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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章九十七節閑話 総大将の資格と猟犬幼女!と最後の一人!…-

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この話はマサツグ達[イツカ]がデグレアントへ対し正式に宣戦布告をする五日前…

ミサカがクランのサブマスターを務める[nightmare]、そしてハンドレットが

クランマスターを務める[可愛いもの愛護協会]と同盟を結んだ直後辺りの話しで

ある!…その際クラン同士で同盟を結ぶ事に対して別に問題は無かったのだが、

違う方向でちょっとした問題が起き!…と言うのもその連合軍の総大将をするのは

幼女二人!…しかもNPCと言う事で余計に不安が残り、本当に大丈夫なのか?と…

或いはフェンリルと言う事で興味を持った者達が物申した事で始まった話である!…

因みにそれに対してちゃんとミサカも説明と鎮圧に動いたのだが、それでも

駄目だった様子で有り!…


__デグレアントに宣戦布告をする五日前…


「…と言う訳で如何にもガチな子達と研究熱心と言うか…

その子達が実力を見せてくれ!って言って言う事を聞かないんだ!…

…申し訳ないけど…頼めるかな?…」


「ッ!…あ、あぁ~…」


それはまるでミサカが恥を忍んでマサツグにお願いをしたのが始まりである!…

事のあらましをマサツグに話し…協力を願うよう両手を合わせて軽くマサツグに

頭を下げると、マサツグも何と無く想像が出来たのか納得した様子を!…

戸惑った具合に言葉を漏らす!…そしてそのお願いに対して如何やって説得した

ものか?と考え出すと、さすがに戦闘をさせる訳には行かない!と…と言うのも

シロとハクの身を案じるのは当然なのだが、それ以上に相手となるプレイヤー達の

身が危うく!…それこそ飼い主であるマサツグですら足元掬われなけない!…

更にはいざこざも避けたく!…何かいい妙案はないか?とミサカに頼まれ考えて

居ると、そこに丁度件に二人がやって来て!…


「ごっ主人っさまぁ~あぁ~そびぃ~ましょ~!!」


「…ハティは何方かと言うと訓練をお願いしたいのです!…」


この時別に二人で密談をしている訳では無かったのだが…ミサカとギルドの一室にて

二人っきりで話をして居ると、そこに二人が元気良く扉を開けてやって来て!…

片や手を上げて上機嫌!…マサツグに暇だから遊んで欲しい様な事を言う一方!…

もう片方は控えめにマサツグに同じく暇だから訓練を!と…それぞれ個性が出ると

言うか何と言うか?…そんな二人の登場にマサツグもピクッ!と…振り返り苦笑いを

しながら今忙しい事を口にしようとして行くと、ここでふとある事を思い付き!…


「ッ!…シロ!…ハティ!…

あぁ~…今は悪いんだが遊んで……ッ!…遊んで?…」


「ッ!……ンン~?…はいです、遊んで欲しいのです!」


それはシロの言葉でふとある事を思い付いた様子!…遊んで!と言う言葉に

引っ掛かりを覚え!…シロもその言葉でピクッ!と、そんなマサツグの様子に

首を傾げて見せつつ!…それでも改めて笑顔を浮かべながらマサツグに遊んで

欲しい旨を話して行くと、いつもの様に手を上げて見せる!…するとマサツグも

そんなシロの様子をジッと見詰める!…それこそそんなシロ達の姿をその目に

焼き付けるよう途端にジッと固まってしまうと、勿論マサツグが硬直し出した事に

ミサカも戸惑い!…


「……えぇ~っと?…マ、マサツグ君?…一体如何したって言う?…」


__ッ!!…ガタァ!!…ッ!?……


すると次にはマサツグに呼び掛けるよう声を掛け出し!…その際固まって動かない

マサツグの様子にちょっとした不気味さを覚えつつ!…それでも如何したのか?と…

マサツグに正気に戻って欲しい様なそんな感じで言葉を掛けると、突如マサツグが

席を立つ!…それこそハッ!と閃いた表情を露わにする!…となると突如席を立った

マサツグにミサカも思わずビクッと驚くと、何事!?と言った具合にマサツグを

見詰め!…一方のマサツグはそんな事など御構い無し!…今度はバッ!とミサカの

座っている方へ視線を向け!…そして今思い付いた事を口にし出し!…


「…ミサカさん!…その悩み事…解決できるかも!…」


と言うのもまずは簡潔に何とか出来るかも!と、その際名案を思い付いた!と

ばかりにマサツグの顔が物語っており!…となるとシロとハクもそんなマサツグの

様子を見て若干戸惑う様な!…二人揃って首を傾げるそんな反応を露わにすると、

ジッとマサツグの事を見詰め続ける!…一方のミサカはそんなマサツグの言葉に

対して!…やはりピクッ!と戸惑う反応を示して見せると、理解に困った感じで

言葉を零し!…


「ッ!…え?…」


「別にシロ達の実力を見るだけなら戦わなくても痛感出来る筈ですよね?…

だったら打ってつけの!…シロ達が本気になってくれる方法があります!!…」


「ッ!…そ、それは本当かい!?…」


だがそんなミサカの事など御構い無しに!…別に納得させるだけなら戦闘は

不要!と…大多数で一気に納得を得られる!…何なら今のシロ達にとっても

丁度良い暇潰しになる方法がある事を口にすると、シロ達も必ず本気になる!と…

マサツグは嬉々として話をする!…するとその話を聞いてミサカもハッ!と

目を見開き驚いて見せると、マサツグが協力をしてくれる事に感謝の念を!…

そしてその詳しい話について説明を求め!…一方で置いてけぼりのシロ達は

更に困惑!…首の角度が更に横へ傾いて行き!…終いには一本足で立つ様に

止まって見せると、マサツグはそんなシロ達をまだ放置!…もう一つ話しを

続けて行く!…


「えぇ!……ただしかなりハードな話になりますので、それ相応の覚悟を!…

…じゃあ早速取り掛かろうと思うので…

その不安を漏らして居る人達を町の広場に呼んでください!…

因みに人数の制限はありません!…シロ!…ハティ!…狩りの時間だ!!…」


「ッ!?…え!?…か、狩りって!?…

ほ、本当に大丈夫?…」


この時今からやろうとしている事が中々にハードな展開になるであろう事が

予想されると、マサツグがミサカに覚悟を求め!…そして直ぐに始めるつもりで

言葉を続け!…ミサカにその不安を抱えて居る人達を集める様に指示を出すと、

ここでシロとハクを呼ぶ!…今から遊びに出かける事を口にする!…その際

その遊びに行く事を狩りと言うと、シロとハクはその言葉を聞いてピン!と

来たのかパァッ!!…と明るい表情を浮かべ!…一方でそんなマサツグの言葉を

聞いてもう一つミサカが戸惑い!…思わず安全なのか!?と…違う意味で不安を

抱えた様な言葉を口にすると、そのままマサツグ達は部屋を後に!…となると

ミサカも不安を抱えたままでとにかく動く!…


さてここからミサカが全体チャットでこの事をそのまま話して行くと、人を

広場に集め!…それは[nightmare]から数百人単位で人が集まり!…ある者は

そのNPCの実力に疑問を持ち!…またある者はフェンリルと言う種族に興味を

持ち!…挙句の果てには[可愛いもの愛護協会]からも参戦が希望!…一体何が

行われるのか話しを聞かず!…ただシロ達と遊べると言う事で!…嬉々として

全体の八割が集まる事になって行くと、もう広場は満員御礼!…するとその人の

集まり様に町の人達も戸惑い始める!…


__ワイワイガヤガヤ!!…ワイワイガヤガヤ!!…どよどよ!!…


「…な、何でこんな冒険者達が?…ま、祭り事か!?…」


軽く見回しただけでその数は約800人は居るだろうか?…そしてこの冒険者達の

集まり様にお祭りか?と…町の人達もその様子に参加をしようとはしないのだが、

やはり何か気になる感じで遠巻き見て居り!…冒険者達も今か今かと言った様子で

若干緊張の色を見せて居ると、次にはその祭り事の主催者が真っ白な幼女二人を

連れて登場!…そしてその隣には何故かアンジュも連れて来る!…となると何故

アンジュを連れて来たのか?と言った疑問がまた更に出て来るのだが、一方で

そんな面々の様子など御構い無しにマサツグが挨拶をし始め!…


「…ン゛ン゛!!…さてこうして集まって貰ったのは他でもない!!…

シロとハクの実力をその身を持って体験して貰おうと!…

君達の疑問に答えようと思いこの行動を起こした!!…」


__どよ!?…ザワザワ!!…ザワザワ!!…


それは徐に咳払いを一つすると、何故か上から目線で話しをし始め!…となると

その様子に集まった冒険者達も思わずムッ!と…何様なのか!?と言った様子で

マサツグを睨み!…しかしマサツグもそんな面々の視線などモノともしない

具合に!…態度を改める事無く堂々と話しを続けて行くと、更に上から目線で

話しをする理由についても語る様に!…こうして人を集めたのは自分!とばかりに…

その堂々たる様子にどよめきが走り!…一方でシロとハクが黙々と準備運動を

する様子を見せて居ると、更に説明は続き!…


「…ルールは簡単!!…君達には鬼ごっこをして貰う!!…

…鬼はここに居るシロとハティの二人だけ!!…君達全員が逃走者だ!!…

そして時間制限は今日の日没までで、フィールドはこの町全体!!…

時間制限一杯まで!!…

だが逆にシロとハティが全員を捕まえたのならその時点でゲームオーバー!!…

君達の負けだ!!…」


__どよ!?…ザワザワ!!…ザワザワ!!…


と言うのも今からやる事は何なのか?を話し始め!…その説明も簡潔に!…

シロとハクを鬼に鬼ごっこをやる事を話して行くと、更に面々からは動揺の声が!…

だが構わず説明を更に続ける!…その際ルールも至ってシンプルなモノであると、

その説明をしている一方でアンジュが何やら魔法を詠唱!…と、言うが実はある

プログラムを設定しており!…そんな事に気付かない面々はマサツグを見詰め!…

とにかく動揺と若干の不満を漏らして居ると、最後に参加の有無について!…

マサツグが確認を取って行く!…


「今この時点で参加を取り止めると言うなら広場から出て行ってくれ!!…

逆に残ると言う事は参加を意味する!!…さぁ如何する!?…」


__ッ!?…ザワザワ!!…ザワザワ!!…ザワザワ!!…ザワザワ!!…


その際この鬼ごっこへの参加の条件は今居る広場に残る事で、そう話すとマサツグが

辺りを見回して行き!…それこそ周りを煽るよう言葉を口に!…となるとその言葉に

触発されたよう誰も去らず!…ザワザワと騒めきながらも!…全員がまるでその喧嘩

買った!とばかりにマサツグの事を睨んで行くと、一方でマサツグは掛かった!と

ばかりにほくそ笑む!…一方で先程からのアンジュの詠唱も終わりを迎える!…


「《さぁ!…正しき数を見出せ!!…ノックカウント!!》」


{…まぁそんな魔法在りはしないんですけどね…

急にマサツグさんに呼ばれたから何事か!?と思いましたけど…これは…}


アンジュはそれっぽい魔法のエフェクトを身に纏うと、その即席のプログラムを

目の前に集まっている冒険者プレイヤー達にのみ実行して行き!…と言うのもその魔法プログラム

掛かった者の頭の上には光の球が!…となるとそれに気が付いた面々が戸惑い!…

手を伸ばし触れよう!と…或いは掴もうとするのだが掴めず!…とにかく困惑する

様子を見せて居ると、一方でアンジュは自身が唱えた魔法について自分で

ツッコミを!…何ならマサツグの発案である事も心の中で漏らしてしまう!…

まぁ漏らした所で誰にも聞かれる事は無いのだが、その魔法が面々に掛かった所で

マサツグが更に説明を!…


「…今アンジュに唱えて貰ったのは公平にゲームを期す為!!…

言わば目印と捕獲の有無についての判断基準アイコンだ!!…

その光の球は触れる事が出来なければ隠す事も出来ない!!…

ずっと頭の上で光り続けて、ゲーム終了時まで存在し続ける!!…

因みにシロかハティがその対象者の体に触れると、光の球は消滅!!…

故にこれを判断基準に!!…これからゲームをして行こうと思う!!!…

…因みに俺が言うのもなんだが?…

この二人から完全に逃げ切るのは骨が折れるぞ?…」


__どよ!?…ザワザワ!!…ザワザワ!!…


何でもマサツグが言うにはアンジュを呼んだ理由はこう言う事で!…やるからには

不正は無し!と…ガチンコで幼女二人と鬼ごっこするに当たっての判定基準を

設けた事を話して行くと、その話を聞かされた面々はこれまた戸惑い!…やはり

戸惑いや動揺を隠せない様子を露わにする!…そしてマサツグは構わずその細かい

仕様についても話しをすると、最後に不穏な言葉を口に!…と言うのもその幼女

二人の飼い主が言う事だから信憑性は妙に高く!…マサツグもこの時だけは

意地悪そうな!…まるで闇落ちした様な悪い笑みを浮かべて行くと、最後に

こんな事を口にし始め!…


「…開始は今から一分後!!…一分経ったらシロとハクがハンター!!…

君達全員は逃走者だ!!!…まぁ、だからと言って賞金は出ないんだが…

とにかく!!…俺の娘にケチを付けたからには!!…

それ相応の覚悟を持って体験してくれ!!……以上!!!…

ではこれよりカウントに入る!!…解散!!!」


まるで面々の同意を無視する様に!…カウントは六十秒後と話して行き!…

さもこの状況を某・逃走番組の様に例えて見せると、更に本音を漏らす!…

正直心の中でムカッとして居た様子を露わにする!…そしてその事を今から

身を持って後悔するようもう一つ話すと、問答無用で始める事を口に!…

となるとそんな横暴に近いマサツグの言動にこれまた面々は戸惑い!…

だが幾ら戸惑った所で様子は変わらず!…仕方なく逃げようとする様子を

見せる者!…またある者はやはり子供と侮っているのか?…身構えると

言った反応を見せる者まで現れ出すと、そんな面々の様子など御構い無し!…

シロとハクが準備運動を終えてカウントを始める!…


「…ふぅ~!……いぃ~ち!…にぃ~い!…さぁ~ん!…」


「しぃ~い!…ごぉ~お!…ろぉ~く!…なぁ~な!…」


それは嬉々とした様子で数え出すと、ウズウズとしながら辺りを見回し!…

と、シロとハクが数を数え出した事でゲームがスタート!…各々町の中へと

溶け込む様に!…やるからには絶対に勝つ!の精神で臨んで行くと、路地裏や

敢えてのメインストリート!…とにかく町の色んな所へと拡散して行く!…

一方そんな逃げる者達を余所に身構える者達も更に警戒を強めて見せると、

シロとハクから目を逸らさず!…と、そんな調子で面々がそれぞれ本気モードに!…

そして遂にその時がやって来る!…最後の六十を二人が揃って数え終えると、

マサツグの言っていた通りに狩りが!…子狼達が解き放たれる!…


「「ごじゅはぁ~ち!!…ごじゅきゅ!!…ろくじゅう!!…」」×2


__ッ!!…ジリッ!!…


「「行くです!!!」」×2


シロとハクが数を数え切った様子を見て残った者達が腰を落とす!…それこそ

急に飛んで来られても大丈夫な様に!…シロとハクの動きだけに全神経を

集中させると、一方でシロは楽しい鬼ごっこが始まった!と…ハクも全滅を

目指すつもりで闘志を燃やす!…そしてまずは広場に残っている愚か者達に

対して視線を向けると、二人が揃って言葉を口に!…と、その言葉を口にした

瞬間残って居る者達の目の前から姿を消し!…


__バシュンッ!!…ッ!?…ザワザワ!!…ザワザワ!!…


「ッ!?…き、消えた!?…」


「バ、馬鹿な!!…[刹那]を発動してるのに見えなかっただと!?…」


となると二人の姿が突如消えた事で驚き戸惑い!…一体何処に消えたのか!?と…

残った者達が途端に慌てる様子を見せ始めると、マサツグはその慌てる面々の様子を

見てほくそ笑む!…一方で更に周りからは信じられない!と言った言葉も飛び出し

始める!…それこそ本当に全力で勝ちを取りに来た様子で[刹那]を使っている事を

口にするが、その[刹那]を持ってしても二人の姿を捉えられなかった様子で…

と、そうして残って居た者達の[刹那]が無駄打ちで終わったしまった事で戸惑って

居ると、次には何故か悲鳴が!…広場に木霊するよう聞こえて来る!…


__……グハアァァ!!…ッ!!…ッ!?…ッ!?!?…


「…まずは一人!!…」


「ッ!?…な!?…」


それはまるで重い一撃を喰らった様に聞こえて来ると、その悲鳴に当然各々が

ビクッと反応を露わに!…そして途端に慌てて振り返って現状の様子を確認して

行き!…するとそこでシロに脇腹から飛び掛かられたであろう!…グッタリと

地面に倒れその者がシロに掴まった様子を目にして行くと、その光景にまた

面々は驚き!…一方でその冒険者を捕まえた事でシロが嬉々といた様子を露わに

する!…その際余裕とばかりに一人目!と言葉を漏らして行くと、その押し

倒された冒険者の姿を見て更に戸惑う事に!…と言うのもその冒険者は格段に

シロよりとても体格がよく!…シロに押し倒される様にはとても見えず!…

だが現にシロに押し倒されて捕縛状態!…ピクリとも動かない様子を見せて居り!…

各々が信じられない反応を見せて居ると、また一方で悲鳴が聞こえ始め!…


__ギャアアァァ!!!…ッ!?…ッ!?!?…


「…こっちも捕まえたのです!…次はぁ~…」


__ゾクゥ!!!…ッ!?…ッ!?!?…


今度は如何やらハクの様で!…ハクも自分より大きな大人に掛かって行っては

押し倒し、同じく嬉々とした様子で他愛もない!と…そして獲物を捕まえた事に

対して素直な言葉を零して行くと、直ぐさま次の獲物を物色!…その際その目を

まん丸と怪しく光らせて見せ!…宛ら狩りを楽しむ様な!…子供と言っても

ちゃんと狼である事を誇示して見せると、舐めていた者達をゾクッ!と…背筋に

冷たいモノを感じさせる!…そしてそんな幼女二人の様子に今更ながらもヤバい!

言ったモノも覚えて行くと、次には逃げようとするのだが!…


「ヒ、ヒイィ!!…」


「ッ!!…にぃ~がぁ~さぁ~なぁ~いぃ~!!」


__ンバッ!!…ドゴス!!!…


時既にお寿司そこはシロ達のテリトリーで有り!…悲鳴を上げて逃げようとした者は

漏れなくゴスッ!と…背後から頭突きを受けて他の捕まった者達と同じくその場に

突っ伏し動かなくなると、光の球を消失!…捕獲された扱いとなって行く!…そして

そんな様子を見て余計に動けなくなった者達はもう一方的に狩られる事しか出来なく

なると、宛ら刑罰を待つ囚人の様に震えて待ち!…何ならいつ来るか分からない

恐怖にとにかく怯え!…眼前では次々に倒される仲間達の様子が!…と、同時に

これが自分達の総大将!と…マサツグやミサカが選んだ理由を理解すると、心の中で

反省!…そのままシロ達に執行される事となって行く!…


さてそうして広場に残っていた者達は漏れなく全滅となってしまうと、次に街中へ

逃げて行った者達を追う事となり!…となるとシロとハクは今度は猟犬と化して

行き!…その鋭い五感を武器に!…逃げた面々を次々に追い詰め!…更に逃走者達を

恐怖のどん底に落として行くと、子供らしく天真爛漫に笑う!…天と地ほどの感情の

差を露わにする!…


「ッ!!…見つけたのです!!」


「ッ!?…嘘だろ!?…な、何で!?…」


「かぁ~くぅ~ごぉ~!!!」


逃げる側は本気逃げ惑い慌て続けると、それは宛らホラー映画を体験している様な

気分になり!…それこそシロかハクに見つかってしまったら一巻の終わり!…

逃げ切れる可能性は無いに等しく!…息を殺し陰に隠れ!…自身の頭の上にある

光の球も如何にかして隠すよう工夫を凝らすが!…シロに見つかっては捕縛!…

ハクに見つかっては捕縛となる!…因みにこれもアンジュが気を利かせてある

プログラムを即席で作ると、今参加して居る面々達に向けて実行をして行き!…


「…あっ!!…見つかったぞ!!…逃げろ!!…逃げろ!!!…」


「あぁ~捕まっちまったぁ~!!…

…えぇ~…これ如何やって逃げろって言うの!?…」


と言うのもそれは所謂[天の目]と言うモノで、捕まってしまってからでないと

扱えず!…簡単に言うとまだ生き残って居る者達を目で追う事が出来るモノで!…

それを使用して生き延びている者達を応援!…またはシロとハクに視点を合わせ!…

一体どの様にして追って来ているのか?等を確認する事が出来る様になっていると、

これまた捕まってからもやいのやいの!…広場で大盛り上がりの様子を見せて

行く!…因みに捕まった者達は最初の広場に!…何故ならそこでしか[天の目]は

使えず!…と、そんな事が行える様になっている間に次々に捕まり!…が、同時に

時間も進み!…もう直ぐ日没と言った所か?…残り人数も遂に三人にまで来て

しまうと、傍観する者達も緊張!…その最後をジッと見守る!…


「…どぉ~こでぇ~すかぁ~?…隠れても無駄ですよぉ~?…」


「…いっそ捕まって楽になったらどうです~?…

今なら優しく捕まえてあげますよぉ~?…」


__ッ!!…ハァッ!!…ハァッ!!…


この時まだまだ元気がある様子でシロとハクは依然逃走者達の捜索を!…その際

辺りに声を掛け出し!…自首を勧めるよう唆す言葉を口にすると、それは悪魔の

囁きに聞こえ!…となると近くに隠れている者が思わず呼吸を荒げてしまい!…

宛ら殺人鬼から逃げている様な!…本気故に過呼吸一歩手前の状態になって居ると、

その呼吸が命取りとばかりに!…次にはシロがピクッと反応!…ハクも別方向にて

気配を察する!…


「ッ!!…そこですね!!」


「ッ!?…ヒ、ヒィ!!…あ、あと少し!!…あと少しなんだぁ!!!」


シロがまるで見つけた様に声を上げると、この緊張感に耐え切れなかった様子で

逃走者が姿を!…それこそ次にはその場から逃げよう!と…しかし緊張のせいか

思う様に走れず!…足が縺れ如何にも真面に走れない様子を見せて居ると、

一方でシロが容赦なし!…その出てきた冒険者を捕まえに掛かる!…その際その

逃げようとしている者に対してニコッと笑て見せると、夕日をバックにその者に

近付き!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…ガッ!!…ドサアァ!!…ッ~~…


「…ハァッ!!…ハァッ!!…ハァッ!!!…ハァッ!!!!…」


こうなって来ると逃走者も是が非でも!…転けて地面に倒れようとも、それこそ

地面を這ってでも逃げよう!と…必死に息を切らしながらも腕を動かし!…

最後の最後まで決して諦めずに逃走の意志を見せて行くが、結果は目に見えて

出て居り!…シロはその冒険者に簡単に追い付く!…そして横に並ぶ様にして

スッと隣に立って見せると、次には無情にもその地面を這う冒険者の背中に触れ!…


「…お疲れ様です♪」


__ポンッ!…ッ!!…ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!…


その際まるで小悪魔の様に!…無邪気に笑いながらお疲れ様!と…あっさり

捕まえてそのままスッとその場を離れると、上機嫌に尻尾を振る!…一方で

捕まってしまった冒険者は声を上げる!…それは本気で悔しがる様に地面に

突っ伏し動かなくなると、まるで絶望に打ちひしがれる漫画の主人公の様な

様子を見せ!…と、その様子を見ていた視聴者達もこれには思わず苦笑い!…

気持ちは分からなくもないのだが!…そこまでなのか?と言った疑問も同時に

感じてしまうと、一方でハクも追い駆けていた逃走者を捕獲!…残りを一人と

して見せる!…


「…あと一人!…あと一人は何処に!?……ッ!!…え!?…」


「…この感じ!…あの広場に!?…」


因みに余談だがシロとハクは全逃走者の位置を自身の感覚だけで追っている!…

それはアンジュのサポートが有ったからとかではなく自力で有り!…その点からも

改めてフェンリルはヤバい!…敵に回したら死ぬ!と言った事が他の面々に

伝わって行くと、これまたマサツグを化け物扱い!…一体如何やって手懐けた?と

疑問を持たる!…そしてそんな疑問を抱えられながらも一方でシロとハクは

その最後の気配を辿って行くと、広場の方から気配を感じられ!…となると二人は

時間がない事から全力で急ぎ!…


__シュタタタタタタタタ!!!…ザザアアァァ!!!…ッ!!…


「ハァ!!…ハァ!!…ハ、ハティちゃん!!…」


「お、お姉様!!…ハァ!!…ハァ!!…お姉様もここから!?…」


そして広場に来て改めて自身が捕まえてきた冒険者と対面!…しかしそれ所では

ない様子で最後の一人を探しに掛かる!…その際二人は当然合流!…先にシロが

気が付いた様子で息を切らしながら声を掛け、ハクもシロに声を掛けられた事で

ピクッと反応!…と、次には返事をして同じ気配を辿って来た様な感じで確認を

して行き!…するとシロもその問い掛けに対して頷き返事をして見せ!…

言葉は無くともそれだけ通じ!…


__ハァ!!…ハァ!!…コクリッ!…ッ!!…ッ…


となるとハクもその反応を見て今度はハッとした表情を!…と言うのもそれは

確信が持てた!と…シロも来たと言う事は絶対!とばかりに…スッと今まで

捕まえて来た冒険者達が目の前に立っている様子を目にして行くと、自ずと

シロと連携を取る体制を!…最後の一人の捜索に掛かって行く!…この時ハクは

先にその集まる冒険者達の前まで歩いて行くと、ピタッとその目の前で脚を徐に

止め!…


__…ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……スッ…ッ?…


「スゥ~!…お姉様!!!」


__ッ!!…ッ…ッ!!……トテテテテテテ!!!!…


次には振り返って冒険者達に背を向けて立ち!…それこそシロと向き合う様に!…

そのハクの様子に何事?と…冒険者達も茶々を入れる事無くその様子をジッと

見詰めて戸惑い出すと、今度はハクが腰を落とす!…それはまるでレシーブを

打つ様に構えて見せる!…そこからシロに来い!とばかりに呼んで見せると、

シロもその様子に気が付いたらしくハッ!と…となるとシロはハクに向かって

走って行き!…ハクもタイミングを見計らって腕にギュッと力を入れると、

冒険者達に驚くべき光景を見せ!…


__ギュッ!!…ガッ!!…ピョイィ~ン!!!…どよぉ!?…


「どこ!?…どこ!?……ッ!!…いたあぁ~~!!!」


と言うのもハクを踏み台に!…ハクもその腕でアシストして行き!…シロを

思いっきり打ち上げる様にしてレーブすると、シロは冒険者達の頭上を跳び!…

と、そんな様子を目にして当然冒険者達も戸惑いを露わに!…誰もが上を

見上げてシロを追い!…シロもその投げて貰った事を良い事に!…上から最後の

一人を探して行くと、功を奏して最後の一人を見つける!…そしてその最後の

一人に向かって降下する!…しかし!…


__…カチッ!!…ピピピピッ!!…ピピピピッ!!…


「ッ!?…え!?…」


「あっ!…」


ここで何か奇妙な音を耳にする!…それはまるで時計が指定の時間を指した様に!…

カチッと音を立てて更にタイマーの様な音まで何処からともなく聞こえて来ると、

その音に勿論全員が戸惑う!…一方でアンジュが声を漏らす!…それは何かに

気が付いた様子で声を漏らすと、次にはやってしまった!とばかりに額に手を!…

と、一方で飛んで来たシロはマサツグ!…ではなくアンジュの方へと飛来して

行き!…そしてアンジュの頭の上には光の球が!…その光の球もグググ!と大きく

なって回り目立つよう発行すると、次には空に向かって射出!…


__ゴゴゴゴ!!…パシュウ~~ン…パアアアァァァン!!!…ッ!?…


射出された光の球は上空で破裂!…宛ら花火の様に散って行き!…まるで勝者を

祝う様な光の派手な演出がされると、その様子にまた冒険者達も戸惑う!…

そしてアンジュに向かい飛んでいたシロはマサツグの手により回収される!…

と言うのもアンジュはあくまでも参加者ではなく、協力者であって!…だが現に

光の球はアンジュの頭に!…となると顔を抱えて居るアンジュが次には言葉を!…

マサツグ達へ申し訳なさそうに話しをする!…


「…あぁ~…ごめんなさい…

…如何やらみたいです……」


「ッ!…え?…」


「つまり私が参加者扱いで光の球が!…

でも実際に参加していた訳では無いので…

…そして参加者は実質全員確保となって居ますので…

…一応ミスは有りましたが…この鬼ごっこは…

ハ、ハンター側の勝ちぃ~……ッ…ッ~~~!!!…」


何でもアンジュが言うには設定ミス!…この時自身のミスである事を認めて

行き!…何故こうなってしまったのか?についてもその理由を説明すると、

当然主催者であるマサツグ!…更に抱えられているシロは戸惑って見せる!…

その際イマイチ理解出来ていない様子でシロが言葉を漏らして行くと、

アンジュもモジモジとして見せ!…それは如何にも落ち着かない様子で

ばつが悪く!…今回の結果について纏め出すと、最終的にはシロとハクの勝ち!と…

何とも収まりが悪い結果報告をして見せる!…となるとそんな幕切れに誰もが

フリーズした様に固まってしまうと、とにかく理解に困り!…その間マサツグや

シロや冒険者達から視線を集め!…更にアンジュが居た堪れない気持ちで顔を

真っ赤にする事になってしまうと、アンジュは茹る!…何とも納得が行かない?…

結末となるのであった!…

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