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-第八章-

-第八章一節 始まった決戦!とオリハの助っ人と怒れる将軍!…-

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遂に始まってしまったデグレアントとの最終決戦!…その際ミサカが真正面から

堂々敵軍を虚仮にして行き、するとこれには相手方の将軍ハドンも相当ご立腹な

様子となるが!…しかしそこは将軍と呼ばれているだけに愚直には動かず!…

まずは先兵とばかりに奴隷を!…恐らくセルドールで集めたであろう捨て駒達から

動かし始めると、自らも巨大な斧を武器に!…馬に乗る様子を見せて行く!…

するとそんな相手の初動に対してミサカも動じる事無くまずは戦局を見て行くと、

タンカー盾役である騎士達で壁を作り!…


「…まずは予定通りセオリーで進める!!…

タンカーは前に出て壁を築き!…その後ろを魔法を扱う者達!…

或いは弓兵達で陣を固めよ!!…」


__応!!!…ザッ!!…ザッ!!…ザッ!!…ザッ!!…


そのミサカの号令に対して騎士達も慣れた様子で横一列に!…自身の大盾を手に

前線へと立ち!…見事なまでに一目で屈強と分かる壁を直ぐさま堂々築いて

見せると、そのまま前進を開始!…並大抵では突破出来ない様子を露わにする!…

そしてそんな騎士達の壁の後ろには更に後方支援職の面々達がミサカの指示通りに

援護へ回るよう動き出すと、まるでミルフィーユの様にまた横一列に並んで層が

重なり!…それは間隔を挿んで続いて行き!…遊撃職・魔法職・弓兵・補助職と

言った順で!…相手に対して行進をするよう!…一切乱れぬ統率ぶりを発揮すると、

更にミサカは上空班の面々にも指示を飛ばし!…


「上空班は怪しい動きが無いかを確認しながら攻撃を開始!…

その際恐らく敵軍も同じ竜騎士部隊を出て来ると思う!…

そうなればドッグファイトは必至!!…君達の腕の見せ所となって来る!!!…」


__了解!!!…ヴワァッサ!!!…ヴワァッサ!!!…


と言うのも先程から帝国の方では何やら怪しい影が見えており、それは此方の

竜騎士隊と同じ様な大きな翼をはためかせ!…何ならその影の背中の上には

人物らしき物の影も見えており!…となるとそれをこちらと同じ竜騎士部隊と

読んで行き!…数が多い事を確認する一方、質の方はこっちの方が上!と…

自軍の部隊に激励を飛ばし!…その言葉を受けて上空班の面々も出番が来た!と

ばかりにやる気を出すと、次にはミサカに返事!…そして見事な編隊飛行を

して見せる!…さてこれで一先ずは全体の指示は終わり!…とは行かず!…

今度は軍の両脇に展開する戦車部隊に!…同じく相手も用意している戦車を

相手にするよう指示を口に!…


「そして戦車隊もまずは前線を張る者達の援護に!!…

ここで相手の戦車部隊が動くようなら!!…遠慮は要らない!!…

知恵と勇気を用いて!!…

君達の力を存分に見せ付けて来ると良いだろう!!!…」


「ッ!!…全機聞いとったなぁ!!…

ワシらの力!!…見せる時じゃぞ!!!」


__応ともよ!!!…キュラキュラキュラキュラ!!!…


遠慮は要らない暴れろ!とばかりに…一応陣を崩さないよう!…しかしそれでも

相手の戦車が動きを見せたなら容赦は要らない事を口にすると、それを聞いた

搭乗者の一人が無線魔法石で連携!…全機にやる気を出させて行く!…さてそうして

魔王連合軍が一丸となってまずは帝国前に陣を築くハドンに対して圧を掛けると、

その一切怯まない様子で駆り出された奴隷達は怯み上がり!…武器を手に足を

ガクガクとさせてはもう動けず!…そんな様子を見てハドンも怒り!…怒鳴り声を

あげて奴隷達に喝を入れると、更に兵士達も動かし始める!…


「ッ~~~!!!!…この役立たず共がアァァァ!!!…

ここで戦わなければぁ!!!…我々が背後から貴様達を処分してくれる!!!…

…貴様達!!!…あの愚鈍な奴隷共を追い立てろ!!!…

消耗の一つ位、役に立たせろ!!!」


「ッ!?…ハ、ハハァ!!!…

…だ、第一戦隊!!!…前へ!!!…」


それこそ戦場に木霊する勢いで吠えて行くと、更に奴隷達を委縮させ!…

そして動かないのならもういらない!と…居ても邪魔なだけ!とばかりに

自身の近くに居た兵士に進軍を命令を出して行くと、その奴隷達の処分も一任!…

無茶振りをする様な事も言う!…となるとそう指示された兵士もやはり

戸惑った反応を見せるのだが、反論は勿論許されず!…となると言う事を

聞くしか他に無く!…兵士が将軍に代わって部隊に命令!…まずは様子見で

一部隊だけを動かす様子を見せて行くと、その兵士達も戸惑いを!…

だがそれでも指示に従い動き始める!…


__ッ!?…ッ……ザッ!…ザッ!…ザッ!…ザッ!…


ここで動かなければどうなる事か、明日は我が身!と言った具合で行進開始!…

その際その手に剣を握り!…目の前に居る奴隷達に対して剣を構える様子も

露わにすると、奴隷達もそんな兵士達の反応に気が付いた様子!…とにかく

攻撃をされない様に逃げるが如く前進し出す!…しかし前方からは更に厳つい

敵の大盾部隊も迫って来ており、まさに板挟みの状態となって行き!…

と、その様子を別視点から見ている者達が実は居り!…その一部始終を見て!…

デグレアントが相も変わらず害悪な国であると言う事を認識すると、次には

その者達も動きを露わに!…


「…相変わらずクソったれ振りは変わらんみたいやなぁ?…

…で、どのタイミングでやったらいいんやったっけ?…」


「確か本ちゃんが言うにはもうやってもいい筈なんだけど…」


「…とりあえずやって見たら分かるでしょう!!…確か…こう!!…」


その際その別動隊?と言うのはマサキ達で、それはモツに言われて構えて居り!…

場所はマサツグ達が居る玉座の付近で陣取っており!…彼らには役割を二つ!…

まずはその内の一つについてマサキがぼやきながら言葉を零すと、それにくまさんが

反応!…もうやっても良い!と言う不可解な言葉を口にする!…するとその言葉に

対してオリハもピクッと反応をすると、次には徐に利き腕を掲げて見せ!…

と、その利き腕にはグレイスから貰ったあの氷の腕輪が!…するとその腕輪から

光が放たれ!…まるで何か爆発しそうなそんな雰囲気を見せて居ると、次には

オリハの目の前に何者かが突如現れ!…


__スッ…バッ!…パアアアアアアァァァァァ!!!!…バシュンッ!!!…


「ッ~~~!!!…タタタタタ!!!…え、何?…何が起きたって言うの?…」


言わずもがなオリハがやったのは援軍召喚!…それはここに来る前の宿屋でモツから

説明を受けたモノで!…モツから時が来たらやって見てくれ!との事で、今まさに

その召喚をこうしてやってみた訳であるのだが!…そのオリハの目の前に召喚された

のは何処を如何見ても際どい衣装を身に纏う人狼一人!…そして召喚された方も

突然の事で戸惑って居り!…召喚された際に尻餅を打ったのか?…自身の尻を摩る

様子を見せて居ると、その召喚された者に見覚えが有るのか?…オリハが戸惑った

反応を見せる!…


「ッ!…え?…」


「ッ!…え?…じゃないわよ!!…

一体急に何だって!!…って、ああぁぁ~~!!!」


「じょ、嬢ちゃんは確か!?…」


それはまるでその召喚をした者に見覚えがある様子で言葉を口に!…するとそんな

オリハの言葉に対して次には召喚された者も文句を漏らし!…宛らオリハがやった!

とばかりに!…勿論状況が分かって居ない様子で!…その悪戯をされた具合に犯人の

顔を拝もうと召喚された者が振り返ると、そこには戸惑うオリハの姿が!…何なら

オリハも目の前にグラトニアが居る事を認識する!…その際グラトニアはオリハの

顔を見るなり一瞬戸惑う反応を見せるが、次にはハッと目を見開き指を差し!…

そして周りがどんな状態かも分かって居ない様子で叫んで見せ!…するとマサキも

グラトニアを覚えて居た様子で!…驚き戸惑った具合にその正体を確認しようと

すると、次にはシルビィが何処からともなく!…


「…失礼いたします…」


「ッ!…この声!…」


__シュンッ!!…ガッグイ!!…ドサアァァ!!!…ッ!?…


本当に瞬く間の事であり!…恐らくオリハ達に向けてであろう!…まるで今から

無礼を働く様なそんな謝罪を口にすると、そのシルビィの声にグラトニアも機敏に

反応をして見せ!…それこそハッとした様子で耳もピクッ!と…しかし気が付き

反応した所でとうに遅く!…シルビィはグラトニアの背後に現れ!…

そして一瞬にして組み伏せ拘束するよう!…グラトニアを地面に押し付けながら

抵抗の隙すら与えず捕まえて見せると、その一瞬の出来事にオリハ達もギョッ!と…

一体何事!?とばかりに驚いて見せる!…するとグラトニアもそんなシルビィに

対してクッ!と文句有り気な表情を浮かべて見せると、次にはやはり文句を口に!…


「ッ!!…クッ!!…いきなり何をするのよ!!!」


「…脱獄犯を捕まえるのは当然の事…それ以外に何か?…」


このいきなりなご挨拶に当然ご立腹!…押さえつけられながらもシルビィを睨み!…

放せ!とばかりに文句の言葉を漏らして行くと、シルビィは涼しい顔をしながら

言葉を口に!…自身の正当性を話し始める!…その際理由としては目の前の脱獄犯を

捕まえただけ!と語って見せると、そんなやり取りをする二人にオリハどころか

他二人も戸惑い!…何ならそれでグラトニアも納得出来る筈が無く!…次には勿論

更に文句を!…訳が分からない!とツッコミを入れる!…


「ッ~~~!!!…

こっちだって好きで脱獄をさせられた訳じゃないのよ!!!…

…確かに外に出られて気分はいいけど!!!…

突然光に包まれたかと思えば急に何!?…

訳の分からない所にいつの間にか居るわ!!…

アンタには問答無用で拘束されるわ!!!…

説明の一つ位寄こしなさいよ!!!!」


「…あぁ~っと、シルビィさん?…とりあえず拘束を解いて?…」


それこそ突然の事過ぎてついて行けない事を話し出すと、取り敢えず自身の

身に起きた事を口に!…宛ら事件に巻き込まれた様子で話して行き!…

恐らくこうなった事について知って居る!…目の前の面々に説明を求めるよう

更に吠えると、オリハがご尤!と言った様子で戸惑い!…次にはシルビィに

指示をする!…するとシルビィもその指示を受けてスッとグラトニアを解放

すると、力が弱まった所で直ぐさま反撃に打って出始め!…


__ッ!…スッ…ッ!!…グンッ!!…フォンッ!!…ザザアァァ!!!…


「ッ!!…チッ!!…」


「…少しは動ける様になった…っと言った所でしょうか?…」


それはほんの一瞬の出来事であり!…拘束されていた腕を直ぐさま振り払い!…

腰を捻って振り返り様に裏拳をシルビィの顎目掛けて伸ばして行くと、シルビィも

それを察した様子で飛び退く!…やはり涼しい顔をして回避をする!…

そして後ろに滑る様にしてバランスを取ると、一方でグラトニアもスッと体を

捻っては地面に立ち!…その際避けられた事に対して舌打ちを一つ!…

一方で反撃して来た事でシルビィはグラトニアに感心を抱き!…少しは出来る様に

なった!とばかりにフッと思わず笑みを浮かべると、今度はスッとグラトニアに

対して身構える素振りを!…


__ザッ!!…ッ!!…ッ~~!!……ガバァ!!!…


「ストップ、ストップ、ストォ~~~ップ!!!…

今はそれ所じゃないんだって!!!」


「シルビィも待ったや!!!…

今こんな事をしとる場合とちゃうやろ!?…」


となるとシルビィが構え出した事でグラトニアもそれに応える様に!…迎え撃つ

つもりでこちらも構え!…次には先手必勝!とばかりに襲い掛かろうとするのだが、

当然それをオリハが許さない訳で!…グラトニアを背後から羽交い絞めにすると

待った!を掛け…その際マサキもシルビィを羽交い絞めに!…そして怒る様にして

言葉を口に!…今はそれ所ではない事をシルビィやグラトニアに話して行くと、

この言葉でシルビィはハッと我に返る!…一方でグラトニアは戸惑い続ける!…


「ッ!?…はあぁ!?…だから一体さっきから何の話をしているのよ!!!」


「ッ!!…ッ…はあぁ~!…

…ンンッ!!…ではお客様ぁ~今すぐに左手側をご覧ください~♪」


当然呼ばれてから怒涛の展開!…そして不遇とばかりにいきなり拘束される

始末にもなり!…となると人として文句が出て来るのも勿論の事で!…

だがこうも暴れられると面倒であり!…思わず手放そうか?とも考えて

しまう所なのだが、呼んだ責任はちゃんと持ち!…オリハがグラトニアを

押さえながら気持ちを切り替える様に溜息を吐き!…次にはさもバスガイドに

なった様に!…羽交い絞めにしたままで左を見るようグラトニアへ丁寧に

言葉を掛けて行くと、またいきなりそんな事を言われてグラトニアも困惑!…

それでも文句を言いながら振り振り向いて見せる!…


「ッ!?…はぁ!?…左を向いたからって何が!?……ッ!?…」


__ワアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!…


するとグラトニアが振り向いた先には見知らぬ光景!…何なら大多数の人間達が

睨み合う様に!…今から戦おうとしている様子を見つけて行くと、更にその奥には

巨大な建造物が!…それこそ城の様なモノが建っている光景も目にしてしまう!…

それは見たままの状況的にまさに戦争の真っ最中!…となると今自分は戦火に

見舞われようとしている何と無く分かり!…目を見開きこんな状況下で自分が

呼ばれた?事に戸惑って見せると、次には困惑の言葉を口に!…


「…な、何よ!…これ!?…」


「戦場です♪」


「ッ!?…そんな軽い感じに言うんじゃないわよ!!!…

違!!…これはどういう事なのか!?って聞いてるのよ!!!」


目の前の現実が信じられず!…まるで夢を見ているかの様なそんな戸惑う反応を

露わにすると、次にはオリハが現実を突き付け!…その際まだバスガイドの様な

口調で返事をして行き!…するとそんなオリハの返事にこれまたグラトニアが

戸惑いながらもツッコミを入れると、更に改めてオリハ達に説明を求め始め!…

となるとオリハもその言葉を受けて次にはスッ!と…真剣な表情を浮かべて見せ!…

次には状況の説明する!…


「…この状況を見て貰ったら分かると思うけど!…

今まさに大戦の真っ最中な訳!…相手は勿論デグレアント!…」


「ッ!?…デ、デグレアント!?…」


それこそ時間がない故か説明も簡単にし始めると、今見えている状況からも

分かる様に戦争中!と…その際相手がデグレアントである事を話して行くと、

スッとグラトニアの羽交い絞めを解いて行き!…となるとその話を聞いて

グラトニアもハッ!として見せ…もう暴れる気もない具合に!…目を見開き

まるで自身の聞き間違いで無いか?を確認するよう!…その戦っている相手の

名前を再度口にして見せると、オリハもその問い掛けに対して頷く!…

そして次には協力を求める!…


「けど若干戦力が足り苦しいから!…

それを補う為に女王様の腕輪を使って狼を呼ぼうとして!…

そしたら君が来ちゃったって訳!…

…それで呼んだ君にもこうして協力を願いたいんだけど?…」


「ッ!?…ッ…」


その際素直に相手との戦力差に不安がある事を話して行くと、如何やってこの場に

グラトニアを呼んだのか?も話して行き!…何ならグラトニアが召喚された事に

ついても偶然!と語り…改めて故意では無い!と…それでも尚若干恐縮しながら…

改めてこの戦いに参加をして欲しい旨をグラトニアに話すと、グラトニアもその話を

聞いてまた目を見開く!…そしてその戦っている面々の方を見詰めて行く!…

と言うよりその後ろに見えている居城の方をジッと見ると、次には決意を固める

そんな表情を浮かべ!…


「…ねぇ?…その話だとあそこに…

あそこにあの騎士様が居るって言う事よねぇ?…」


「ッ!…え?…」


と、今度は徐に質問を口にし出し!…それはオリハの話を聞いて!…自身としても

何か目的が出来た様なそんな話しをオリハにすると、その問い掛けにオリハは

咄嗟に反応が出来ず!…戸惑った反応を露わにする!…するとそんなオリハに

対してグラトニアもクルッと視線をオリハの方へ戻して行くと、再度同じ事を

尋ねて見せ!…と言うのも如何やらその騎士様と言うのはリーナの事を言っている

様子で!…


「騎士様よ!…騎士様!!…アンタ達の仲間の!!…

…だとしたら私としても願ったり叶ったりよ!!…

まさかこんな形でチャンスが巡って来るとは思わなかったわ!!…

…まぁ?…最初ここに来た際のあの出来事に関しては最悪だったけど?…」


__チラッ?…ッ!…フイッ…


この時グラトニアは嬉々とした様子を見せ!…まるでチャンスが巡って来た!と…

こうして呼ばれるまでまだ諦めて居なかった事を口にすると、その最初の出会いで

ある召喚時の事を!…それこそシルビィに文句を言うよう更に漏らす!…何なら

文句有り気にチラッとシルビィの方にも視線を向けると、その視線にシルビィも

気が付いた様子で次には反応!…と言ってもまた馬鹿にするとかではなく視線を

フイッと逸らして見せ!…さも自分は関係無い!と…未だマサキに羽交い絞めに

されながら涼しい顔をして見せると、その態度にまたグラトニアがカチン!と…

怒りを覚えた表情を露わにする!…


「ッ!?…クッ!!…こ、こいつだけはあぁ~~!!!…」


__ワアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!…ッ!?…


元よりそりが合わないのだろう…いや、それよりも今までの出来事が原因か…

とにかくシルビィの取る反応に一々ブチギレ!…また突っ掛かる様にグラトニアが

怒りの言葉を漏らして見せると、次には前線の方から声が上がり!…となると

その声の聞こえて来た方に全員が視線を!…するとそこには奴隷達をもモノとも

しない!…逆に取り込む様にして騎士達の壁が奴隷を通して!…兵士達にのみ

牙を剥くまるでろ過をしている様なそんな光景を見せて居ると、その騎士達の

後ろではせっせこ奴隷達の首輪を斬る作業が!…


「自由になりたくば我らが軍門に下れ!!!…さすれば命だけは助けてやる!!!…

しかし反抗をすると言うのなら!!!…その命を懸けて我らに挑めえぇぇ!!!!」


その際向かって来る者と向かって来ない者の選別も当然して行き!…きっかけは

何処から始まったのか…とにかく壁を作る騎士達がその奴隷達に対して!…

さも一方的な威圧の言葉を口にすると、委縮した奴隷は武器を落とす!…そして

そのまま騎士達の間を通り抜け別の者達に掴まって行く!…その際騎士達の後方に

構えているのは遊撃部隊!…その遊撃部隊達も慣れた様子で!…まるで作業!と

ばかりに手早く奴隷達の首輪を一瞬で解除すると、その後は自由に逃がして行く!…


__シュッ!!…ピンッ!!…


「ほれ首輪は解除した!!!…このまま走って逃げるなり!!!…

何処へでも好きに行ってしまえ!!!」


この時隷属から解放するにしろしたにしろ、襲われそうなモノでは有るのだが!…

しかしそもそもどの者もまず最初から戦闘の意志は無かった様で…と言うのも

投げ出された瞬間その場にへたり!…ある者は何が起きたのか分からず呆けて

しまい!…またある者は怖かったのか失禁して静かに泣き出す様子を露わにすると、

そこから一歩も動かない!…戦意喪失状態で鎮座する!…それはシステム的な

アレなのかAI的なアレなのか?…とにかく安全は保障されているらしく、扱い上は

無力化となっている様で!…となるとそんな奴隷達が次々に処理されて行く光景を

見ては当然不服とする者が居る訳で!…


「ッ!!…クッ!!…この役立たず共がぁ!!!…

…もう良い!!…サッサとその役立たず共の首を刎ねて前進!!…

敵の殲滅に掛かって行けえぇ!!!」


それこそ血管が切れそうな勢いで吠える様子を露わに!…言わずもがなその者とは

ハドンで有り!…もう見切りも付けた様子で!…邪魔になるだけである!と兵士達に

始末を命じて前進をするよう指示を出すと、そのハドンの言葉に側近の兵士の一人が

戸惑い!…次には恐れながらも意見を口にし始める!…と言うのも今ここで奴隷達を

失えば、我々を守る盾が無くなる!と…それを濁す様に奴隷達を戦力と話し!…


「ッ!?…し、しかしそんな事をすれば兵力が!!…

それにさすがに国益を使って集めた奴隷を!!…

その様に投げ捨てればさすがに問題になるかと!!…」


更にこれは国のお金を使って集めた奴隷!と…無下に扱えば王の怒りに触れる事を

それと無く話し!…ある意味で横領になるのでは!?と恐れる様子を見せるのだが、

ハドンは頭に血が上り切ってはもう正常な判断が出来ない様子!…その意見をして

来た側近の兵士に文句を漏らす!…その際その手に持っている大斧をその兵士に

向かい突き付けて見せると、顔を真っ赤にしながら鬼の形相で黙れ!と一喝!…


「えぇい黙れ黙れえぇ!!!…その責任もワシが持つ!!!…

最終的に勝てばいい!!…そう勝てば良かろうなのダアァ!!!!」


「ッ!?…ッ…ッ~~~…」


何ならこの戦いに勝つ事しかもう考えて居ない様子で言葉を口に!…その際

漢らしいのか責任は持つ!と…そして仕舞には某・奇妙な冒険に出て来る

闇の一族の天才の様な!…似た様な言葉まで叫んで見せると、更に周りの

兵士達を委縮させる!…他の意見を許さない態度を露わにする!…となると

そんなハドンの様子に何を言っても無駄だと悟ると、不服ながらも俯き言う事を

聞いて行き!…そして遂に兵士達も本腰を入れ!…ハドンに言われた通り

背後から奴隷達を始末し出すと、戦場に無用な血が流れ!…


__グオオォ!!…ザシュン!!!…ドシュン!!!…


「ッ!?…マ、マジか!?…」


「ほ、本当にイカれてやがる!!!」


無抵抗と言っても過言ではない!…そして隷属の首輪のせいか逃げる事が出来ず!…

背後から斬り付けられ更には後続の兵士達に踏まれる事態になって行くと、見るも

無残にそのまま絶命!…まるで虫けらの様に蹂躙される!…となるとそんな様子を

見せられて面々も更に驚き戸惑う反応を露わにすると、思った事をそのまま口に!…

もはや真面では無い!と言った具合にある意味で恐怖を!…だが当然ここで引く訳

には行かない訳で!…進軍を全体で急ぎ!…出来るだけ被害を最小限に抑えようと

動き出すと、遂に前線は敵本隊と衝突し始め!…


__ワアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!…ガキイィィン!!!…ッ!?…


「ッ!!…ッ~~~!!!…

押せえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


とある一人の構えている大盾に敵兵の攻撃がぶつかり!…するとそれを本当の

開戦の合図とばかりに!…まるで衝撃を感じた事で信管が外れたよう!…その盾を

構えて居た者が機敏にピクッと反応をすると、次には戦場に響く勢いで思いっきり

叫ぶ!…それこそ怒りを爆発させる様に轟き叫ぶ!…するとその声を合図に

他騎士達もグッと全身に力を入れると、そこからはシールドバッシュの嵐となり!…


__オオオオオオオォォォォォォ!!!…ガキイィン!!!…ガキイィィン!!!…


「ッ!?…な!?…な!?!?…」


「た、助け!!…」


それは荒ぶる津波と化し!…前線の騎士達が敵本隊の第一部隊を飲み込み出すと、

辺りは一気に阿鼻叫喚となり!…その際戸惑いや助けを求める声が当然聞こえる

のだが!…しかしその声を聞いても!…いや聞こえない様にしているのか、ただ

我武者羅に押して行く様子だけを見せて行くと、取り逃した兵士は後続が!…

確実に仕留めて行く様子を更に見せる!…この時その兵士達も必死に許しを請うよう

面々に慈悲を求めるのだが、勿論聞き入れる様子もなく一方的に蹂躙!…


__ザシュン!!!…ドシュン!!!…


宛ら地獄からの処刑人とばかりに躊躇いも無く!…無表情で何とも感じていない

様子を露わに!…だが強いて言うとするならば!…先程の光景を見せられた事で!…

デグレアントに対して怒りしかない!と言った闘気の表れ様を露わにすると、

更に敵兵達を威圧!…まさに魔王軍の名に相応しい残虐非道振りを発揮する!…

それはまるで報復!とばかりに進んで行くと、その一方的な様子にこれまたハドンが

不服とし!…


「ッ!?…何と言う不甲斐なさ!!!…

これが栄えあるデグレアントの兵士と言うのか!?…

…えぇい、どいつもこいつも役に立たん!!!…

あろう事か敵に許しを乞う等!!!…ッ~~~~!!!…」


「ハ、ハドン将軍!!…

これ以上攻め込まれない為にもあの鉄の馬車を!!…

あの鉄の戦車に救援を!!!…」


全く歯が立たない様子に怒りしか無く!…仕舞いには嘆く言葉も口にし出し!…

誰一人として役に立たない事に悲観し出すと、とにかく感情を昂らせ続け!…

と、徐々に攻め込んで来る敵軍の様子に他兵士達も慌て始め!…その際戦車隊は

別の指揮下か?…助けを乞うよう兵士の一人がハドンに頼み込むよう言葉を

掛けると、その言葉でまたハドンがピクッと反応!…すると次に許されなかった

様子で暴力が飛ぶ!…


__ッ!!…ッ~~~!!!…グオンッ!!…バキイィィ!!!…ッ!?…


「もう一度言ってみろこの大馬鹿者がアァァ!!!…

同じ歩兵戦において!!…あの鉄の馬車の者達に助けを乞えだとぉ!?…

軟弱を抜かすでないわあぁ!!!!…ハァ!!…ハァ!!…

ただでさえ我々が蔑ろにされて来つつあると言うのに!!!…

その様な事など!!!…絶対に我が誇りが許さんわ!!!」


それは大斧で薙ぎ払うよう素振りをすると、その意見をして来た兵士の顔を

簡単に跳ね飛ばし!…となるとその様子を見せられた兵士達としても驚きを

隠せず!…一方で弾き飛ばされた兵士は地面に倒れて痙攣し続け!…

起き上がれない様子でそこから怯えた反応を露わにすると、ハドンはその

倒れている兵士に対して怒鳴り声を!…絶対に助けを求めない事を口にする!…

それは如何にもハドンのプライドが許さない様子で私的になると、その手に

握っている手綱ごと固く拳を握り!…となるとまるであの時の誓いを思い出す

かの様に全身を震わせ!…とにかく絶対に認めない!と…その態度から死んでも

絶対にしない事を訴えると、思いっきり吠えて見せる!…その一方でマサツグも

動きを見せようとし始めると、徐にシロへ声を掛けようとするのであった!…

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