俺の名前は今日からポチです

ムーン

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かんせい

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寝転がっているのが床であることを除けば、俺は今普通に抱かれている。玩具も拘束も媚薬もなく、特殊な体位でもなく、互いに純粋に快楽を貪っている。

「ポチっ……ねぇ、ポチぃ、気持ちいい?」

色素の薄い肌はすぐに赤く染まる。紅潮した雪兎の顔は歳に似合わず扇情的だ。赤紫の双眸が俺だけを映しているのが分かる、彼の吐息を熱くさせているのが俺だとよく分かる。
抱かれることで雪兎を悦ばせられる実感があって、それがどうしようもなく嬉しくて、腕を伸ばす。

「ポチ……? ねぇ、気持ちいいの? もっと?」

まともに言葉を紡げずにいると雪兎は両手を俺の下腹に置き、体重をかけた。外側から内側を擦る雪兎の陰茎に押し付けられて、快感が跳ね上がる。
雪兎を抱き締めようと腕を伸ばしたのに、その快感に身体を反らしてしまい、無意識に腕で顔を隠してしまった。

「んっ、ぅうっ……! ゆきっ、ユキ様ぁっ、ぁんっ!」

「顔隠さないでよ、気持ちいいの? 分かんないよ、ちゃんと言って?」

本当に分からないのか? そんなはずはない、きっと言わせたいだけだ。

「きもちぃっ! ぃ、ひぁっ……! さっき、からぁっ、何回も、イってるぅっ!」

「そうなの? 分かんないよ、ちゃんと言って。イったらイった、気持ちいいならどこがどう気持ちいいのか、どうして欲しいのか、全部ちゃんと言って」

思考もまとまらなければ呂律も回らないのに、そんなの無理に決まっている。けれど言わなければ更に激しくされるのは目に見えている。

「おなかっ、押されてからぁっ! ユキ様の、もっとごんごんぐりぐりしてきてぇっ、すぐっ、イっちゃう……! 今っ、あぁっ、はっ……ん、今っ、今イったぁっ! イったからぁっ、イった、ばっかりのとこっ、やだぁっ!」

「うん……気持ちいいってのは分かった、良かったよ。でも、何が嫌なのか分かんないなぁ?」

「やぁっ、あぁ、ぁん! ぁ、あっ……イってぇっ、敏感、だからぁっ! 感じ、過ぎ……てぇっ、変になるっ……から、やだぁ……」

「気持ちいいのに嫌なの? 嘘はダメだよ、ポチ、本当のこと言って?」

下腹を押す手の位置が変わり、突く角度も変わる。挟むようにして前立腺を押し潰されて絶頂し、腹の上にある雪兎の手に精液をかけた。深い絶頂に言葉を失った俺が落ち着くのを待つことなく、雪兎は深くを突いたまま腰をぐりぐりと動かした。

「ぁ、あぁ、ぁーっ! あっ……は……ぁ、あっ……」

「ポチー? お返事は?」

腹の上にあった手の片方が下腹を離れて精液なのかも分からない液体を垂れ流す陰茎を掴む。萎えることを許されないそれの鈴口を開くように指の腹で擦り、溢れる半透明の液体を塗り込んでいく。
呼吸すらもままならない、これ以上は本当にダメだ。そう本能が警鐘を鳴らしているのに、身体は勝手に腰を突き出して亀頭への刺激をねだり、雪兎の陰茎に吸い付いて続きを求める。

「ポチは身体だけは本当に素直だよね。嘘吐きなお口には後でお仕置きするからね」

鈴口をぐちゅぐちゅ音を立てて躙られ、すっかり性器にしつけられた穴の奥に精液を放たれる。抜けていく寂しさと残った熱い液体への満足感、その矛盾まで快感で足が震える。

「ふふ……可愛いよ、ポチ。こっち向いて、こっち……そう、上……こっちだよ」

四肢を放り出して脱力する。俺の足の間を抜け出した雪兎はどこだろうかと声が聞こえた方へ、首を必死に伸ばして頭上を見上げる。頭上と言っても寝転がった俺の頭上もやはり床だけれど。

「ユキ様ぁ…………んっ、む……ぅ!?」

雪兎の膝が見えて、胸を持ち上げて更に顔を上に向ける。呼吸と雪兎への呼び掛けのために開いていた口が塞がれた。

「お仕置き……ふふ、ちゃんとご奉仕出来たら許してあげる」

先程まで下の穴に入れられていたものが今度は口に、喉の奥まで入っている。その嫌悪感も息苦しさも二の次に、俺は喉を犯される期待に胸を躍らせていた。
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