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先生、お付き合いをしましょう!
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看護学校は、夕映が思っているほど単純ではなかった。座学に加えて実技や総合病院への実習。睡眠時間を削ってのレポート提出。
毎日忙しなく時間が過ぎて、とても1日が24時間ではたりなかった。それでも夕映は、旭と共に働きたい思いだけで乗り越えてきた。
「やっぱり数値が安定しないね。薬飲んでる?」
「実習とかあるとお昼の薬を忘れてしまったり、レポートに夢中になって夕の分を飲み忘れたりしてます……」
以前は忘れちゃうんだからしょうがないじゃん。そんな気持ちでいた。飲まなきゃダメだよ、と旭に叱られることもかまってもらっているようで嬉しくもあった。しかし看護学生となり、実際に患者の病気を調べたり薬剤の作用、副作用に加えてその重要さを知ると、自分の病気にまで興味が芽生えた。
だから薬の大切さは十分にわかっていたし、夕映自身も気を付けようと考えを改めた。それでも忘れてしまうことがある。決してわざとではない事実が夕映の表情を暗くさせた。
「うーん。看護師さんになったらもっと勤務時間もバラバラになるからさ、今の状況で忘れずに内服できないのはちょっとまずいね」
「そうですよね……」
「手術する?」
さらりと言ってのけた言葉に夕映はピタリと動きを止めた。まだ自分に向けられた言葉だと理解できずにいた。手術だなんて自分には無関係のもので、誰かが言ったように薬さえ飲んでいれば普通に生活できる病気だと思っていたから。
毎日忙しなく時間が過ぎて、とても1日が24時間ではたりなかった。それでも夕映は、旭と共に働きたい思いだけで乗り越えてきた。
「やっぱり数値が安定しないね。薬飲んでる?」
「実習とかあるとお昼の薬を忘れてしまったり、レポートに夢中になって夕の分を飲み忘れたりしてます……」
以前は忘れちゃうんだからしょうがないじゃん。そんな気持ちでいた。飲まなきゃダメだよ、と旭に叱られることもかまってもらっているようで嬉しくもあった。しかし看護学生となり、実際に患者の病気を調べたり薬剤の作用、副作用に加えてその重要さを知ると、自分の病気にまで興味が芽生えた。
だから薬の大切さは十分にわかっていたし、夕映自身も気を付けようと考えを改めた。それでも忘れてしまうことがある。決してわざとではない事実が夕映の表情を暗くさせた。
「うーん。看護師さんになったらもっと勤務時間もバラバラになるからさ、今の状況で忘れずに内服できないのはちょっとまずいね」
「そうですよね……」
「手術する?」
さらりと言ってのけた言葉に夕映はピタリと動きを止めた。まだ自分に向けられた言葉だと理解できずにいた。手術だなんて自分には無関係のもので、誰かが言ったように薬さえ飲んでいれば普通に生活できる病気だと思っていたから。
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