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第三章 争奪戦
第33話 最悪の予感
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普段は後宮に控える彼等も、皇帝の来訪を受けた際には、皇帝自ら指名した、特別なオメガが後宮での身の周りの世話役を司る。
日が落ちて、皇帝からの所望があれば、夜伽をする。
後宮に住まいを与えられた百余名の美少年のオメガ達。
その中の、ほんの一握りの選ばれし者だけが、皇帝の寵を得ることができるのだ。
反対に皇帝に見向きもされない、みじめなオメガは、皇帝自身も知らないうちに役人により、人知れず後宮から放逐されてしまうという。
行くあてもなく、仕事を求めてさまよううちに、オメガの最下層階級の吹き溜まりの貧民窟にたどりつき、体を売る。
彼等は自分の体以外に何も持たず、何も売る物がないからだ。
サリオンは貧民窟とは言わないまでも、ベータの庶民の住宅が建ち並ぶ街路に立ち、丘の上の要塞そのものの巨大な宮殿を見上げていた。
西に傾きかけた太陽が、丘の頂上から裾野まで、宮殿の影を落としている。
アルベルトは、もう五日も公娼に来ていない。
今夜も『私用』で来館できない旨を知らせる巻き紙が届いたら、連続して六日目だ。
レナを贔屓にするようになって以来、六日間も顔を見せないなんて初めてだ。
急を要する公務に追われ、二、三日、間が空いたことはある。
それでもレナがどんなに気を揉み、悲嘆にくれたかわからない。
サリオンは、仰ぎ見た宮殿から目を逸らし、嘆息しながら項垂れた。最悪の予感が刻一刻と、現実のものになりつつあるのだ。
アルベルトが公娼の下男の食事を改善するよう命を下し、予算まで付けてくれたのは、最後のはなむけだったのか。
今夜も公娼ではなく、後宮にひしめく美少年の中から一人、もしくは複数人を指名して、後宮の寝室に呼び入れるのか。
濃艶な夜を享受するのか。
もちろん彼等に性奉仕させるだけでなく、自分の世継ぎを孕ませる目的も、ちらつかせながら絡み合い、若いオメガの細腰に。腰を激しく打ちつけるアルベルトの逞しい背中が脳裏に浮かび、眉間に深い皺が寄る。
サリオンは、憂鬱にしかならない憶測や妄想から、逃れるように俯きがちに歩き出す。
日が落ちて、皇帝からの所望があれば、夜伽をする。
後宮に住まいを与えられた百余名の美少年のオメガ達。
その中の、ほんの一握りの選ばれし者だけが、皇帝の寵を得ることができるのだ。
反対に皇帝に見向きもされない、みじめなオメガは、皇帝自身も知らないうちに役人により、人知れず後宮から放逐されてしまうという。
行くあてもなく、仕事を求めてさまよううちに、オメガの最下層階級の吹き溜まりの貧民窟にたどりつき、体を売る。
彼等は自分の体以外に何も持たず、何も売る物がないからだ。
サリオンは貧民窟とは言わないまでも、ベータの庶民の住宅が建ち並ぶ街路に立ち、丘の上の要塞そのものの巨大な宮殿を見上げていた。
西に傾きかけた太陽が、丘の頂上から裾野まで、宮殿の影を落としている。
アルベルトは、もう五日も公娼に来ていない。
今夜も『私用』で来館できない旨を知らせる巻き紙が届いたら、連続して六日目だ。
レナを贔屓にするようになって以来、六日間も顔を見せないなんて初めてだ。
急を要する公務に追われ、二、三日、間が空いたことはある。
それでもレナがどんなに気を揉み、悲嘆にくれたかわからない。
サリオンは、仰ぎ見た宮殿から目を逸らし、嘆息しながら項垂れた。最悪の予感が刻一刻と、現実のものになりつつあるのだ。
アルベルトが公娼の下男の食事を改善するよう命を下し、予算まで付けてくれたのは、最後のはなむけだったのか。
今夜も公娼ではなく、後宮にひしめく美少年の中から一人、もしくは複数人を指名して、後宮の寝室に呼び入れるのか。
濃艶な夜を享受するのか。
もちろん彼等に性奉仕させるだけでなく、自分の世継ぎを孕ませる目的も、ちらつかせながら絡み合い、若いオメガの細腰に。腰を激しく打ちつけるアルベルトの逞しい背中が脳裏に浮かび、眉間に深い皺が寄る。
サリオンは、憂鬱にしかならない憶測や妄想から、逃れるように俯きがちに歩き出す。
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