俺の名前は今日からポチです

ムーン

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あいがんけん、じゅうなな

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分厚い手袋に包まれた手を頭の横に置いて、膝を曲げて足を開いて、玩具の振動に嬌声を上げる。仰向けになったことで腹側に押し込まれたバイブの振動を深く感じるようになって、裏筋の亀頭に貼られたローターに震えさせられている陰茎からトロトロと透明の液が溢れる。腹に伝うその生温さに不快感を覚える暇もなく、身体を弓なりに反らせ続けている。

「んー、よく撮れてる……っと、ポチ、大丈夫?」

雪兎は先程撮った俺の痴態を確認していたが、出来損ないのブリッジのような体勢で全身をガクガクと痙攣させていた俺に不意に視線を移し、玩具の振動を止めた。玩具が止まってもしばらく身体の震えは止まらず、肩甲骨が地面にぴったりと着くまでにはかなりかかった。

「…………大丈夫?」

赤紫の双眸が間近に迫る。荒くなった呼吸を整えようとしても吸った息が精液の匂いに侵されていて、全く興奮が治まらない。何も答えられずにいると額を撫でられた。

「……そんなに気持ちよかったの? 撮られてたんだよ、全部。ポチが僕の犬だって証拠、ド淫乱なペットだって証拠、もう誰にだって見せられるんだよ。ほら見て」

携帯端末の画面を向けられる。そこには犬に扮し犬のポーズを取った体格のいい色黒の男が……俺が居た。先程撮られた写真のようだ。人を威圧する三白眼を気持ち良さそうに蕩けさせて、玩具を貼り付けた身体を見て欲しいかのように反らしている。

「…………どう思う? この写真見た人」

「……俺、が…………自分で、好きで、やってるみたい……」

「そう。何にも知らずに見ただけなら、僕が居るって分かんない。変態男の犬コス野外オナニー……わぁ、ドン引きだね!」

写真は撮られたくなかったはずなのに、やめてとは言っていたのに、写真にはそれは映っていない。

「……まぁ、何一つ間違ってはないよね? ポチは変態だし、自分で好きでやってるんだろ? 僕に甘えてきてたもんね」

「好き、だけど……一人じゃ、やらない」

「へぇ? 僕のシャツ顔に巻いて電気刺激と首絞めで失神するまでやってたのは誰だったかな。ねぇポチ僕前に言ったよね。淫乱じゃないとか、本当は人間ですって態度やめてって」

鼻と口を覆って巻かれた手拭いの上に雪兎の手が乗る。布に付着している精液を俺の顔に塗り込むように、ぬちゃぬちゃと音を立てて躙る。

「ん、ぅあ、んっ……ぅう」

「これされて、どう?」

口内に入った分を舌と上顎で挟んで擦り、たっぷりと味わう。その間は鼻で呼吸して、肺を雪兎の匂いで満たす。

「……うれ、しぃ」

「じゃあもう一回聞くよ。ポチは好きで犬の格好してお外で変態行為に勤しんでいます、一人でもやります……だよね?」

「一人じゃ、やらないっ……」

視界の中心を占拠する美術品のような童顔が苛立ちを孕む。赤紫の瞳が鋭くなる。

「ユキ様に、見て欲しい……見て、喜んで欲しいから……一人じゃ、あんまり気持ちよくない…………嬉しく、ない」

「……この間は一人で失神するまでやってたじゃん」

「あれは多分……首絞めたから落ちた。ユキ様居なくて、さみしくて……暇で、やることなかったから」

「やっぱりそっちだったの!? 危ないことしないでよ! もうっ…………まぁ、僕のシャツ顔に巻いてたし……そっか。うん、だいたい分かったよ。じゃあ、とりあえずこっちも見て」

再び雪兎の手が布越しに俺の鼻と口の周りを躙る。ぐちょぐちょと粘着質な音が鳴り、雄の匂いで蕩けた頭がさらに蕩けていく。
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