くじけ転生者な森番は、庶民殿下の友達係
少女桐乃は、遺憾ながら転生者だ。
先代森番のじじいに拾われ、ファミリーネームと居場所をもらった。
奇抜な髪色をのぞけば、いたって普通の十歳の女の子を「している」。
けれど、生きる気力はなかった。
前世の家族が、自分の身体が恋しい。何もかもを奪われて、生きていくには傷が大きすぎた。桐乃は今日も学校に通い、森の家に帰る。変わらない毎日を守ることだけが、自身を守る方法だった。
ある日、桐乃の通う学校に彼がやってきた。
一目見た誰もが彼の素性を悟った。銀の髪、左右で濃淡の異なる瞳の片方には、国主たる証の菱形が浮かんでいる。
彼こそが、十年前に市井に下った王の正統なる子孫、ジークハルト・フォン・ノルンマーズであると。
誰よりも変わることを拒む桐乃と、変わることの極致であるジークハルト。
あるいは彼らの不器用な友だちごっこ、その顛末について。
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