おかえりなさいと言いたくて……
神託によって勇者に選ばれたのは私の夫だった。妻として誇らしかった、でもそれ以上に苦しかった。勇者と言う立場は常に死と隣り合わせだから。
『ルト、おめでとう。……でも無理しないで、絶対に帰ってきて』
『ああ、約束するよ。愛している、ミワエナ』
再会を誓いあった後、私は涙を流しながら彼の背を見送った。
そして一年後。立派に務めを果たした勇者一行は明日帰還するという。
王都は勇者一行の帰還を喜ぶ声と、真実の愛で結ばれた勇者と聖女への祝福の声で満ちていた。
――いつの間にか私との婚姻はなかったことになっていた。
明日、彼は私のところに帰ってくるかしら……。
私は彼を一人で待っている。『おかえりなさい』とただそれだけ言いたくて……。
※作者的にはバッドエンドではありません。
※お話が合わないと感じましたら、ブラウザバックでお願いします。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(_ _)
※書籍化作品『一番になれなかった身代わり王女が見つけた幸せ』(旧題『一番になれなかった私が見つけた幸せ』)の前日譚でもありますが、そちらを読んでいなくとも大丈夫です。
『ルト、おめでとう。……でも無理しないで、絶対に帰ってきて』
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そして一年後。立派に務めを果たした勇者一行は明日帰還するという。
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明日、彼は私のところに帰ってくるかしら……。
私は彼を一人で待っている。『おかえりなさい』とただそれだけ言いたくて……。
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