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第3章 王国開拓【改造】

第37話 はったりかます

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 現在、領主の要塞にて俺とその後ろにはリラメイド長がいた。
 ジーバ執事長は現在フレイヤの警護に当たっている。
 
 目の前にはアララスタ王国王子とその母親の妃と親父を殺したバロン将軍がいた。
 俺は怒りを表さないように冷静に勤めながら。

「僕はアララスタ王国、いえ、もうなくなりましたのでアララスタ領地領主デスニアと申します。この度はバナレス将軍の勝手な行いが元で」

「デスニア王子もご苦労です。わざわざ親父を殺したバロン将軍を連れてくるんだから」
「はい、申し訳なく」

「これは戦争だ」

 バロン将軍が叫んだ。

「友ではなかったのか」
「たった10人の被害で戦争を終わらせた貴殿なら分かるかと思いますが戦争なら何をしてもいいです」

「そもそも戦争は終わり、親父は和平交渉に行ったはずだが?」
「戦争は終わりません」

「そうか、なら、戦争はここで終わりにしよう」

 俺は剣を引き抜いた。
 レベル300とスキル【倍速】を使用し、バロン将軍の首元に突きつける。

「いいか、次やったら、いやもうやれないか、心操作がないのだろう、王子、妃あなたたちはバロン将軍に【心操作】というスキルで操られていました」

「とんだ言い草だ」

「墓場の団長が教えてくれましたよ、心辺りがあるのではないのですか?」

 デスニア王子と妃は頷く。

「それでもバロン将軍を側近にしますか? 安心してください、バロン将軍は一つもスキルを習得していません」

「いつの間にか消えていて、1金貨だけ懐に入っていた」

「それは墓場の団長が買ったからです。あなたのスキルを」

「ふざけるなああああ」

「今のあなたは何も出来ない」

 突然デスニア王子が告げた。

「今日よりただのバロンだ。もう近づくことは許さん」

「お、王子、それだけはやめてください」

「切裂きジャック門まで案内してあげなさい」

 するとここまで彼等を案内していた切裂きジャックが嬉しそうに答えた。

「では、こちら、へ」

 切裂きジャックの殺気に負けて、一段と老人に近づいたバロン将軍はジスタラン王国の門から追い出された。

「話は戻ります。あなたの意見を聞きましょう」

「はい、アララスタ領地はなくなり、他の領主達は領主の座を降りてあなたの領地と統合しています。このアララスタ領地もお願いしたいのです。もちろんデスニア王子としての座はなくなり、ただのデスニアになります」

「それでよろしいかと俺はここアララスタ王国を一つにまとめ上げるのが夢だったのです。それが叶えられて良かった」

「そ、それと」

「デスニア、言いたいことがあれば言うのよ」

 妃が即す。

「この国はとても楽しそうです。それが広がるだけでもうワクワクが止まらない、僕は、僕は今ここに暮らしたい、どうでしょう、しばらく僕をここに雇ってくれないでしょうか、事務仕事くらいなら出来ます」

「それなら助かる。リラメイド長だけだと手に負えなくなってきた。ジーバ執事長は色々と多忙でな」

「はい!」

「デスニア、私はアララスタ領地の者に説明をしてくるわ、十分ここで楽しみなさい」

「ありがとうございます母上」

 デスニア、黄色い帽子を被りながら、小柄な衣服で高そうではない、質素な感じでどことなく路地裏にいそうな子供という感じ、上品な方の。

 デスニアの職場、領主の砦の部屋に案内すると。

「それにしても一瞬で砦に変身するなんて変身魔法でも使ったのですか」

「そういう訳ではないよ、ただのはったりでやってみただけさ」

「は、はったりですか」

「結構木材とかの資材が消滅したのは痛かったけどな、また交易やら伐採やらでなんとかなるだろう、ここらへん木々少ないから、隣の領地のギリギリラインでやってるんだよ伐採、自動的にね」

「凄い」

「後は拾って集めるだけ、凄いだろ、えっへん」

 俺は威張り散らしながら。

「この部屋さ、面白いんだよ」

 中に入ると沢山の映像版が浮かんでいる。
 その数100を超える。

「これオーディンの世界共鳴と繋がっててさ、今まで俺は1つの共鳴先までしか見えなかったけど、これなら同時に沢山の共鳴先が見える。ふっふっふ、皆の働きぶりが見えるぞ」

「お、恐ろしい方だ」

 デスニアがびくびくしながら。

「まぁ、ここで楽しむと良いよ、色々とあるし、俺は今からガチャ回数を増やす為に訓練を開始しないといけなくて、そうだデスニア強くなりたいならこの国の訓練場みたいな事務とか色々活用した方がいい、レベルが上がるから」

「そうですね、今の僕のレベルは10ですから」

「がんばりたまえ、それでは! 仕事内容はリラメイド長から教わってくれ」

「はい」

「良いのか、バロン将軍を殺さなくて」

 突然現れるEND師匠。

「ああ、良いんですよ」

「それで痛い目を見ただろう」

「だが、あそこでスキル無しのあいつを殺したら俺は相当な卑怯者ですよ、親父に笑われます」

「まぁ、そうだが、さて、訓練の時間だな、気になる訓練場があるんだが」

「ほう」

「異世界体験マシーン(経験値×100%)だが皆訳が分からず使っていない。1台しかないが、100名まで参加できるそうだ」

 俺はそれを聞いて、心の底からやってみたいと思った。



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