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-第八章-

-第八章二節 マサツグの罪悪感と入れ替わりの術?と空飛ぶ熊!-

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さて戦場では魔王連合軍の面々が前線を押し、玉座の足元付近ではオリハ達が

ワチャワチャしており!…一方でマサツグもここいらで動きを見せたい所!…

と言うのもリーナを助ける為に!…一人先に町の方へ潜入しようか!と考える

のだが、それを良しとしない様子でシロがくっ付き!…離れる様子を一切の

欠片ほども見せないでいた!…となるとマサツグとしてもシロを一緒に連れて

行く訳には当然行かず、如何やって置いて行くか?で悩んでおり!…


__ガッシ!!…ぎゅうぅ~!!!…ッ…


{…うぅ~む、ガッチリしっかりホールドされている!…

とは言え今から動くにしてもシロは連れて行きたくないし…

かと言ってそのままお留守番を言った所で…

シロが素直に言う事を聞くとは到底思えない!…}


その際シロはマサツグの膝の上に抱えられるようお姫様が如く座っており!…

自身の体を固定する為か!…両腕を伸ばしてマサツグの腹に巻き付けるよう

拘束をすると、梃子でも離れない様子を!…動けば一緒に付いて来る状態を

保っていた!…そしてそれを目にしてマサツグとしてもシロの身の安全を

考えると、当然よしとは出来ない訳で!…かと言ってお留守番を言った所で

シロが言う事を聞くとは思えず!…決して表情には出さないが心で悩み!…

この時チラッとだがグレイスの様子を確認すると、そこには今の自分と似た

状態の光景がそこには在り!…


__…チラッ?…ガッシ!!…ぎゅうぅ~!!!…


{…うぅ~ん…向こうもさすが姉妹と言った所か…

女王様も見た感じハクで一杯一杯!…って様子では無いにしろ戸惑ってる様な?…

とにかく二人の面倒は大変そうだし!…それでも何とかタイミングさえ!…

タイミングさえ合えば如何にかする事が出来るんだが!!…}


それはハクがグレイスの体にしがみ付いて居ると言うモノで!…何なら構図も

そのままであって、不安げに戦場の様子を見詰めており!…一方のグレイスも

そんなハクの様子に対して若干戸惑った具合にオロオロすると、とにかく不安を

取り除くよう!…ハクの頭を優しく撫でる!…その際思わず苦笑いをする様子も

見せて行くが、ハクを宥める事に集中しており!…と、それを見てマサツグも

助けを期待出来ない事を悟って行き!…とにかくタイミング!…タイミングと

言うか何か隙を求める様な事を考えて居ると、ここでハッとある事を思い付き!…


「……ッ!…ッ…シ、シロ?…悪いんだが?…」


「ッ!…はいです?…ッ!…」


と言うのもマサツグが思い付いた隙を作る口実と言うのは生理現象!…その際

シロに悟られないようハッ!として見せ!…次には行ける!と踏んだのか一度

チラッとシロの事を確認すると、悟られていない様子を目視!…次には実行に

移して行く!…それはまず表情からして青褪める様な我慢して居る!とばかりに

ヤバそうな表情を作って行くと、次にはシロの事を呼び!…と、マサツグに突如

呼ばれた事でシロもピクッと反応をして見せ!…マサツグの顔を見上げて行き!…

一体何事か?と言った具合に疑問の表情を向けて行くと、そこで具合が悪そうな

表情を目にする!…マサツグもシロの顔を確認してから言葉を続ける!…


__オロッ…オロオロッ…


「ッ!!…ちょ、ちょっとトイレに行きたくなったから…

放してくんない?…直ぐに戻って来るからさ?…」


この時シロに言葉を続けて掛ける際、シロもやはりハクと同じく不安げな様子を

露わにして見せ!…となるとマサツグとしてもそんなシロの様子を見て罪悪感を

感じる所で!…だがそれでも行かない!と駄目で…デグレアントの方からは

その際まるで!…マサツグを急かす様に今の現状からは似付かわしくない鐘の音が

聞こえて来ると、マサツグとしてもそれが聞こえて居るのか!…更に焦りを感じて

見せる!…と言うにも今日はリーナの結婚式当日で、早く助けてやりたい気持ちが

先走り!…


__ゴォ~~ン…ゴォ~~ン…ゴォ~~ン…ゴォ~~ン…


{ッ!?…式が始まったのか!?…いやまだ戦争中だぞ!?…

…こう言うのはちゃんと落ち着いてからやるのが相場だと思うが…

相手はあのデグレアントだからなぁ!?…}


本来であれば敵が攻めて来た時点でそう言う祝い事は延期になるのが相場であるが、

ここデグレアントに限ってはその常識が通じるかどうかがとても怪しく!…何なら

この状況をドラマチックと捉えて強行しそうな者があの新郎ダグレスで!…やったとして

嫌々ながらも!…その結婚式を行った事実にシステムとしのの拘束が働く事に恐れを

感じて更に焦りを見せて行くと、その焦りが丁度良かったのか!…シロを騙す演技

にへと直結する!…そしてシロもそんな辛そう?にしているマサツグの表情を見て

ハッとすると、次にはマサツグの膝の上から降りて見せ!…


「ッ!…は、はいです!!」


__ピョイン!!…ッ!…


「…は、早く戻ってきてくださいね?…ッ…」


それこそシロも慌てた具合に戸惑う反応!…自分にも被害が飛んで来ない様に!…

膝から降りてそこからマサツグがまだ無事かどうかを確かめ出すと、とにかく

ジッと見詰める!…そして早く戻って来て欲しい事を訴えて行く!…それはやはり

不安げな様子で某・一昔前の金融会社のCMに出て来るチワワの様な表情をすると、

その目をウルウルと潤ませて見せ!…となるとマサツグとしてもそんなシロの

表情で更に心にダメージを負い!…だがここまで来て引く訳には当然行かず!…

急ぎ席を立ちその場を後にして行くと、シロに言葉を!…


「ッ!!!……ッ…あ、あぁ!…直ぐに戻るから!!…」


__タッタッタッタッタッタッタッ!!!…ッ…


{…うぅ…何か物凄く悪い事をした気分!…

…でも今は急がねぇと!!…シロの埋め合わせも追々考えるとして!…

とにかく下に居る筈のくまさんに!!……ッ!!…}


その際何か後ろめたさを感じつつもその場を後に!…何ならシロを直視出来ず!…

足早に去ってシロを説得するようちゃんと戻る事を約束すると、更にその背中に

視線を!…とにかく申し訳なさを感じてしまう!…そして心の中でその埋め合わせに

ついても考え出す一方、玉座を下りた所でその足元に居たオリハ達と合流をして

行き!…この時その中でもくまさんを見つけるなり駆け寄って始め!…そして予め

考えて居た事だろうか?…自身のアイテムポーチを漁って行き!…とあるアイテムを

手にくまさんへ声を掛けて行くと、次にはその合流した面々を驚かせ!…


「えぇ~っと…ッ!…有った!…ッ…くまさん!!」


「ッ!…ふぇ?…」


__ポンッ!…パアアアアァァァ!!!…キイイィィン!!!……ッ!?…


この時マサツグがくまさんに声を掛けて行く際、その手に持っていた物とは

奇妙な短杖であり!…それは宛ら某・魔法少女が持っていそうなマジカル

ステッキと呼ばれるモノで!…それを手にくまさんの肩を軽くポンと叩いて

呼んで見せると、くまさんもマサツグに呼ばれた事で気の抜けた返事を!…

すると次には二人の姿は光に飲まれ!…その突然の展開にオリハ達もハッ!と…

一体何が起きたのか分からず勿論の如く驚きを露わにして見せると、その光も

長くは続かない様子で!…徐々に落ち着きを見せて行く!…しかしそこで更に

驚く様子を目に!…


__キイィィィィン!!!…パアアァァァン!!!…ッ!?!?…


「…よっし成功!!」


「…え?…え??…」


それは次に薄い光がパアァン!と弾ける様に飛び散って行くと、マサツグと

くまさんの立ち位置がいつの間にか変わっており!…と言うのも先程はマサツグが

くまさんの肩を叩いている様子であったのだが、今は逆にくまさんがマサツグの

肩を叩いている状態で!…と、その様子に対してある異変に気が付いた様子で

オリハとマサキは戸惑いを露わに!…一方でくまさんは杖を握ったまま成功!と

漏らし!…肩を叩かれた?マサツグも困惑した様子でとにかく言葉にならない声を

漏らして居ると、一体何が起きたのか理解出来ていない様子を露わに!…すると

そんな二人に対してオリハとマサキもまさか!?と零す!…


「…これってもしかしてぇ?…」


「…って奴か?…」


まるでよもや!?と言った様子で二人を交互にチラチラ見ると、二人の顔ではなく

二人の頭の上に注目をし!…と言うのもそこには不可解な事が起きており!…

二人の頭の上にはプレイヤーネームが有るのだが、しかしそこに書かれて有った

のはマサツグなのに[くまさん]の名前で!…何なら逆にくまさんの方には

[マサツグ]の名前が!…そう表記されて有るのが見て取れると、次には何と無く

オリハとマサキも察せた様子で!…だがそれでも驚く事に変わりはなく!…

理解しながらも戸惑いを口に!…くまさんマサツグへその事を問い掛けようとするのだが、

くまさんマサツグは急いだ様子で言葉を!…


「…じゃあくまさん?…

くまさんはそのまま玉座に行ってシロのお守りを頼むわ!!…

…ッ!…ついでにシルビィも俺の!!…って、これじゃ駄目か…

ッ…まぁ~つぐの補助に回ったって!…」


「ッ!?…か、畏まりました…」


「ッ!…じゃ!…」


と言うのもマサツグくまさんにシロのお守りを頼み!…ハッと近くにシルビィが居る事にも

気が付いて行くと、急ぎシルビィにもマサツグくまさんの補佐を任せ!…その際何か

ややこしい感じで思わず言葉に悩んで見せ!…それはまるで入れ替わった事を

考えて言葉を考える様な!…呼び方についてふと悩む様なそんな素振りを見せて

行くと、シルビィは取り敢えず頼まれた事に対して戸惑いながらも返事をし!…

くまさんマサツグもその返事を聞いて次には戦場へと飛び出して行く!…

となるとその様子に思わずオリハ達が戸惑って見せると、それこそ下手な狼にも

負けない!…


__ゴウッ!!…ズダダダダダダダダダダ!!!!…ッ!?!?…


「…え!?…な、何であたしが走って!?…って、えぇ!?…」


その豪脚ぶりを発揮して一気に戦場を渡ろう!と…するとその様子にマサツグくまさん

勿論戸惑い出し!…と言うより何故自身が!…自分はここに居るのに何故戦場へと

自分が駆けて行ったのか!?と言った!…混乱ご尤もな事で理解出来ない様子を

露わにすると、ここで漸く自身の身に起きた変化に気が付き始め!…その容姿は

マサツグそのもの!…となるとこれはまた何かのバグか!?と…思わず慌てて

ふためくそんな反応を見せそうになるのだが、そこはくまさんも次には何と無く

察して行き!…


「な、何で!?…って、あの時かぁ~…

…なるほど?…何となぁく魂胆が見えた!…」


それはこの息子にしてこの親あり!と…さすが親子と言った所で徐々に息子マサツグの考えを

理解し!…その際その最後に言い残した言葉に対して、何ならこの事態に対しても

何の説明も無かった事に!…後で覚えてろよ?とばかりに悪戯な笑みを一人思わず

浮かべて見せると、そのくまさんの順応振りに!…オリハとマサキが二人揃って

驚いて見せる!…確かに二人は血の繋がった親子である為まぁ違和感は無いのだが、

それでもスッと受け入れた事に対してやはり戸惑いを隠せず!…と、そんな様子を

マサツグくまさんが一人芝居をする様に見せて居ると、シルビィが思わず声を掛け出し!…


「…あ、あのぅ~旦那様?…如何為さいましたか?…」


「ッ!…ん?…あぁ、いやいや!…

…って、違ったわ…大丈夫だ!…じゃあ玉座に戻るとするか!…」


それこそ先程から様子が可笑しい!とばかりに!…マサツグくまさんを心配するよう

何か有ったのか?について質問をすると、その質問に対してくまさんも

ピクッ!と反応を…それこそいつもの感じで返事をする!…しかし次には

ハッと今自分がマサツグである事を思い出すと、途端に言い換える様にして

マサツグを演じて言葉を口に!…と、その際マサツグくまさんはシルビィを手招き!…

くまさんマサツグに頼まれた事を守る様に!…その手招きしたシルビィを連れて

玉座の方へと上がって行くと、やはりそのマサツグくまさんの順応振りにオリハと

マサキは唖然!…やはり戸惑いを隠せないでいた!…そして二人揃って口を

ポカァ~ンと開けて居ると、一方でその玉座の方では驚きの声が上がっており!…


「…ッ!?…え!?…」


「く、くまお祖母ちゃん!?」


何故なら非戦闘員と言ってもいいくまさんマサツグが戦場に向かい駆けて行く様子が

見える訳で、何で!?とばかりにシロとハクが驚き!…その際グレイスは

くまさんが如何言う人物かはまだ分かっておらず!…だが熊が戦場に向かい

駆けて行き出した事で若干戸惑い!…シロとハクの様子から少なくとも

普段ではあり得ない事なのだろうと察して行くと、そのくまさんマサツグの姿を

見詰めて心配!…と、同時に何か違和感の様なモノを感じて行く!…


{…くまお祖母ちゃん…と言う事はマサツグ様のお母様なのでしょうか?…

…熊が人の子を産む…外にはまだ私の知らない神秘が?…

…いえ、それよりに気にすべきは…あのくまお婆様は何か…

マサツグ様に通づるモノを感じる様な?…}


その際シロの言葉から少しばかり疑問を持ってしまう所でも有るのだが、

それよりも気になる事が有る様で!…と言うのも何と言うかマサツグと

雰囲気が似ている様な!…まぁ親子である事から似て居ても可笑しくは

無いのだが、それでも何故か駆けて行ってしまったのが如何にもマサツグの様に

感じられ!…グレイスは暫くジィ~ッと…そんなくまさんマサツグの姿を見詰めて

居ると、程無くしてそのマサツグくまさんがシロの元に!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……ヒョイッ!…


「ッ!…ご、ご主人様!!…ア、アレ!!…

く、くまお祖母ちゃんが!!…」


この時マサツグくまさんは何事も無く戻って来るなり座っているシロを!…簡単に

持ち上げては抱き抱え始め!…自身が玉座に座ってからその膝の上にシロを

乗せて行くと、いきなりの事でシロも思わず戸惑った反応!…だがそれよりも

先にアレ!と言って慌てて見せる!…その際駆け出して行ったくまさんマサツグ

指差し止めなくて良いのか!?と言った様子を見せるのだが、マサツグくまさん

気にしていない様子でシロの頭を撫で始め!…と、そんなマサツグくまさんの余裕振りに

更に戸惑いを感じる事に!…


__スゥ…ポンッ…なでなで…なでなで…


「ッ!…ご、ご主人様!!…そ、そうじゃなくて!!…ンン~…

く、くま!!…くま!!…お祖母ちゃんん~♪…」


勿論シロはそれでも必死に緊急性をマサツグくまさんに訴える!…だが肝心のマサツグくまさん

シロを無言で笑顔ながらに撫で続けるだけで!…何ならスキルとしてもマサツグより

能力は下なのだが!…それでも現実リアルで培った!…本物の撫でテクでシロの事を

落ち着かせに掛かると、シロも徐々に抵抗が出来なくなってきたのか懐柔!…

思わず甘える素振りを露わにし出す!…となると周りとしてもそんな自分の母親が

飛び出して行った事に、何も心配しないマサツグと言うのは不気味に感じ!…

と、ここで側近として近くに立っているモツ達がそのマサツグくまさんの頭の上を見て

ハッ!と…何かに気が付いた様子で驚き始める!…


__ッ……ッ!…ッ!?!?…


「…え?…」


「これってもしかしてぇ~?…」


それはもう言わずもがな、プレイヤーネームがその姿とは違うモノになっており!…

となると熟練冒険者である彼らは直ぐにその状況を察して行き!…その際戦場を

駆けて行くくまさんをチラッ!と…ではあれが?と言わんばかりに各々戸惑った

反応を露わにすると、思わず戸惑いの言葉も漏らす!…何ならその流れを聞いて

居なかった具合に焦りもする!…そしてモツもそれを悟って次には首からガクン!と

折れると、ふかぁ~い溜息を吐き出し!…


__…ハアアアァァ~~~~!!…ッ!…ッ…


「…あぁ~…じゃあ僕が[くまさんマサツグ]を回収して来ます!…

すみませんがここの守りは…」


「ッ!…だ、大丈夫!!…何とか出来ると思うから!…行って来てあげて?…」


まるでこの後の展開も読めた様子で言葉を口に、となるとモツとしても動かない

訳には勿論行かず!…この時その理由に自分がくまさんマサツグを回収しに向かう事を

話して行くと、ミサカやハンドレットに謝罪を!…するとそんなモツの様子に

二人も思わず苦笑いをする!…その際同情するよう返事をして励ます言葉も掛けて

行くと、モツはミサカとハンドレットに一礼!…と、モツが回収に向かう話を

聞いてシロも落ち着き!…次には撫でてくれるマサツグくまさんに甘える様に!…

ギュッとしがみ付く様子を見せて居ると、一方のモツは急ぎ玉座を離れる!…

急ぎくまさんマサツグの回収へと動き始める!…


さてモツが飛び降りる様にして玉座から離れ出すと、一方のくまさんマサツグはと言うと!…


__ズダダダダダダダダダ!!!!…


「…スゲェもんだな!!…この格好なのにいつもの様に動ける!!…

さて結構離せたと思うし?…後は如何やってあの壁を突破するか?…

何なら町の中に入るかって言った所なんだが…」


変身したままの姿で大爆走中、その際一気に最前線にへと迫っており!…

その道中で茫然自失としている奴隷達の様子を目にしつつ!…その者達の間を

縫う様に駆け抜け!…まるで一陣の風となった様に!…意外と変身したままの

姿でも動ける事に本人が驚くそんな事を口にすると、次には如何やって前線を

超えるか?で悩み!…解決策を模索し出す!…と言うのもそのまま突っ込めば

間違い無く面倒事に繋がって行き、絶対に消耗は避けられない!と…

何ならその前線を超えた先でも悩む事が容易に見られ!…それは退路は無い!と

ばかりに固く閉ざされた町の門で!…リーナを助けるには勿論町の中へと

入らねばならず!…攀じ登るにしてもネズミ返し!…その他色々と侵入を阻む

細工がされて有るのが見て取れると、同じくその突破方法に頭を抱える!…

そうして色々とまだ難題が残っているのを目にして行く!…さてそうして

如何やって突破するか?と言った事を零して居ると、その会話を聞いて居た様子で

相槌を打って来る者が一人!…


「…それならいい方法が有るわよ?…」


「ッ!…え?…」


と言うのも何かいい案が有る様子でくまさんマサツグに声を!…それはとても聞き覚えの

ある声であり!…しかしそれでも突如声を掛けられた事でくまさんマサツグが驚き!…

一体誰なのか!?と言った具合にその声の聞こえて来た方を振り向いて行くと、

そこには付いて来たのかグラトニアの姿が!…しっかりと並走をして来ている

様子が目に映る!…その際戸惑った具合に言葉も漏らして慌てて見せると、

一方でそんなくまさんマサツグの事など御構い無しに話しを続け!…


「ヨッ!…アンタァ…

確かあの時の闘士様のお母さんって事だったわよね?…」


「ッ!?…グ、グラトニア!?…

ちょ!?…おま!!…付いて来て!!…」


それこそまるで友達感覚!…気さくに挨拶をし始め!…くまさんマサツグが如何言った

人物なのか?と何故か一人確認をし出すと、一方でくまさんマサツグは更に戸惑い様を

露わに!…と言うのも何で付いて来たのか!?と言わんばかりに言葉を漏らす!…

しかしその言葉は如何にもしどろもどろで動揺が隠せず、ちゃんと内容が伝わって

いるかが怪しい所で!…と、思われた矢先ちゃんと言葉は伝っている様で!…


「…何よ!!…邪魔をするつもりは無いわよ!!…

寧ろその逆!!…ちゃんと協力してあげるから!!…

だから私も!!…私も連れて行って!!!…」


「ッ!?…ッ…ッ~~…」


次には文句を言う様にくまさんマサツグへ返事!…その際邪魔はしない!といい…

寧ろ協力をする事を自ら名乗り出てついて行きたい!と言った反応を露わにすると、

その様子を見たくまさんマサツグも思わずピクッ!と…情に絆されたよう固まってしまう!…

何故なら未だあの謁見の間でのグラトニアの様子を覚えて居るからであって、

今目の前に居るグラトニアからも嘘を言っている様にはとても感じられず!…

だがもしもの事を考えるとそこはやはり元?死刑囚であっても!…如何にも躊躇いを

覚えるもので!…くまさんマサツグ自身如何したものか?と悩む様子を見せて居ると、

今度は後方から凄まじい勢いで追って来る!…鬼の冒険者の気配を感じ取る!…


__ッ!!…チラッ?……ッ!?…


「ヤアアアァァァァ~~~~ブウウウウウゥゥゥゥゥ~~~~!!!!」


それは殺気にも似た嫌な気配に感じられ、くまさんマサツグとしてもそれを感じ取っては

背後を確認せずにはおられず!…それこそ後ろを警戒した具合にチラッ?と…

するとそこにはくまさんマサツグの後を猛追するモツの姿が見つかる訳で!…この時モツは

くまさんマサツグの事をヤブ!と…その正体を既に分かっている様子で

怒りを爆発させるよう叫んで見せると、その異様なモツの様子にくまさんマサツグ

これまた戸惑い!…途端にそのモツから逃げ出し始める!…その際何故か

本能的に捕まってはいけない!と感じられると、グラトニアを置いて行くよう

急にスピードを上げて行き!…


「ッ!?…うえぇええぇぇぇぇ!?…」


「ッ!?…ちょ、ちょっと!!…ッ!…

…置いて行こうとしたって無駄な事よ!!…

こうなったら無理やりにでも付いて行ってやるんだから!!!」


何なら情けなくも奇声を上げつつ!…すると一方でそんなくまさんマサツグの様子に

グラトニアは勝手に誤解をし出し!…くまさんマサツグが急にスピードを上げて来たのは

置いて行こう!として居ると考え!…となると自身が拒否された様に感じては

ムキになり出し!…くまさんマサツグを絶対に逃がさないよう必死に!…その際もう同意も

関係無い!とばかりにこれまた一人で決意を固めると、くまさんマサツグの後を追跡して

やいのやいの!…文句の言葉を口にする!…するとそんなグラトニアの文句に

対してマサツグもピクッ!と反応するが、とても言い訳が出来る状況ではなく!…


「ッ!?…今はそれ所じゃないんだよぉ~~~!!!!」


__まああああぁぁぁてええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!…


「ッ!?…増えたぁ!?…って、そんな事を言ってる場合じゃない!!…

…ッ!?…あぁ~もう!!…一か八か!!!…」


とにかくグラトニアに対してツッコミを入れるよう言葉を口に!…だがグラトニアは

思い込みが激しいのか一切聞かず!…自身の後ろから来るモツと共に待て!と叫び…

遂にはその戦っている面々の前線にまで到達する事になって行くと、くまさんマサツグ

二人から逃げ切る為に手段を選ばなくなり始め!…と言うのも一か八かでその戦って

いる面々を足場に跳躍する!…その際まず一歩として走りながら思いっきり足に力を

入れると、前線の壁となっている味方騎士の肩に向かい飛んで行き!…


__ズダダダダダダダダダ!!!!…ンバッ!!…グンッ!!…


それはシロとの追いかけっこで鍛え上げられた跳躍を今まさに披露!…適当な所で

目星を付け!…足場にし易そうな騎士の肩に向かい思いっきり踏み切って飛んで

行くと、その騎士の肩へ見事に着地!…だがこれではくまさんマサツグの行動は

まだ終わらない!…その着地した直後にまた足に思いっきり力を込めてグッと

踏み込むと、今度はまるで敵陣に乗り込んで行くようその騎士の肩を踏み台にして

更に飛び!…


「ッ!?…な、何!?…」


「スマン!!!…我慢してくれ!!!」


となると足場にされた騎士も当然戸惑いを露わにして見せ!…踏まれた感覚を

感じた事でハッ!と反射的に空を見上げ、そこで空飛ぶ熊の姿を目撃し!…

その際くまさんマサツグもその踏み台にしてしまった騎士に対して謝罪の言葉を!…

だがそのまま敵陣の方へと姿を消し!…次に足場に出来そうなモノをチラチラと

見回し探す素振りを見せて行くと、その飛んだ先で更にあるモノを見つけて行き!…

因みに言わずもがなそんな空飛ぶ熊の姿と言うのは敵味方問わず各々の目に当然

止まり!…あれは何なのか!?と勿論困惑!…それは思わず戦闘の手を止める程に

至って行き!…誰もが絶句しえっ?と言った表情で空を見上げ続けて居ると、

これまた後続から同じ事をする者達がやって来て!…


__ズダダダダダダダダダ!!!!…ンバッ!!…ンバッ!!…ッ!?…


「失礼?…」


「スマン!!!」


その際同じ騎士が踏み台にさせる様な事は無かったのだが、先程の空飛ぶ熊と

同じ要領で敵陣に突っ込み!…因みにこれも言わずもがな通過したのはモツと

グラトニア!…まんまくまさんマサツグの真似をするよう!…その踏み台にした騎士に

謝りながら!…空飛ぶ熊の後を追い駆けると、これまたその様子に面々は

戸惑い!…時が止まったかの様な状態になる!…一方話しは戻って空飛ぶ熊!…

この時次に見つけた足場と言うのは、先程までギャンギャン吠えていたまさかの

敵将軍のハドンで!…


「…丁度良いやっと!!!」


__ドゲシッ!!!…どよぉ!?…ングッ!!…バッ!!!…


「ブハァ!!!…」


飛んだ先には馬に跨り武器を握るハドンの姿が!…だがくまさんマサツグは一切に気にする

事無く飛んで行き!…そのハドンの顔面に向かい!…さも飛び蹴りを喰らわせる様に

バッ!と足を伸ばして見せると、そのハドンすらをも踏み台にし!…その際次に

踏み台を予め見つけて居た様子でそっちに飛ぶ!…因みにその飛んで行った方向には

未だ動かない戦車が鎮座しており!…戦車の高さはその町の門より若干低い位で、

踏み台にするには丁度良く!…となるとくまさんマサツグは戦車に飛び乗った後そのままデグレアント

帝都の方へと飛んで行き!…一方その突然の事に対して対処が出来ず!…敵兵達が

それぞれ固まりオロオロした様子でそのハドンの状態を気にして居ると、更に後続が

やって来て!…結果ハドンが二度三度と踏まれる事は無いのだが!…それでも後続も

戦車を踏み台!…デグレアント帝都に魔王軍の者三人の侵入を許すと、ハドンも勿論

目を覚ますなり激昂!…賊の始末に向かうのであった!…

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