101 / 109
都市開発本格始動
101:ブリテン王国の成り立ち。
しおりを挟む
屋敷の改造の作業が始まり、余裕をもって三日で終わってしまった。
ベラとグリーテンとおしゃべりしながらやっていたけど、三日で終わってしまったのだ。
作業と言っても、やるべきことは俺がすべて創造で出して設置する、魔力線を屋敷中に引く、下水を整備するくらいしかなかった。
もう本当に余裕がありすぎて、少しボロくなっていたものを創り直したり、ベッドやソファを最高級なものにしたり、屋敷中を魔道具だらけにしたり、残った使用人たちの要望を聞いていても、一週間しか経っていなかった。
一番苦労したのがパスカルの鍛錬相手として強い人形を出すというもので、強い人形をどれくらいにするのか迷ったくらいだ。
「……終わったね」
「さすが、と言っておきましょうか。アーサーさま」
自身の部屋で紅茶を飲んで落ち着いていた。
「グリーテンはまた見に行っているの?」
「はい。あれからずっと屋敷中を見ては興奮している姿が報告されていますね」
俺が作った魔道具を見ては組み込まれている魔法陣に興奮しているグリーテン。
無駄に魔道具を作ったから、グリーテンにとっては天国に思えるのだろう。
後からマリアさんと連れてくると言っていたから、グリーテンのような反応がまた見れるのか。
「どうしよ、これから三週間」
「ゆったりすればいいのではないでしょうか。特訓も何もありませんから」
この屋敷の改造の期間は一ヶ月。その間は特訓も何もする必要はないし、改造が終わればすべて自由時間ということになるわけだ。
何をしようかと思ったら、ずっと知れていなかった『七天』について知ることにした。今まで知れていなかったのが不思議なくらいに、俺はおそらく『七天』と関わっている。
七天教会がそうだな。
「『七天』の本を読もうかな」
「……王都で買ったのですね?」
「そうだよ。ダメだった?」
「ダメではありません。ですがランスロット家に本がないことで、七天について知ることを推奨していないのはお分かりになられているはずです」
「やっぱり意図的だったんだ」
「はい。ランスロット家に限らず、ほぼすべての貴族は七天についての本を持っていないはずです」
何だそれ。どういう理由があってそれをしているんだ?
「どういうこと?」
「もうお伝えしてもいいと思いますし、アルノさまより知りたければ教えても構わないというお達しを受けていますので、お話します」
「そこは知っていいんだ」
「はい。本がないと言っても、知っていなければいけないことですから」
何だか少しだけ気になるな。こういうことは全能を使わずに知るに限る。
「ブリテン王国は元々様々な人が集まったことで作り上げられた国ということはお教えしましたね」
「うん。ベラに教えられたね」
「この土地は凶暴な魔物が多く住み着いているため誰も近づきませんでしたが、腕に覚えがある人々が移住してきたことで魔物は討伐され、住める環境になりました。その代表となる人々が、今のブリテン王国の貴族の先祖になります」
「それも教えられたね」
「そしてブリテン王国はペンドラゴン家を王家と置き建国されるはずでした」
「はず?」
「はい。ブリテン王国を建国しようとしましたが、神々の攻撃により困難を極めました」
「えっ、神に攻撃されたの!?」
そんなことがあり得るのか……? だって『叛逆の英雄』の後だろ、ブリテン王国が建国されたのは。
それなのにまだちょっかいをかけてきていたのか。
「その意図はまだ分かっていません。それが神の逆鱗に触れたのか、はたまたここに建国すること自体が許されていないのか、その理由は謎です」
「でも、『叛逆の英雄』の出来事があって神がこちらに干渉してきたんだ」
「いえ、神の干渉自体は珍しいことではありません。この国以外では」
「他の国では神が干渉してくるの?」
「はい。『叛逆の英雄』のように神々が人間を支配するのではなく、国全体や気に入った個人に加護を与えられるのはこの国以外では普通のことです」
「へぇ……何でブリテン王国ではそれが起こっていないの?」
俺の全能は、加護なのだろうか? いや俺の力は違うな。
加護は与えられるものだが、俺は与えられるのではなく力自体が組み込まれている。つまりは神威がない神みたいな存在だ。
「ブリテン王国の人々は、加護を受けることができない人種だとされています」
「受けることができない……そういう体質なの? それとも何かの呪いとか?」
「それも不明です。ですがそのため、神の加護を受けれないことで神と意思疎通することができず、神と争っていました」
「神と争えていたんだね」
「神の加護を受けれないということは、その中には神の攻撃に対しての耐性や神に有利な攻撃を繰り出せる特性を持っている、『叛逆者』がいました」
「おぉ、ジャックみたい」
「王家と公爵家はその特性を持ち合わせていることで、その争いでも王家と公爵家が前に出ていました」
「へぇ……」
俺もその特性を持っているみたいだな。
「ですが相手は神。その状況を打破するため、神と対話できる者たちを国の外から呼びました」
「まさか、それって」
「はい。その人々が後の七天教会の信者になっています。外から呼んできた七天教会の人々によって神とどういう言葉を交わされたのかは不明ですが、神の攻撃は止まりました」
……えっ、どういうやり取りをされているのか分からないってヤバくないか? いや、俺の全能を駆使してもブリテン王国の人々に対して一方的な呪いや契約は一切感じられない。
後からでも調べた方が良さそうだな。
「そのため、七天教会がブリテン王国にあっても、ブリテン王国の貴族たちが七天のことを調べることはありません。神はブリテン王国全体にとって敵でしかありませんから」
なるほどな。そりゃ教えられないわけだ。
ベラとグリーテンとおしゃべりしながらやっていたけど、三日で終わってしまったのだ。
作業と言っても、やるべきことは俺がすべて創造で出して設置する、魔力線を屋敷中に引く、下水を整備するくらいしかなかった。
もう本当に余裕がありすぎて、少しボロくなっていたものを創り直したり、ベッドやソファを最高級なものにしたり、屋敷中を魔道具だらけにしたり、残った使用人たちの要望を聞いていても、一週間しか経っていなかった。
一番苦労したのがパスカルの鍛錬相手として強い人形を出すというもので、強い人形をどれくらいにするのか迷ったくらいだ。
「……終わったね」
「さすが、と言っておきましょうか。アーサーさま」
自身の部屋で紅茶を飲んで落ち着いていた。
「グリーテンはまた見に行っているの?」
「はい。あれからずっと屋敷中を見ては興奮している姿が報告されていますね」
俺が作った魔道具を見ては組み込まれている魔法陣に興奮しているグリーテン。
無駄に魔道具を作ったから、グリーテンにとっては天国に思えるのだろう。
後からマリアさんと連れてくると言っていたから、グリーテンのような反応がまた見れるのか。
「どうしよ、これから三週間」
「ゆったりすればいいのではないでしょうか。特訓も何もありませんから」
この屋敷の改造の期間は一ヶ月。その間は特訓も何もする必要はないし、改造が終わればすべて自由時間ということになるわけだ。
何をしようかと思ったら、ずっと知れていなかった『七天』について知ることにした。今まで知れていなかったのが不思議なくらいに、俺はおそらく『七天』と関わっている。
七天教会がそうだな。
「『七天』の本を読もうかな」
「……王都で買ったのですね?」
「そうだよ。ダメだった?」
「ダメではありません。ですがランスロット家に本がないことで、七天について知ることを推奨していないのはお分かりになられているはずです」
「やっぱり意図的だったんだ」
「はい。ランスロット家に限らず、ほぼすべての貴族は七天についての本を持っていないはずです」
何だそれ。どういう理由があってそれをしているんだ?
「どういうこと?」
「もうお伝えしてもいいと思いますし、アルノさまより知りたければ教えても構わないというお達しを受けていますので、お話します」
「そこは知っていいんだ」
「はい。本がないと言っても、知っていなければいけないことですから」
何だか少しだけ気になるな。こういうことは全能を使わずに知るに限る。
「ブリテン王国は元々様々な人が集まったことで作り上げられた国ということはお教えしましたね」
「うん。ベラに教えられたね」
「この土地は凶暴な魔物が多く住み着いているため誰も近づきませんでしたが、腕に覚えがある人々が移住してきたことで魔物は討伐され、住める環境になりました。その代表となる人々が、今のブリテン王国の貴族の先祖になります」
「それも教えられたね」
「そしてブリテン王国はペンドラゴン家を王家と置き建国されるはずでした」
「はず?」
「はい。ブリテン王国を建国しようとしましたが、神々の攻撃により困難を極めました」
「えっ、神に攻撃されたの!?」
そんなことがあり得るのか……? だって『叛逆の英雄』の後だろ、ブリテン王国が建国されたのは。
それなのにまだちょっかいをかけてきていたのか。
「その意図はまだ分かっていません。それが神の逆鱗に触れたのか、はたまたここに建国すること自体が許されていないのか、その理由は謎です」
「でも、『叛逆の英雄』の出来事があって神がこちらに干渉してきたんだ」
「いえ、神の干渉自体は珍しいことではありません。この国以外では」
「他の国では神が干渉してくるの?」
「はい。『叛逆の英雄』のように神々が人間を支配するのではなく、国全体や気に入った個人に加護を与えられるのはこの国以外では普通のことです」
「へぇ……何でブリテン王国ではそれが起こっていないの?」
俺の全能は、加護なのだろうか? いや俺の力は違うな。
加護は与えられるものだが、俺は与えられるのではなく力自体が組み込まれている。つまりは神威がない神みたいな存在だ。
「ブリテン王国の人々は、加護を受けることができない人種だとされています」
「受けることができない……そういう体質なの? それとも何かの呪いとか?」
「それも不明です。ですがそのため、神の加護を受けれないことで神と意思疎通することができず、神と争っていました」
「神と争えていたんだね」
「神の加護を受けれないということは、その中には神の攻撃に対しての耐性や神に有利な攻撃を繰り出せる特性を持っている、『叛逆者』がいました」
「おぉ、ジャックみたい」
「王家と公爵家はその特性を持ち合わせていることで、その争いでも王家と公爵家が前に出ていました」
「へぇ……」
俺もその特性を持っているみたいだな。
「ですが相手は神。その状況を打破するため、神と対話できる者たちを国の外から呼びました」
「まさか、それって」
「はい。その人々が後の七天教会の信者になっています。外から呼んできた七天教会の人々によって神とどういう言葉を交わされたのかは不明ですが、神の攻撃は止まりました」
……えっ、どういうやり取りをされているのか分からないってヤバくないか? いや、俺の全能を駆使してもブリテン王国の人々に対して一方的な呪いや契約は一切感じられない。
後からでも調べた方が良さそうだな。
「そのため、七天教会がブリテン王国にあっても、ブリテン王国の貴族たちが七天のことを調べることはありません。神はブリテン王国全体にとって敵でしかありませんから」
なるほどな。そりゃ教えられないわけだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,783
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる