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第一章
6話 初めての食事
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せっかく見つけた水源を見失うわけにはいけないので、チロは池から近い範囲を探索してみた。
これまでに歩いてきた森の中の様子だけでも分かってはいたが、やはり異世界の生態系は地球とは大きく異なっているようだ。
その辺に生えている植物ひとつをとってみても、ほのかに光っているものがあったり、触ろうとしたら避けられたり、または逆に噛み付こうとしてきたりと非常にバラエティに富んでいる。
そして色々と吟味した結果、チロが今日の食事として選んだのは…………
「…………」
軸が黄色で、傘の部分がピンクと紫のまだら模様になっているキノコだった。
チロは鑑定スキルなど持っていないが、そんなものなくてもひと目で分かる。
毒キノコだ。
もしこの見た目で毒キノコではないとしたら、このキノコを創造した神は、そうとうイカれたセンスの持ち主に違いない。
その毒キノコを、チロは────
ジリジリジリジリ…………
とりあえず、焼いてみることにした。
落ちている枯れ枝を集め、『着火』で火を起こして、木の枝に突き刺した毒キノコを炙り焼きにしてみる。
思いのほか、匂いはいい。
チロが前世で簡易バーベキューをしようとして、割り箸に突き刺した色々なキノコをコンロで炙り、割り箸ごと焦がした時の匂いに似ている。
ただ、軸の部分からは黄色い汁が滴り落ち、傘のピンク色の部分が溶けて紫色の部分と混ざり合い、血のように赤黒く変色しているのと相殺されて、うまそうという感じは微塵もしない。
「…………」
焚き火から離し、チロは焼き毒キノコを見つめた。
赤黒くなった部分にはシワが寄り、浮き上がった血管のように見えて気持ち悪い。
だが、腹は減っている。
そしてこれ以外に食べられそうなものは見当たらない。
「……………………っ」
チロは、覚悟を決めた。
自分には『毒耐性』がある。
目の前の物質は明らかに毒を持っているが、それ以外にも何らかの栄養素は持っているはずだ。
ならば、毒の部分は『毒耐性』と相殺され、栄養素だけが吸収されるはず!
そうだったらいいな!
「はぁっ!」
チロは自らを鼓舞するかのように気合を入れると、毒キノコにかぶりついた。
若干の弾力。
そして次に、じわりとにじみ出てきた汁が、口全体に広がっていく。
…………意外だが、普通に食える味だ。
食感や味は、例えるならエリンギに似ているかもしれない。
鼻に抜ける匂いは、炙っている時と同じ、割り箸とキノコを焦がしたような匂いだ。
これも別に、嫌というほどではない。
なので、総評としては、
「……うまくはないが、別にまずくもないな」
くらいの味であった。
少々舌にピリリとした痺れが走るが、『毒耐性』がちゃんと働いてくれているのか、体に異常はない。
チロはあっという間に完食すると、立ち上がって毒キノコの生えていた場所に向かった。
さすがに一つで腹は膨れないので、もう二~三個食べることにしたのだ。
固まって複数生えていたので、しばらくはこの毒キノコを主食としつつ、周辺で食べられるものを探していけばなんとかなるだろう。
そう、計画とも言えないような計画を立てつつ、異世界生活の一日目は過ぎていった。
…………ちなみに、チロはこの毒キノコを『毒エリンギ』────略称『ドリンギ』と名付け、結構な頻度で常食することになる。
これまでに歩いてきた森の中の様子だけでも分かってはいたが、やはり異世界の生態系は地球とは大きく異なっているようだ。
その辺に生えている植物ひとつをとってみても、ほのかに光っているものがあったり、触ろうとしたら避けられたり、または逆に噛み付こうとしてきたりと非常にバラエティに富んでいる。
そして色々と吟味した結果、チロが今日の食事として選んだのは…………
「…………」
軸が黄色で、傘の部分がピンクと紫のまだら模様になっているキノコだった。
チロは鑑定スキルなど持っていないが、そんなものなくてもひと目で分かる。
毒キノコだ。
もしこの見た目で毒キノコではないとしたら、このキノコを創造した神は、そうとうイカれたセンスの持ち主に違いない。
その毒キノコを、チロは────
ジリジリジリジリ…………
とりあえず、焼いてみることにした。
落ちている枯れ枝を集め、『着火』で火を起こして、木の枝に突き刺した毒キノコを炙り焼きにしてみる。
思いのほか、匂いはいい。
チロが前世で簡易バーベキューをしようとして、割り箸に突き刺した色々なキノコをコンロで炙り、割り箸ごと焦がした時の匂いに似ている。
ただ、軸の部分からは黄色い汁が滴り落ち、傘のピンク色の部分が溶けて紫色の部分と混ざり合い、血のように赤黒く変色しているのと相殺されて、うまそうという感じは微塵もしない。
「…………」
焚き火から離し、チロは焼き毒キノコを見つめた。
赤黒くなった部分にはシワが寄り、浮き上がった血管のように見えて気持ち悪い。
だが、腹は減っている。
そしてこれ以外に食べられそうなものは見当たらない。
「……………………っ」
チロは、覚悟を決めた。
自分には『毒耐性』がある。
目の前の物質は明らかに毒を持っているが、それ以外にも何らかの栄養素は持っているはずだ。
ならば、毒の部分は『毒耐性』と相殺され、栄養素だけが吸収されるはず!
そうだったらいいな!
「はぁっ!」
チロは自らを鼓舞するかのように気合を入れると、毒キノコにかぶりついた。
若干の弾力。
そして次に、じわりとにじみ出てきた汁が、口全体に広がっていく。
…………意外だが、普通に食える味だ。
食感や味は、例えるならエリンギに似ているかもしれない。
鼻に抜ける匂いは、炙っている時と同じ、割り箸とキノコを焦がしたような匂いだ。
これも別に、嫌というほどではない。
なので、総評としては、
「……うまくはないが、別にまずくもないな」
くらいの味であった。
少々舌にピリリとした痺れが走るが、『毒耐性』がちゃんと働いてくれているのか、体に異常はない。
チロはあっという間に完食すると、立ち上がって毒キノコの生えていた場所に向かった。
さすがに一つで腹は膨れないので、もう二~三個食べることにしたのだ。
固まって複数生えていたので、しばらくはこの毒キノコを主食としつつ、周辺で食べられるものを探していけばなんとかなるだろう。
そう、計画とも言えないような計画を立てつつ、異世界生活の一日目は過ぎていった。
…………ちなみに、チロはこの毒キノコを『毒エリンギ』────略称『ドリンギ』と名付け、結構な頻度で常食することになる。
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