次期魔王の教育係に任命された

ミイ

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第1章

5. 宰相

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まず、序章には僕宛にメッセージが残されていた。

「佐藤君、魔王のこと黙っててゴメンね!言ったらやってくれなさそうだから敢えて言わなかったんだ。その代わり、色んなところを優遇してあげたから許してね!まず、見た目だけど他人から見たら君は魔族そのものだから。信じられなかったら鏡を見るか耳でも触ってみて、尖ってるよ。あと黒髪はそのままで長さはボブヘアーくらいまで伸ばしてる。造形は元の佐藤君の顔を凛々しくさせてもらったから。身長は変わらず175cm。君の身長は魔族でいうと小さめなんだけど、まぁそれはご愛嬌で。魔力については自己防衛力は最大にしてるから万が一、攻撃を受けても全て弾き飛ばしてくれるよ。攻撃力に関しては上位魔族と同じくらいに設定してる、だから問題無し。あと、髪の色がその人の魔力量を表してて濃ければ濃い程、高いってこと。黒が一番上だから佐藤君もそのランクに属してるね。そして一番心配していた育児のことだけど、君のことは皆、次期魔王の教育係として認識するように意識操作してるから安心してね。だから、誰だコイツ⁉︎みたいなことにはならないから。まっ!だいたい説明はこんなところかな。次期魔王が成人するまで頑張って!君にとっては15年は長いかもしれないけど、魔族にとったら15年なんてあっという間だから!んじゃ健闘を祈るよ~!」

そんな言葉で締めくくられていた。僕は不安で本を持つ手が震える。しかし、一度引き受けたからにはどうにかするしかない。

本を閉じ「ヨシッ!」と気合いを入れると前を見据える。どっちに行けばいいかわからないが取り敢えず誰かに会わなければ始まらない。

そして僕が一歩足を踏み出したところで、タイミング良く前から誰かが歩いてきた。暗い灰色の長髪に目が赤く縁無し眼鏡を掛けている。顔立ちはエルフのように綺麗だが冷たい雰囲気も醸し出している。

「ここにいたのですね。」

僕が話しかけるべきか迷っていると向こうから話しかけてきた。

「貴方が次期魔王様の教育係ショウ・サトー様ですか。私はネフライトと言います、今後何かと関わり合うので覚えて下さい。」

「(僕の名前、ショウ・サトーなんだ…。)」

初めてそこで自分の名前を知った。てっきり異世界に来たから名前を変えられてると思っていたが殆どそのままだ。

「はい、初めましてショウ・サトーです。ネフライト様、宜しくお願いします。」

そう言って頭を下げると「顔を上げて下さい。」と言われる。

「私のことはネフライトと。黒目黒髪は我々より魔力が高いことを表しています。…流石、魔王様が選んだ方です。サトー様なら次期魔王様を安心して任せられます、どうぞ宜しくお願いします。」

「ああ…はい…。」

やたらと高評価なことに戸惑いつつも返事を返し、自分の部屋まで案内してもらった。
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