魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん

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第四章

226『皆のもとへ』

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 ステータスを見て考え込むアンナリーナ。
 そんなアンナリーナにナビが話しかけてきた。

『主人様、それよりも先に皆様の元に戻りましょう』

「そ、そうだね。皆んな心配してるよね」

 あの船から脱出して、もう13日目になる。
 ツリーハウスが現存しているので生存は確認されているだろうが、さすがに拙いだろう。

「主人、このテントから扉を繋げば早いだろう?」

 セトの提案はもっともなのだが。

「う~ん、その場合、テントをここに放置する事になるでしょう?
 ないと思うけど侵入者に荒らされたりするの、嫌なのよね。
 だからテントをたたんで転移点を設置する事にする」

 アンナリーナはさっさと作業に移った。



 ツリーハウスではテオドールを始め眷属たちが、まんじりともしない10日あまりを過ごしていた。
 そんななか、その時は突然訪れたのだ。

 新たに転移点が設置され、それが繋がったしるしなのか、扉が一瞬光る。
 そしていきなりアンナリーナが飛び出して来た。

「熊さ~ん!」

 一番に飛び込んだのは、テオドールの腕の中だった。
 そのアンナリーナの小さな身体を、万感の想いで抱きしめたテオドールはそのまま寝室に向かおうとするが、アラーニェに立ちはだかれた。

「駄目ですわよ、テオドール殿。
 さあ、私たちにもリーナ様を堪能させて下さいませ」

 そうこうするうちに、わらわらと皆集まってくる。
 その中で、輪の外からイジが泣きそうな顔で見つめていた。
 彼はこの13日間、ずっと己を責めていた。
 どうしてあの時、聞き分けよくその側から離れてしまったのか、いくら主人の命令とは言え逆らっても同行しなかったのかと自問自答していたのだ。
 そんなイジの様子に気づいたアンナリーナが手招きする。
 そして跪いたイジの頭を撫でた。

「ただいま。
 心配かけてごめんね」

「次回、大陸に赴く時は俺もお連れ下さい」

「うん、お願いします」

 アンナリーナの周りにようやく柔らかな雰囲気が漂う。
 それは主人の帰還を心から喜ぶ家族たちの総意だった。



「魔法が使えなかった?」

「ええ、正確に言えば【火】【水】【土】【風】【雷】【氷】【闇】【光】などの魔法ね。
 インベントリは使えたの」

 今アンナリーナとネロが大陸での、異常事態の考察を行なっていた。
 セトは一応当事者なので、黙って話を聞いている。

「ただ魔力が足らなくて、それ以上試みることは出来なかったの」

「ふむ、今回の懸案はこれらが属性魔法だと言うことですな。
 次回、大陸へは私もお連れ下さい。
 セト殿共々、色々試してみます」

「うん、よろしく」

 アンナリーナはこれからアラーニェの手によって風呂タイムである。
 そのあとは数日間休養を取り、改めて大陸に行くのはアンナリーナの体調次第となる。
 今回は特にテオドールとアラーニェがその過保護さを最大限に発揮していて本人の言い分は一切無視だ。

「まあ、数日ゆっくりなさるのがよろしいのではないですかな」

 ネロの言葉の中にも懸念が含まれている。
 この後アンナリーナはいつものように発熱し、皆を大いに心配させた。
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