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第一章 呪われた王子
ゴーレムの目覚め
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ステファニーが社交デビューする前の数年、俺は表向きはステファニーの言うままに振る舞いながら、裏では一夜限りの遊びを繰り返していた。
俺はステファニーのことが好きでも何でもないし、できれば結婚したくないと思っていたから、浮気がバレて婚約が無しになるのを少しばかり期待していたが、俺の浮気は問題にされなかった。
ステファニーが十七歳になった年、大戦が勃発して俺とステファニーが婚約するどころの騒ぎでなくなり、とうとう俺も出征しなければならなくなった。
戦況は極めて不利で、戦争終結の見通しも立っていなかった。死なないにせよ、帰国まで何年かかるかわからない上に、たとえば地雷で片足を吹っ飛ばされるとか、顔に大きな傷を負う可能性もあった。
だから俺は、ステファニーの将来を縛るべきでないという理由を掲げて、婚約を白紙に戻すべきだと主張した。
レコンフィールド公爵と、何より公爵夫人が俺の脅しに慄いて、婚約を白紙に戻すことに同意した。そして政府広報にも出し、俺とステファニーの縁は切れたはずだった。――後から思えば、あれだけステファニーとの婚約にこだわっていた王妃が、何も言わなかったのは不自然だった。もしかしたら、その頃には明確に、王妃は俺を殺す計画を練っていたのかもしれない。……呪いという、不確かな手段だけでなく。
戦争に行くのに不安がないわけじゃない。
でも、未来を縛っていたステファニーという重荷がなくなって、俺は体が軽くなったような気がしていた。
婚約が白紙に戻って、ステファニーは呆然とした表情をしていた。
「バーティ、わたしは――」
最後まで、ステファニーは俺がバーティと呼ばれることが大嫌いだってことに、気づかなかった。たぶん、俺の気持ちを慮るなんて考えたこともないんだろう。
何でも言うことを聞いてくれた、下僕のような婚約者がいなくなるのは、しばらくは痛手かもしれない。
でも、きっとすぐに新たな婚約者があてがわれ、俺のことなんて忘れるだろう。
――俺も、嫌な思い出ごとさっさと忘れ去ろうと、出征してからはステファニーのことなど、思い出しもしなかった。
戦地に赴く俺を心配して、父上は特に勅令を下し、護衛としてマックス・アシュバートンをつけた。
俺は実戦経験もなく、士官学校の成績もけして優秀とは言えなかった。当然、一部隊の指揮を執る能力なんてない。だから、実質的にはマックス・アシュバートン中佐が部隊の指揮官となる。
以前からの侍従兼護衛のジョナサン・カーティスとジェラルド・ブルックも、従軍することになった。この二人は爵位持ち貴族の嫡男だから、俺は王都に残ってもいいと言ったが、彼らはそれを潔しとはしなかった。さらに、主席秘書官として、士官学校以来の友人、ロベルト・リーンが志願してくれた。その他に、マックス・アシュバートンのもともとの部下たち。いずれも、腕が立ち、信頼のおける男たちばかり。
「いずれは、あなたが特務機関を管轄することになるでしょうからね」
マックス・アシュバートンが言い、俺は実地で特務の仕事の手ほどきを受けることになった。
国境地帯の山間の村で、暗号解読部隊を率いる。暗号の種類、間諜の配置の仕方、連絡を取る方法。多岐にわたる特務の仕事について、マックスは折に触れて語った。
「特務が秘密警察となって、国民を弾圧する立場に立つこともあります。だからこそ、王権の中枢に近いあなたはその使用法に注意を払わなければならないのです」
近年、特務は先代の王弟である前マールバラ公爵とその息子の現マールバラ公爵が担ってきたが、嫡男が死亡したことで、マールバラ公爵は特務を返上することを考えているらしい。
「私の目から見ても、公爵家の次男坊は向いていないと思います。王家との血縁も遠くなりますし、閣下はあなたに引き継ぐつもりでいます」
マックス・アシュバートンはマールバラ公爵の腹心。彼が支えてくれるなら、そんな仕事もこなせるだろうけれど――。
シャルロー村での生活は、秘密保持のために本国との手紙のやり取りに制限がある以外、特にこれと言った問題もなかった。
俺は、マックス・アシュバートン宛の封筒に、その名前を見つけた。
――エルスペス・アシュバートン。
淑女らしい、美しい文字。俺がその文字を目で追っているのをマックスは気づいて、だが何も言わずに封筒を受け取る。そして――。
俺の目の前に、一枚の白黒の写真が差し出される。
ピアノの前に座る十五歳ごろの少女と、横に立つ少年。少年は学校の制服らしい服装で、少女は白いブラウスにスカート。少女の髪は淡い色で背中を覆い、カメラに向かい微笑んでいる。ツンと澄ました表情に、姿勢よく座った痩せた体の、胸は慎ましやかな曲線を描き、腰は細い。
言葉もなく写真を凝視する俺に、マックスが言う。
「エルシーと、ビリーです。エルシーが十五で、ビリーが十三……」
リンドホルムの日々が、俺の脳裏に鮮やかによみがえる。森の中の湖で、ボートに乗った夏。噴水の水飛沫の煌めき。薔薇に覆われた隠された庭。噎せ返るほどの、甘い匂い――。
俺は、咄嗟にマックスに頼んでいた。
エルシーと結婚したい。ステファニーとの婚約は白紙に戻っているからと。
マックスは、俺がいまだにエルシーに執着していることに驚いたようだが、少し考えた上で、エルシーに求婚することは認めてくれた。マックスはビリーの健康に不安を抱いていて、ビリーに万一のことがあっても、リンドホルムは確実にエルシーに継承させたいと考えていたらしい。
俺がエルシーの夫になり、王家の庇護の上で、ビリーを支える。――マックスはそんな青写真を描いて、父上に対し、エルシーと俺との婚姻の勅許を願い出ていた。そのことを知ったのは、マックスの死後。
マックスの軍服の内ポケットには、国王からの勅書が二通、二人の写真とともにあった。
一通は、リンドホルムの継承を確実に認める勅書。もう一通は、俺とエルシーの婚姻を認める勅書。
俺は、マックスのサファイアのタイピンと写真、そして勅書を遺族に返そうと思ったが、しかし血塗れのそれを目にした遺族の心情を思い、サファイアのピンと遺髪だけを本国に戻した。
後に、あの時、勅書を遺族に返していれば、状況は大きく変わっていたかもしれないと、俺は後悔することになる。
マックスの死を目の当たりにして、俺は目が覚めた。
シャルロー村の襲撃は、情報のリークだ。誰かが、俺の居場所を敵に知らせ、その結果、村人を含めて犠牲者は二百人を超えた。
さらに、中立国だったはずのグリージャが参戦したことで、比較的平穏だった西部戦線は突如として激戦地になった。東部戦線の立て直しに注力していた我が軍は、西部戦線の対応が後手に回り、数か月間にわたって劣勢を強いられ、西部戦線だけで二万人近い犠牲を出した。
王子だろうが平民だろうが、本国には彼らの帰りを待つ家族がいて、それぞれ国のため、愛する者のために命を懸けて戦っている。本国の裏切りが、俺たち戦場に立つ者を危機にさらした。
リークされた情報が俺の居場所だとすれば、リーク元は限られる。王宮と、軍の中枢しか知らないことだからだ。
そして王宮には間違いなく、俺を呪うほど殺したがっていた王妃がいる。名目的には俺の母親だから、俺の居場所をやすやすと入手できる女が。
ただ呪うだけならば、よかった。ちゃんとピンポイントで俺だけを狙うなら。
でも罪もない、他の人間を巻き込んだ。
王妃が俺を憎み、呪うのは当然だと思っていた。
病気の息子を抱え、夫に裏切られたばかりか、裏切りの証である俺を、実の息子として遇しなければならない屈辱。俺を呪い、俺が死ねばジョージの病が癒えると思い込むのも、仕方のないことかもしれないと。
――俺は神の許さない関係のもとに生まれた、醜いスペアのゴーレムに過ぎないと、王妃に刷り込まれていたせいかもしれない。
でも戦場の日々が、俺を変えた。マックスの死や、降り注ぐ爆弾、長く伸びる塹壕、地雷や毒ガスへの恐怖。
それを目の当たりにして、俺は気づいた。
俺はスペアの王子だが、泥人形ではなくて、人間だ。
偽りの王子の「emeth」が暴かれ、一文字が消えて「meth」に変わり、粘土に戻ったとしても、俺が俺として生きた事実は変わらない。王妃の為に死んでやる義理はないのだ。
俺は絶対に、戦場で生き抜いてやると、心に誓った。
生き抜いて、俺はリンドホルムに帰る。――あのローズの庭に。
俺はステファニーのことが好きでも何でもないし、できれば結婚したくないと思っていたから、浮気がバレて婚約が無しになるのを少しばかり期待していたが、俺の浮気は問題にされなかった。
ステファニーが十七歳になった年、大戦が勃発して俺とステファニーが婚約するどころの騒ぎでなくなり、とうとう俺も出征しなければならなくなった。
戦況は極めて不利で、戦争終結の見通しも立っていなかった。死なないにせよ、帰国まで何年かかるかわからない上に、たとえば地雷で片足を吹っ飛ばされるとか、顔に大きな傷を負う可能性もあった。
だから俺は、ステファニーの将来を縛るべきでないという理由を掲げて、婚約を白紙に戻すべきだと主張した。
レコンフィールド公爵と、何より公爵夫人が俺の脅しに慄いて、婚約を白紙に戻すことに同意した。そして政府広報にも出し、俺とステファニーの縁は切れたはずだった。――後から思えば、あれだけステファニーとの婚約にこだわっていた王妃が、何も言わなかったのは不自然だった。もしかしたら、その頃には明確に、王妃は俺を殺す計画を練っていたのかもしれない。……呪いという、不確かな手段だけでなく。
戦争に行くのに不安がないわけじゃない。
でも、未来を縛っていたステファニーという重荷がなくなって、俺は体が軽くなったような気がしていた。
婚約が白紙に戻って、ステファニーは呆然とした表情をしていた。
「バーティ、わたしは――」
最後まで、ステファニーは俺がバーティと呼ばれることが大嫌いだってことに、気づかなかった。たぶん、俺の気持ちを慮るなんて考えたこともないんだろう。
何でも言うことを聞いてくれた、下僕のような婚約者がいなくなるのは、しばらくは痛手かもしれない。
でも、きっとすぐに新たな婚約者があてがわれ、俺のことなんて忘れるだろう。
――俺も、嫌な思い出ごとさっさと忘れ去ろうと、出征してからはステファニーのことなど、思い出しもしなかった。
戦地に赴く俺を心配して、父上は特に勅令を下し、護衛としてマックス・アシュバートンをつけた。
俺は実戦経験もなく、士官学校の成績もけして優秀とは言えなかった。当然、一部隊の指揮を執る能力なんてない。だから、実質的にはマックス・アシュバートン中佐が部隊の指揮官となる。
以前からの侍従兼護衛のジョナサン・カーティスとジェラルド・ブルックも、従軍することになった。この二人は爵位持ち貴族の嫡男だから、俺は王都に残ってもいいと言ったが、彼らはそれを潔しとはしなかった。さらに、主席秘書官として、士官学校以来の友人、ロベルト・リーンが志願してくれた。その他に、マックス・アシュバートンのもともとの部下たち。いずれも、腕が立ち、信頼のおける男たちばかり。
「いずれは、あなたが特務機関を管轄することになるでしょうからね」
マックス・アシュバートンが言い、俺は実地で特務の仕事の手ほどきを受けることになった。
国境地帯の山間の村で、暗号解読部隊を率いる。暗号の種類、間諜の配置の仕方、連絡を取る方法。多岐にわたる特務の仕事について、マックスは折に触れて語った。
「特務が秘密警察となって、国民を弾圧する立場に立つこともあります。だからこそ、王権の中枢に近いあなたはその使用法に注意を払わなければならないのです」
近年、特務は先代の王弟である前マールバラ公爵とその息子の現マールバラ公爵が担ってきたが、嫡男が死亡したことで、マールバラ公爵は特務を返上することを考えているらしい。
「私の目から見ても、公爵家の次男坊は向いていないと思います。王家との血縁も遠くなりますし、閣下はあなたに引き継ぐつもりでいます」
マックス・アシュバートンはマールバラ公爵の腹心。彼が支えてくれるなら、そんな仕事もこなせるだろうけれど――。
シャルロー村での生活は、秘密保持のために本国との手紙のやり取りに制限がある以外、特にこれと言った問題もなかった。
俺は、マックス・アシュバートン宛の封筒に、その名前を見つけた。
――エルスペス・アシュバートン。
淑女らしい、美しい文字。俺がその文字を目で追っているのをマックスは気づいて、だが何も言わずに封筒を受け取る。そして――。
俺の目の前に、一枚の白黒の写真が差し出される。
ピアノの前に座る十五歳ごろの少女と、横に立つ少年。少年は学校の制服らしい服装で、少女は白いブラウスにスカート。少女の髪は淡い色で背中を覆い、カメラに向かい微笑んでいる。ツンと澄ました表情に、姿勢よく座った痩せた体の、胸は慎ましやかな曲線を描き、腰は細い。
言葉もなく写真を凝視する俺に、マックスが言う。
「エルシーと、ビリーです。エルシーが十五で、ビリーが十三……」
リンドホルムの日々が、俺の脳裏に鮮やかによみがえる。森の中の湖で、ボートに乗った夏。噴水の水飛沫の煌めき。薔薇に覆われた隠された庭。噎せ返るほどの、甘い匂い――。
俺は、咄嗟にマックスに頼んでいた。
エルシーと結婚したい。ステファニーとの婚約は白紙に戻っているからと。
マックスは、俺がいまだにエルシーに執着していることに驚いたようだが、少し考えた上で、エルシーに求婚することは認めてくれた。マックスはビリーの健康に不安を抱いていて、ビリーに万一のことがあっても、リンドホルムは確実にエルシーに継承させたいと考えていたらしい。
俺がエルシーの夫になり、王家の庇護の上で、ビリーを支える。――マックスはそんな青写真を描いて、父上に対し、エルシーと俺との婚姻の勅許を願い出ていた。そのことを知ったのは、マックスの死後。
マックスの軍服の内ポケットには、国王からの勅書が二通、二人の写真とともにあった。
一通は、リンドホルムの継承を確実に認める勅書。もう一通は、俺とエルシーの婚姻を認める勅書。
俺は、マックスのサファイアのタイピンと写真、そして勅書を遺族に返そうと思ったが、しかし血塗れのそれを目にした遺族の心情を思い、サファイアのピンと遺髪だけを本国に戻した。
後に、あの時、勅書を遺族に返していれば、状況は大きく変わっていたかもしれないと、俺は後悔することになる。
マックスの死を目の当たりにして、俺は目が覚めた。
シャルロー村の襲撃は、情報のリークだ。誰かが、俺の居場所を敵に知らせ、その結果、村人を含めて犠牲者は二百人を超えた。
さらに、中立国だったはずのグリージャが参戦したことで、比較的平穏だった西部戦線は突如として激戦地になった。東部戦線の立て直しに注力していた我が軍は、西部戦線の対応が後手に回り、数か月間にわたって劣勢を強いられ、西部戦線だけで二万人近い犠牲を出した。
王子だろうが平民だろうが、本国には彼らの帰りを待つ家族がいて、それぞれ国のため、愛する者のために命を懸けて戦っている。本国の裏切りが、俺たち戦場に立つ者を危機にさらした。
リークされた情報が俺の居場所だとすれば、リーク元は限られる。王宮と、軍の中枢しか知らないことだからだ。
そして王宮には間違いなく、俺を呪うほど殺したがっていた王妃がいる。名目的には俺の母親だから、俺の居場所をやすやすと入手できる女が。
ただ呪うだけならば、よかった。ちゃんとピンポイントで俺だけを狙うなら。
でも罪もない、他の人間を巻き込んだ。
王妃が俺を憎み、呪うのは当然だと思っていた。
病気の息子を抱え、夫に裏切られたばかりか、裏切りの証である俺を、実の息子として遇しなければならない屈辱。俺を呪い、俺が死ねばジョージの病が癒えると思い込むのも、仕方のないことかもしれないと。
――俺は神の許さない関係のもとに生まれた、醜いスペアのゴーレムに過ぎないと、王妃に刷り込まれていたせいかもしれない。
でも戦場の日々が、俺を変えた。マックスの死や、降り注ぐ爆弾、長く伸びる塹壕、地雷や毒ガスへの恐怖。
それを目の当たりにして、俺は気づいた。
俺はスペアの王子だが、泥人形ではなくて、人間だ。
偽りの王子の「emeth」が暴かれ、一文字が消えて「meth」に変わり、粘土に戻ったとしても、俺が俺として生きた事実は変わらない。王妃の為に死んでやる義理はないのだ。
俺は絶対に、戦場で生き抜いてやると、心に誓った。
生き抜いて、俺はリンドホルムに帰る。――あのローズの庭に。
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