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先生は同性愛者
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2人の会話を聞いていると、武内保という男は、どうやら相当なイケメンらしい。その情報を掴んだ夕映は、もっと更なる情報が欲しいと食らいつくが、それ以上のものは得られなかった。
「あ、私は所沢さんに連れてってもらうことにしたから、なんか新しく動きがあったらまた教えるね」
杏奈はそう弾んだ声で言った。後ろ姿でも、満面の笑みを浮かべているのが想像できた。
「所沢さんって先生達と同期だっけ? 看護師も出席するの?」
「所沢さんは同期関係なく、先生達と仲良いよね。今回のパーティーも夜天先生に勝手にしろって言われたから勝手に行くんだーって言ってたもん」
夜天先生……? 苗字なのか名前なのかわからない固有名詞が聞こえ、夕映は首を傾げた。
パーティーは医師だけが参加するものだけど、同期の看護師さんはそのよしみで参加するってことか。それで橘さんも行くと……。
夕映はふむ……と考えながら、廊下の突き当たりを曲がっていく2人の後を、それ以上は追わなかった。
もと来た廊下を戻りながら、頭の中を整理した。
あの話が本当なら、荻乃先生はパーティーに行くと思うんだよな。だって、好きな人が参加するならいくら奥さんがいても会いたいよね。
院内の医師ってことは、私が心配しているのと同じく、先生もその武内先生に中々会えないってことだろうし。
夕映は、右手で顎を触りながら深くうーんと考える。先程よりもゆっくりとぼとぼ歩いていくと、すぐ内分泌内科の外来が現れた。
幸か不幸か、絶妙なタイミングで開けられたドアからは、旭が顔を出した。
「あ、私は所沢さんに連れてってもらうことにしたから、なんか新しく動きがあったらまた教えるね」
杏奈はそう弾んだ声で言った。後ろ姿でも、満面の笑みを浮かべているのが想像できた。
「所沢さんって先生達と同期だっけ? 看護師も出席するの?」
「所沢さんは同期関係なく、先生達と仲良いよね。今回のパーティーも夜天先生に勝手にしろって言われたから勝手に行くんだーって言ってたもん」
夜天先生……? 苗字なのか名前なのかわからない固有名詞が聞こえ、夕映は首を傾げた。
パーティーは医師だけが参加するものだけど、同期の看護師さんはそのよしみで参加するってことか。それで橘さんも行くと……。
夕映はふむ……と考えながら、廊下の突き当たりを曲がっていく2人の後を、それ以上は追わなかった。
もと来た廊下を戻りながら、頭の中を整理した。
あの話が本当なら、荻乃先生はパーティーに行くと思うんだよな。だって、好きな人が参加するならいくら奥さんがいても会いたいよね。
院内の医師ってことは、私が心配しているのと同じく、先生もその武内先生に中々会えないってことだろうし。
夕映は、右手で顎を触りながら深くうーんと考える。先程よりもゆっくりとぼとぼ歩いていくと、すぐ内分泌内科の外来が現れた。
幸か不幸か、絶妙なタイミングで開けられたドアからは、旭が顔を出した。
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