸を…すると

オリハは武器を握り直して次には突貫!…パルシディアナに対して真っ向

勝負を仕掛け始め!…パルシディアナもそれを見てピクッと反応をして見せる

のだが、構わず真正面からぶつかって行く!…それこそ相手の動きなど関係

無い!とばかりに拳を握り!…そのまま互いに攻撃圏内へと突入!…そして

これまた互いに攻撃の体勢に入って行き!…オリハは今出来る最高最速の

攻撃をパルシディアナに向けて放って行くと、何とか突破口をこじ開けよう

とするのだが!…


「…ッ!!…斬裂想じ…!!」


「甘いわ!!!」


__キュッ!!…グルンッ!!…ガキィィン!!!…


「なっ!?…嘘だろ!?…」


オリハがパルシディアナに斬裂想刃を放とうと最初の一撃を繰り出した瞬間!…

パルシディアナは読めて居た!とばかりに機敏に体勢を変えると、左足の踵を

使って回し蹴りを繰り出し!…それはオリハに攻撃をするのではなくその手に

持っていた武器を弾き!…オリハも弾かれた事で勢いを削がれ!…挙句の果てに

バランスも大きく崩しその場で隙を見せてしまうと、焦りを覚える!…幸い

蹴られた際に武器を手放すと言った事は無かったのだが、ピンチな事には変わり

なく!…と、オリハが予想外の攻撃に対して戸惑って居るとその一方!…今だ

勘違いをしている様子でパルシディアナが更に追撃の攻撃を繰り出そうとして

行くと、これで勝った!とばかりに吠えて見せる!…


「この程度かしら!?…玉藻前ぇぇぇぇ!!!」


__ギュン!!…ヒュン!!…どよぉ!?…


武器を蹴られてバランスを崩すオリハの姿に挑発をする様な言葉を投げ掛けると、

最初の回し蹴りの勢いを利用して更に追撃の回し蹴りを!…それこそ切り返す様に

して足を上げ!…フラ付くオリハの顔面目掛けて身長差を物ともしない綺麗なハイ

キックを披露すると、これには周りの者達も入った!と…オリハの負けを確信した

具合に驚くのだが!…オリハはまだ諦めていない!…ここで天性の感を発揮する

様に抵抗をする!…


「グッ!!…まだまだあああぁぁぁ!!!!…」


__ギュン!!…ガッ!!…キイイイィィィィィンン!!!…ッ!?!?…


「ッ!?…な、何ぃ!?…」


それこそパルシディアナの回し蹴りがオリハを捉えようとした瞬間!…オリハは

弾かれた腕を思いっきり振り戻すと、すぐさま超ギリギリのパリィを敢行!…

それはパルシディアナの回し蹴りが入る寸での所で右手の甲がギリギリ入る位の

刹那で有り!…思いっきり力を込めて弾く様に!…そのパルシディアナの左足の

甲を右手一点だけで受け止めて見せると、ここで今度は体重差か!…オリハは

振り払う様にして見事な弾き様を披露する!…するとこれにはパルシディアナも

度肝を抜かれた様子で驚きを露わにして見せると、同時に隙を生み出してしまった

事に言葉を零し!…と、これには周りの者達も思わず絶句!…一体何が起きたのか

全く理解出来ない様子で固まって居ると、更にオリハが反撃開始!…ここから

怒涛の意地を見せるのであった!…

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