30 / 61
『幽霊だけど、姿を見られちゃいました。(ついでに触られてます。)』
ちゃんと触ってください。※
しおりを挟むすごい。キスが気持ちいい。
章親の体温が暖かくて、その暖かさが自分に溶け合って混ざるような感じがします。
柔らかなキスに夢中になっていると、下唇をはむっと唇で挟まれます。
くすぐった感覚に、僕はうっすらと唇を開いて吐息を漏らしました。
そのほんの僅かな隙間から、するりと舌が入り込んできました。
「ふぁ……、あっンん!」
下は一気に歯列を割って、上顎をくちゅりっ、と舌先で刺激してきます。
散々、上顎をツンツンっとノックしたあとに、そのまま口腔内を貪るように舌が動いて、性感帯を暴いていきます。
章親の舌が、僕の舌に触れた瞬間、小さな電流が走ったような、ピクリっとする快感が身体を流れました。
「んむっ、んん!」
驚いた僕は、章親の舌を押し返そうと自分の舌を伸ばしました。
その舌は、僕の思うように動いてくれず、逆に章親の舌に絡めとられてしまいます。
くちゅりっ、ちゅくっ、ちゅぱ
舌を軽く吸われて、また絡めとられて。
痺れる感覚と、少しざらりとした肉厚な熱、
イヤラシイ水音。
飲み切れない唾液は、僕の顎を伝っていきました。
口腔内を貪られるような口づけで、もう息も絶え絶えです。
「っ!!っんっ、んぁ、ンっ!」
ぐっと、下半身に章親の膝が押し当てられたと思うと、ぐいぐいと僕のモノを膝で押し上げてきます。
唇は貪られたまま、強制的に快感を引き戻されました。
さっきまで、もどかしい熱を感じていたそれは、章親の足でまたすぐに硬さを増しました。
ぐりっ、グイっと押し上げられるたび、ビクついてしまう身体。
服の生地と章親の膝で擦れ合って、強引な膝での愛撫が、その性急さがぞくぞくっと興奮を煽ります。
他人に与えられる愛撫は予想が出来ません。
不意を突く刺激が、鋭利な快感として全身を襲ってきます。
「ぷはっ!んああっ!!」
貪られていた唇がやっと解放されて、文句を言ってやろうとした言葉は、意味のない音にしかなりませんでした。
左胸の突起の周りに、ねっとりとした感触が這って、ぺろっと舐められました。
…そこはだめ……。
さっき章親に弄られ過ぎて、もう敏感でだめです…。
でも、章親は敏感な突起を舐めてくれません。
左右の胸の、突起まわりの皮膚が薄い部分を舐めてくるけど、肝心の敏感な突起に触れてくれない。
股間を足で服の上からグイグイ押し上げて、
胸は突起の周りだけぺろぺろと舐めまわして…。
ひどい。
ひどいよぉ…。
ちゃんと、小さい声だったけど、
さっきお願いしたのに…。
……章親のイジワル…。
章親がそっと胸から顔を離して、僕の顔を覗き込みます。
僕は、身体を弄ばれて、焦らされて、景色は少し滲んで頭はぼんやりしています。
章親の端正な顔立ちが近づいてきて、右耳にふぅっと一息吹きかけられました。
はうっと身体をビクつかせて身を捩ります。
「………咲弥、どうした?」
耳元で囁いてきた章親の声は、いつもより低くて。
腰に響く声とは、こういう低くて誘うような声を言うのだと、僕は初めて知りました。
分かっているはずなのに、また、僕に言わせようとするのが意地悪です。
悔しくて、下唇を軽く噛んで黙ったまま、章親を睨みます。
「……咲弥はどうしてほしい…?素直に言えたら、とびっきり気持ち良くしてやるよ?」
僕にさせようとしていることは鬼畜なのに、その声は優し気に僕に問いかけます。
声の裏には、興奮と加虐心が見え隠れしています。
目は興奮でギラついてるのに、目元は細められて慈しむようで。
__快感の甘露に僕を浸す、誘惑の囁きです。
顎を掴まれて、噛んでいた下唇を親指でそっと撫でられます。
言葉を促す様に、何度も唇を優しく擦られて。
その、唇を触る感触さえも、もう僕には熱にしかなりませんでした。
「______さわ…て……。」
唇は小さく震えて、言葉を紡ぎます。
これを言えば、僕はもう、逃げられません。
「………どこを?どうやって?」
うぅ……。恥ずかしくて死にそうです。
でも、言わないといつまでたっても、焦らされたまま。
この辛い熱の疼きから解放されません。
「~~!!……ぼ…くの、ちん●と、…ちくび、…ちゃんと、さわってよぉ…。」
こんな淫乱なこと、人生で言ったことなんて一度もありません。
もう、恥ずかしくて、頭から熱が全身にぶわっと溢れていきます。
顔なんて真っ赤なはずです。
羞恥とパニックで目からは涙がポロポロ出て、止まりません。
溢れる涙をチュッと、章親が唇で吸い上げます。
頭をぽんぽんとされて、そっと髪を撫でられまました。
「…ごめんな。咲弥があんまり可愛いから、いじめ過ぎた。」
チュッ、チュッと優しいキスが、目じり、頬、鼻とたくさん降ってきました。
その優しいキスに、少しだけ落ち着いてきます。
「……咲弥。好きだ。好きで仕方ないんだ。」
唇にチュッと啄むだけのキスを一度だけされ、ぎゅっと優しく抱きしめられます。
ほんの少し、掠れたような声で言われた言葉は、切実で。
ちょっとだけ、泣きそうな声だったような気がしたのは、気のせいでしょうか。
ずっと一人で、寂しかった心が、ゆっくりと温かなもので満たされていきます。
うれしい。
僕だって、章親が好きです。
友愛ではありません。恋愛の『好き』です。
今日も、本当は身体を触られているとき、戸惑いもあったけど、嬉しさのほうが勝っていました。
だって、好きな人に触られていたんですから。
彼女がいないことに、ほっとしていました。
いつも頭を撫でてくれる手に、ドキドキしていました。
時折見せる、子供みたいな笑顔とか、甘えてくるような仕草が愛おしくて。
抱きしめられている夜は、いつも幸せでした。
でも、僕は幽霊です。人間ではありません。
恋をしても実らない。
いや、実らせてはいけないんです。
章親の将来のことを思うと、僕という存在が彼の人生を捻じ曲げてしまいます。
今だって、抱きしめられている手を、本当は拒まないといけません。
こんなに幸せで満たされているというのに。
一緒にいることができないという現実が、
切なくて、悔しくて。
どうして、僕は生きている間に、
章親に出会えなかったのでしょうか?
少しだけ、このときだけ。
わがままを言ってもいいかな。
「章親…。」
「………ん?」
名前を呼ばれた章親が、僕から少し身体を離して、伺うように目を合わせてきます。
僕は、章親の滑らかな頬を両手で包みこんで、チュッと口づけました。
驚きで目を見開いて、少し幼くなった章親の顔が愛おしくて。
僕は自然と微笑みを浮かべました。
「…もっとちゃんと僕のこと触って?僕のこと……、抱いて?」
この一晩だけ、僕をあなたの恋人にしてください。
もうそれだけで、僕は幸せです。
僕の顔を見た章親は、ぐっと何かを堪えるような表情をした後、さっきよりも強い力で僕をぎゅうっと抱きしめてきました。
「………優しくする。」
さっきの意地悪な雰囲気はどこかに去って、縋るように僕の身体を抱きしめる身体は、震えていました。
優しく服を脱がされて、僕は全裸でベッドに押し倒されました。
鎖骨から、胸、脇腹と、柔らかな唇が肌を伝って、時々チクリと小さな痛みを残していきます。
太腿を右手で持ち上げられて、内ももにチュッと唇を当てられました。
「んんっ、あっ!」
皮膚が薄いそこは、吸い上げられるたびに甘い声が漏れてしまいます。
両足は、太ももの裏を章親の両手に抑えられて、左右に広げられています。
章親の顔のすぐ近くに、僕のすっかり硬くなってしまったモノがあるのが恥ずかしくて。
僕は口を左手の甲で押さえながら、右手で自分のモノを隠していました。
内ももを舐めあげていた唇が、モノを隠していた僕の右手にチュッとキスをします。
そのまま、指を唇で食まれて、指と指の間を舌で舐めあげられます。
「…あっ…、やぁ…」
指と指の間には隙間が出来ていて、そこから僕の竿を指と一緒に舐めてきました。
ぴちゃっ、ぴちゃっと、ミルクを舐めるような音が聞こえてきます。
その音はイヤらしくて、しかも、章親にされているということが、僕の性感をジワリと犯していきます。
力の入らなくなった僕の右手を、章親の左手が絡めとって、ぎゅっと握られました。
「……隠すなよ。声も我慢するな。……咲弥の全部が欲しい。」
下からまっすぐと見据えられて、興奮している章親の瞳と目が合いました。
章親の荒い呼吸が、太ももに当っています。
僕を欲してくれて、興奮してくれている彼が、愛おしくて。
「………うん。」
羞恥で顔は真っ赤ですが、僕は素直にこくんっと頷きました。
唇を覆っていた左手は、ベッドのシーツに沈めて。
右手は、章親の左手をぎゅっと握り返しました。
俺がぎゅっと手を握ると、章親は綻ぶように嬉しそうに微笑みました。
顔がそっと、健気に立ち上がっている僕のモノに近づきます。
「っぁあ!…あっ、…ふぁ、やぁ…っ!」
熱くてねっとりとしたものに、僕のモノは包まれました。
待ちに待っていた直接的な快感。
それも、柔らかくて熱い口の中。
口腔にモノを含まれたとき、僕はあまりの快感に身体を仰け反らせてしまいました。
口に含まれたまま、肉厚な舌が敏感な筋を下から上へと舐めあげていきます。
舌先で、ぺろぺろと何度も舐められて、舐めあげられるたびに面白い程、身体がびくっ、びくっと跳ねてしまいます。
しばらく筋を虐められて、章親の左手が竿を優しく握りこんできました。
そして、ゆっくりと顔と右手を上下に動かしてきます。
じゅぶっ、じゅぽ、ちゅぱっ
「あっ、あンっ、…ふっ!…あぁっ…」
口を窄めてモノを吸い上げながら、右手は竿の部分を扱いてきます。
舌は敏感な筋に沿わせて、吸い上げるときに舌先で刺激されます。
こんなのだめ…。気持ち良すぎる…。
内ももはカタカタと震えて、繋いでいる僕の右手は変に力が入ってしまっています。
竿を吸って扱いていく動きが、どんどんと早くなっていきます。
章親が僕を昇りつめさせようとしてくるのが分かります。
絶頂が、もうすぐそこまで押し寄せていました。
「…あき…ち、か…。イ、ちゃうっ……!は、なっ…してぇ!」
このままでは、章親の口に出してしまいます。
蕩けている頭でも、僕の理性が『それはだめ。』と言っています。
「……いい。そのまま、イケ。」
興奮して低く掠れた声が聞こえて、はぁあ、と熱っぽい吐息が漏れる音が聞こえました。
筋の部分に左手の親指を添わせて。
一番敏感な先端の穴に、舌先がツンっと少し入り込んできました。
竿は左手で包みこまれたまま、
親指で筋を下から上へ擦り上げられ、
先端の穴に入りこんでいた舌が、
ぐりっと敏感なそこを抉りました。
ぐりっ、ぐりっ、ちゅううっ
ダメ押しとばかりに、穴を抉られたあとに先端を吸われました。
「っあ、やぁあ!っ!あぁぁああっ!!!」
僕の先端から、ビューっとした粘性のある液体が放たれました。
瞼の裏はチカっと火花が飛んで、今までに感じたことのない絶頂の波が身体を襲いました。
ビクンっと背中を反らせて、腰は自然と上に持ち上がってガクガクと震えています。
自分のモノを口に含まれたことなんて、今まで一度もありません。
というか、僕は女の人との経験もありませんでした。
だから、この強烈な絶頂の快感は味わったことが無くて。
それなのに、章親はすべてを搾り取るように、絶頂に達した僕のモノを左手で数回扱いて、先端をちゅうっ、ちゅうっと吸い上げています。
「あぁっ!やぁ、ゃあ……。」
章親に吸い上げられたせいで、達して敏感になっていた僕のモノは、びゅっ、びゅっ、びゅっと白濁の残滓を数回出しました。
白濁が敏感な穴から出る度に、僕の身体はビクビクと跳ねます。
残っていた白濁も章親の口の中に、全部吐き出してしまいました。
ゴクリと喉の鳴る音が下から聞こえて、僕は慌てて下を見ます。
右手を顎に当てて、親指を口の端に添えて顔を上げた章親。
親指が添えられた口の端には、飲み切れなかった白濁が伝っていました。
章親は、僕に見せつけるようにチロリと赤い舌を出して、勿体なさそうに白濁を舐めとりました。
「…甘い。」
~~っ!!!
「…そんなの飲んじゃだめ!えっち!へんたい!」
ワザと僕に、白濁を舐めとるのを見せつけて。
もう、恥ずかしくて、逃げたい。
右手はがっちりと章親の左手に握られて、抵抗できません。
だから、ぼんやりした意識でヤケクソ半分に、語彙力のない言葉を投げかけます。
僕の恥ずかしがって暴れている様子に、クスクスと章親は笑っています。
「いまさらだな。……それに、咲弥の全部を、くれるんだろ?」
12
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる