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冒険の旅
王都散策
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王城を後にした私は、門番にお勧めの料理屋は無いかと尋ねようとしたのだが、どうやら謁見室を覗いて居たらしく、畏怖の念を表情に現わしてドモって後ずさりしながら話し出すので何言ってんだかサッパリ解らなかった。
こんなに小さくて可愛いのに、解せぬ。
仕方ない、捕縛する気も無い様だし、好きにさせて貰おう。
そう言えばさっきマカンヌと鬼ごっこしてた時に頂いた肉串とか、わりと美味かったな、市場街に行って見ようかな。
あぁ、でもその前に冒険者ギルドに顔出しとくか。
----
冒険者ギルドは、やはり大型地下解体場を作る兼ね合いが有るらしくて街門近くにあった。
ギルドの戸を開けると、毎度のテンプレで中に居る冒険者達の視線が一気に私に注がれる。
まぁ大概は一瞬の事で、視線は外れて行くのだけど、今日は初めてのギルド、相手からしたら一見の少女が入って来たようなものだ。
「あ、エリーさんですね、デルタからの情報が入って居ります。 ようこそ、冒険者ギルド支社グローリー王国本部へ。」
ん?支社で本部?
って事は本社は別の国に有るって事? まぁいっか。
「って事はアンタは?」
「はい、私はサリ―シリーズ、イプシロンと申します。」
「って事はあっちの方がお姉ちゃんって認識で良いの?」
「まぁ、人間でしたらそう言う認識なのだと思います、ただ、製造日は一緒になりますので個体識別の為の名称ですね。」
「ああ、そう言うアレなんだ。
あんたはデルタみたいな残念賞じゃ無い事を願ってるよ。」
「デルタはアレが仕様なので諦めて下さい。」
「って投げやりだなぁ。」
「私は割と口が悪いと良く言われます。」
「成程そう言う仕様なんだね。」
「それでお呼び立てした理由ですが、ギ「ギルマスがちょっと面かせって言うアレだろ?」」
かぶせて言ってやったら・・・なんかぷっちーんって言う音が聞こえた気がした。
次の瞬間・・・
「人の話の腰折ってんじゃねぇぞこの阿婆擦れが!」
うわおっ! 口が悪いってよりもガラ悪いレベルだぞこれ!
「ああごめんごめん、ゆ・る・し・て・ね?」
威圧しながら言って見たら、掌返して来た。
「いえ滅相もありやせんあねさん!」
何処のヤクザだおい・・・
これはサリ―シリーズの他の個体に会うのが今から楽しみだわ。
「んじゃギルマスに会いに行きましょうか。」
「はい、此方です姉さん。」
「その姉さん言うのやめてね。」
--------
「ああ、済まないね、わざわざご足労頂いて。」
「いえいえ、お気になされずに。」
「私はここのギルドのマスター、ミレーヌってもんだ。」
女性がギルマスで少し驚いたけど、鑑定して見たら結構な強さだった。
「お呼びになられた程なので必要無いかとは思いますが一応自己紹介を、私がエリーです、よろしく。」
「ガンダルフから色々聞かされては居たが、本当に子供なんだね、未だ。」
おお、そうか、ギルマスの名前はガンダルフだったっけか、人の名前憶えるの苦手なんだよな。
「いえ、子供では無いですよ? 体はそうですが、私は転生して来て前世の記憶を有して居るので、前世で735歳だったので貴女よりずっと年上て事に成りますね。」
「ああ、それも聞いてる、本当に驚かされたよ、ハイエルフかなんかかって疑いもあるらしいね。」
「ええ、まぁ(笑)」
「しかしまぁ、あのバカも治して貰ったらしいじゃないか、ありがとうね。」
「ん? ガンダルフさんと仲が良さそうですね?」
「元々あいつ等とパーティー組んでたんだよ、ガンダルフとその妻に収まってるファー、私の他にもう一人、あの時に亡くなっちまったが、タンク役のジェイと4人でな。」
タンクがやられて薬師のファーさんが薬を投与しに行ってしまってそれをポイントゲッターのミレーヌさんとガンダルフさんがサポートしに入って行って突然急激な身体強化がガンダルフさんに発現してタイミングが悪すぎた為に足を壊したって事らしい。
あまり過去を話したがらないおっさんだったからこれで話が見えたよ。
で、多分このミレーヌさんとファーさんは二人ともガンダルフが好きだったと言う事なんだろうな。
多分この人今でも好きなんだろうね。
「ふぅん、良い話が聞けました、あっちに帰る事があったらからかう良いネタが出来ましたよ~。」
「ところで、噂には聞いたけど、あんた魔法を作ったって?」
「ええ、こんな風に?」
と、指先にライター波程度の火を出す。
「はぁ、回復魔法も作ってるって聞いたよ?」
「ええ、作っちゃいました。」
「そんな技術が当時あったらあんな事には成らなかったんだろうけどねぇ、おしい事だ。」
「うーん、もっと前に私が居れば助かったのかも知れません、ごめんなさい。」
「それは少し自信過剰すぎやしないかい?」
「いえ、そんな事は有りませんよ? 魔法よりも以前に、体内の魔素を体内で消費して身体能力を上げる方法も見つけて居るし、欠損が有っても義体で補う事が出来るのだから。」
「はぁ、その自信は伊達じゃ無いって? やれやれ、とんでもない大賢者様だよ、あんた。」
「ホント、あの阿保神がもっと早い時代に私を転生させたら良かったんだよ、全く。
私なら全身義体で何百年だって生きて行けるんだからさ。」
「全く出鱈目な奴みたいだねぇあんたは、でもまぁ、過ぎた事は眩んでも仕方ないさね、所でB級に昇格する気は無いのかい?」
「全く無いよ、好きに動けなくなるし。 じゃあ今日は顔繫ぎだけだから、またね。」
こうしてギルドを出た私は、先ずは恐らく最大規模では無いかと思われる市場街へと向かった。
「おや、さっきのお嬢ちゃんじゃないか、お姉さんとの鬼ごっこは終わったのかい?」
「あはは、おばちゃんさっきはありがとう。
さっき美味しかったからもう一本ちょうだい。」
肉串を一本購入して、さっきはしっかり堪能できなかったのでしっかり味わって頂く。
成程、流石はこの国の最大の都市と言う所なのだろう、先ず、使って居る塩が、これまでは内陸と言う事もあってか、岩塩が主流だったのだが、ここでは藻塩のような物を使って居た。
きっと海岸線の街とかからの物資の流入も豊富なのだろう。
成程、これはいいお出汁が効いてて美味しい訳だ。
おばちゃんにもう一度美味しかったと挨拶をして、更に市場街を奥へと散策して行く。
すると、何やら懐かしい香りが漂ってきた。
まさかっ!これは味噌では無いのか???
まぁ、大豆が有る事は世界中に飛ばした情報収集用ナノマシンが確認して居るので有るんじゃないかとは思っては居たが、あのナノマシンは加工品までは探して来ないのが玉に瑕なのだ。
そのまま香りに誘われるままズンズン奥へと進んで行くと、
市場の最奥の方の片隅に何故か肩身狭そうに小さく開いている店に、お目当ての味噌は有った。
「あった、やっと見つけた、味噌ぉぉぉ~~~!!!」
「お嬢ちゃん、こいつを知って居るのか?」
「知ってるも何も、探してたんだよ~。」
「そうか、良かった、やっと売れる。」
「売れなかったの?」
「ああ、全く。」
「凄いじゃん、白糀味噌に西京風白味噌、八丁赤味噌に信州赤、白味噌、麦味噌、もろ味噌迄あるじゃん!
お兄さんは味噌専門の人なの?」
「それがな、西の海を渡った先にある小さな島国の品を取り扱って居るんだが、なかなか受け入れられなくてな、これだけは匂いが受け入れられなくて売れ残ってたんだよ。
他にもインパクトの強い品が数点あったんだが傷んでしまって廃棄もする羽目になった。
雇い主の親方に全部売るまで帰って来るなと言われてしまって、困ってたんだ。」
えぇ~、東の島国って言われると思ってたのに西なんだ・・・
ここってアメリカ大陸的な所なのかね?
そしてよく見回せば鰹節や出汁昆布に、お醤油や干しシイタケ迄あるじゃないか。
隅の方には山椒や乾燥させた柚子の皮迄ある、七味だって作れそうだ。
「お兄さん、私がこれ全部買い取る、それで、教えて欲しいんだけど。」
「なんだい?」
「その島国の特産物って、もしかしてお米とかもあるの?」
「済まない、俺はこっちで売り子として雇われたので詳しい事は知らんのだが、お米?
それはどんなもんだ?
梅っつー木の実を干して漬けた物とか、海藻を干して薄い紙のようにした海苔っつーのとかは売ってたけども。」
何だとぉっ!梅干しと海苔だとっ!?
「お兄さん、それって売れちゃったんだよね?」
「いや、あまりに売れないもんで痛んじまって廃棄したよ、勿体ねぇ。
まぁ、うまい物とは思えなかったけどな、俺自身。」
そりゃ梅干しは酸っぱいし海苔も食べ方知らなけりゃ紙みたいなもんだよね。
「そうか、って言うか梅干しに関しては腐らないと思うんだけど?」
するとお兄さんは目を丸くして。
「そんな筈ないぞ?
めちゃくちゃしょっぱい漬物だったのがだんだん酸っぱくなって来てこれは酸っぱくてダメだってなったから捨てたんだよ。」
「成程、知らなけりゃ普通そうなっちゃうって事か、梅干しって言うのは酸っぱくてなんぼなんだ、管理さえよければ100年後でも食べられるんだよ、あれ。」
「そうだったのか、親方に、傷んでしまったので廃棄しましたと言ったらこれは売り切るまで絶対に帰って来るな、給料も売り切るまで出さんと言われてホトホト困って居たのだが、そりゃ食べられる物を捨ててしまったら怒るよな。
なぁ嬢ちゃん、一緒に親方の所に行ってくれないか?」
「むしろ私が連れて行って貰いたいと思って居た、親方って人にどうしても聞きたい商品情報が有る事と、梅干しや味噌、醬油の定期購入もお願いしたいと思ってたんだよ。」
そして何故かこの後、このお兄さんと意気投合してしまい、近くの酒場でご飯をご一緒(と言っても私の奢りで)する事になってしまったのだった。
しかしこの幼女に見られる私と意気投合って、この人まさかとは思うけどロリコンだったんじゃぁ・・・くわばらくわばら。
ん?なんか周囲のナノマシンが騒がしい気がするな、まぁ私の目に見える範囲で何も無ければまぁいっか。
途中クリスから電脳通信で幾つか確認させられたけどそれとも関係なさそうだし、ほっとこう。
こんなに小さくて可愛いのに、解せぬ。
仕方ない、捕縛する気も無い様だし、好きにさせて貰おう。
そう言えばさっきマカンヌと鬼ごっこしてた時に頂いた肉串とか、わりと美味かったな、市場街に行って見ようかな。
あぁ、でもその前に冒険者ギルドに顔出しとくか。
----
冒険者ギルドは、やはり大型地下解体場を作る兼ね合いが有るらしくて街門近くにあった。
ギルドの戸を開けると、毎度のテンプレで中に居る冒険者達の視線が一気に私に注がれる。
まぁ大概は一瞬の事で、視線は外れて行くのだけど、今日は初めてのギルド、相手からしたら一見の少女が入って来たようなものだ。
「あ、エリーさんですね、デルタからの情報が入って居ります。 ようこそ、冒険者ギルド支社グローリー王国本部へ。」
ん?支社で本部?
って事は本社は別の国に有るって事? まぁいっか。
「って事はアンタは?」
「はい、私はサリ―シリーズ、イプシロンと申します。」
「って事はあっちの方がお姉ちゃんって認識で良いの?」
「まぁ、人間でしたらそう言う認識なのだと思います、ただ、製造日は一緒になりますので個体識別の為の名称ですね。」
「ああ、そう言うアレなんだ。
あんたはデルタみたいな残念賞じゃ無い事を願ってるよ。」
「デルタはアレが仕様なので諦めて下さい。」
「って投げやりだなぁ。」
「私は割と口が悪いと良く言われます。」
「成程そう言う仕様なんだね。」
「それでお呼び立てした理由ですが、ギ「ギルマスがちょっと面かせって言うアレだろ?」」
かぶせて言ってやったら・・・なんかぷっちーんって言う音が聞こえた気がした。
次の瞬間・・・
「人の話の腰折ってんじゃねぇぞこの阿婆擦れが!」
うわおっ! 口が悪いってよりもガラ悪いレベルだぞこれ!
「ああごめんごめん、ゆ・る・し・て・ね?」
威圧しながら言って見たら、掌返して来た。
「いえ滅相もありやせんあねさん!」
何処のヤクザだおい・・・
これはサリ―シリーズの他の個体に会うのが今から楽しみだわ。
「んじゃギルマスに会いに行きましょうか。」
「はい、此方です姉さん。」
「その姉さん言うのやめてね。」
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「ああ、済まないね、わざわざご足労頂いて。」
「いえいえ、お気になされずに。」
「私はここのギルドのマスター、ミレーヌってもんだ。」
女性がギルマスで少し驚いたけど、鑑定して見たら結構な強さだった。
「お呼びになられた程なので必要無いかとは思いますが一応自己紹介を、私がエリーです、よろしく。」
「ガンダルフから色々聞かされては居たが、本当に子供なんだね、未だ。」
おお、そうか、ギルマスの名前はガンダルフだったっけか、人の名前憶えるの苦手なんだよな。
「いえ、子供では無いですよ? 体はそうですが、私は転生して来て前世の記憶を有して居るので、前世で735歳だったので貴女よりずっと年上て事に成りますね。」
「ああ、それも聞いてる、本当に驚かされたよ、ハイエルフかなんかかって疑いもあるらしいね。」
「ええ、まぁ(笑)」
「しかしまぁ、あのバカも治して貰ったらしいじゃないか、ありがとうね。」
「ん? ガンダルフさんと仲が良さそうですね?」
「元々あいつ等とパーティー組んでたんだよ、ガンダルフとその妻に収まってるファー、私の他にもう一人、あの時に亡くなっちまったが、タンク役のジェイと4人でな。」
タンクがやられて薬師のファーさんが薬を投与しに行ってしまってそれをポイントゲッターのミレーヌさんとガンダルフさんがサポートしに入って行って突然急激な身体強化がガンダルフさんに発現してタイミングが悪すぎた為に足を壊したって事らしい。
あまり過去を話したがらないおっさんだったからこれで話が見えたよ。
で、多分このミレーヌさんとファーさんは二人ともガンダルフが好きだったと言う事なんだろうな。
多分この人今でも好きなんだろうね。
「ふぅん、良い話が聞けました、あっちに帰る事があったらからかう良いネタが出来ましたよ~。」
「ところで、噂には聞いたけど、あんた魔法を作ったって?」
「ええ、こんな風に?」
と、指先にライター波程度の火を出す。
「はぁ、回復魔法も作ってるって聞いたよ?」
「ええ、作っちゃいました。」
「そんな技術が当時あったらあんな事には成らなかったんだろうけどねぇ、おしい事だ。」
「うーん、もっと前に私が居れば助かったのかも知れません、ごめんなさい。」
「それは少し自信過剰すぎやしないかい?」
「いえ、そんな事は有りませんよ? 魔法よりも以前に、体内の魔素を体内で消費して身体能力を上げる方法も見つけて居るし、欠損が有っても義体で補う事が出来るのだから。」
「はぁ、その自信は伊達じゃ無いって? やれやれ、とんでもない大賢者様だよ、あんた。」
「ホント、あの阿保神がもっと早い時代に私を転生させたら良かったんだよ、全く。
私なら全身義体で何百年だって生きて行けるんだからさ。」
「全く出鱈目な奴みたいだねぇあんたは、でもまぁ、過ぎた事は眩んでも仕方ないさね、所でB級に昇格する気は無いのかい?」
「全く無いよ、好きに動けなくなるし。 じゃあ今日は顔繫ぎだけだから、またね。」
こうしてギルドを出た私は、先ずは恐らく最大規模では無いかと思われる市場街へと向かった。
「おや、さっきのお嬢ちゃんじゃないか、お姉さんとの鬼ごっこは終わったのかい?」
「あはは、おばちゃんさっきはありがとう。
さっき美味しかったからもう一本ちょうだい。」
肉串を一本購入して、さっきはしっかり堪能できなかったのでしっかり味わって頂く。
成程、流石はこの国の最大の都市と言う所なのだろう、先ず、使って居る塩が、これまでは内陸と言う事もあってか、岩塩が主流だったのだが、ここでは藻塩のような物を使って居た。
きっと海岸線の街とかからの物資の流入も豊富なのだろう。
成程、これはいいお出汁が効いてて美味しい訳だ。
おばちゃんにもう一度美味しかったと挨拶をして、更に市場街を奥へと散策して行く。
すると、何やら懐かしい香りが漂ってきた。
まさかっ!これは味噌では無いのか???
まぁ、大豆が有る事は世界中に飛ばした情報収集用ナノマシンが確認して居るので有るんじゃないかとは思っては居たが、あのナノマシンは加工品までは探して来ないのが玉に瑕なのだ。
そのまま香りに誘われるままズンズン奥へと進んで行くと、
市場の最奥の方の片隅に何故か肩身狭そうに小さく開いている店に、お目当ての味噌は有った。
「あった、やっと見つけた、味噌ぉぉぉ~~~!!!」
「お嬢ちゃん、こいつを知って居るのか?」
「知ってるも何も、探してたんだよ~。」
「そうか、良かった、やっと売れる。」
「売れなかったの?」
「ああ、全く。」
「凄いじゃん、白糀味噌に西京風白味噌、八丁赤味噌に信州赤、白味噌、麦味噌、もろ味噌迄あるじゃん!
お兄さんは味噌専門の人なの?」
「それがな、西の海を渡った先にある小さな島国の品を取り扱って居るんだが、なかなか受け入れられなくてな、これだけは匂いが受け入れられなくて売れ残ってたんだよ。
他にもインパクトの強い品が数点あったんだが傷んでしまって廃棄もする羽目になった。
雇い主の親方に全部売るまで帰って来るなと言われてしまって、困ってたんだ。」
えぇ~、東の島国って言われると思ってたのに西なんだ・・・
ここってアメリカ大陸的な所なのかね?
そしてよく見回せば鰹節や出汁昆布に、お醤油や干しシイタケ迄あるじゃないか。
隅の方には山椒や乾燥させた柚子の皮迄ある、七味だって作れそうだ。
「お兄さん、私がこれ全部買い取る、それで、教えて欲しいんだけど。」
「なんだい?」
「その島国の特産物って、もしかしてお米とかもあるの?」
「済まない、俺はこっちで売り子として雇われたので詳しい事は知らんのだが、お米?
それはどんなもんだ?
梅っつー木の実を干して漬けた物とか、海藻を干して薄い紙のようにした海苔っつーのとかは売ってたけども。」
何だとぉっ!梅干しと海苔だとっ!?
「お兄さん、それって売れちゃったんだよね?」
「いや、あまりに売れないもんで痛んじまって廃棄したよ、勿体ねぇ。
まぁ、うまい物とは思えなかったけどな、俺自身。」
そりゃ梅干しは酸っぱいし海苔も食べ方知らなけりゃ紙みたいなもんだよね。
「そうか、って言うか梅干しに関しては腐らないと思うんだけど?」
するとお兄さんは目を丸くして。
「そんな筈ないぞ?
めちゃくちゃしょっぱい漬物だったのがだんだん酸っぱくなって来てこれは酸っぱくてダメだってなったから捨てたんだよ。」
「成程、知らなけりゃ普通そうなっちゃうって事か、梅干しって言うのは酸っぱくてなんぼなんだ、管理さえよければ100年後でも食べられるんだよ、あれ。」
「そうだったのか、親方に、傷んでしまったので廃棄しましたと言ったらこれは売り切るまで絶対に帰って来るな、給料も売り切るまで出さんと言われてホトホト困って居たのだが、そりゃ食べられる物を捨ててしまったら怒るよな。
なぁ嬢ちゃん、一緒に親方の所に行ってくれないか?」
「むしろ私が連れて行って貰いたいと思って居た、親方って人にどうしても聞きたい商品情報が有る事と、梅干しや味噌、醬油の定期購入もお願いしたいと思ってたんだよ。」
そして何故かこの後、このお兄さんと意気投合してしまい、近くの酒場でご飯をご一緒(と言っても私の奢りで)する事になってしまったのだった。
しかしこの幼女に見られる私と意気投合って、この人まさかとは思うけどロリコンだったんじゃぁ・・・くわばらくわばら。
ん?なんか周囲のナノマシンが騒がしい気がするな、まぁ私の目に見える範囲で何も無ければまぁいっか。
途中クリスから電脳通信で幾つか確認させられたけどそれとも関係なさそうだし、ほっとこう。
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