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友達、あげようか?
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どういうことだ……? 俺達の関係が契約によるものだと知っているのか。それとも、小柳さんと付き合っていながら他に好きな人がいるとでも思われているのか……。
どちらにせよ何で夜天がそんなことを知って……まさか、小柳さんが相談したとか……?
今の主治医は渕上先生だし、夜天と繋がるルートはいくらでもある。3人で話したのかもしれないし、たまたま渕上先生と小柳さんが一緒にいるところに夜天が現れたのかもしれないし……そうだとしても、俺との関係を暴露する必要なんてあったのか……?
旭は更に混乱する。契約を持ちかけたのは夕映の方からで、旭としては契約解消してもいいと思っていた事案だ。旭の好きな人が別にいることを知られたってかまいやしない。そう思ったが、夕映から夜天に話すのはルール違反のような気もした。
「でも付き合うことって凄いことだって思いませんか?」
「は?」
「だって、世界にはこんなにたくさん男女がいるんですよ。夜天先生だって男性だし、他にも男性はたくさんいて、それこそ高校生の時だって同じ学年にも学年が違えばもっといるのに、好きになる人はたった1人なんです」
「まぁ……そうだな」
「誰でもよければその辺の人達は皆カップルなのにそうならないじゃないですか。恋愛対象にならない人もいて、ずっと片想いの人もいる。それなのに全く同じ感情を持つもの同士が付き合えるんですよ?」
「……お前の言う相思相愛ってやつならな。ただ、現実はそうばっかじゃない。言われて渋々付き合うヤツも、興味本位のヤツもいる。全てにおいて奇跡なわけじゃない」
「……先生は夢がないですね」
「お前な……。大人になるとより現実的になるんだよ。あと10年経ったらお前にもわかるよ。お前は恋愛経験が乏し過ぎ」
「うー……またそうやって子供扱いするじゃないですか」
「するだろ。子供なんだから。でも、これから大人になる段階だろ。反対にそんなふうに無垢でいられるのは今だけだ。その感覚を大事にした方がいい」
夜天の言葉に旭は大きく頷いた。色んなことを経験し、自分もいつの間にか穢れた大人になっていたんだろうな……。旭は静かにそう思った。
どちらにせよ何で夜天がそんなことを知って……まさか、小柳さんが相談したとか……?
今の主治医は渕上先生だし、夜天と繋がるルートはいくらでもある。3人で話したのかもしれないし、たまたま渕上先生と小柳さんが一緒にいるところに夜天が現れたのかもしれないし……そうだとしても、俺との関係を暴露する必要なんてあったのか……?
旭は更に混乱する。契約を持ちかけたのは夕映の方からで、旭としては契約解消してもいいと思っていた事案だ。旭の好きな人が別にいることを知られたってかまいやしない。そう思ったが、夕映から夜天に話すのはルール違反のような気もした。
「でも付き合うことって凄いことだって思いませんか?」
「は?」
「だって、世界にはこんなにたくさん男女がいるんですよ。夜天先生だって男性だし、他にも男性はたくさんいて、それこそ高校生の時だって同じ学年にも学年が違えばもっといるのに、好きになる人はたった1人なんです」
「まぁ……そうだな」
「誰でもよければその辺の人達は皆カップルなのにそうならないじゃないですか。恋愛対象にならない人もいて、ずっと片想いの人もいる。それなのに全く同じ感情を持つもの同士が付き合えるんですよ?」
「……お前の言う相思相愛ってやつならな。ただ、現実はそうばっかじゃない。言われて渋々付き合うヤツも、興味本位のヤツもいる。全てにおいて奇跡なわけじゃない」
「……先生は夢がないですね」
「お前な……。大人になるとより現実的になるんだよ。あと10年経ったらお前にもわかるよ。お前は恋愛経験が乏し過ぎ」
「うー……またそうやって子供扱いするじゃないですか」
「するだろ。子供なんだから。でも、これから大人になる段階だろ。反対にそんなふうに無垢でいられるのは今だけだ。その感覚を大事にした方がいい」
夜天の言葉に旭は大きく頷いた。色んなことを経験し、自分もいつの間にか穢れた大人になっていたんだろうな……。旭は静かにそう思った。
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