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パンツ
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え?なに、今の。
マジか。
雄大の匂い嗅いでたってこと?やべーじゃん。
いやいや、でもあんな真面目そうな人が、そんな変態っぽいことするぅ?たまたまつまづいて枕にダイブしただけかもしんないじゃん。
「おい、早く中入れよ」
「う、うん」
・・・まあ、いっか。
雄大には見えなかったみたいで急かされてふらふら中に入ると、雄大がクローゼットを開けて紙袋を2つ渡して来た。どっちも高そうなブランドのロゴが付いてる。
「うわ、すっげぇ!カッコいいじゃんこれ」
一つの方にはシャツとパンツ、バッグと靴が一式入ってる。シックな色合いで俺が自分じゃあんまり選ばないようなのだから、新鮮だ。
「こっちルームウェアな。あと下着」
「えー、ちょっとこれ、マジで部屋着?別にこれで大学行けるんだけど!嬉しー、雄大ありがとね・・・って、ん?」
さっきからフルチンだったし早速パンツ履こうと思ったんだけど・・・
摘まみ上げたパンツは、ヒモとメッシュとレースのスケスケ。
もはやパンツとしての機能、果たしてないじゃん。
「もう、雄大のえっち!こんなの穿かせようとして・・・マジでワクワクしちゃうんですけどぉ~?」
俺はノリノリでヒモにしか見えないそれを穿いてみた。
「あははっ!やべ、はみ出した。つか、ほぼ出ちゃってんだけど~」
おかしくなってテンション高くはしゃいでると、雄大も「マジやべーな」なんて笑いながら見てる。
「何見てんだよ雄大。視姦?ねえそれ視姦なの?そんな舐めるみたいに見られたら、ますますはみ出ちゃうよ?」
半分冗談で言ったのに、
「って事は、視姦されたいんだよな」
わざとらしくニヤ付きながらじっくり眺められて、う、マジで興奮しちゃった。
「雄大のバカ、責任取ってよぉ」
「・・・はは、エロい眺め」
興奮した雄大にシーツ換えたばっかのベッドに引き倒されて、ちらっと藤崎さんいるんだった、って考えたけど、すぐにもうどうでも良くなってった。
「あー、もう帰んなきゃ!一回家戻ってケーキ置いときたい」
雄大に貰った服を着込んで寝室のドアを開けたら、もう家の中には誰もいなかった。
「あいつ、帰ったな」
後ろから煙草吸いながら雄大も出て来る。
「そうみたい。は~、明らかに事後で顔合わせなくて良かったぁ」
「だから、あいつの事は気にすんなって言ってんだろ。空気と思えよ、空気」
「えー・・・無理だよ、俺こう見えて繊細なんだからね・・・っと、洗濯もの忘れてた」
思い出してバスルームに行くと、洗濯機の上に俺の服が畳んで置いてある。
「藤崎さん、やっておいてくれたんだ。・・・っと」
バッグに入れようとしたら、入りきらなくてパンツが床に落ちた。
「―――え、何これ」
拾い上げて、ぎょっとする。
マジか。
ケツの部分、すげぇズタボロに破けてんだけど。
いや、脱ぐ前は破れてなかったよね?脱いだ時も別に何ともなかったと思う。
なのに何で今、こんなんなってんの?
まさか、藤崎さんが?
だって、あの人、俺のこと嫌いだもんね。
けど今までこんなのされたことないし、たまたま生地が弱ってて、洗濯終わったら破れてたのかもしんないし・・・
う、うーん。モヤモヤはするけどケンカとか嫌いだし、パンツ1枚、どうってことないよな。
家帰って捨てよ。
バッグの隙間にズタボロパンツを隠して、
「そ、それじゃね!雄大!」
「おー」
気だるげに廊下の壁に寄っかかる雄大に手を振って、急いで部屋を出た。
気のせいだと思いたかった。
だけど、エレベーターが1階に着いて、エントランスホールの扉に向かって歩き出した時、俺の苦手なあの香水をまとって敵意剥き出しの藤崎さんが登場した瞬間、やっぱりかぁー・・・って納得してしまった。
マジか。
雄大の匂い嗅いでたってこと?やべーじゃん。
いやいや、でもあんな真面目そうな人が、そんな変態っぽいことするぅ?たまたまつまづいて枕にダイブしただけかもしんないじゃん。
「おい、早く中入れよ」
「う、うん」
・・・まあ、いっか。
雄大には見えなかったみたいで急かされてふらふら中に入ると、雄大がクローゼットを開けて紙袋を2つ渡して来た。どっちも高そうなブランドのロゴが付いてる。
「うわ、すっげぇ!カッコいいじゃんこれ」
一つの方にはシャツとパンツ、バッグと靴が一式入ってる。シックな色合いで俺が自分じゃあんまり選ばないようなのだから、新鮮だ。
「こっちルームウェアな。あと下着」
「えー、ちょっとこれ、マジで部屋着?別にこれで大学行けるんだけど!嬉しー、雄大ありがとね・・・って、ん?」
さっきからフルチンだったし早速パンツ履こうと思ったんだけど・・・
摘まみ上げたパンツは、ヒモとメッシュとレースのスケスケ。
もはやパンツとしての機能、果たしてないじゃん。
「もう、雄大のえっち!こんなの穿かせようとして・・・マジでワクワクしちゃうんですけどぉ~?」
俺はノリノリでヒモにしか見えないそれを穿いてみた。
「あははっ!やべ、はみ出した。つか、ほぼ出ちゃってんだけど~」
おかしくなってテンション高くはしゃいでると、雄大も「マジやべーな」なんて笑いながら見てる。
「何見てんだよ雄大。視姦?ねえそれ視姦なの?そんな舐めるみたいに見られたら、ますますはみ出ちゃうよ?」
半分冗談で言ったのに、
「って事は、視姦されたいんだよな」
わざとらしくニヤ付きながらじっくり眺められて、う、マジで興奮しちゃった。
「雄大のバカ、責任取ってよぉ」
「・・・はは、エロい眺め」
興奮した雄大にシーツ換えたばっかのベッドに引き倒されて、ちらっと藤崎さんいるんだった、って考えたけど、すぐにもうどうでも良くなってった。
「あー、もう帰んなきゃ!一回家戻ってケーキ置いときたい」
雄大に貰った服を着込んで寝室のドアを開けたら、もう家の中には誰もいなかった。
「あいつ、帰ったな」
後ろから煙草吸いながら雄大も出て来る。
「そうみたい。は~、明らかに事後で顔合わせなくて良かったぁ」
「だから、あいつの事は気にすんなって言ってんだろ。空気と思えよ、空気」
「えー・・・無理だよ、俺こう見えて繊細なんだからね・・・っと、洗濯もの忘れてた」
思い出してバスルームに行くと、洗濯機の上に俺の服が畳んで置いてある。
「藤崎さん、やっておいてくれたんだ。・・・っと」
バッグに入れようとしたら、入りきらなくてパンツが床に落ちた。
「―――え、何これ」
拾い上げて、ぎょっとする。
マジか。
ケツの部分、すげぇズタボロに破けてんだけど。
いや、脱ぐ前は破れてなかったよね?脱いだ時も別に何ともなかったと思う。
なのに何で今、こんなんなってんの?
まさか、藤崎さんが?
だって、あの人、俺のこと嫌いだもんね。
けど今までこんなのされたことないし、たまたま生地が弱ってて、洗濯終わったら破れてたのかもしんないし・・・
う、うーん。モヤモヤはするけどケンカとか嫌いだし、パンツ1枚、どうってことないよな。
家帰って捨てよ。
バッグの隙間にズタボロパンツを隠して、
「そ、それじゃね!雄大!」
「おー」
気だるげに廊下の壁に寄っかかる雄大に手を振って、急いで部屋を出た。
気のせいだと思いたかった。
だけど、エレベーターが1階に着いて、エントランスホールの扉に向かって歩き出した時、俺の苦手なあの香水をまとって敵意剥き出しの藤崎さんが登場した瞬間、やっぱりかぁー・・・って納得してしまった。
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