43 / 63
番外編 その2 竜の娘の、その旅路。
道の先には
しおりを挟む
――――
それからラキサとテオは、歩き続けた。
目指すその、最後の場所……それは。
「ラキサさん、大丈夫?」
今度は高い岸壁がそびえる、山脈地帯の間を進二人。
岸壁には道らしいものがあるが、足場は良いとは言えない。吹きすさぶ風も冷たく、結構体力も使う。
「うん。私は、大丈夫」
「それは良かった。あと少しで、到着するはずだから、あと少し頑張って」
先道しているテオは、励ますように言った。
「ラキサさんには、どうしても伝えたいことが、あるんだ。
とっても、大切な話が、ね」
――――
山脈の合間を縫うように歩き、もうずいぶんと奥に、そして高度も高い位置へと到達していた。
今は階段のように岩の足場をのぼる、ラキサ達。
一本道のその先には、まばゆい日の光が照り輝く。
「あそこを抜けたら、いよいよ到着だよ」
テオは先に見える光を指さし、言った。
「あそこが……かしら」
「うん。あそこが、僕の――」
そう話している間にも、二人はすぐそこまでたどり着こうとしていた。
――あの先にある場所は、どんな……場所なんだろう――
残りは、もう僅か。
先に待つものに期待しながら、ラキサはテオに続いて、道の先へと、進んだ。
――――
登り路を進んだ、その先には……。
「ここは、村?」
山脈の奥地にあったのは、 一見どこにでもあるような、小さな村だった。
住んでいる人間もちらほら見え、近くにいた一人の若い青年が、村にやって来たラキサ達に気が付いた。
「おや? まさかここに訪れる者が現れるなんて、ずいぶん久しぶりだね。
ようこそ、私たちの暮らす村、ルインズドラへ」
「ルインズ……ドラ?」
それがこの場所の、名前らしい。
そうラキサが思っていると、青年は今度は、テオの方へと親しげに目を向ける。
「それに、テオも一緒か!
おかえり、テオ。旅に出たと言う話だったが、まさか、女の子を連れて戻って来るなんてな」
青年の言葉に、テオは少し照れたようだ。
「あはは。それはちょっと、ね。だって、彼女は……」
「ほう?」
と、青年は再びラキサに顔を向け、じっくりと彼女の姿を眺める。
「えっ、と、どうか、しましたか」
知らない人から見られ、ラキサは緊張する。
対して、青年は何やら、悟ったような様子を見せた。
「……成程、な。テオがどうして彼女を連れて戻って来たのか、分かる気がするぜ」
テオはその言葉に、頷く。
「まあね。
これから僕は、彼女に村の案内をしたいって思うんだけど、大丈夫かな?」
「ああ。だけど、ちゃんと長老にも挨拶を、忘れないようにな」
テオは、わかっているよ、と言うような顔を、青年に向ける。
「それじゃ! 僕は長老に挨拶してから、彼女に村を案内するよ。
……行こう、ラキサさん!」
そう彼は、ラキサの手を引いて、青年のもとから去って行った。
それからラキサとテオは、歩き続けた。
目指すその、最後の場所……それは。
「ラキサさん、大丈夫?」
今度は高い岸壁がそびえる、山脈地帯の間を進二人。
岸壁には道らしいものがあるが、足場は良いとは言えない。吹きすさぶ風も冷たく、結構体力も使う。
「うん。私は、大丈夫」
「それは良かった。あと少しで、到着するはずだから、あと少し頑張って」
先道しているテオは、励ますように言った。
「ラキサさんには、どうしても伝えたいことが、あるんだ。
とっても、大切な話が、ね」
――――
山脈の合間を縫うように歩き、もうずいぶんと奥に、そして高度も高い位置へと到達していた。
今は階段のように岩の足場をのぼる、ラキサ達。
一本道のその先には、まばゆい日の光が照り輝く。
「あそこを抜けたら、いよいよ到着だよ」
テオは先に見える光を指さし、言った。
「あそこが……かしら」
「うん。あそこが、僕の――」
そう話している間にも、二人はすぐそこまでたどり着こうとしていた。
――あの先にある場所は、どんな……場所なんだろう――
残りは、もう僅か。
先に待つものに期待しながら、ラキサはテオに続いて、道の先へと、進んだ。
――――
登り路を進んだ、その先には……。
「ここは、村?」
山脈の奥地にあったのは、 一見どこにでもあるような、小さな村だった。
住んでいる人間もちらほら見え、近くにいた一人の若い青年が、村にやって来たラキサ達に気が付いた。
「おや? まさかここに訪れる者が現れるなんて、ずいぶん久しぶりだね。
ようこそ、私たちの暮らす村、ルインズドラへ」
「ルインズ……ドラ?」
それがこの場所の、名前らしい。
そうラキサが思っていると、青年は今度は、テオの方へと親しげに目を向ける。
「それに、テオも一緒か!
おかえり、テオ。旅に出たと言う話だったが、まさか、女の子を連れて戻って来るなんてな」
青年の言葉に、テオは少し照れたようだ。
「あはは。それはちょっと、ね。だって、彼女は……」
「ほう?」
と、青年は再びラキサに顔を向け、じっくりと彼女の姿を眺める。
「えっ、と、どうか、しましたか」
知らない人から見られ、ラキサは緊張する。
対して、青年は何やら、悟ったような様子を見せた。
「……成程、な。テオがどうして彼女を連れて戻って来たのか、分かる気がするぜ」
テオはその言葉に、頷く。
「まあね。
これから僕は、彼女に村の案内をしたいって思うんだけど、大丈夫かな?」
「ああ。だけど、ちゃんと長老にも挨拶を、忘れないようにな」
テオは、わかっているよ、と言うような顔を、青年に向ける。
「それじゃ! 僕は長老に挨拶してから、彼女に村を案内するよ。
……行こう、ラキサさん!」
そう彼は、ラキサの手を引いて、青年のもとから去って行った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
教養が足りない、ですって
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる