初夏の嘘

ソラ

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初夏

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少し涼しい風を家に入れるため窓をあけ、縁側に座る。風が風鈴を揺らす。家に住み着いた黒猫のクロに話かけながら膝に乗せ頭を撫でてやる。クロは気持ちよさそうに喉を鳴らす。すると、おじいちゃんが私の名前を呼ぶ。「桜、おはよう。ご飯にしようか。」と、私は「おじいちゃん、おはよう。うん。お腹すいた。」といい。おじいちゃんとリビングへと向かった。するとキッチンからおばあちゃんが顔を出し、「桜おはよう。さぁ、ご飯の前に顔を洗っておいで。」と言った。私は頷き、洗面所へと向かった。私が蛇口をひねろうとするとクロがお腹がすいたと足元で鳴き始めた。私は、「ちょっとまってて、直ぐに準備するからね。」といい待つようにお願いをした。するとクロは言葉がわかったのかおじいちゃん達の方へと歩いて行った。私はその間に顔を洗い、歯を磨いた。顔を拭いて鏡を見る。今日もいつもと変わらない朝、いつもと変わらない間抜けな顔。私も可愛くなれたらなぁと鏡を見ながら呟いた。ぼーっとしてるとクロが私の事を呼びに来た。「にゃー!」朝から元気だね、クロは。と言いクロの朝食を準備する。クロ用の器にキャットフードを入れ、クロの前に置く。クロは直ぐに食べ始めた。それを見たおばあちゃんは私に「さて、私達もご飯にしようか。」と声をかけた。私は頷き、ご飯を運ぶのを手伝った。今日の朝食は鮭、白米、ワカメのお味噌汁、玉子焼きだった。私は手を合わせて「いただきます。」といい。箸を持った。鮭と白米を食べよう。そう思い鮭を半分に切った時クロが机の上に乗り、半分の鮭を持っていった。あ、と思い、「私の鮭……」と言ったらおじいちゃんは笑って、「クロはよく食べるなぁ。でも桜のご飯だぞ?。ダメだろー?」と言った。するとおじいちゃんは続けて私の顔を見てこう言った。「どれ、おじいちゃんのと交換してあげよう。」私は「んーん。大丈夫だよ。ありがとう。」と言い、ご飯を食べ進める。朝食を食べ終わり「ご馳走さまでした。」と言い、キッチンへ向かった。そして、食器を洗って自分の部屋へ戻った。今日は学校があるため、制服へ着替える。髪を結び、いつものように晴輝を待つ。すると家のチャイムが鳴り、おばあちゃんが私の名前を呼んだ。「桜、晴輝君来たよ!」
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