57 / 118
3回目〜5年前〜(悠)
13
しおりを挟む
「俺、今仕事で来てるんだよね。」
6階の自分の部屋まで来た。コンビニ前で1人で待たせた以外はずっと寄り添ってきた。…恋人のように。荷物を部屋に備え付けている机に置いて、食べ物を取り出す。
「どちらにお住まいなんですか?」
「…ん?…ずっと遠く。」
真人に背を向けて話す。…これが精一杯。本当は言いたい。真人が好きになってくれた「伊那村悠」だって…。今でも好き?って聞いてみたい。
「どうして俺のことを?」
ペットボトルを手に真人に向き直り、ベッドに座らせた。俺も隣に座る。
「探した…。俺、真人が好き。…気がついたんだ。真人のことを追いかけたかった…。俺のものにしたかった。」
手を握って、真人の顔を見つめる。あの時…卒業式の日に振り返っていれば、何か変わっていただろうか。この瞳は…変わらない。
『失礼ですが、お客様のお名前を伺っても…?』
多分これからもずっと変わらない…俺を虜にする瞳…。
「裕次郎さん!」
気がつくと、真人を押し倒していた。俺の下で真人が顔を隠す。ヤダ…見せて。もっと俺を見て。
「『ゆう』って呼んで…。」
「…ゆう…さん、どうして…。」
それ以上言わせないように唇を奪った。全身が満たされる初めての経験。
「真人…好き…」
真人も好きになって…今の俺を。何も明かせないままだけど、この気持ちは本物だから。
「真人…真人…」
思いを込めて、キスを落とす。真人…気づいて。真人…好きなんだ。真人…。
「もう一度…。」
初めて真人から求められて、涙が出そうだった。
口付けをしながら、真人の衣服を脱がせる。滑らかな肌…。胸から脇腹に手を滑らせると、真人の身体が小刻みに震えた。
「はあっ…ン。」
桜色の胸の尖に舌を這わせると、腰が揺れ真人の喘ぎが聞こえた。もっと…もっと聞きたい…真人の声。買ってきたローションの封を解く。強引なことをしようとしている。合意してないのは明らかだ…でも…。
脚を持ち上げて肩で支える。ピンク色した真人のソコはとても綺麗だった。解すには時間がいる。真人が俺に告白してきたからと言って、ゲイだとは限らない…。ましてや受け入れる側だとも…。でも、何となく大丈夫なんじゃないかって…感じたんだ。
指で穴の周りを探る…。柔らかい…。
『ああ。俺好きな奴いるし…。』
彼氏……いるのか…それとも…。
「あ。…ゆうさんっ!」
ローション塗れの指を2本飲み込んだ。ありえない…真人は…初めてではない。見たこともない真人の彼氏に嫉妬する…でも…。
「真人…一人でする時、ここ弄ってる?」
耳にキスを落とし一縷の望みに縋って聞いてみる。真人は、真っ赤な顔を両手で隠してしまった。
ビンゴか…。嬉しくなってちょっとだけ意地悪したくなった。
「それとも…経験あるの?」
「あ、あるわけないっ!」
両手を離して真っ赤な顔で俺を見てくる。そう、その瞳…真人…大好きだよ。
「じゃ、真人の初めて…俺にちょうだい。」
そう言って再び真人の唇を奪った。
6階の自分の部屋まで来た。コンビニ前で1人で待たせた以外はずっと寄り添ってきた。…恋人のように。荷物を部屋に備え付けている机に置いて、食べ物を取り出す。
「どちらにお住まいなんですか?」
「…ん?…ずっと遠く。」
真人に背を向けて話す。…これが精一杯。本当は言いたい。真人が好きになってくれた「伊那村悠」だって…。今でも好き?って聞いてみたい。
「どうして俺のことを?」
ペットボトルを手に真人に向き直り、ベッドに座らせた。俺も隣に座る。
「探した…。俺、真人が好き。…気がついたんだ。真人のことを追いかけたかった…。俺のものにしたかった。」
手を握って、真人の顔を見つめる。あの時…卒業式の日に振り返っていれば、何か変わっていただろうか。この瞳は…変わらない。
『失礼ですが、お客様のお名前を伺っても…?』
多分これからもずっと変わらない…俺を虜にする瞳…。
「裕次郎さん!」
気がつくと、真人を押し倒していた。俺の下で真人が顔を隠す。ヤダ…見せて。もっと俺を見て。
「『ゆう』って呼んで…。」
「…ゆう…さん、どうして…。」
それ以上言わせないように唇を奪った。全身が満たされる初めての経験。
「真人…好き…」
真人も好きになって…今の俺を。何も明かせないままだけど、この気持ちは本物だから。
「真人…真人…」
思いを込めて、キスを落とす。真人…気づいて。真人…好きなんだ。真人…。
「もう一度…。」
初めて真人から求められて、涙が出そうだった。
口付けをしながら、真人の衣服を脱がせる。滑らかな肌…。胸から脇腹に手を滑らせると、真人の身体が小刻みに震えた。
「はあっ…ン。」
桜色の胸の尖に舌を這わせると、腰が揺れ真人の喘ぎが聞こえた。もっと…もっと聞きたい…真人の声。買ってきたローションの封を解く。強引なことをしようとしている。合意してないのは明らかだ…でも…。
脚を持ち上げて肩で支える。ピンク色した真人のソコはとても綺麗だった。解すには時間がいる。真人が俺に告白してきたからと言って、ゲイだとは限らない…。ましてや受け入れる側だとも…。でも、何となく大丈夫なんじゃないかって…感じたんだ。
指で穴の周りを探る…。柔らかい…。
『ああ。俺好きな奴いるし…。』
彼氏……いるのか…それとも…。
「あ。…ゆうさんっ!」
ローション塗れの指を2本飲み込んだ。ありえない…真人は…初めてではない。見たこともない真人の彼氏に嫉妬する…でも…。
「真人…一人でする時、ここ弄ってる?」
耳にキスを落とし一縷の望みに縋って聞いてみる。真人は、真っ赤な顔を両手で隠してしまった。
ビンゴか…。嬉しくなってちょっとだけ意地悪したくなった。
「それとも…経験あるの?」
「あ、あるわけないっ!」
両手を離して真っ赤な顔で俺を見てくる。そう、その瞳…真人…大好きだよ。
「じゃ、真人の初めて…俺にちょうだい。」
そう言って再び真人の唇を奪った。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる