俺の名前は今日からポチです

ムーン

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かいはつ、いち

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時計では数分後、俺の感覚では数時間後、雪兎は大荷物を抱えて帰ってきた。

「替えのシーツももらってきたんだ、いちいち取りに行くの面倒だもんね」

「……汚す前提ですか」

「ポチがヨダレとか垂らさなきゃ要らないんだけどなぁ。ポチ、堪え性のない淫乱ちゃんだからさ」

「だ、誰が!  そんな、俺はマトモですよ!」

「ふぅん?  まぁそれは今から分かるよ」

替えのシーツを扉の前に置くと、雪兎は俺に服を全て脱ぐように言った。
持ってきた荷物の中から手錠を取り出すと、全裸になった俺の腕を後ろに回させる。

「冷たっ……」

「金属だからねー、我慢してよ」

「……なんか、こう、大きめのやつにしてタオルとか挟んでくれませんか?」

「それは僕の趣味に合わないかな」

要望は無視され、俺は腕の自由を失った。

「趣味って?」

「……逃げようとしてなくてもさ、嫌がってなくてもさ、気持ちよくなっちゃうと手錠ガチャガチャしちゃうでしょ?  そうしたら、痕ができるんだよ。それが見たいの」

「趣味悪っ」

そういえば、前にも首輪の痕を恍惚とした顔で眺めていたな。
本当に趣味が悪い……人を飼っている時点でそんな趣味は気にしてはいけないのかもしれないけれど、やられる方はたまったもんじゃない。

「じゃ、四つん這いになって」

「腕後ろなんですけど」

「……肩つけて、膝曲げて、お尻突き出して」

「えっ……ま、待ってくださいよ。これは流石に、恥ずかしいというか、情けないというか」

「いいから早く……あ、待って」

雪兎は俺を座らせたまま、荷物の中からベルトを取り出した。
ズボンを固定する為の、腰に巻くものと比べると小さく見える。首輪……はあるよな。手首は手錠があるから、足の方かな。
そんな俺の予想は外れ、ベルトは俺の陰茎の根元に巻かれる。

「な、何を?」

「こーやって、やって……んっ……よし。これでいいよ」

「ちょ、これ……キツ、痛いですよ!」

ぎっちりと痛いほどに締め上げられたのだが、俺の訴えとは真逆に俺の愚息はその大きさを増す。

「…………これで勃つ?  普通」

「う、うるさい!  やるなら早くやれよ!」

「何その口の利き方、放置されたいの?」

「それだけはやめてください、せめて一発抜いてから……」

雪兎は勃起した俺の陰茎を触れるか触れないかも曖昧なほどの握り方で扱き始める。
もどかしさと快感を溜め込んで、完全に勃起すると雪兎は悪戯っ子のような笑みを浮かべて手を止める。

「ぁ……もっと、してくださいよぉ」

「これ以上やったってなんにも出ないよ?」

大きくなった事もありベルトの締め上げは増しており、精液はせき止められている。
前にも雪兎は俺のを強く握って射精できないようにしていた。その事を思い出し、今度はいつ出させてもらえるのかを考えて不安になった。
雪兎は先走りが滲み出たのに気が付き、その汁を俺の性器に塗り広げる。
冷たく弱々しい指先に、てらてらと光を反射する俺の性器。その不釣り合いな二つは奇妙な調和を魅せていた。
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