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びょういん、じゅうに
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連続絶頂による痙攣が落ち着いて意識もハッキリとしてくるまで俺を放置した雪兎は不意に俺の目の前に手を広げた。
「おてて繋ごうか、患者さん」
「手……はい、繋ぎます」
目の前に広げられた雪兎の手は左。俺は右手でその小さな手を包んだ。
「もう片方も」
「はい……」
手の甲側から左手で包むと雪兎の手は完全に見えなくなった。俺が一人で手を組んでいるようだ。
「ぎゅーって握っててね、離しちゃやだよ」
「分かりました、離しません」
「離したら僕のこと嫌いになったのかなって思っちゃう」
「離しませんってば」
雪兎の手を包んで組んだ両手は俺自身の腹の上に置くよう誘導された。強制力のない手枷だ、何をする気かはまだ分からないが、手を動かせなくなったのは辛い。
「…………患者さん」
「ひっ……は、はい、なんですか」
吐息を多く混じらせて耳元で囁かれ、足がピクっと跳ねた。
「今から質問するから、正直に答えてね」
「は、ぃっ……」
「じゃあ、まずは……自分は淫乱だと思う?」
ポチとしてなら「はい」だが、入院患者という役に徹するなら「いいえ」だ。いや、この患者は既に性器を叩かれて何度も絶頂した、淫乱だと言っていいだろう。
「は、い。俺は……淫乱、です」
「うん、じゃあ……裏のところをごしごしされるの好き?」
「……裏筋ですか? はい、もちろん」
「先っぽにデコピンされるのは?」
額じゃないならデコピンとは言わないのでは、と普段の俺なら鬱陶しく絡むところだ。
「好き、ですっ……してください……」
「じゃあ、ゴム被せられて先っぽぐりぐりされて、せっかく出した精液戻されたりして、ぐちゅぐちゅされるのはどう? ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅしたら……ゴムの中ぐちゃぐちゃになって、気持ちいいよね」
その瞬間を思い出させる執拗な擬音語に脳がゾワゾワとする不思議な感覚を覚えた。脳を這い回る快感はゆっくりと首を下りて背に伝い、足の方へと向かっていく。
「は、ぁっ……ぁあっ……しゅき、です……」
もう何を聞かれたかよく覚えていないけれど、寒気混じりの快感は大好きだ。
「舌をきゅっと握られて、ぐにぐにされるのは好き? 僕の指がお口の中に入って、お口の中にすりすりしたりして、くちゅくちゅするのは好きかな」
「ひゃいぃっ……しゅきれしゅっ……!」
「よかった。今までやったのは好きなことだったんだね、安心だよ」
自分自身の唾液を塗り込まれた耳は非常に敏感になっていて、吐息や雪兎が話すことによる空気の振動が全て快楽に変換されてしまう、それもいつもの数倍で。
「じゃあ次はきっと服の下で弄って欲しそうに膨らんでる乳首を触ってあげようかな、尖ったところには触らずに、くるくるくるくる周りだけ弄って、焦れったくてたまんないってなったら指離すの」
「やぁ……いじわるぅ……」
雪兎と手を繋いでいなければ入院着をはだけさせて乳首を露出し、言った通りにするようねだっただろう。
「ふふ、意地悪は嫌い? じゃあ尖ったところをピンピンって弾いてあげようか。爪でお琴弾くみたいにさ……どんな音が鳴るかな? 可愛い音だよね、高い音かな? あんっ、て鳴るんだよね」
「ぁ、それっ、声ぇっ……ひっ、あ、ぁんっ……!」
俺が返事をする間も雪兎は息をする。わざとらしく細く強く俺の耳に息を吹き込む。
「でも、虐められるのがイイって言ってたよね。なら思いっきり抓ってあげようか」
「ぁあ……そんなっ、痛いのに……そんなの」
「大きく伸びちゃった乳首が僕の爪の形にへこむくらいに強く、ぎゅーって抓るんだ。充血して真っ赤になったところだもん、すごく痛いよね。気持ちいいことして欲しいよーって敏感になったのに、痛いことされちゃうね」
耳元で囁く遊びが終わったらしてくれるのだろう。そう信じて乳首を疼かせる。
「ん、ぅう……してっ、してぇ……つねって、伸ばして、痛いことしてぇ……」
「痛いこと好きなの? 変態患者さん。じゃあ、ぎゅーって抓って引っ張って伸ばした先で、ぐりぐりーって指回したらどうかな、すごく痛いよね、ちぎれそうになっちゃうよ?」
「ぁあああっ……しゅきっ、それしゅき……してっ、してぇっ、ぎゅーってしてからぐりぐりしてぇっ!」
両手で包んだ雪兎の手を強く握り、胸を反らして雪兎に乳首を突き出す。抓って欲しいと仕草でも伝える。
しかし雪兎は胸に手を伸ばすことなく、耳元で新しい俺の虐め方を囁いた。
「おてて繋ごうか、患者さん」
「手……はい、繋ぎます」
目の前に広げられた雪兎の手は左。俺は右手でその小さな手を包んだ。
「もう片方も」
「はい……」
手の甲側から左手で包むと雪兎の手は完全に見えなくなった。俺が一人で手を組んでいるようだ。
「ぎゅーって握っててね、離しちゃやだよ」
「分かりました、離しません」
「離したら僕のこと嫌いになったのかなって思っちゃう」
「離しませんってば」
雪兎の手を包んで組んだ両手は俺自身の腹の上に置くよう誘導された。強制力のない手枷だ、何をする気かはまだ分からないが、手を動かせなくなったのは辛い。
「…………患者さん」
「ひっ……は、はい、なんですか」
吐息を多く混じらせて耳元で囁かれ、足がピクっと跳ねた。
「今から質問するから、正直に答えてね」
「は、ぃっ……」
「じゃあ、まずは……自分は淫乱だと思う?」
ポチとしてなら「はい」だが、入院患者という役に徹するなら「いいえ」だ。いや、この患者は既に性器を叩かれて何度も絶頂した、淫乱だと言っていいだろう。
「は、い。俺は……淫乱、です」
「うん、じゃあ……裏のところをごしごしされるの好き?」
「……裏筋ですか? はい、もちろん」
「先っぽにデコピンされるのは?」
額じゃないならデコピンとは言わないのでは、と普段の俺なら鬱陶しく絡むところだ。
「好き、ですっ……してください……」
「じゃあ、ゴム被せられて先っぽぐりぐりされて、せっかく出した精液戻されたりして、ぐちゅぐちゅされるのはどう? ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅしたら……ゴムの中ぐちゃぐちゃになって、気持ちいいよね」
その瞬間を思い出させる執拗な擬音語に脳がゾワゾワとする不思議な感覚を覚えた。脳を這い回る快感はゆっくりと首を下りて背に伝い、足の方へと向かっていく。
「は、ぁっ……ぁあっ……しゅき、です……」
もう何を聞かれたかよく覚えていないけれど、寒気混じりの快感は大好きだ。
「舌をきゅっと握られて、ぐにぐにされるのは好き? 僕の指がお口の中に入って、お口の中にすりすりしたりして、くちゅくちゅするのは好きかな」
「ひゃいぃっ……しゅきれしゅっ……!」
「よかった。今までやったのは好きなことだったんだね、安心だよ」
自分自身の唾液を塗り込まれた耳は非常に敏感になっていて、吐息や雪兎が話すことによる空気の振動が全て快楽に変換されてしまう、それもいつもの数倍で。
「じゃあ次はきっと服の下で弄って欲しそうに膨らんでる乳首を触ってあげようかな、尖ったところには触らずに、くるくるくるくる周りだけ弄って、焦れったくてたまんないってなったら指離すの」
「やぁ……いじわるぅ……」
雪兎と手を繋いでいなければ入院着をはだけさせて乳首を露出し、言った通りにするようねだっただろう。
「ふふ、意地悪は嫌い? じゃあ尖ったところをピンピンって弾いてあげようか。爪でお琴弾くみたいにさ……どんな音が鳴るかな? 可愛い音だよね、高い音かな? あんっ、て鳴るんだよね」
「ぁ、それっ、声ぇっ……ひっ、あ、ぁんっ……!」
俺が返事をする間も雪兎は息をする。わざとらしく細く強く俺の耳に息を吹き込む。
「でも、虐められるのがイイって言ってたよね。なら思いっきり抓ってあげようか」
「ぁあ……そんなっ、痛いのに……そんなの」
「大きく伸びちゃった乳首が僕の爪の形にへこむくらいに強く、ぎゅーって抓るんだ。充血して真っ赤になったところだもん、すごく痛いよね。気持ちいいことして欲しいよーって敏感になったのに、痛いことされちゃうね」
耳元で囁く遊びが終わったらしてくれるのだろう。そう信じて乳首を疼かせる。
「ん、ぅう……してっ、してぇ……つねって、伸ばして、痛いことしてぇ……」
「痛いこと好きなの? 変態患者さん。じゃあ、ぎゅーって抓って引っ張って伸ばした先で、ぐりぐりーって指回したらどうかな、すごく痛いよね、ちぎれそうになっちゃうよ?」
「ぁあああっ……しゅきっ、それしゅき……してっ、してぇっ、ぎゅーってしてからぐりぐりしてぇっ!」
両手で包んだ雪兎の手を強く握り、胸を反らして雪兎に乳首を突き出す。抓って欲しいと仕草でも伝える。
しかし雪兎は胸に手を伸ばすことなく、耳元で新しい俺の虐め方を囁いた。
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