俺の名前は今日からポチです

ムーン

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うぇっとすーつ、さん

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雪兎は僅かに腰を浮かし、ウェットスーツ越しにも形が分かるほど勃起した俺の陰茎に微かな刺激を与える。雪兎がぶかっとしたズボンを履いているせいで分かりにくいが、性器同士を擦り付けようとしているらしい。

「ユキ様……もうちょっと、腰下ろして……」

掴めるほど細い腰に手を伸ばすが、途中で折れそうなほど細い手に捕らえられた。色黒で大きな手を押し返す色白の小さな手、適当に切っていること明白な深爪に一時間単位で手間をかけているであろう桜貝のような爪、様々なコントラストが俺の欲を煽る。

「ポチ、分かってる?  僕がもっと腰下ろして強くごしごししちゃったら、ポチは簡単にイっちゃってスーツの中汚しちゃうんだよ?」

腰をゆっくりと前後に動かしながら、俺に思考を奪う焦れったさを与えながら、雪兎は悪戯っ子の笑みのまま続けた。

「……ねぇポチぃ、自分が今どんな顔してるか分かってる?  ふふっ……歯ぁ食いしばって目血走らせて、顔真っ赤にして…………怖いなぁ、狂犬って感じ?  あはははっ!」

そう言っている雪兎も顔が赤いし、表情では俺を煽りながらも瞳は焦れている。もっと強い快楽が欲しいのは雪兎も同じなのだ。

「狂犬……ね。昔そんなあだ名付けられてたような気がしなくもないですよ」

小さな手は容易に振り解ける。雪兎に痛みを与えないよう気を付けながら手を剥がし、その細腰を掴んだ。

「ちょ、ちょっとポチ!  こら!」

俺の手を剥がそうと試みているが、意味は無い。ズボンを掴むのではなく、腰骨を掴む。大人しくしていれば痛くはないはずだが、雪兎は身を捩っている。早く抵抗をやめさせなくては痣になってしまうかもしれない。

「俺のこと好き勝手言いますけど、ユキ様もめちゃくちゃえろい顔してるんですよ?  そんな発情した顔しといて何嫌がってるんです?」

「は、発情!?  あのねぇポチ!  君は飼い犬なんだよ、ご主人様に向かってそんな口きいていいと思ってんの!」

雪兎が俺の手を剥がすことから俺を説教することに気を移した隙に、掴んだ腰を叩き下ろした。

「ぁっ……ちょっと、ダメだってば!」

「可愛い声出ましたよ?  知ってます?  うさぎって発情期無いんですよ、いつでもいいんです」

「僕うさぎじゃないしっ、年中発情期なのはポチだろ!」

真っ赤になった顔を隠すためか、腕を顔の前にやり、その隙間から俺を睨む。確実にお仕置きが待っているだろう、そう予測できていても止まれない。

「誰のせいだと思ってんですか?  ご主人様」

返事が無いので腰を揺らし、自分勝手にぐりぐりと擦り付ける。すっかり硬くなった雪兎の性器にウェットスーツ越しに擦り付けるのは気持ちいいし、何より雪兎の反応が可愛らしい。
足も手も震えている、肩で息をしている。相当感じてくれているようだ。
俺は手応えを感じていた、しかし──

「…………ユキ様?」

涙が落ちたのが見えて、育とうとしていた自信が萎んだ。
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