【R18】初恋の終焉〜悪女に仕立てられた残念令嬢は犬猿の仲の腹黒貴公子の執愛に堕ちる

湊未来

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堕ちる② ※

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「はぁぁぁ……んぅぅ……」

 艶めいた甘い声が部屋に響く。

 その声が己の口から発せられたものだという事も、自身の身体からあがる卑猥ひわいな水音も気にしている余裕など、エリザベスにはなかった。

 ハインツの大きな手に包まれた乳房がつぶされ、もまれ、形を変えていく。

 その様をにじんだ視界の先にとらえ、その卑猥な映像がさらなる快感を呼び起こす。

 ここが、シュバイン公爵邸の一室だと言うことも、自分がベッドの上でハインツに組み敷かれていると言う事も、自分が未婚の女性で、貞操の危機におちいっていると言う事も、全てがどうでもよかった。

 ただただ、与えられる快楽を甘受し続けたい。その想いだけが、エリザベスの頭の中を支配する。

 紅く色づいた胸の先端を口に含まれ、転がされ、まれる。

 その度に湧き上がる快感は、身体の奥底に芽生えた灯火ともしびを大きくしていった。

(こんなんじゃ足りない。もっと欲しい。もっと……、もっと……)

 貪欲に快楽を求めるエリザベスの身体が潤み出す。

「くく……、エリザベスのココ……、濡れてますよ」

「へっ……、ひぃっ、あぁぁぁぁ……」

 ひときわ甲高いエリザベスの声が、室内に響き、それと同時にあらぬところからクチュクチュという音が鳴り出した。

「やっ、やめ……て……」

「どうして? 気持ちいいでしょう? ほら、どんどん濡れてくる」

 秘裂を上に下にと動き回るハインツの指先に、クチュクチュと響いていた音は、いつしかグチュグチュという音に変わっていく。

 臀部でんぶを伝って落ちていく愛液がシーツを濡らす感覚に羞恥心が限界を超えたエリザベスは泣き出してしまった。

 どうして、どうして……

 快感に流され、もらしてしまうなんて、恥ずかしくて消えてなくなりたい。

「いや……、こんなの知らない……」

「――知らない……。エリザベスは、知らないのですね」

「いやよ……、もう……やめ、て……」

 羞恥心がピークへと達したエリザベスの瞳から勝手に涙が流れ出す。

(もらして、泣きじゃくるなんて……、こんなの赤ちゃんと一緒よぉ)

 恥ずかしい姿を見られて、幻滅される。

 快楽に負けて、もらすなんて、破廉恥な女だと罵られてしまう。

 そんな思いが、ますますエリザベスを追い込んでいく。

 執拗に続いていた愛撫はいつの間にか止まり、狂おしいほどの快感が冷めていく。

「エリザベス、ウィリアムとは――」

「ごめんなさい、ごめんなさい。もらすなんて……。ごめんなさい」

 身体を小さく丸め泣きじゃくるエリザベスの身体がハインツの腕に包まれた。

「エリザベス、泣かないで。貴方は、何も知らないのですね」

「知らない?」

「そうです。女性の身体は、快感を得ると、ココが潤み蜜をした垂らせるものなのですよ」

「ひっ……やぁぁ……」

 突然再開された秘裂への愛撫にエリザベスの口から叫声が響く。

「ほら、気持ちいいと愛液があふれ出す」

「やっ……やめ……て……」

 目の前に差し出されたハインツの手はエリザベスがもらした愛液で濡れている。指と指の間を糸引き落ちていく銀の糸が目に焼き付いて離れない。

 その卑猥な光景は、目を背けたところで消え去ることはなかった。

「ほらっ、よく見て。貴方が感じている証拠だ」

 ハインツの低く響く声がエリザベスの耳へと吹き込まれ、彼の誘導に従ってしまう。閉じていた目を開けた瞬間、窓ガラスに写った己の妖艶な姿に心臓がドキリっと鳴った。

 うつろな目をし、口からよだれを垂らす女。それが自分だなんて信じられない。

「ガラスに写るエリザベス……、潤んだ瞳も、紅に染まった頬も、ぷっくりとした唇も、ゆるんだ身体も全てが愛おしい。たまらないな」

 背後からエリザベスを抱くハインツの姿に視線を移せば、見たこともない獰猛な瞳に囚われ身動みじろぎさえ出来なくなった。

「なにも知らないエリザベスが私の色に染まっていく。それがどんなに嬉しいことか貴方にわかりますか?」

「へっ……?」

「貴方を助けた時から数十年。ずっとこの時を夢見ていた。何もかも捨てて、貴方を奪って逃げたいと何度考えたことか。きっとこんな想い、エリザベスには重いだけなんでしょうね」

 ハインツの瞳の奥に見え隠れする仄暗い想いがエリザベスの心を痛ませる。

(そんな顔しないで……)

 同意なしの性行為に及んだハインツを許すべきではない。今すぐ彼を殴って逃げ出せと、頭の中で警鐘が鳴り続けているのもわかっている。

 ただ、彼が時折り見せる悲しみの感情に心が揺さぶられ動けなくなる。

 この感情をなんと表現してよいかわからない。だからこそ頭が混乱する。

「――ただ、もう逃してあげられない」

 体が反転させられ、気づいた時にはベッドに押し倒されていた。

 見上げた先のハインツの瞳にとろけた顔のエリザベスが写り消える。口が塞がれたと気づいた時には、わずかに開いた唇を割りハインツの舌がエリザベスの口腔内へ侵入していた。

「うぅぅ……あぁ……」

 縦横無尽に動き回る舌に呼吸まで奪われ、息をすることもままならない。

 酸素を奪われた脳は酩酊めいていし、視界が霞んでいく。

(死んじゃう……)

「エリザベス……、エリザベス……やりすぎてしまったか。でも、ちょうどいい……」

 ハインツの唇が離れると同時に大量の酸素が口から入り、酸欠状態だった脳は酸素を求め胸を上下に動かす。

 まるで陸に打ち上げられた魚のようにハクハクと呼吸を繰り返すエリザベスにハインツの声は届かない。

 うつろな視線を宙に投げ彷徨わせるエリザベスには、ハインツが暗い笑みを浮かべていたことでさえ気づいていなかった。

 首筋を伝い、ハインツの唇が下へ下へと降りていく。

 時折りピリッと感じる痛みだけがエリザベスの意識を現実へと繋ぎ止めていた。

「ひゃあぁぁ……んぅぅ……」

 まろやかな乳房の頂きで固くシコった果実を口に含まれ転がされれば、エリザベスの口からはひっきりなしに叫声がもれる。

 そこをいじられると気持ちいいのだと教えられた身体は、甘美な愛撫を嬉々として受け入れる。

(……気持ちいい。もっと、もっと……)

 乳房に、秘裂に与えられる愛撫が徐々に深くなれば、エリザベスの腹の奥、あらぬところが疼き、貪欲な身体はさらなる快楽を求め、あさましく揺れる。

(もっと、もっと……、欲しい……)

「エリザベス、もっと気持ちよくなりたいですか?」

 際限なく膨らむ欲望をあおるかのように耳に吹き込まれた悪魔のささやきに、エリザベスは本能のまま頷いていた。

「じゃあ、よく見ていてください。私が何をするのか」

 身体を起こしたハインツの不敵な笑みを見て、鼓動が早まる。

(なにをする気なの?)

 一瞬、頭に浮かんだ疑問も取らされた格好の恥ずかしさに、羞恥心をあおられ霧散する。

「やめ、やめて……恥ずか、しぃ……」

 両膝を掴まれ、開かれる。

 ハインツに秘部をさらすような格好を取らされエリザベスは、あまりの羞恥に真っ赤になった顔を両手でふさいだ。

「ちゃんと見るように言ったのに」

「やだ、やだ……、こんな格好いやぁ」

「まぁ、いいでしょう。どうせ、顔を隠したところでその手は意味をなしませんから」

 ハインツの言葉の意味を理解する前に開始された愛撫は、エリザベスの想像を雄に超えるほどの衝撃を彼女に与えた。

 秘部からピチャピチャと鳴り響く卑猥な音。それと同時に身体をめぐる強烈な快感は、あっという間にエリザベスを高みへと追い上げる。

 ハインツの舌がエリザベスの隠された秘豆を見つけ容赦なく喰み転がす。そして、唐突にその時は訪れた。

「やぁ、いやぁ――、なにかきちゃう!!」

 一際大きな叫声がエリザベスの口から放たれ、のけぞった体が痙攣し落ちる。

 ビクビクと震える身体は、強烈な快感に支配されしびれていた。

(――なに……、今の……)

 あまりの快感に頭が追いつかない。一気に階段を駆け上り、そこから突き落とされたような感覚。身体を包む心地よい倦怠感とは裏腹に、腹の奥底で燻り続ける疼きはひどくなる一方だった。

「エリザベスは悪い子ですね。勝手にイクなんて」

「……い、いく?」

「そう、我慢できないほどの快楽を与えられた身体は、それを外へと放出する。それが『イク』ってことですよ。まるで天から突き落とされたように感じるでしょ」

 ハインツの言葉にコクンっと頷いた従順なエリザベスを見てハインツが嬉しそうに笑う。心地よい倦怠感の中、ハインツの笑みを見たエリザベスの心がキュッと高鳴った。

(ハインツ様の笑み……、嬉しい……)

 よく出来ましたとでも言うように頭を撫でられ、高鳴り出した鼓動はますます早くなっていった。

 もっとめられたい。もっと撫でられたい。

 そんな想いのまま、頭を撫でる手を掴むと、自らの意志で大きく足を開き秘裂へと彼の手を導いた。

「ふふ、驚きましたね。エリザベス自ら続きを要求するとは……」

「……ダメ、でしたの?」

「いいえ、少々驚いただけです。エリザベス、もっと気持ちよくなりたいですか?」

 エリザベスが従順に頷けば、ハインツが『よく出来ました』と頭を撫でる。

「ただ、まだダメです。あと一つ、私の望みを叶えてくれたら、すぐにでも最高に気持ちよくしてあげましょう」

 耳に吹き込まれたささやきが、脳を溶かしていく。

「……願い?」

「そう、願いです。エリザベスは私の言葉を復唱するだけでいい。エリザベスは――」

「エリザベスは……」

「ハインツ・シュバインとの――」

「ハインツ・シュバイン様との……」

「――婚約を受け入れます」

「こんやくを……」

 エリザベスの言葉が止まる。わずかに残った理性が、彼の言葉を復唱することを拒む。

「くそっ、まだ理性が!」

「ひっ、いぃぃぃ……」

「エリザベス、婚約を了承するんだ。了承すれば、いかせてあげる。さぁ、早く」

 ぷっくりとふくれた秘豆に与えられた強烈な刺激が、わずかに残った理性を弾き飛ばした。

「はぁぁ、あぁぁ……、婚約するからぁぁ……するから、いかせてぇぇ」

 激しい快楽に堕ちたエリザベスは、ただただ与えられる愛撫を甘受し続ける。

 その先に待っている狂おしいほどの快感を得るために――







 


 

  



 



 
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