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先生は同性愛者
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夕映は、外来の廊下でぽつんと立っていた。辺りは薄暗く、人気はない。窓から差し込む太陽の光も、角を曲がった廊下には届かなかった。
外来時間は終了し、最後の患者も帰ったはずだった。それぞれの診察室から1人、また1人と医師が出てくるのを横目に、目的の人物が現れるのを待った。
看護学校も冬休みに入り、授業はない。先月、最後の実習である統合実習を終え、冬休み前に優の評価をもらったばかりだ。冬休み中でも国家試験を控えている3年生のために、平日は開校している。
半分ほどの生徒は朝から学校へ行き、自主勉強をしていた。本日受診の夕映は、学校へ行くつもりはない。帰宅したら自室にこもって過去問を解くつもりだ。
来月の国家試験を終えたらいよいよ手術となる。主治医は希星に代わり、旭とは会えなくなる。内科受診も残すところあと1回となった。
旭の患者として会えるのは次で最後。本日、いつもの通りに愛の告白をしたが、全く相手にされなかった。診察時間はあっという間に過ぎ去ったが、夕映は帰る気になれなかった。
患者が全員帰るのを待ち、旭が出てくるのを待っていた。せめて連絡先だけでも交換できないだろうかと最後の望みを抱いて。
旭と会えなくなるといっても、一生会えないわけではない。旭の患者でなくなるだけで、夕映の就職先は、この隷都総合病院に決まっていた。看護師の就職は3年生の夏前には決まる。夕映は当然旭を追いかけて、この病院を希望していた。
人員不足の病院は、どこだって看護師がほしい。よほど人気の病院でない限りは、あっさり就職できてしまうのだ。
外来時間は終了し、最後の患者も帰ったはずだった。それぞれの診察室から1人、また1人と医師が出てくるのを横目に、目的の人物が現れるのを待った。
看護学校も冬休みに入り、授業はない。先月、最後の実習である統合実習を終え、冬休み前に優の評価をもらったばかりだ。冬休み中でも国家試験を控えている3年生のために、平日は開校している。
半分ほどの生徒は朝から学校へ行き、自主勉強をしていた。本日受診の夕映は、学校へ行くつもりはない。帰宅したら自室にこもって過去問を解くつもりだ。
来月の国家試験を終えたらいよいよ手術となる。主治医は希星に代わり、旭とは会えなくなる。内科受診も残すところあと1回となった。
旭の患者として会えるのは次で最後。本日、いつもの通りに愛の告白をしたが、全く相手にされなかった。診察時間はあっという間に過ぎ去ったが、夕映は帰る気になれなかった。
患者が全員帰るのを待ち、旭が出てくるのを待っていた。せめて連絡先だけでも交換できないだろうかと最後の望みを抱いて。
旭と会えなくなるといっても、一生会えないわけではない。旭の患者でなくなるだけで、夕映の就職先は、この隷都総合病院に決まっていた。看護師の就職は3年生の夏前には決まる。夕映は当然旭を追いかけて、この病院を希望していた。
人員不足の病院は、どこだって看護師がほしい。よほど人気の病院でない限りは、あっさり就職できてしまうのだ。
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