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友達、あげようか?
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そんな希星の考えなど想像もしていない夜天は、「いいわけねぇだろ。それで関係が悪化しても責任とれねぇし」と心底嫌そうな顔をした。
「その時は私が責任取るわよ。それともやめる? チケットいらないならいいけど」
目の前で本物のチケットを見せられたらぐっと押し黙るしかなかった。
「そもそもそれどうしたんだよ!」
「貰ったの。一緒に行かないかって。興味ないから断ったけど、気が向いたらって渡された」
「おい。それ横流ししていいやつじゃねぇだろ」
「いいのよ。しつこくて困ってたから。私まだ結婚する気ないし」
そう言って面倒くさそうな顔をすると、より夜天と似ていた。夜天はまだっていうより結婚なんて最初からするつもりねぇだろと呆れる。仕事命の姉が誰かと付き合っているという話を何年も聞いたことがない。群がってくる男は掃いて捨てるほどいるというのに、贅沢な女だと息を漏らした。
「それで、やるの? やらないの?」
「やればいいんだろ!? そもそもその女もどんな神経してんだよ」
「ちょっと、夕映ちゃんに余計なこと言わないでよ!? くれぐれも、仲良くね」
「うるせー。さっさと達成してそのチケット貰うからな」
そう言って大股歩きで出てきたというのに、目の前のターゲットがいなくなり、湯呑み茶碗がポツンと置かれているだけ。せっかく時間を作って仕事を置いてやってきたのに、目的を果たせないなんて割に合わないと拳を握った。
「あーっ! 明日ぜってぇ連絡先聞き出してやる! 待ってろ、グレン・ブラウン!」
夜天は、乱暴に湯呑み茶碗を掴むとぐいっと緑茶を飲み込み「あっつ!」と声を上げた。
「その時は私が責任取るわよ。それともやめる? チケットいらないならいいけど」
目の前で本物のチケットを見せられたらぐっと押し黙るしかなかった。
「そもそもそれどうしたんだよ!」
「貰ったの。一緒に行かないかって。興味ないから断ったけど、気が向いたらって渡された」
「おい。それ横流ししていいやつじゃねぇだろ」
「いいのよ。しつこくて困ってたから。私まだ結婚する気ないし」
そう言って面倒くさそうな顔をすると、より夜天と似ていた。夜天はまだっていうより結婚なんて最初からするつもりねぇだろと呆れる。仕事命の姉が誰かと付き合っているという話を何年も聞いたことがない。群がってくる男は掃いて捨てるほどいるというのに、贅沢な女だと息を漏らした。
「それで、やるの? やらないの?」
「やればいいんだろ!? そもそもその女もどんな神経してんだよ」
「ちょっと、夕映ちゃんに余計なこと言わないでよ!? くれぐれも、仲良くね」
「うるせー。さっさと達成してそのチケット貰うからな」
そう言って大股歩きで出てきたというのに、目の前のターゲットがいなくなり、湯呑み茶碗がポツンと置かれているだけ。せっかく時間を作って仕事を置いてやってきたのに、目的を果たせないなんて割に合わないと拳を握った。
「あーっ! 明日ぜってぇ連絡先聞き出してやる! 待ってろ、グレン・ブラウン!」
夜天は、乱暴に湯呑み茶碗を掴むとぐいっと緑茶を飲み込み「あっつ!」と声を上げた。
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