1 / 68
Shem HaMephorash
しおりを挟む
Shem HaMephorash。
俺の頭の中を呪いの文句が過る。そう、これはどう考えても呪いだ。俺は呪われている。
今世紀に入って科学文明はますます発達を遂げた。呪いだの魔術だののまやかしが明らかになりつつあるこの世の中で、いったい何を言っているのだとバカにされるのを承知の上で、俺は断言する。
俺は王妃に呪われている。
そうでなければ、こんな絶望的な状況になり得ない。王妃は俺を呪っている。俺が死ねば、息子のジョージの病が癒えると信じている。手段はともあれ、俺の死を願い、呪い殺そうとしている。
今まで平和だった山間の村に、突然、敵兵が湧いて出て、罪もない村人もろとも、俺たちを皆殺しにしようとしている。機関銃の音が絶え間なく聞こえ、暗闇の中にいくつも炎が散らつく。敵が村に火を放ったのだ。悲鳴、銃声、子供の泣き声――。
虐殺だ。
言葉は知っていたが、本当にやるやつがいるとは思いもしなかった。
俺のいたシャルロー村は、祖国ランデルと隣国グリージャ、そしてシュルフト帝国の三国の国境が入り組む山岳地帯の小さな村だ。酪農と葡萄の栽培で細々と暮らす村は、秘密の暗号解読本部を置くのにちょうどよかった。数人の将校に率いられた二百人ほどの部隊で、周囲の基地と連携しながら複雑な暗号の解読にいそしむ。部隊の三分の一が暗号解読の専門家。無線は傍受されると厄介なので使用できない。少し離れた基地との連絡要員と護衛。そこに、第三王子である俺と護衛たちを放り込んだ。
本来なら、王子こそ前線に立ち、自国の兵士を鼓舞してしかるべきだ。でも、開戦から間もなく、第五位の王位継承権を持つ若き公爵嫡男が戦死した。一種の見せしめのように狙い撃ちにされたのだ。
昔は、戦争で王族を殺すなんてもったいないことはしなかった。
王族は、捕虜にして身代金を絞り取ったり、交渉を有利に進める恰好の手駒だ。戦争は、戦う人が命を賭けた、名誉あるゲームだった。
だが、今次の大戦は違う。
戦車、飛行機、機関銃、毒ガス。貴族の名誉など、最新兵器の前では意味をなさない。身分に関係なく踏みつぶされ、焼き尽くされる。大量動員、大量虐殺の終わりなき連鎖。
いったい、どうなれば勝利なのか? 敵国民を一人残らず殺して、ようやく終わるのか?
こんな泥沼の中で、敵国の王族の命なんて、自国の民の戦意を鼓舞する一滴の美酒でしかない。
多くの若い貴族が名誉と関係なしに殺され、兵士は機関銃と地雷に吹き飛ばされる中、王家だけが息子を温存するなんて、許されない。戦況の悪化とともに、父である国王は苦渋の決断を迫られ、俺を戦場へと送り出した。
――こうして、王妃の呪いが発動した。
それでも、比較的戦況が落ち着いている西部戦線に派遣された。秘密の暗号解読部隊の一将校として。平民の数学者や言語学者も加わる暗号解読チームは、少しばかりオタクでおとなしい男ばかり。連絡係の兵士は頑丈で質朴な、忠誠心の篤い者がとくに選ばれている。管理職は、特務将校・リンドホルム伯爵マクシミリアン・アシュバートン中佐を中心に、貴族出身の若者が占める。俺が王族であることは極秘とされ、とにかく出征したという実績だけは作る。
激戦地の東部戦線では山のような戦死者が出ている。そんな中で、王子を安全な場所に送るのは卑怯だが、俺の所在を明らかにすれば敵の標的になり、結果的に、周囲の兵士を危険にさらす恐れがあった。王家には王太子のフィリップ王子と第二王子のジョージ、そして俺、第三王子のアルバートしかおらず、ジョージは死病に冒されている。王太子には最近、三番目の王女が生まれて、国民は少なからず落胆した。我が国では、王女は王位を継承できない。俺に死なれると王家は存続の危機に立たされる。
なんでもいいから戦争が終わるまでひっそり生き抜き、無事に王都に戻ってこい。――これが俺に与えられた、後ろ向きな命令。だから多少の不自由はあれ、死ぬような目には遭わないはずだった。
にもかかわらず、俺は今、敵の奇襲にさらされている。
油断もなにも、そもそも実戦部隊じゃないし、襲撃される理由がない。――俺の存在を除いては。
兵士が宿舎にしていた木造の建物は炎に包まれている。突然の襲撃に逃げ出す隙もなかっただろう。
マクシミリアン・アシュバートン中佐の部隊はさすが優秀な特務で、襲撃の気配を察知して、俺たち将校はギリギリで宿舎を脱出することができた。
「こっちです!」
右も左もわからない闇の中、踏みしめる枯れ葉の音と枝のざわめきから、ここが森の中だとわかる。闇に紛れて、どこに行くつもりなのか。
俺にはまったく見えない暗闇の中で、特務の男たちはよほど夜目が利くのか、周囲の状況を判断していた。
「この先はダメです。敵に押さえられています、別の場所に――」
「わかった、ここからだと――Cプランに変更する」
「了解」
アシュバートン中佐が素早く部下に指示を下し、俺の耳元で言った。
「万一に備え、村の住居を数か所、隠れ家に決めておいたのですが、敵の侵入ルートに当たっていたのか、使えないようです。森の奥から村の外に逃げましょう」
「マックス、それでは村人は見殺しにするのか?」
巻き込むだけ巻き込んで、自分たちだけ逃げることを俺が躊躇すると、アシュバートン中佐は暗闇の中でかすかに、首を振った。
「あなたが死なないことが一番重要なのです。我々が村に残ったところで助けられません」
まったくその通りなので、俺は無言でアシュバートン中佐の指示に従う。
だが、侵入した敵の数は俺たちの部隊の数倍はいたらしい。行く手を敵の集団に阻まれ、銃撃戦になる。出征して一年、実戦に遭遇するのは初めてのこと。味方が目の前で撃たれ、うめき声をあげて動かなくなる。
「ジョナサン!」
至近距離の銃声の直後、隣にいた護衛の侍従官、ジョナサン・カーティスが脚を押さえて蹲る。硝煙と、血の匂い――。
「俺の肩に掴まれ!」
「いけません、僕に構わず先に――」
「そんなことできるか!」
Shem HaMephorash――。
王妃が口にした呪いの言葉が俺の脳裏をめぐる。
これが俺への呪いなら、部下たちが殺される必要はないはずなのに。
俺が、俺が死ねば、部下たちは助かるのか?
目の前に敵兵が躍り出る。アシュバートン中佐が拳銃を撃ち、一人斃れるが、次の男が銃を構える。アシュバートン中佐が俺を背中に庇い、前に立ちふさがる。
数発の銃声。俺の脇腹を何かが掠めた。熱い――? アシュバートン中佐の大きな背中がぐらりと頽れる。
真実の一文字が消えて死に変わり、土に返るのは俺のはず――。
「マックス!」
思わず駆け寄ろうとする俺の腕を、背後の誰かが掴む。ようやく追いついた護衛たちが走り出て、機関銃を掃射する。幸いにも前方の敵は斥候のような少数部隊で、殲滅させることができた。でもマックスが――。
「り、じー……」
俺が抱き起せば、マックスは数発の銃弾を受け、だがまだ微かに息があった。
「リンド、ホルムを――」
「マックス、しっかりしろ! マックス!」
「エルシー……」
それが最期の言葉だった。
「殿下、早くここを離れましょう、すぐに敵が!」
「わかっている、少し待て」
俺はまず、マックスのサファイアのタイピンを外し、それを軍服のポケットに入れ、まだぬくもりのある軍服のジャケットを探る。――マックスは内ポケットに大切なものをしまっているはずだ。内ポケットに入っていたのは、何かが挟まった手帳。数発、銃弾が貫通し、マックスの血でぬるぬるした。
俺は、その血塗れの手帳を、自分のジャケットの内ポケットに、押し込んだ。
俺の頭の中を呪いの文句が過る。そう、これはどう考えても呪いだ。俺は呪われている。
今世紀に入って科学文明はますます発達を遂げた。呪いだの魔術だののまやかしが明らかになりつつあるこの世の中で、いったい何を言っているのだとバカにされるのを承知の上で、俺は断言する。
俺は王妃に呪われている。
そうでなければ、こんな絶望的な状況になり得ない。王妃は俺を呪っている。俺が死ねば、息子のジョージの病が癒えると信じている。手段はともあれ、俺の死を願い、呪い殺そうとしている。
今まで平和だった山間の村に、突然、敵兵が湧いて出て、罪もない村人もろとも、俺たちを皆殺しにしようとしている。機関銃の音が絶え間なく聞こえ、暗闇の中にいくつも炎が散らつく。敵が村に火を放ったのだ。悲鳴、銃声、子供の泣き声――。
虐殺だ。
言葉は知っていたが、本当にやるやつがいるとは思いもしなかった。
俺のいたシャルロー村は、祖国ランデルと隣国グリージャ、そしてシュルフト帝国の三国の国境が入り組む山岳地帯の小さな村だ。酪農と葡萄の栽培で細々と暮らす村は、秘密の暗号解読本部を置くのにちょうどよかった。数人の将校に率いられた二百人ほどの部隊で、周囲の基地と連携しながら複雑な暗号の解読にいそしむ。部隊の三分の一が暗号解読の専門家。無線は傍受されると厄介なので使用できない。少し離れた基地との連絡要員と護衛。そこに、第三王子である俺と護衛たちを放り込んだ。
本来なら、王子こそ前線に立ち、自国の兵士を鼓舞してしかるべきだ。でも、開戦から間もなく、第五位の王位継承権を持つ若き公爵嫡男が戦死した。一種の見せしめのように狙い撃ちにされたのだ。
昔は、戦争で王族を殺すなんてもったいないことはしなかった。
王族は、捕虜にして身代金を絞り取ったり、交渉を有利に進める恰好の手駒だ。戦争は、戦う人が命を賭けた、名誉あるゲームだった。
だが、今次の大戦は違う。
戦車、飛行機、機関銃、毒ガス。貴族の名誉など、最新兵器の前では意味をなさない。身分に関係なく踏みつぶされ、焼き尽くされる。大量動員、大量虐殺の終わりなき連鎖。
いったい、どうなれば勝利なのか? 敵国民を一人残らず殺して、ようやく終わるのか?
こんな泥沼の中で、敵国の王族の命なんて、自国の民の戦意を鼓舞する一滴の美酒でしかない。
多くの若い貴族が名誉と関係なしに殺され、兵士は機関銃と地雷に吹き飛ばされる中、王家だけが息子を温存するなんて、許されない。戦況の悪化とともに、父である国王は苦渋の決断を迫られ、俺を戦場へと送り出した。
――こうして、王妃の呪いが発動した。
それでも、比較的戦況が落ち着いている西部戦線に派遣された。秘密の暗号解読部隊の一将校として。平民の数学者や言語学者も加わる暗号解読チームは、少しばかりオタクでおとなしい男ばかり。連絡係の兵士は頑丈で質朴な、忠誠心の篤い者がとくに選ばれている。管理職は、特務将校・リンドホルム伯爵マクシミリアン・アシュバートン中佐を中心に、貴族出身の若者が占める。俺が王族であることは極秘とされ、とにかく出征したという実績だけは作る。
激戦地の東部戦線では山のような戦死者が出ている。そんな中で、王子を安全な場所に送るのは卑怯だが、俺の所在を明らかにすれば敵の標的になり、結果的に、周囲の兵士を危険にさらす恐れがあった。王家には王太子のフィリップ王子と第二王子のジョージ、そして俺、第三王子のアルバートしかおらず、ジョージは死病に冒されている。王太子には最近、三番目の王女が生まれて、国民は少なからず落胆した。我が国では、王女は王位を継承できない。俺に死なれると王家は存続の危機に立たされる。
なんでもいいから戦争が終わるまでひっそり生き抜き、無事に王都に戻ってこい。――これが俺に与えられた、後ろ向きな命令。だから多少の不自由はあれ、死ぬような目には遭わないはずだった。
にもかかわらず、俺は今、敵の奇襲にさらされている。
油断もなにも、そもそも実戦部隊じゃないし、襲撃される理由がない。――俺の存在を除いては。
兵士が宿舎にしていた木造の建物は炎に包まれている。突然の襲撃に逃げ出す隙もなかっただろう。
マクシミリアン・アシュバートン中佐の部隊はさすが優秀な特務で、襲撃の気配を察知して、俺たち将校はギリギリで宿舎を脱出することができた。
「こっちです!」
右も左もわからない闇の中、踏みしめる枯れ葉の音と枝のざわめきから、ここが森の中だとわかる。闇に紛れて、どこに行くつもりなのか。
俺にはまったく見えない暗闇の中で、特務の男たちはよほど夜目が利くのか、周囲の状況を判断していた。
「この先はダメです。敵に押さえられています、別の場所に――」
「わかった、ここからだと――Cプランに変更する」
「了解」
アシュバートン中佐が素早く部下に指示を下し、俺の耳元で言った。
「万一に備え、村の住居を数か所、隠れ家に決めておいたのですが、敵の侵入ルートに当たっていたのか、使えないようです。森の奥から村の外に逃げましょう」
「マックス、それでは村人は見殺しにするのか?」
巻き込むだけ巻き込んで、自分たちだけ逃げることを俺が躊躇すると、アシュバートン中佐は暗闇の中でかすかに、首を振った。
「あなたが死なないことが一番重要なのです。我々が村に残ったところで助けられません」
まったくその通りなので、俺は無言でアシュバートン中佐の指示に従う。
だが、侵入した敵の数は俺たちの部隊の数倍はいたらしい。行く手を敵の集団に阻まれ、銃撃戦になる。出征して一年、実戦に遭遇するのは初めてのこと。味方が目の前で撃たれ、うめき声をあげて動かなくなる。
「ジョナサン!」
至近距離の銃声の直後、隣にいた護衛の侍従官、ジョナサン・カーティスが脚を押さえて蹲る。硝煙と、血の匂い――。
「俺の肩に掴まれ!」
「いけません、僕に構わず先に――」
「そんなことできるか!」
Shem HaMephorash――。
王妃が口にした呪いの言葉が俺の脳裏をめぐる。
これが俺への呪いなら、部下たちが殺される必要はないはずなのに。
俺が、俺が死ねば、部下たちは助かるのか?
目の前に敵兵が躍り出る。アシュバートン中佐が拳銃を撃ち、一人斃れるが、次の男が銃を構える。アシュバートン中佐が俺を背中に庇い、前に立ちふさがる。
数発の銃声。俺の脇腹を何かが掠めた。熱い――? アシュバートン中佐の大きな背中がぐらりと頽れる。
真実の一文字が消えて死に変わり、土に返るのは俺のはず――。
「マックス!」
思わず駆け寄ろうとする俺の腕を、背後の誰かが掴む。ようやく追いついた護衛たちが走り出て、機関銃を掃射する。幸いにも前方の敵は斥候のような少数部隊で、殲滅させることができた。でもマックスが――。
「り、じー……」
俺が抱き起せば、マックスは数発の銃弾を受け、だがまだ微かに息があった。
「リンド、ホルムを――」
「マックス、しっかりしろ! マックス!」
「エルシー……」
それが最期の言葉だった。
「殿下、早くここを離れましょう、すぐに敵が!」
「わかっている、少し待て」
俺はまず、マックスのサファイアのタイピンを外し、それを軍服のポケットに入れ、まだぬくもりのある軍服のジャケットを探る。――マックスは内ポケットに大切なものをしまっているはずだ。内ポケットに入っていたのは、何かが挟まった手帳。数発、銃弾が貫通し、マックスの血でぬるぬるした。
俺は、その血塗れの手帳を、自分のジャケットの内ポケットに、押し込んだ。
46
あなたにおすすめの小説
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる