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はじまりの話 ロイドside
しおりを挟む「やっと目が見えるようになってきました。最高神、貴方は一体何をしたんですか?」
「ほんとだよ。まだ目がチカチカするし。」
邪神の部下の二人は、見えるようにはなったものの、まだ覚醒しきっていない目を一人は押さえ、もう一人は擦るような仕草をする。
「目眩しとして先程の光を使ったなら......残念でしたね。」
「そうそう。だからさ、いい加減その子をこっちに.........なんで傷が癒えてるの?」
気づいたか
もう一人のほうも傷が癒えていることに気づいたらしい。仮面のせいで表情は見えないが、二人が驚いているのが分かる。
「ありえない!どうやってあの傷を癒したというんですか!あれーー」
あぁぁぁぁぁっ!!
喋っている奴の言葉をさえぎり、悲鳴に似た声が辺りに響き渡る。
「なんで!どうして傷が癒えている!あの呪いは邪神様から賜った物なのに!どうして!」
「落ち着きなさい!冷静になるんです!」
頭を抱えて抱えて叫ぶそいつにもう1人が声を掛ける
しかし、
「.....と言えたら、心配することが出来たら良いんでしょうけど、生憎と私にそんな感情はありませんからね。」
......狂っている
一人は邪神への異常な執着、もう一人はこの状況を楽しんでいる。
先程、秘術でスイの傷が癒えたとはいえ油断はできない。
先程叫んでいた者は何かブツブツと呟いている。
その声はだんだん大きくなり、その者を取り巻く空気は禍々しいものになっていた。
「ありえない、認めない、邪神様は絶対なんだ、ありえない、認めない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、認めない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、認めない、ありえない、ありえない、ありありえない、認めない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない..........
あっ、でも結局.....その子を連れて行けばいいだけの話か。」
ニヤリと効果音がつくように笑った
そう思ってしまうほどその者の雰囲気はひどく歪み、どす黒い感情が渦巻く。
「あーあ、こうなってしまっては、私が止めることなんてできませんね。」
「あははははっ!!みんな、みんな壊れてしまえばいい!邪神様以外に何もいらない!邪神様が望むものは全て探し出して献上する!邪魔するものは全て殺して殺して排除する!それに、その子を渡せば邪神様はきっと喜んでくださる!」
歪んだ愛という言葉がしっくりくるだろうその言葉に、改めて負の感情の醜さを思い知らされる。
それと同時に
この者達に対して悲しみを抱いた
此処で一つ話しておかなければいけないだろう
世界が生まれた理由を
そこで何があったのかを
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めに創造された世界の始まりは今から一体どのくらい前だっただろうか
多くの世界が生まれる遥か昔、そこには一人の神がいた
それは全ての創造主である神だった
初めから存在しているものの、自らの存在に不信感を抱いていた
しかし、自分の存在を肯定した
創造主は一人でいることが辛かった故に
愛する対象が欲しかった
創造主は、自分の理想を実現させるべく、まず初めに自分の力の一部を持つ上級神を創った。そしてその上級神達は創造主の理想を実現させるべく、それぞれが創造主から与えられた能力を持って創造主と共に長い時をかけて世界を創造した
その世界で創造主は自分の姿に似た何の力も持たない人間を創った
創造主は人間を愛した
自分の創ったものを人間が見て喜んでいる姿を良しとした
上級神達はそんな創造主の様子を見て嬉しく思った
人間を愛していた創造主だが、上級神達のことも人間と同じくらい愛していた
そんな中、一人の上級神が堕落した
自分の受けている創造主の愛が人間よりも劣ると感じたのだ
堕落した上級神を邪神と呼んだ
そうこの時から善と悪が存在するようになった
創造主が創った人間は悪の道へと進んでいった
創造主は嘆き悲しんだ
人間達を愛していたから、堕落した上級神も同じくらい愛していたから
誰よりも優しい神であったから
創造主は自分の持てる全ての力を使い自分の後を任せる最高神を創った
そして邪神の元に行き、対峙し、邪神と共に消滅した
後に創造主である神は、神々の中で“真の父母”と呼ばれるようになった
今も邪神の影響は続いている
そんな中で神々は、真の父母が愛した世界を救おうとした結果、今、その世界の善側の人間は多くなった
そして宗教が生まれ多くの人々が神々を信じ、信仰するようになった
しかし、その神々の中に真の父母は含まれていなかった
神々は悔しかった
真の父母こそが真の神であるというのに消滅してしまった故に、人間にはそれが分からないことが
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これが世界が生まれた時の出来事
今、この場に真の父母はいない
しかし、また邪神は生み出されてしまった
そして私は邪神の力を弱めはしたが、消滅という名の邪神の中にある負の浄化をすることができなかった
まだまだ私は真の父母に及ばない
真の父母はどうやって邪神を消滅させたのだろうか
「ねぇ、聞いてるの?」
「.......考え事をしている最中に話かけられるのは、あまり良いものではないな。」
「考え事ですか。ぜひ教えていただきたいですね。」
「そんな事どうでもいいよ!僕にとってはくだらないことだし。」
「どうでもよくはないんですけど、まぁいいでしょう。それでは先程の続きをするとしましょうか。」
奴らがスイを手中に収めようと、構えを取る。
辺りに一瞬静寂が訪れ、奴らが攻撃を仕掛けてこようとしたが
ガチャリ
鍵が開いたような音が辺りに響き渡ったせいで
それを実行することができなかった
「うわっ!」
こちらに走ってこようとしたらしい一人は一歩踏み出したところで集中が切れてしまい
ズシャー!!
と勢いを抑えられず盛大に転んだ。
もう一人は.....転んだ奴を見て
「馬鹿ですか」
と言っていた
(まぁ、それについては同感だが)
そして、その次には地響きが起こり
扉は開かれた
そこにいる者達は全員その威厳ある巨大な扉に釘付けになっていた。
「かっこいい~!」
「.......今は亡き真の父母が上級神たちと共に創造した最初の世界“メビス”。神界のどこかに隠されている扉の間には“メビス”へ通じる扉があると噂されていましたが実在するとは思っていませんでした。しかもそれをこの目で見ることができるだなんて。」
その扉を知らない者は神界にはいないだろう
真の父母が創造した最初で最後の世界“メビス”へと通じる扉は書物に記してあるし、全ての神は真の父母の世界創造を生まれたときから本能で知っているからだ。
「......真の父母。」
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