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デジャヴ④ ※
しおりを挟む「エリザベス、手が止まっていますよ。ほらっ、動かして――」
「む、無理よ……ひっ、やぁぁぁぁぁ!!!!」
ハインツの男根を握り、エリザベスは飛沫を噴き上げ達する。もう何度逝ったかわからない。達して弛緩した身体を投げ出したいが、エリザベスの強いられている体勢ではそれもままならない。
男の喜ばせ方を教えてあげると言ったハインツの甘言に乗ってしまったのが、そもそもの間違いだった。
言われるがまま眼前に鎮座する男根を握り乞われるままにエリザベスは天を向く雄に舌を這わせた。
チロチロと鈴口を舐め、張り出した部分を含み、促されるがままに男根を下から上へ舐め上げる。
徐々に硬さを増し、エリザベスの拙い愛撫に反応しピクピクと震える雄を見て、心に愛しさが募る。
あんなに怖くて、畏怖の象徴のような雄に感じていた恐怖心は消え去っていた。
嬉しい……、嬉しい……
……ハインツ様が感じてくれている。
そう感じれば感じるほど、それに呼応するかのようにエリザベスの最奥も潤み出す。
羞恥心もなくなり、目の前の雄に奉仕することに夢中になっていたエリザベスは、ハインツの要求を従順に受け入れていった。
ハインツの身体を跨ぎ膝立ちになったエリザベスの秘部がハインツの目の前に晒されているという事実すら、熱に浮かされたエリザベスには理解できていない。
「ひゃっ! あぁぁぁ……いぃぃぃ……」
愛しさを込めハインツの雄を握りピチャピチャと舐めていたエリザベスの腰が跳ね上がる。
グチュっという音ともに、与えられた秘裂への刺激。ふたつの花弁で閉じられた秘密の園への入り口をハインツが舌でノックしたのだ。
「はぁぁぁ……、きもちいいぃぃ!!」
燻り続けていた官能の炎が一気に燃え上がり、エリザベスの口から叫声が放たれる。
蜜道をかき分け侵入してきた舌に、エリザベスの腹の奥がジュクっと潤み、愛液が隘路を落ちていく。
(あぁぁ、気持ちいい、もっと……もっと……)
隘路の入り口で抜き差しされる舌では、エリザベスは満足出来ない。その先に、さらなる官能を生み出す一点があることを、知っている。
甘く緩慢な刺激にじれ、エリザベスの腰が揺れる。
「エリザベス、腰が揺れていますよ。これじゃ、足りないのですね」
「ハインツ様――、足りないの……、足りないの……、もっと奥に欲しいの――」
「もっと奥ですね。えぇ、もちろんあげますよ」
「はぁ――んぅ!!」
じゅぶっという音を響かせ侵入した無骨なハインツの指に、エリザベスの背がしなる。
わずか一本の指とはいえ、一回の性交渉しか経験がないエリザベスの隘路は固く閉ざされていて、容易にはハインツの指を受け入れることが出来ない。
引き攣るような痛みを秘部に感じたエリザベスの身体に緊張が走り強張る。
「エリザベス、息を吐いて。そう、ゆっくり、ゆっくり――」
「うぅ……、はぁぁ、はぁぁ……」
「そう、上手だエリザベス」
ハインツに言われた通りにゆっくりと息を吐き、どうにか身体の力を抜こうとするエリザベスだったが、身体の緊張が解ければ、そのタイミングを見計らい侵入してくる指に意識を持っていかれ上手くいかない。
「ハ、ハインツ様……、無理、力……抜けない……」
「そうですよね。初めて身体を重ねてからだいぶ日が経ってしまった。エリザベスは、一人で慰めたりしなかったのですか? ここを……」
「ひぃぃ――っ!! あぁぁ、気持ちい――」
突然の刺激に、エリザベスの目の前を火花が散る。ハインツの悪戯な指先が、ぷっくりと膨れた秘豆を押しつぶしたのだ。
「ほらっ、ここ……、快感を欲して自分で慰めたりしなかったの?」
「あぁぁ、そんなこと、しない――、いやぁぁ、あぁぁ……」
「そうですか。ふふふ、では教えなければいけませんね」
エリザベスがハインツの問いになんとか言葉を紡ぐ間にも、悪戯な指は秘豆をつまみ、こねくり回す。
撫でるような優しい愛撫に身悶えれば、次の瞬間には秘豆を強い力でこねられ、エリザベスの身体が跳ねる。
緩急をつけた刺激に翻弄され、エリザベスの思考はあっという間に霞がかり、何も考えられなくなった。
「はぁぁ、いいぃ……きもち、いい……もっと……」
「あぁ、欲しくて、欲しくて仕方ないのですね。こちらのお口も待ちきれなくて、よだれを垂らしている」
「ひぃっ――んあぁぁぁ――」
ハインツの手を伝い落ちていく愛液を舐め上げられると同時に、指をくわえ込んだ秘裂の縁をぐるりと舐めまわされ、エリザベスの口から甲高い叫声が放たれる。
「ほらっ、もう一本あげましょうね」
隘路から一旦抜け出た指が次の瞬間には二本に増え挿入される。しかし、秘豆への愛撫で溶けきったエリザベスの身体は、二本の指をすんなりと受け入れた。
ぷっくりと赤く腫れた秘豆へと繰り返される愛撫と、縦横無尽に隘路を動き回る指の刺激がエリザベスを高みへと追い上げる。
そして、じゅぶじゅぶと音を響かせながら隘路を行き来する指が何かを探るように動かされ、ある一点を擦った時、エリザベスは歓喜の雄叫びをあげて果てた。
(あぁぁ、やっと……、やっと逝けた……)
待ち望んでいた快感を得られ、エリザベスは満足げなため息をこぼす。
「エリザベス、これで終わりではないですよ」
「へっ? 終わりではない?」
心地よい倦怠感に包まれたエリザベスには、ハインツが言っていることが理解できない。
「そうです。まだ身体の奥底にある疼きはおさまっていないのではないですか?」
狂おしいほどの快楽を得てなお、おさまらない腹の奥底の疼き。
それを意識させるかのようにハインツの手に腹を撫でられ、エリザベスの中の疼きが一気に燃え上がる。
(あぁ、どうしてなの。どうして……)
燃え上がった疼きに苛まれ、エリザベスの身体が右に左に揺れ、隘路を穿つハインツの指もまた動く。
ただ、その緩慢な動きでは、奥底で燃え上がる疼きをおさめることなんて出来ない。
「エリザベス、腰が揺れてますよ」
「いやぁぁ、足りない! 苦しいのぉ……」
「エリザベス、あなたは知っているはずだ。その疼きを止める方法を」
「疼きを止める、方法?」
「そう止める方法……」
ハインツの腹の上で突っ伏したエリザベスの目の前でそびえる雄。それを見つめるエリザベスの喉がゴクリっと鳴る。
(あぁぁ、知っている。腹の奥底で燃えあがる疼きを止める方法を……)
エリザベスは熱に浮かされたように目の前に鎮座する男根を舐め上げ、口に含む。
子猫がミルクを舐めるようなピチャピチャという音が響き、エリザベスの耳を犯す。その音が脳を痺れさせ、潤みテラテラと光る秘裂から愛液を滴らせた。
口に含んでいた男根を離し、エリザベスはゆっくりとハインツを振り返る。
「ねぇ、ハインツ様……、お願いよ。意地悪しないで……」
「ふふふ、そうですね。では、どうして欲しいか口に出してください、エリザベス」
エリザベスを背後から抱きしめたハインツが耳元でささやく。
「――あなたの望みを言って、エリザベス」
「ハインツ様……、あなたが欲しい。ひとつになりた――っはぁぁぁぁ!!!!」
最後の言葉は、エリザベスの叫声に飲み込まれ消えた。
ベッドへ突っ伏すように押し倒されたエリザベスの背が、突かれた衝撃にのけぞる。
秘裂へとあてがわれた男根が一気にエリザベスの隘路を進んだのだ。その衝撃にエリザベは陸へと打ち上げられた魚のようにハクハクと浅い呼吸を繰り返すことしか出来ない。
「エリザベス、力を抜くんだ……」
指で何度も慣らされ拡げられた隘路だったが、ハインツの凶悪すぎる雄に馴染むにはまだまだ未成熟だった。
引き攣れるような痛みと圧迫感にエリザベスの瞳から涙が流れる。
「――エリザベス、ゆっくり……、息を、吐いて……」
苦しそうに息をつめるハインツの声がエリザベスの耳元で響く。その声を聞いたエリザベスの心が切なさにキュッと鳴った。
(ハインツ様も、苦しいのね……)
痛みを伴うほどの圧迫感を感じているのだ。中にいるハインツも苦しいに決まっている。それでも、慣れないエリザベスを思い落ち着くまで動かないでいてくれているのだ。
「だい、大丈夫だかっら! ハ、ハインツさま、きて……」
「エリザベスっ……」
「ひっ!! ひゃぁぁぁぁ……」
息を呑んだハインツがエリザベスの声を聞き、ゆっくりと動きはじめる。それと同時にハインツの手がエリザベスの乳房を優しく握り、その頂で震える敏感な赤い実を指先でつまみ、こねる。
「エリザベス、快感だけ……、快感だけを追うんだ」
ハインツの言葉に従い、痛みのなか与えられるわずかな快感に意識を向ける。そうすれば、苦しいほどの痛みが薄れていくような気がした。
徐々に快感が痛みを凌駕していく。そして、隘路を穿つ男根の切っ先が、肉壁の一点を擦った時だった。
「いっ!! あぁぁぁ、はぁぁぁ――、いいぃっ!!!!」
衝撃的な快感が身体を駆け巡る。
天から一気に突き落とされるような快感に、エリザベスの身体がビクビクと痙攣し落ちた。
(はぁぁ、きもちいいぃ……)
「エリザベス、一人で逝くなんて……、悪い子だ」
「ひゃぁっ――あぁぁ、ハハインツさま、待って! 無理だから――」
「もう、待てない」
ハインツの切羽つまった声を最後に、エリザベスは再び快楽の淵へと突き落とされた。
隘路を穿つハインツの雄が執拗に、狂おしいほどの快楽を生む一点を攻める。
快感が次の快感を生み、エリザベスはとうとう快楽の淵から戻れなくなってしまった。
「あぁ――いい。あぁ、エリザベス……、離したくないのですね。あなたの肉壁が絡みついて離れない」
乳房の頂で震える実を摘まれながら耳元でささやかれるハインツの言葉に、エリザベスの隘路がキュッと反応し男根を締め付ける。すると、固くシコった雄を直に感じたエリザベスの口から歓喜の叫声が響いた。
「はぁぁ……んぅぅ……、いい、もっと――」
逝きっぱなしになってしまったエリザベスの脳はもう何も考えられない。ただただ、与えられる快感に翻弄され、それを受け入れるしかない。
「ひっ、いいぃ……、もっと……、きもちいいぃ……」
「あぁ、エリザベス……、私も、限界だ――」
隘路の中程にある一点を執拗に攻めていた雄が、一気に突き入れられエリザベスの最奥を犯す。
今までの余裕な態度をかなぐり捨てたハインツが、エリザベスの腰を掴み激しい抽挿を繰り出せば、パンパンという音が静かな部屋に響き渡った。
「あぁ、いいぃ、きもちいい……、ハインツさま、もっと……」
「あぁ、エリザベス。好きなだけ、好きなだけあげます」
最奥へと突き入れられた雄が次の瞬間には、蜜壺の入り口付近まで引き抜かれるたびに、エリザベスの隘路は雄を逃しまいと絡みつく。
徐々に速くなる抽挿にガツガツと最奥を犯され、エリザベスの腹の奥底で燃える官能の炎もさらに大きくなっていく。
ひっきりなしに叫声をあげるエリザベスにも限界が近いことはわかっていた。
「エリザベス、一緒に――」
ハインツの言葉を最後に、最奥へと突き入れられた雄が一気に膨れ上がり爆ぜる。それを腹の奥底で感じたエリザベスもまた飛沫を撒き散らし果てる。
ずっと燻り続けていた疼きが昇華されたのを感じ、エリザベスは満足げな笑みを浮かべながら瞳を閉じた。
――もう、限界……
♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
「――快楽に従順で本当、かわいい。もっと、もっと快楽を教え込んで、私なしではいられなくなればいいのにね。四六時中、私だけを想い、ここを潤ませて泣く、そうなればどんなにいいか。でも、そうはならないのでしょうね、エリザベスは……」
快楽に溺れ深淵へと沈んだエリザベスには、切なさを滲ませたハインツの声は届かない。
その言葉に秘められた想いも――
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