乙女ゲーム世界で少女は大人になります

薄影メガネ

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第一章~子供扱編~

020 抑えきれない理性

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「……んっ……あれ……? わたしなんで……ねむって……?」

 真っ暗な部屋の中で目が覚めて、私はぼんやりとしている頭に手を当てて周りを見渡した。どうやら日中の騒動そうどう大分だいぶ精神をすり減らしていたようだ。フェルディナンの頭を胸元に引き寄せて――それから激しく口づけされたことまでは記憶しているけれど、その後のことがどうしても思い出せない。多分あのまま泣き疲れて意識を失って眠ってしまった気がする……

 あの時はベッドの上に座っていたのに今はベッドの中にいて、ちゃんと布団が掛けられているってことは……フェルディナンさんが掛けてくれたのかな? そう言えばフェルディナンさん何処どこにいるんだろう? 

 フェルディナンを探して辺りをきょろきょろと見渡してみる。

「フェルディナンさん?」

 名前を呼んでみても返事は返ってこない。部屋の中は蝋燭ろうそくの火も消えていて、外からの青い月の光が照らしているだけの室内では見渡してみても正直あまりよく見えない。

「変なの……ここは地球じゃないのに一日の時間帯が24時間だとか朝と夜がちゃんとあるのも何か不思議な感じがする。それに夜の星空だとかそういうのは全部同じなんだよね。地球にある月に似た形のあの”青い月”といい、意外と基本的な部分では共通点が多いんだよね……」

 空に浮かぶ青い月を眺めているとどうしても感慨かんがい深くなってしまう。この乙女ゲーム世界に来てからすでに二ヶ月が経過している。元の世界と似たような共通点を発見するたびせつなさに胸が震えた。

「お姉ちゃん……元気かな?」

 元の世界にいる姉のことを思い出しながら外を眺めていてふと、あの夕刻過ぎの出来事からかなりの時間が経過していることに今更気が付いた。私が眠っている間にすっかり真夜中になっている。

「……目がめたのか」

 薄闇の中から返ってきた声に、私はビクッと背中を丸めて思わず奇声きせいを上げてしまった。

「ひゃあっ!?」

 先程、一応名前を呼んでみたもののまさか返事が返ってくるとは思っていなかった。それも聞こえてきたのは私の眠っていたベッドの中のそれも真横からだ。

「フェ、フェルディナンさんっ!? どうして……っ!」

 同じベッドの中にいるんですかっ!?

 突っ込みどころがあまりにも多すぎる。
 私を甘やかすのにけているフェルディナンも流石さすがに自分の部屋に戻っているだろうとそう思ったのに! 動揺と羞恥しゅうちに私は慌てて布団のはしを握りしめると一気に布団を口元まで引き上げた。赤面せきめんしている顔をフェルディナンから隠してなんとか落ち着く。
 私がこんなに慌てているのに一方のフェルディナンは身体を上半身だけ起こして片方のひじをベッドに付いた格好でこちらを見ていた。それも落ち着き払った様子で優雅にゆったりとベッドに横になって眺めているその様は、まるで小動物か何かを観察しているようにしかみえない。

 ――キスして下さいって頼んだ時はあんなに激しかったのに……今はもうすっかり子供扱いに戻ってる。

 やっぱり私のことはとことん子供としか思っていないのだろう。あの口づけだって泣いて頼まれたから仕方なくしてくれたのだろうし。何といってもフェルディナンは天然タラシだ。そう言った経験はかなり豊富だろうし、口づけの一つや二つたいしたことではないなんて思っていそうだ。

 それにこうして添い寝しても手を出さないって――それが平気な位に私に魅力を感じないってことだろうし……あのキスは何だったの? 

 何だか少しガックリしてしまって私はフェルディナンに恨みのこもった目を向けた。

「落ち着いたか?」

 そんな私の痴態ちたいを思う存分ぞんぶん堪能たんのうして満足したのか、フェルディナンは優しく声を掛けてきた。

「……はい」

 私ばっかりこんなに焦ってフェルディナンさんを好きで――好き過ぎて馬鹿みたいじゃない……

「あの……私……」
「――ああ、あのまま眠ってしまったからな。疲れが出たんだろう」
「そう、ですか……」

 あのままって……私やっぱりキスしたまま眠っちゃったんだ……

 これでは子供扱いされても仕方がない。文句もんくを言う元気すら出てこない。
 そして当事者のフェルディナンはというと、口づけしたことについては一切触れずに淡々たんたんと返事を返して私の頬に触れてきた。

 フェルディナンは何時いつもとは違う恰好をしていた。普段から黒い甲冑に黒いマントをまとっている彼は黒将軍くろしょうぐん異名いみょうを持つ武人で、その異名いみょうそのものの恰好で見る者を魅了みりょうしているのだが――今のフェルディナンは夜着よぎを着ていた。
 夜着よぎとはいっても前回部屋を訪れた時に着ていたような上半身裸で下半身に布を巻いただけの姿ではなく、今回はちゃんと上半身にも布を巻き付けていた。それも古代ローマ人のように片腕だけ肌を出した状態で布を巻き付けている。
 巻かれた布生地は薄くシルクのようなつやめく生地には細かな刺繍がふんだんにほどこされており、最高級品であることが見て取れる。どうやらフェルディナンは以前私が何か羽織はおるなり着るなりしてほしいといったことをちゃんと守ってくれたようだ。

 シンプルな装飾品が取り除かれた格好では、彼の左耳に一つだけ付けられた金色のループピアスがよくえて妙に色っぽい。きたかれた肉体のラインがよく分かる薄い素材の夜着よぎを着たフェルディナンを目前にして、私は逃げ出したい衝動しょうどうられた。

 し、失敗したっ! そう言えばこの人、中途半端に体が見えるような恰好させると逆に色気が増すんだった――っ! ちゃんと厚手の生地の服を着てほしいって言うべきだった……それも露出が極力少ないものをっ!

 そうは思ったものの、ちゃんとしっかり前回私が言ったことを守ってくれたフェルディナンに注文をつけるわけにもいかず、私は無言で彼から距離を取るしか仕様しようかった。
 そうしてじりじりとベッドの上で少しずつ後退する私の行動に気付いたフェルディナンが私の腕をつかんだ。

「――おいで」

 フェルディナンの声色こわいろは先程からずっとすこぶる優しい。心地よく耳に響く低音――でも有無を言わせない強制力を持ったその声に私はビクッとまた反応してしまう。

「で、でも……あの」

 戸惑いの声を出して私は困り果ててしまった。だって、流石さすがにそれは不味い。私を甘えさせることにけているフェルディナンに、理性が吹っ飛んでもう一度キスをねだってしまいそうだ。それもねだったらねだったで、またフェルディナンは拒否することなく応えてくれそうだし……

 何なのそのセフレみたいな関係は!? 冗談じゃないんですけどっ!?

 それにフェルディナンは神様も異邦人ラヴァーズも好きではなさそうだ。直接聞いたことはないものの、出会った当初の神様の話をした時のあの嫌そうな表情から容易に想像はつく。出来れば異邦人ラヴァーズとだって関わり合いにはなりたくなかったはずだ。フェルディナンは優しいから私がそばにいることを許してくれたけれど――きっと彼は結婚も子供も望んではいない。いまのフランクな関係が限界ギリギリだとしたら?

 そんなフェルディナンに私が恋心を抱いていると知られてしまうのは不味い――

 もし、恋心を抱いていると知られてしまったら重いと思われてしまうかもしれない。そしたらきっと距離を取られてしまう。そして優しいフェルディナンのことだからほっぽり出すなんてことはしないにしても、もう私にこうして優しく話しかけてくれることはなくなってしまうかもしれない……

 私は一頻ひとしきり悪い未来を想像してから、一人でしょんぼりと項垂うなだれてしまった。
 フェルディナンに恋心を抱いていることを知られて嫌われたくない。そう思ってうつむいていると、フェルディナンにつかまれたままの手をぐいっと引っ張られた。

「えっ? きゃあっ!」

 不意を突かれてポスッとフェルディナンの胸の中に納まってしまう。

「あっ、あの! フェルディナンさん放してくださいっ!」

 フェルディナンに抱留だきとめられる形で私は彼の胸の中にいた。

 これ以上刺激が強いのは本当に困るし不味いのだけど……

 そう思いつつも喜びに心が震えている部分があるのも否定できない。好きな人の胸の中にいてそれもベッドの上でなんて嬉しくない訳がない。

「フェルディナンさん? 聞いていますか?」
「ああ、聞いているよ」
「だったら放して頂けると……」
「それは無理だ」
「どうしてですか?」
「放したら月瑠は逃げるだろう?」
「…………」

 その通りですとは言えず私は口を閉ざしてしまうしかない。フェルディナンは私のそんな様子を見て眉根まゆねしわを寄せるととがめるような目で私を見た。悪戯いたずらを知られてしまった子供のように、私は身をすくめてフェルディナンに謝った。

「ごめんなさい……でも私――」

 貴方の事が好きだからこれ以上は困るんです! 理性が飛びそうだから、とは言えない。何だかこのパターンが次第に定着しつつある自分が悲しい。
 口籠くちごもったまま、私はこれ以上フェルディナンの目を見なくてすむように彼の胸に顔を埋めた。

「月瑠?」

 少し心配そうなフェルディナンの声に誘われて私は思わず彼のたくましい体に手を回してギュッと抱きついてしまった。

 ――子供としか思われてないんだからこれくらい平気だよね?

 今度はフェルディナンの方が一瞬ビクッと硬直したような気がしたけれどきっと気のせいだ。

「なんでもないですよ~」
「……そうか」

 私が明るい声で答えるとフェルディナンは短く返事をしてから、まるでこわものあつかうように私をそっと抱きしめ返してきた。その繊細な仕草しぐさとは対照的な彼の大きくてガッチリとした男の人の手がいとしくて仕方がない。その温かさと包み込むような感触は彼に常に守られているような感じがしてすごくほっとする。

「もう寝るぞ?」
「はい――って、ちょっと待って下さい。フェルディナンさんどうして一緒に毛布掛けようとしてるんですか! ……もちろん自分のお部屋に戻られるんですよね?」

 作り笑いをなんとか顔に張り付けてニッコリそう聞くと、フェルディナンはキョトンとした顔をしてこちらを見た。

 まさか、ですよね?

「どうして私が部屋に戻る必要があるんだ?」

 今更だろう? という表情で逆に驚かれてしまった。
 フェルディナンはどうやらこのまま添い寝を続行するつもりらしい。

「た、確かにさっきまで意識なかったとはいえ一緒に寝てましたよ? けどこれはちょっと違うというか、困るというか……どうしようフェルディナンさんが天然タラシなの忘れてた……」
「月瑠、先程から何を一人でブツブツ言っているんだ……?」
「へっ? あっいえ、そのですね」
「?」
「フェルディナンさんお部屋に帰りましょう!」
「何故だ?」
「……それ、本気で言ってます?」
「月瑠」
「はい」
「いい子だからもう寝なさい」
「……い、いい子じゃないから寝ませんっ!」
 
 というか一緒に何て眠れるわけがない。私の頭をポンポン叩いてなだめているフェルディナンの手をどけて私は勢いよく噛みついた。

「月瑠? 一体どうしたんだ?」 
「う~、もうっ! フェルディナンさんの馬鹿~っ!」
「……そういうことを言われたのは生まれて初めてだな」
 
 なかなか思っていることが伝わらない歯がゆさに私はイライラした感情を爆発させてしまった。しかしそうしてムーと頬を膨らませて怒っている私とは正反対にフェルディナンは私を抱きしめたまま楽しそうにくすくす笑っている。

「フェルディナンさん悪口言われたのにどうしてそんな嬉しそうなんですか……」
「月瑠と一緒にいると色んなことが体験出来て新鮮で面白いと思ってな」
「し、新鮮……ですか」 

 確かにこの国最強の将軍と言われていて、それなりの地位にいる男性に対してこんな無遠慮に子供じみた罵声ばせいびせる人なんて滅多めったにいないだろう。
 そもそもそういう立場の人は高い矜持きょうじが邪魔をしてそんな発言自体許してはくれない気がする。フェルディナンのように寛容かんような人も相当に希少きしょうな存在のような気がした。

「月瑠はそんなに私と一緒に寝るのが嫌なのか?」

 分かっていないと思っていたら突然、フェルディナンから核心を突いた発言が繰り出されてギョッとしてしまう。それも少し寂しそうな顔をされて考えるよりも先に思わず否定する言葉が口を出た。

「そ、そんな訳ないじゃないですかっ! 嫌ではないですよ! むしろ……」

 勢いにまかせてうっかり本心を口にしてしまって、私は慌てて両手で口元を押さえ込むと続きの言葉を何とか飲み込んだ。

「そうか、なら問題はないな」 
「えっ?」

 さらっとそう言ってフェルディナンは私を軽々と持ち上げると自身の身体の上に乗せてベッドの上で横になってしまった。私の身体に手を回して抱きしめた格好のまま目をつむってしまう。あまりにも素早いフェルディナンの動作に思考が追い付かなくて私はフェルディナンになされるがままにされてしまった。

「おやすみ」
 
 おやすみって……ちょっと待って! 何をあっさり言っているんですかフェルディナンさんっ!? この体勢で眠れとっ!? というかさっきの核心を突いた質問のタイミングといい、この人絶対に確信犯だ……

 わざとその答えが出るように誘導されたことに私はやっと気が付いた。

「あ、ええっと、私重いですし――その、せめて隣で寝るかもしくは床かソファで寝ますからフェルディナンさんはベッドを使って下さい」
「……月瑠、君はどうしてそうなんだ?」

 あきれたようなフェルディナンの声。閉じていた目を開けて半眼はんがんで私を見上げている。彼の綺麗な顔が少し困惑に影を落としている。常々思っていたことなのだが、フェルディナンが困っている時の表情は妙に色っぽくて、実はそれを見るのがけっこう好きだったりする。勿論そう思っていることはフェルディナンには内緒だ。

「どうしてって?」
「どうして私を優先して自分が二の次になるんだ。立場が逆だと前にも言っただろう」
「だってフェルディナンさん綺麗ですし」

 やっぱり綺麗な人を優先したいです、はい。

「……君のそのよく分からない基準は何とかならないのか?」
「なりません」

 顔をしかめて非難ひなんの視線を向けてくるフェルディナンを無視して、私はきっぱり言い切って逆に彼を強く見つめ返した。これだけは絶対にゆずれませんと真っ直ぐに彼と目線を合わせる。

「君は本当に……仕方ないな。だがそれはそのうち直させるぞ?」

 フェルディナンはまいったとでも言うように苦笑すると、彼を見下ろしている態勢の私の後頭部をつかんでグイッと自身の方へと近づけた。コツンと額に額を当てて私の身体に回す手に力を込めてから額に口づけた。

「……あの、私直りませんし直すつもりもありませんよ?」
「そうなのか?」
「そうなんです」

 広いベッドに二人で横になりながら密着して恋人同士がするように、睦言むつごとささやき合う気持ち良さに感化かんかされてフェルディナンにもっと甘えたくなってしまう。

「そうか分かった――だが月瑠が直す気が無いというのなら私もそれを実行させるつもりはない」
「引くつもりはないってことですか?」
「ああ」
「フェルディナンさん……」

 私はこれ以上言っても無駄だと分かって最終的にはジトーと目だけで訴えた。
 
「月瑠そんな目で見ても答えは変わらないぞ? ほら、もういい加減寝なさい」

 背中をトントン叩いて眠るようにうながすフェルディナンに私はつい降参こうさんして一緒に寝ることを許してしまった。

「……おやすみなさい、フェルディナンさん」
「おやすみ」
 
 これって一体何の試練でしょうか? 私は仕方なくフェルディナンの体に回している手をそのままに、その厚い胸板に顔を埋めて無理矢理眠りについた。



 *******



 そして、そのままの態勢で小一時間程経過してから私はパチッと目を開けた。実は始終ドキドキしていてとても眠りになど付ける訳もなく寝たふりを続けていた。

 こんな刺激の強い状況で眠れますか! と文句もんくを言ってしまいたくなる。

「フェルディナンさん?」

 おそるおそる小声で彼の名を呼んでみる。返事はない。どうやらしっかり眠っているようだ。私の体に回した手はそのままにフェルディナンは静かに寝息を立てている。
 私は上半身を軽く起こした。上半身を浮かせてフェルディナンから少し体を離してみると、私の長い黒髪が彼の胸元に落ちてくるくると小さく渦を巻いた。
 ベッドの上で完全に横になっているフェルディナンを上から見下ろす姿勢。部屋の外の世界を照らしている青い月の光が差し込んできて彼の顔を明るく照らしだした。

「綺麗な顔……」

 フェルディナンの堀の深い、目鼻立ちのはっきりとした美貌びぼうに思わず感嘆かんたんの溜息をついてしまった。金の髪に触れてそれからその顔にそっと手をわせて輪郭りんかくを指先でなぞってみる。
 前回フェルディナンの頭をでていた時と同じ、見た目よりも柔らかい黄金色の髪の感触が心地良い。最後に眉尻の古傷に触れてから私はそっとその古傷に口づけた。

 フェルディナンは普段からも45歳という実年齢よりもかなり若く見える。しかし眠っている顔は起きている時よりも更に数段若く見える。

 こんな無防備むぼうびな顔を見たことがあるのはきっと、私とフェルディナンさんの夜の相手をした人達だけなんだろうなぁ。過去の相手とはいえ、ちゃんと大人として相手をしてもらえた相手がうらやましい……

 そう思うだけでもやもやとした複雑な感情と嫉妬心がき上がってくる。

「私はこれからどうしたらいいの?」

 攻略対象キャラを好きにならないって決めたのに、フェルディナンにその決意をあっさりと崩されてしまった。帰れなくなるからそれだけは駄目だってそう決めていたのに。

「それだけは絶対に駄目なのにどうしてこんな――」

 ――どうしようもなく好きになっちゃったんだろう。

 フェルディナンにかれる心は止めようがなくて私は衝動を抑えきれない自分の理性の弱さが嫌になる。

 子供としか見られない自分が悲しくて思わず自身の体を見下ろす。何度見ても平凡で平均的なモブキャラ要素満載の体が、官能的かんのうてきな体付きに変わるわけもなく。それも相手を悩殺のうさつ出来るようなテクニックも持ち合わせていないのに攻略なんて出来るわけがない。私はふぅっと溜息をついて、フェルディナンの無防備むぼうびな顔に再び視線を戻した。

「好き……」

 絶対に言えない思いをこぼして、私はフェルディナンの唇に唇を落とした。
 やっぱり理性では抑えきれなかったようだ。
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