俺の名前は今日からポチです

ムーン

文字の大きさ
43 / 667

かいはつ、いち

しおりを挟む
時計では数分後、俺の感覚では数時間後、雪兎は大荷物を抱えて帰ってきた。

「替えのシーツももらってきたんだ、いちいち取りに行くの面倒だもんね」

「……汚す前提ですか」

「ポチがヨダレとか垂らさなきゃ要らないんだけどなぁ。ポチ、堪え性のない淫乱ちゃんだからさ」

「だ、誰が!  そんな、俺はマトモですよ!」

「ふぅん?  まぁそれは今から分かるよ」

替えのシーツを扉の前に置くと、雪兎は俺に服を全て脱ぐように言った。
持ってきた荷物の中から手錠を取り出すと、全裸になった俺の腕を後ろに回させる。

「冷たっ……」

「金属だからねー、我慢してよ」

「……なんか、こう、大きめのやつにしてタオルとか挟んでくれませんか?」

「それは僕の趣味に合わないかな」

要望は無視され、俺は腕の自由を失った。

「趣味って?」

「……逃げようとしてなくてもさ、嫌がってなくてもさ、気持ちよくなっちゃうと手錠ガチャガチャしちゃうでしょ?  そうしたら、痕ができるんだよ。それが見たいの」

「趣味悪っ」

そういえば、前にも首輪の痕を恍惚とした顔で眺めていたな。
本当に趣味が悪い……人を飼っている時点でそんな趣味は気にしてはいけないのかもしれないけれど、やられる方はたまったもんじゃない。

「じゃ、四つん這いになって」

「腕後ろなんですけど」

「……肩つけて、膝曲げて、お尻突き出して」

「えっ……ま、待ってくださいよ。これは流石に、恥ずかしいというか、情けないというか」

「いいから早く……あ、待って」

雪兎は俺を座らせたまま、荷物の中からベルトを取り出した。
ズボンを固定する為の、腰に巻くものと比べると小さく見える。首輪……はあるよな。手首は手錠があるから、足の方かな。
そんな俺の予想は外れ、ベルトは俺の陰茎の根元に巻かれる。

「な、何を?」

「こーやって、やって……んっ……よし。これでいいよ」

「ちょ、これ……キツ、痛いですよ!」

ぎっちりと痛いほどに締め上げられたのだが、俺の訴えとは真逆に俺の愚息はその大きさを増す。

「…………これで勃つ?  普通」

「う、うるさい!  やるなら早くやれよ!」

「何その口の利き方、放置されたいの?」

「それだけはやめてください、せめて一発抜いてから……」

雪兎は勃起した俺の陰茎を触れるか触れないかも曖昧なほどの握り方で扱き始める。
もどかしさと快感を溜め込んで、完全に勃起すると雪兎は悪戯っ子のような笑みを浮かべて手を止める。

「ぁ……もっと、してくださいよぉ」

「これ以上やったってなんにも出ないよ?」

大きくなった事もありベルトの締め上げは増しており、精液はせき止められている。
前にも雪兎は俺のを強く握って射精できないようにしていた。その事を思い出し、今度はいつ出させてもらえるのかを考えて不安になった。
雪兎は先走りが滲み出たのに気が付き、その汁を俺の性器に塗り広げる。
冷たく弱々しい指先に、てらてらと光を反射する俺の性器。その不釣り合いな二つは奇妙な調和を魅せていた。
しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

寝てる間に××されてる!?

しづ未
BL
どこでも寝てしまう男子高校生が寝てる間に色々な被害に遭う話です。

処理中です...