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第5章 遙との再会
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“小学生の時、前の席に男の子がいてね。いつも教室でモクモクと机に向かっていたの…… 何やってるのかな? って思って後ろからのぞいたら何かノートに書いていたわ。この子、書くことが好きなのね、って思った。小学1年生で文章を書いていたのよ、あなた、信じられる? 名前を書くのもやっとの年齢なのにね、すごいでしょ…… それでね、声を掛けようとしたけど切っ掛けが分からなくて、持っていた鉛筆を机の中に仕舞ってから鉛筆を貸してって声を掛けたの……”
「最初は頼まれたからだった。でも、いつの間にか、本当にあなたのことが気になってた」
真一は、遙との出会いの真相を聞いて言葉が出なかった。
それから数日後、あかねは真一の部屋を訪れ、小さな木箱を差し出した。
中には、薄青の布に包まれた折り鶴が一羽、そっと収まっていた。
「これ、遥からあなたへって“最後の折り鶴”よ。それと、借りていた鉛筆も……」
真一は、息をのんだ。
あのときの“またねの鶴”と、まったく同じ折り方だった。鉛筆もあのときのままだ。
「遙が亡くなる前の日、私に託したの。“これを、真一くんに渡して”って…… やせてしまった姿は見られたくないから彼には知らせないでって」
あかねは手のひらで鶴をすくい上げ、そっと差し出した。
「遙、最後の力を絞って何日も掛けて折ったみたい…… これを見て…… 私、ずっと考えてた。真一くんにとって、私は何だろうって。遥の代わり? 慰め? それとも、ただの友だち?」
沈黙。
「最初は頼まれたからだった。でも、いつの間にか、本当にあなたのことが気になってた」
真一は、遙との出会いの真相を聞いて言葉が出なかった。
それから数日後、あかねは真一の部屋を訪れ、小さな木箱を差し出した。
中には、薄青の布に包まれた折り鶴が一羽、そっと収まっていた。
「これ、遥からあなたへって“最後の折り鶴”よ。それと、借りていた鉛筆も……」
真一は、息をのんだ。
あのときの“またねの鶴”と、まったく同じ折り方だった。鉛筆もあのときのままだ。
「遙が亡くなる前の日、私に託したの。“これを、真一くんに渡して”って…… やせてしまった姿は見られたくないから彼には知らせないでって」
あかねは手のひらで鶴をすくい上げ、そっと差し出した。
「遙、最後の力を絞って何日も掛けて折ったみたい…… これを見て…… 私、ずっと考えてた。真一くんにとって、私は何だろうって。遥の代わり? 慰め? それとも、ただの友だち?」
沈黙。
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