35 / 68
第四章 嘘つき王子
歪みのもと
しおりを挟む
エルシーはすでに入浴を済ませ、薄い寝間着の上に薄紫色のキモノ・ガウンを羽織って、部屋で寛いでいた。秋草の模様を散らしたキモノは、エルシーの雰囲気によく似合っていて、バーナード商会の東洋人、ミツゴローはよく見ているな、と思う。
俺はエルシーの居間のソファに座り、遠慮するエルシーを手招きし、隣に座らせる。
「……ステファニーが手間をかけたそうだな。済まなかった」
俺の詫びに、エルシーは細い肩を竦めるようにして、薄く微笑む。
「お茶を淹れただけですから、別に何も。……大事なご用件だったのですか?」
「そのことで今、公爵に苦情を言っていたところだ」
俺はため息をつき、エルシーに説明する。
「実は昨日は、父上はあの父娘と昼食を設定していたのを、断って帰ってきたんだそしたら――」
エルシーがブルーグレイの瞳を見開く。
「……俺とステファニーの結婚は、王家とレコンフィールド公爵家の間の取り決めで……」
王妃とレコンフィールド公爵の受けた屈辱の賠償だと、公爵は言っていた。どこの馬の骨とも知れないローズの子である俺を、王妃の実子だと偽る代わりに、王妃の姪を妻に迎え、子を産ませる。そうすることで、王家に入った異分子の血が浄化され、歪みが正される。
だがそもそも、俺が王妃の実子だとされたのは、ジョージが病に倒れ、継承権を持つスペアの王子が必要だったからだ。王妃がそれを生むつもりなら、必要はなかった。庶子として認知するか、あるいは闇に葬ってもよかった。それはしなかったのは、王家とレコンフィールド公爵家の勝手だ。
なぜ、俺がステファニーと結婚して、歪みを正さなければならない?
最後の、レコンフィールド公爵の、あの表情。……忠実な下僕のはずの、ゴーレムの奴隷に反抗された魔法使いのよう。本当に、奴らは俺をバカにしている。
俺はレコンフィールド公爵との会見を思いだし、顔を歪める。だが今は、エルシーに俺の立場と気持ちをきちんと告げておかなければならない。
「でも戦争の前に、婚約は白紙に戻ったんだ。俺にとってはステファニーとのことは終わった話だった」
……なのに、ステファニーは俺の帰りを待っていた。兄上に王子が生まれないことで、俺の即位の可能性はどんどん上がっていく。単なるスペアのはずの俺の政治的価値を、公爵は手放し難くなったのだろう。
「帰国後にも俺はステファニーとの結婚はきっぱり断っている。昼食会も、話し合ったところでステファニーと結婚するつもりはないからと、断って帰ったんだ」
俺はベルを鳴らしてジュリアンに夜食を申しつけ、煙草に火を点ける。イライラした動作をジュリアンにたしなめられるが、エルシーは苦笑して許してくれた。――冷たい雰囲気がするけれど、エルシーは優しい。昔から。
「……王都の噂でも、殿下とステファニー嬢は相思相愛だと聞きました。戦前はよく、ご一緒に出掛けておられたとか。ステファニー嬢は殿下のことが好きで、殿下にも好かれていると思っておられたのですよね?」
エルシーの言葉に、俺は紫煙をくゆらせながら、顔を歪める。
「ステファニーは王妃の……母上の姪なんだ。母上が可愛がっていて、邪険にすると母上に告げ口されて厄介なことになるから、俺は仕方なく言うことを聞いていたが、すごく我儘だった。……傍から見たら、よく一緒に出掛けて仲良く見えたかもしれない」
面倒くさかったが、俺は王妃に告げ口されるのが嫌なので、たいていの我儘は聞いてやっていた。
「ステファニー嬢は我儘を聞いてくださる殿下が好きで、愛されていると思っていて、待たないで結婚しろと言う言葉も、愛ゆえの言葉だと思ったのではありませんか」
エルシーの指摘に、俺は目から鱗が落ちるような気がした。
ステファニーは、自分の告げ口するたびに、俺が王妃から折檻されていたなんて、知らない。俺が言うことを聞くのは、自分を愛しているからと勘違いし、婚約の白紙撤回さえ、俺からの愛だと思った――。
……バカバカしすぎるけれど、甘やかされて育ったお花畑の住人なら、そんなこともあるかもしれない。
俺はブランデーを一口飲んで、グラスを置く。
「都合よく解釈し過ぎだ。……でも、そうかもしれない」
ただのスペアのゴーレムで、王家の歪みそのものの、醜いバーティ。戦争がなければ、俺は逆らうこともせず、ステファニーといやいやながら結婚していただろう。でも――。
「俺はもう、周りの言いなりの人生なんて嫌だ。俺は、好きな女と結婚したい」
俺はまっすぐにエルシーを見つめた。暗闇に閉ざされていた俺の、ただ一人の光だったエルシーを。
だがエルシーは戸惑ったように睫毛を伏せてしまう。ここまではっきり言っているのに、どうして通じないのだろう? たとえ昔の俺を憶えていなくても、今の俺の気持ちは伝えていると思うのに。
エルシーは俯いていた視線を上げ、尋ねた。その瞳にはかすかに非難の色がある。
「あの……昨日、昼食会を断って、わたしと出かけたことは、国王陛下や公爵閣下、それからステファニー嬢は把握しているのですか?」
俺は新しい煙草に火を点け、煙を吐き出す。……たしかに、話し合いを「体調不良」でぶっちして、女とドライブにしけこんで、さらに王都で食事して女のアパートメントに泊まったわけで……褒められたものではないが。
「俺は、お前が心配だったんだよ。俺にとってはお前の方が大事だから、お前を優先しただけのことだ」
「国王陛下は、どこまでご存知なのです?……その、わたしのことを」
俺は瞬く間に吸い尽くした煙草を灰皿に擦り付け、新たに一本を取って口に咥え、火を点ける。……イライラするとどうしても煙草が増えてしまう。エルシーが露骨に嫌そうな顔をしているから、控えなければと思うのだけど。
「……父上には、お前の存在は仄めかしてある。俺が郊外に車で出掛けて、しかも女連れなのは、もう報告が上がっているだろう」
その女がただの秘書官ではなく、マックス・アシュバートンの娘だと言うのも、父上は知っている。そもそも、エルシーが王都で働いているのは、父上がエルシーの代襲相続を認めなかったせいだ。俺がエルシーと結婚したがっていることも、そして三年前にはマックスに対して結婚を認めたのに、全部全部承知の上で反故した。
――三年前、おそらくシャルローで俺を襲った「王妃の呪い」が関わっているのだろうが。
ちょうどジュリアンが夜食を運んできて、その話はそこでいったん、終わりになった。俺はリゾットを貪るように食べて、エルシーはジュリアンが淹れたハーブティーを飲んでいる。
おそらくエルシーは、俺との間の身分差について考えているのだろう。
第三王子でこのままいけば国王に即位させられる俺と、爵位を失った自分との。
でもそんなものは、実はすべてまやかしだ。俺は本来ならば継承権を持たない庶子で、エルシーは本当ならばリンドホルム伯爵を継承できるはずだった。
王妃の呪い、王家の歪み、国家の都合……こんなものがいろいろと絡まり合って、俺とエルシーの人生を踏みつぶそうとしている。
とりわけ、エルシーやアシュバートン家への仕打ちは許しがたい。
レコンフィールド公爵は、王妃やあの家が受けた屈辱への賠償だと言ったが、本来、最も侮辱され、蔑ろにされているのはアシュバートン家だ。ローズが国王の子を産んだ理由は俺は知らないが、ローズやマックスの人柄から考えて、自分たちから近づいたわけでないのは明らかだ。まして、巻き込まれたおばあ様は――。
そのすべての結節点に俺がいる。
おばあ様は、それでも俺のことを愛してくれていた。素っ気ない態度も、厳しい躾けも、すべて愛ゆえだと俺にはわかる。
だからこそ、俺は絶対に、リンドホルムを取り戻し、エルシーに返したい。
そうして、できうるならば、俺もその地で――。
俺は、胸の隠しポケットに入れた、マックスの詔勅を服の上からそっと抑えた。
俺はエルシーの居間のソファに座り、遠慮するエルシーを手招きし、隣に座らせる。
「……ステファニーが手間をかけたそうだな。済まなかった」
俺の詫びに、エルシーは細い肩を竦めるようにして、薄く微笑む。
「お茶を淹れただけですから、別に何も。……大事なご用件だったのですか?」
「そのことで今、公爵に苦情を言っていたところだ」
俺はため息をつき、エルシーに説明する。
「実は昨日は、父上はあの父娘と昼食を設定していたのを、断って帰ってきたんだそしたら――」
エルシーがブルーグレイの瞳を見開く。
「……俺とステファニーの結婚は、王家とレコンフィールド公爵家の間の取り決めで……」
王妃とレコンフィールド公爵の受けた屈辱の賠償だと、公爵は言っていた。どこの馬の骨とも知れないローズの子である俺を、王妃の実子だと偽る代わりに、王妃の姪を妻に迎え、子を産ませる。そうすることで、王家に入った異分子の血が浄化され、歪みが正される。
だがそもそも、俺が王妃の実子だとされたのは、ジョージが病に倒れ、継承権を持つスペアの王子が必要だったからだ。王妃がそれを生むつもりなら、必要はなかった。庶子として認知するか、あるいは闇に葬ってもよかった。それはしなかったのは、王家とレコンフィールド公爵家の勝手だ。
なぜ、俺がステファニーと結婚して、歪みを正さなければならない?
最後の、レコンフィールド公爵の、あの表情。……忠実な下僕のはずの、ゴーレムの奴隷に反抗された魔法使いのよう。本当に、奴らは俺をバカにしている。
俺はレコンフィールド公爵との会見を思いだし、顔を歪める。だが今は、エルシーに俺の立場と気持ちをきちんと告げておかなければならない。
「でも戦争の前に、婚約は白紙に戻ったんだ。俺にとってはステファニーとのことは終わった話だった」
……なのに、ステファニーは俺の帰りを待っていた。兄上に王子が生まれないことで、俺の即位の可能性はどんどん上がっていく。単なるスペアのはずの俺の政治的価値を、公爵は手放し難くなったのだろう。
「帰国後にも俺はステファニーとの結婚はきっぱり断っている。昼食会も、話し合ったところでステファニーと結婚するつもりはないからと、断って帰ったんだ」
俺はベルを鳴らしてジュリアンに夜食を申しつけ、煙草に火を点ける。イライラした動作をジュリアンにたしなめられるが、エルシーは苦笑して許してくれた。――冷たい雰囲気がするけれど、エルシーは優しい。昔から。
「……王都の噂でも、殿下とステファニー嬢は相思相愛だと聞きました。戦前はよく、ご一緒に出掛けておられたとか。ステファニー嬢は殿下のことが好きで、殿下にも好かれていると思っておられたのですよね?」
エルシーの言葉に、俺は紫煙をくゆらせながら、顔を歪める。
「ステファニーは王妃の……母上の姪なんだ。母上が可愛がっていて、邪険にすると母上に告げ口されて厄介なことになるから、俺は仕方なく言うことを聞いていたが、すごく我儘だった。……傍から見たら、よく一緒に出掛けて仲良く見えたかもしれない」
面倒くさかったが、俺は王妃に告げ口されるのが嫌なので、たいていの我儘は聞いてやっていた。
「ステファニー嬢は我儘を聞いてくださる殿下が好きで、愛されていると思っていて、待たないで結婚しろと言う言葉も、愛ゆえの言葉だと思ったのではありませんか」
エルシーの指摘に、俺は目から鱗が落ちるような気がした。
ステファニーは、自分の告げ口するたびに、俺が王妃から折檻されていたなんて、知らない。俺が言うことを聞くのは、自分を愛しているからと勘違いし、婚約の白紙撤回さえ、俺からの愛だと思った――。
……バカバカしすぎるけれど、甘やかされて育ったお花畑の住人なら、そんなこともあるかもしれない。
俺はブランデーを一口飲んで、グラスを置く。
「都合よく解釈し過ぎだ。……でも、そうかもしれない」
ただのスペアのゴーレムで、王家の歪みそのものの、醜いバーティ。戦争がなければ、俺は逆らうこともせず、ステファニーといやいやながら結婚していただろう。でも――。
「俺はもう、周りの言いなりの人生なんて嫌だ。俺は、好きな女と結婚したい」
俺はまっすぐにエルシーを見つめた。暗闇に閉ざされていた俺の、ただ一人の光だったエルシーを。
だがエルシーは戸惑ったように睫毛を伏せてしまう。ここまではっきり言っているのに、どうして通じないのだろう? たとえ昔の俺を憶えていなくても、今の俺の気持ちは伝えていると思うのに。
エルシーは俯いていた視線を上げ、尋ねた。その瞳にはかすかに非難の色がある。
「あの……昨日、昼食会を断って、わたしと出かけたことは、国王陛下や公爵閣下、それからステファニー嬢は把握しているのですか?」
俺は新しい煙草に火を点け、煙を吐き出す。……たしかに、話し合いを「体調不良」でぶっちして、女とドライブにしけこんで、さらに王都で食事して女のアパートメントに泊まったわけで……褒められたものではないが。
「俺は、お前が心配だったんだよ。俺にとってはお前の方が大事だから、お前を優先しただけのことだ」
「国王陛下は、どこまでご存知なのです?……その、わたしのことを」
俺は瞬く間に吸い尽くした煙草を灰皿に擦り付け、新たに一本を取って口に咥え、火を点ける。……イライラするとどうしても煙草が増えてしまう。エルシーが露骨に嫌そうな顔をしているから、控えなければと思うのだけど。
「……父上には、お前の存在は仄めかしてある。俺が郊外に車で出掛けて、しかも女連れなのは、もう報告が上がっているだろう」
その女がただの秘書官ではなく、マックス・アシュバートンの娘だと言うのも、父上は知っている。そもそも、エルシーが王都で働いているのは、父上がエルシーの代襲相続を認めなかったせいだ。俺がエルシーと結婚したがっていることも、そして三年前にはマックスに対して結婚を認めたのに、全部全部承知の上で反故した。
――三年前、おそらくシャルローで俺を襲った「王妃の呪い」が関わっているのだろうが。
ちょうどジュリアンが夜食を運んできて、その話はそこでいったん、終わりになった。俺はリゾットを貪るように食べて、エルシーはジュリアンが淹れたハーブティーを飲んでいる。
おそらくエルシーは、俺との間の身分差について考えているのだろう。
第三王子でこのままいけば国王に即位させられる俺と、爵位を失った自分との。
でもそんなものは、実はすべてまやかしだ。俺は本来ならば継承権を持たない庶子で、エルシーは本当ならばリンドホルム伯爵を継承できるはずだった。
王妃の呪い、王家の歪み、国家の都合……こんなものがいろいろと絡まり合って、俺とエルシーの人生を踏みつぶそうとしている。
とりわけ、エルシーやアシュバートン家への仕打ちは許しがたい。
レコンフィールド公爵は、王妃やあの家が受けた屈辱への賠償だと言ったが、本来、最も侮辱され、蔑ろにされているのはアシュバートン家だ。ローズが国王の子を産んだ理由は俺は知らないが、ローズやマックスの人柄から考えて、自分たちから近づいたわけでないのは明らかだ。まして、巻き込まれたおばあ様は――。
そのすべての結節点に俺がいる。
おばあ様は、それでも俺のことを愛してくれていた。素っ気ない態度も、厳しい躾けも、すべて愛ゆえだと俺にはわかる。
だからこそ、俺は絶対に、リンドホルムを取り戻し、エルシーに返したい。
そうして、できうるならば、俺もその地で――。
俺は、胸の隠しポケットに入れた、マックスの詔勅を服の上からそっと抑えた。
30
あなたにおすすめの小説
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる