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【閑話】男子高校生たちの日常見ちゃいました。
【閑話】とある男子高校での会話(男子高校生たちside)
しおりを挟む男子高校生たちside
ある日の昼下がり。ここは田舎にある全寮制の男子高校。庭園のこじんまりとした東屋に、男子高校生5人が集まっていた。
全員が同じクラス。よく一緒にいる仲間だ。
儚げ美人の文学少年、早川有紀。
バスケ部エース、スポーツイケメン、藤原涼介。
腹黒眼鏡の冷静沈着イケメン、佐々木零次。
成績普通だけど何となくアホの子、佐藤皐月。
マイペース和風男子、一ノ瀬泰親(いちのせ やすちか)。
今はちょうど昼休みの時間だ。早々に昼食を食べ終わった5人は、それぞれ好きなように話を始める。
「なー。お前ら二人って、やっと付き合い始めたのか?」
皐月がポヤポヤした雰囲気をぶった切る。
ビクッと勢いよく有紀の肩が跳ね上がり、顔を耳まで赤くしている。
友人3人は、有紀の初々しい様子に、ニヤニヤと人の悪い笑みを浮かべた。
「ああ、そうだよ。」
さらりと、当然のような顔で涼介が答える。
友人たちは『やっとか……。』と内心で呟いた。
友人たちから言わせると、この二人が付き合うのは時間の問題だった。
涼介は入学当初から、有紀に近づこうとしている奴らを徹底的に牽制していた。
もう、周囲には有紀への好意を隠していなかった。
有紀は鈍感だから、そんな涼介の様子には全然気づいていなかったけど。
有紀も涼介のことを何かと気にかけていたし、友人たちからすれば相思相愛だった。
焦れったくて早くくっ付けよ、と思っていたのは黙っておく。
「だから、手出すなよ。」
涼介が有紀の肩に手を回してぐいっと自分の方へ引き寄せた。
もう、有紀の顔は真っ赤で、黙ってうつむいてしまった。
(うわ~~、かっわいい。)
初心な反応をする有紀を、友人たちは生暖かい目で見ていた。
「へいへい、分かったよ。おめでとさん。蜂蜜吐きそう。」
皐月は辟易した感じで、手をヒラヒラさせていった。
「そういう佐藤はどうなんだ。夏休み以降、アホな子が色っぽくなったって話題だぞ。」
とうとう色気づきやがったか、とクラスのみんなは面白がっている。
零次に鋭い指摘を受けた皐月は、ギクッと身体をこわばらせた。
目を泳がせている。
「いや……、その……まあ。」
「どうせ、祥真さんだろ?文化祭のとき、俺たち牽制されたもんな。」
泰親がグサリっと思いっきり攻撃をかました。
ギクギクっと面白い程、皐月の身体が飛び跳ねる。顔はもう、茹蛸になっていた。
「ちっ、ちげーし!!ショウ兄とはなんもないし!!」
慌てふためいているし、どもった口調で言われても信憑性がない。
友人たちは、以前文化祭で皐月の兄、佐藤祥真と顔を会わせていた。顔は笑ってたけど、『弟に手を出すな。』という威圧が凄かった。
皐月本人は、全く気がついてない。
(この話題ふったら、自分にも反ってくるって分かるだろうに。皐月はやっぱりアホの子だ。)
友人4人は、皐月の通常運転なアホにほっこりしている。
「色気が凄いと言えばさー、生物のひな先生、最近ヤバくないか?」
有紀の肩を抱いたまま、涼介が紙パックのジュースを飲みながら言った。
「もともと綺麗な人だったけど。なんていうか、美しさが3倍増しみたいな?」
もう、肩を抱かれた状態に慣れた様子の有紀が、うーんと考えながら呟いた。
「あんなに綺麗だと、ひな先生もっと狙われるよ。ただでさえ、ひな先生目当てで、教育実習うちの学校希望する卒業生、多いんでしょ?」
心配そうに有紀は言ったが、フンっと零次が鼻で笑った。
「あっさり撃沈するんじゃねえ?……ていうか、ひな先生、本命いるから。」
そう言うと、零次は魔王のような腹黒い笑みを浮かべた。
『まあ、他に靡いたらその分躾けるけど。』と本当に小さな声で言った言葉を、友人たちは聞き逃さなかった。
イケメンの悪い微笑みって、めっちゃ怖い。
(うわっ……。ひな先生、御愁傷様。)
友人4人は、ひな先生の身を案じて心の中で手を合わせた。
そして、これ以上深く聞かないことにした。
「そういえば、祥真さんと俺の兄貴が夏休み会ったって言ってたな。」
泰親が思い出したように、話し始める。
「ああ、そっか。俺の兄ちゃんと、一ノ瀬のお兄さんって同じ大学か。でも、一ノ瀬の実家って大学から遠くなかったっけ?お兄さん、よく実家から通ってんな。」
茹蛸から復活した皐月が、泰親に問いかける。
「ああ。だから、夏休み中に兄貴が大学近くのアパートへ引っ越した。俺も引っ越し手伝ったんだけど……。」
勿体ぶったように、そこで泰親が言葉を切った。ほんの少し間をおいて、また話始める。
「その兄貴が契約した部屋、駅にも徒歩圏内だし、中も綺麗で良い物件なんだけど、家賃がおかしいくらい格安なんだ。それで、気になって兄貴に聞いたら……。」
「前の住民の気がおかしくなって、1か月も経たずに出ていったらしい。なんでも『部屋の照明が勝手に消えたり付いたりする。』とか『窓が勝手に空いた。』とかさ。」
「いやいや、前の住民の嘘だろ。それに、そんなヤバい部屋、不動産会社が貸さないんじゃね?」
涼介が扱く全うなことを言っている。友人4人も同意して頷いていた。
「それが、様子を見に来た不動産屋の目の前でも起こったらしい。一応、お祓いは済んだみたいだから、部屋を貸すことにしたんだと。」
「へえ。」
零次が興味深げに相槌を打つ。
「でも、さすがに一般人に貸すのは躊躇うだろ?だから、霊とか視える兄貴が、格安で契約することになった。うちの実家は神社だ。俺の先祖も有名な陰陽師らしい。そのせいか、俺の兄貴も霊力が強くて視える人なんだ。兄貴に生活をしてもらいながら、異常がないか視てほしいって。」
こともなげに、泰親が言う。
「俺、引っ越しの手伝いしたあと、その部屋に泊まった。」
全員が一斉に、泰親のほうを向いた。
「マジか。どうだった??」
皐月が続きを聞きたくて、うずうずしている。
ほかの3人も固唾を飲んで、聞き入った。
「全然、なにも起きなかった。」
泰親が両方の手の平を上に向けて、ヒラヒラとした。
「なんだよ。オチがねえじゃねえか。」
皐月はがっかりと言う感じで、ツッコミを入れた。
「まあな。兄貴にも聞いたけど、その部屋にいる地縛霊は無害ぽいって。俺が泊ったときも、ベランダで大人しくしてたってさ。なんか可愛いやつらしいよ。」
紙パックのコーヒー牛乳を、ストローで吸って泰親が喉を潤す。
「……………マジ?」
しばらくの静寂のあと、顔を引きつらせた皐月が一言聞いた。
「兄貴が大丈夫って言ってるから、大丈夫だ。」
うん、うんっと一人納得して頷く泰親に、友人4人は呆気に取られている。
(えっ……。マジでいるの?)
まだ、残暑が厳しい蒸し暑いころ。
今日も男子高校生たちのくだらない会話が、授業の予鈴まで続いていく。
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